時系列順[312件](3ページ目)
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 261-264p
導入部分は「不知の子」の変形といえる。
全体としては女性が女神に捧げ物(この場合は身代わりの子供)をして結婚等の豊穣を得る、という物語が、キリスト教の影響を受けて「誠実さが大切である」という説話に変更された物語といえる。人身御供を求める女神が狐の化身である、という点は日本の荼枳尼天信仰を連想させる。女神は冥界の女神らしく、思うがままに人を殺したり再生させたりする力(眠らせる力)を持っている。女主人公が木に隠れたりする点は樹木信仰の名残がみられる。
類話は「蛇の女王」、「病気の百姓女」である。物語の骨格は、女神的存在が名づけ子の人生に関わる、というもので「ランスロットと湖の貴婦人ヴィヴィアン」、「妖精オリアンドと騎士モージ(モーギス)」と同様である。
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by admin. ⌚ 2020年07月07日(火) 12:43:57 民話 <472文字> 編集
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 265-271p
「怪物退治」のための旅が、供養のための「巡礼」に変更されており、キリスト教の影響といえる。
供をしてくれるのは若者ではなく老人だが、社会的地位は主人公よりも下といえるので「ボロルドーイ型」といえるが、主人公を蘇生させる蘇民将来的な能力があることから、当然イエスを連想させる。
子供を生贄に求めながら、結果としてそれを止める、という展開は「イサクの燔祭」を布教のために分かりやすく「ご当地的」に書き換えたものではなかろうか、と思う。その結果、キリスト教の思想と、人身御供を求める異教の神々との話が混在した不可思議な話となっている。それと共に、「神に対して自己犠牲と従順を求める」というキリスト教の思想が明確に現されているように思う。
林檎といえばキリスト教的には「原罪」の象徴のように思われるのだが、本物語では異教的に「若さの象徴」として使われているように思う。
アインジーデルン:「スイスのチューリヒ郊外にある有名な巡礼地。10世紀に創設されたベネディクト派の修道院と教会がある。」とのこと。
#民話 #レートロマン #林檎 #巡礼 #カトリック #死んだ父親 #オーディン #老人 #ボロルドーイ #蘇民将来 #聖母マリア #血 #人身御供 #忠臣ヨハネス #イサクの燔祭 #アミクスとアメリウス
by admin. ⌚ 2020年07月07日(火) 13:12:20 民話,固有地名 <602文字> 編集
タフムーラスは、ペルシアの叙事詩『シャー・ナーメ』に登場する、古代イランの第3代目の王である。フーシャング王の子で、ジャムシード王(『アヴェスター』における聖王イマ)の父とされる。また悪魔の束縛者であり、アフリーマンに騎乗して、世界中を駆け巡ったという伝説の持主である。
神々(特に悪神)を支配する際に「恐れ」が禁忌とされた。(Wikipedia より)
「神馬を恐れてはならない」という禁忌が存在する点は「悪魔の難題」、「地主が馬になった話」にその片鱗が見える。
悪魔を酷使する際に「恐れ」が禁忌とされる点は「鉄のハンス」が類話である。
黒い馬 「王者を飲む怪馬」タフムーラス(タームーラス)王(Tahmurasu)を飲み込む。 42p
「妖精の誕生」
デーヴ・ベント(デーヴを縛る者)と呼ばれた。
ペリに味方すべきか、デーヴに味方すべきかをシームルグ(セームルグ)に相談する。 31-32p
シームルグの羽毛を冑に飾る。
#神話 #イラン #ペルシア #ゾロアスター教 #タフムーラス #王 #悪神 #酷使 #鳥 #神鳥 #馬 #禁忌 #恐れ #シームルグ
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 272-275p
逃走の際には主人公は山羊に助けて貰っている。オデュッセイアのキュクロープスの項を連想させる内容である。
助け手である「3人のおばあさん」は「3人の運命の女神」(ノルンといえるか?)を思わせる。
ろうそくの魔力に助けて貰う点は「魔法のランプ型」といえる。最後に舅と姑を殺してしまう点が「怪物退治譚」の名残といえよう。
#民話 #レートロマン #山羊 #呪的逃走 #運搬動物 #おばあさん #ホレのおばさん #ろうそく #魔法のランプ #怪物退治 #怪物尊重 #青い火の中の精霊
by admin. ⌚ 2020年07月10日(金) 00:14:48 民話 <290文字> 編集
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 48-50p
ヴィヴィアンとはランスロットの養母である。ランスロットはアーサー王に仕える。
子育てに実の親がかかわっていない点は「不知の子」的である。
女神的存在が赤ん坊をもらい受けて、それがその子の将来に関わる、というモチーフは「名づけ親」と同様である。「妖精オリアンドと騎士モージ(モーギス)」は類話といえる。
「湖のランスロット」 (Lancelot of the Laik)は14世紀の作品である。(原典資料)
#伝説 #イギリス #水 #湖 #女神 #名づけ親 #ロマンス
by admin. ⌚ 2020年07月10日(金) 00:19:47 伝説,英雄名,多エピソード保有人名 <292文字> 編集
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 51-52p
モージ(Maugris、またはMaugis)は「フランスの話材」を扱った武勲詩、ロマンスなどに登場する人物。騎士でありながら、魔法にも精通しており、シャルルマーニュに仕えている。(Wikipedia )
オリアンドとはモーギスの養母かつ名づけ親かつ愛人である。親元から盗み出されたモーギスを拾い上げて養育した。
成長したモーギスは名剣・フロベルジュを手に入れる。
魔法の馬・バヤール(バイヤール)はモーギスが最初に手に入れた、という文献もあるが、その場合は後にモーギスの従兄弟のルノー・ド・モントーバンに譲られた、とされる。
モージが最も早く登場するのは、12世紀後半に成立した古フランス語の武勲詩、「エイモン公の4人の息子」(fr:Quatre Fils Aymon)である。(モージ)
名づけ親と子供の関係は「名づけ親」「ランスロットと湖の貴婦人ヴィヴィアン」に通じる。モージは「さらわれた子供」ではあるが、オリアンドが直接さらったわけではなく、ワンクッション置かれている。
英雄に名馬と名剣が組み合わさっている伝承は西欧的といえよう。
子育てに実の親がかかわっていない点は「不知の子」的である。
#伝説 #フランス #馬 #神獣 #剣 #神物 #女神 #英雄 #名づけ親 #ロマンス
by admin. ⌚ 2020年07月10日(金) 23:06:03 伝説,英雄名,固有神獣,固有アイテム,多エピソード保有人名 <609文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 67-74p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 82-89p
「動物番」系の物語の非常に個性的な類話であると思う。
太郎を小綺麗にしたら「いい男」になった、というのは「クワッ、クワッ、くっつけ!」のかさぶた男と同様、本来の姿を「見るな」という暗喩だと思う。
そして、信濃国の特徴なのかもしれませんが、「都から来た妻」というものに、「異類嫁」に近いような特別な扱いがされているように思います。
#昔話 #長野県 #中信 #労働 #異類嫁 #都から来た妻 #怠け者 #見るな #禁忌 #ポセイドーンとアムピトリーテー #歌 #ものぐさ太郎 #略奪婚的 #常世信仰
by admin. ⌚ 2020年07月11日(土) 00:00:47 昔話 <333文字> 編集
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 52-55p
サー・ローンファル(Sir Launfal)はアーサー王に仕える騎士で、フェアリーのトリヤムーア(Tryamour)と恋人同士になる。
その結果、魔法の財布等の豊穣のアイテムを手に入れる。
ギニア(グィネヴィア)王妃に言い寄られ、「言うな」の禁忌を破ってしまうが、恋人に対する貞節を守り、最後には恋人に助けられて、恋人と共にフェアリーの国に去る。
Thomas Chestreによるその中英語版『Sir Launfal(ローンファル卿)』)で描かれるグィネヴィアは、執念深くふしだらな女であるだけでなく、けちで、アーサーや育ちの良い騎士たちから嫌われている。14世紀の作品。(グィネヴィア)
宮廷を去ったサー・ローンファルが隠遁するところは「獣の王」を思わせる。怪物が退治されるわけではないが、ギニア王妃が「悪役」として設定されており、ティアマト的な役割を割り振られている。最後に恋人に助けられるところは「テーセウスとアリアドネー」型といえるが、フェアリーの国(冥界)に去ってしまう点は、「天国への昇天」を連想させる。トリヤムーアはワルキューレ的な存在ともいえる。
「昇天」を良しとする結末は、どちらかといえばキリスト教の影響なのではないだろうか。(個人的には「山のおやじ」的発想だと思う。)
様々な民間伝承を綺麗に中世の騎士ロマンスに纏めた物語といえると思います。
#伝説 #イギリス #禁忌 #言うな #魔法のアイテム #獣の王 #ティアマト #テーセウスとアリアドネー #ロマンス
by admin. ⌚ 2020年07月11日(土) 00:23:30 伝説,英雄名,多エピソード保有人名 <696文字> 編集
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 55-59p
ユオンは妖精王オベロンと出会い、援助を得る。男神の援助を得るのであるから、「オーディン」型といえる。
オベロンはシーザーと「島の貴婦人」との混血である、と名乗り、オベロン自身が半神半人の英雄のような存在である。オベロンにはまた、出生時にメドゥーサ型の呪いがかけられていた。
ユオンはシャルルマーニュに仕えていた。
カイトリーによるとオーベロン(オベロン、Oberon)はオトニト(Otnit、あるいはオルトニト(Ortnit))のエルベリヒ(Elberich)、ニーベルンゲンのアルブリヒ(Albrih)と同じものである、とのことである。(妖精の誕生 160p他)
El-とかAl-は地中海東側では「神」を表す接頭辞であるので、エルベリヒの元の名前はベリヒ(Berich)やブリヒ(Brih)といえるのではないか、と個人的には思う。ウガリット神話のバアル(Baal)は嵐と慈雨の神とされていますし、個人的にはこのあたりが起源の神的存在なのではないのか、と感じます。旧約聖書に出てきますから、キリスト教圏で、聖書が読めた人だったら、誰でもバアルのことは知っていたと思いますが。
『Les Prouesses et faitz du noble Huon de Bordeaux』は13世紀前半の武勲詩である。(オーベロン)
オベロンが嵐を起こしたりできる性質は天候神(風の神か?)の崩れた姿を思わせる。
物語の最後にユオンがパラダイス(天国)へ誘われる点はやはり、キリスト教の影響と「山のおやじ」的発想を感じる。キリスト教と中世の騎士道のプロパガンダの物語といえるのではないだろうか。
参照:エルベリヒ(Elberich)とオトニト(Otnit、あるいはオルトニト(Ortnit))
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「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 64-68p
オジエ・ル・ダノワ(Ogier le Danois、デンマーク人オジエ)はシャルルマーニュに仕えていた。シャルルマーニュ伝説の十二勇士の一人である。
オジエは勇敢な騎士で、アヴァロンの女主人モルガン・ル・フェイ(Morgue la faye、モルグ・ラ・フェイ)の恋人だった。モルガン・ル・フェイは嵐を起こすことのできる女神的存在である。楽園に近い場所に美女がいて、恋人となってくれる、という設定は、やはり「山のおやじ」的だと思う。
パピヨン (Papillon) という馬をモルグから送られる。
楽園でオジエが蛇を倒すところは「怪物退治」的な流れでもあるし、楽園に巣くった原罪の蛇をオジエが倒した、という暗喩でもあると思う。
オジエがアーサー王の代わりに戦うところはジークフリート的である。オジエが異教徒の王の妻を娶ろうとするところは「瓜子姫」的だが、モルグに連れ去られてしまうため、キュベレーとアッティスのような展開になっている。
オジエは女神を愛人に持ち、怪物退治を行い、ジークフリート的でもあり、最後に女神に連れ去られてしまう、と西欧の理想の英雄伝説の総まとめの見本のような存在だと思う。キリスト教の影響が色濃いと感じる。オジエの楽園生活の描写は、「キリストの戦士になったらこうなりますよ」という、まさに「山のおやじ」的プロパガンダが目的で作られたものではないだろうか。
伝ランベール・ド・パリ作『オジエの騎士道』(Chevalerie Ogier de Danemarche; 原型は12世紀だが、伝わる作品は13世紀初頭)(オジェ・ル・ダノワ)
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「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 68-70p
ギリシア神話の「オルペウスとエウリュディケー」を下敷きとした物語。14世紀頃成立。
女主人公のへウロディス(Heurodis)はペルセポネーのようにフェアリーの王(冥界の王)にさらわれたのであるが、はっきりとした描写はなく、失踪したように描かれている。フェアリーの王は「樹木の化身」のようにも描かれ、植物神であることが示唆される。暗にパン(小麦)や葡萄の象徴とされるイエスを暗喩しているのであろうか。
主人公のオルフェオはオルフェウスのように森の中で暮らし、まさに「獣の王」といった感じになる。
フェアリーの国に妻を探しに行ったオルフェオは詩の才能により妻を返して貰うことができる。「オルペウスとエウリュディケー」のハッピーエンド版といえる。フェアリーの王がイエスを暗示しているのであれば、イエスが人(へウロディス)を蘇生させることができる神である、との暗喩でもあろう。
「インプの木」とは、接ぎ木をした木のことであるそうである。
#伝説 #イギリス #インプの木 #樹木 #樹木信仰 #植物神 #白馬 #いなくなった妻を探す夫 #ハープ #獣の王 #ギリシア神話 #ロマンス #カトリック
by admin. ⌚ 2020年07月12日(日) 00:09:51 伝説 <554文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 80-85p
田(稲作)と神霊との関わりの話である。
子供が天狗に変化する部分は、農耕祭祀に関する生贄を彷彿とさせる。
人身御供の役割は、神霊と一体化して田の収穫の豊穣をもたらすことである。おそらく、水稲耕作にとって重要な水の管理(治水)も行っていたことと思われる。
天狗が、雷神のようであり、鳥のようであり、稲作に関する点は、日本的な「田の神」信仰に通じると共に、中国の神話で「雷神」=「鶏」である点も彷彿とさせる。
日本における天狗とは、中国風な雷神や風神の変化したものなのか、興味深い。
#昔話 #長野県 #中信 #天狗 #田の神 #雷神 #鳥 #人身御供 #見るな #禁忌
by admin. ⌚ 2020年07月26日(日) 00:22:30 昔話 <325文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 86-90p
蛇婿としては、「三輪山伝説」の類話。
蛇はいわゆる「河伯」の象徴でもあるので、河伯に「妻」と称して若い娘を生贄に捧げる、でないと祟りを受ける、という思想をそのまま示した物語である。
后羿の神話では祟る河伯の目を射て祟りを鎮めることになるが、本物語では「怪物退治」は失敗して、逆に人身御供を捧げる結果となってしまう。むしろ、河伯を倒そうとした黒姫の父親の方が「悪い」となるような展開である。
・・・これだから、古い時代の「天帝」は人身御供擁護派だったのではないのか、羿は人々を助けようとしたからこそ罰を受けたのではないか、と筆者が言いたくなる所以である。
長野県の北信地区には、民話が語られるような時代になるまで、「人身御供を擁護する思想」がはびこっていた証拠といえるのではないか、と思うくらいである。だからこそ、猿神を退治する早太郎を探しに、わざわざ南信まで行かなければならないのである。北信ではそのような英雄こそが悪者である、という思想を示した物語ともいえる。
また、蛇神に対する人身御供に対して、馬がなにがしかの形で関わることが示唆される物語でもある。
志賀高原には、この物語の大蛇が住むという大沼池がある。
羿神話に否定的という点で、類話は「くもが淵 」である。
#昔話 #長野県 #北信 #蛇聟 #異類婿 #人身御供 #怪物退治 #馬 #祟り
by admin. ⌚ 2020年07月26日(日) 23:40:33 昔話,伝説 <619文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 20-29p
女主人公、助け手、怪物といった物語の骨格となる登場人物の全てが女性である点が珍しく感じる。織物に関する若い女神と老いた女神との対立は、西欧では「夏と冬の対立」のように語られる傾向が強いが、本物語では季節の循環的な要素は乏しい。紡錘むすめはゲルマン神話で言うところのエオステレに相当し、本来のトーテムは兎であった可能性が高いと考える。「紡錘むすめ」という名前からして織物に関する女神が崩れた神を思わせるが、本物語での性質としては九天玄女のような軍神としての性質が強いように感じる。異界と行き来できる点は、メソポタミア神話のイナンナを思わせる。
櫛が呪的逃走の「魔法のアイテム」となる点は「英雄ディックベール」、「スルタンのぶち犬」と共通している。
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by admin. ⌚ 2021年12月28日(火) 00:30:53 民話 <506文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 30-34p
舌切り雀的。前半は「鶴の恩返し」のように報恩譚である。後半は復讐譚になる。
コウノトリはヨーロッパでは河川女神の使者のように暗喩的に考えられている、と個人的には思う。(蜂も同様の意味を持つのであろう。)
女神が特定の人物に恩寵を与える点は、この物語の起源が炎黄闘争の神話にあり、コウノトリは九天玄女に相当するからであると思う。
コウノトリが瓜科の植物の種をもたらす点は瓜信仰(伏羲信仰)との関連性を窺わせる。
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by admin. ⌚ 2021年12月28日(火) 18:02:55 民話 <318文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 44-49p
一寸法師的、末子成功譚の変形。
主人公、乞食のおじいさん(助け手)、盗賊(怪物)という構成が残り、「怪物退治譚」が崩れた物語であることが分かる。
主人公が家に戻る際に、輪廻転生的(豆→牛→豆)に変化することが特徴である。主人公が明らかに植物の化身である点、食べられる点からハイヌウェレ的と考える。
泥棒達は主人公を泥棒の手先に利用しようとしており、外界と特定の家の中とを結ぶ「境界神」としようとして、財宝を得ようとしている。
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by admin. ⌚ 2021年12月31日(金) 07:48:06 民話 <334文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 57-63p
アラビアンナイト的。一種の知恵を使った「怪物退治」譚ともいえる。
主人公が鳥に乗って脱出するくだりの類話は「ラ・ラメー」である。怪物を退治した結果、財宝を得るのは桃太郎的か。
元は人身御供を立てて、生贄を異界への使いとして、異界の財宝を得よう、という概念があったと思われる。いわば、生贄に捧げた者をヘルメースのような「境界神」「伝令神」にしよう、という思想である。その否定思想を「復讐」という手法で表現した報復譚といえる。
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by admin. ⌚ 2022年01月01日(土) 18:27:00 民話 <332文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 60-79p
射日神話的。
助け手におじいさんとおばあさんがいる点、倒す怪物も悪龍とその妻となって、ある種ジェンダーレスなところが珍しい物語である。
悪龍の妻をも倒してしまうので、結婚はない。結婚する前から妻と破綻しているパターンである。
岩戸のモチーフが不完全であるが登場する。
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by admin. ⌚ 2022年01月02日(日) 18:05:47 民話 <299文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 112-137p
前半は「テーセウスとアリアドネー」型の物語。
後半は「うりひめ」、「たまご姫」や「とくさむすめ」、「のろいをかけられた花嫁」、「白檀の木」に通じる話である。
神馬に関して「恐れないこと」が禁忌とされるのはタフムーラス型である。
超常的な者にキスされると、ある意味正気ではなくなる、という点での類話:底革のハンス
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by admin. ⌚ 2022年01月11日(火) 23:25:22 民話 <367文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 154-158p
下男達の助け手となる男神がペルーンであることが明らかになっている物語。
前半は地主=怪物的な物語で、ペルーン(物語中ではペコルーン)が問題解決をしてしまう。物語の主人公はペルーンといえる。
後半は馬に変えられた地主がキャベツを食べて再生する話で、キャベツを捧げられる馬の神のような扱いになっている。地主は家畜の神であるヴォーロスの化身といえようか。地主(ヴォーロス)は再生されると新たに結婚生活をやり直すわけで、結婚の復活も神らしい結末と言える。
「馬を恐れない」という禁忌は明確な言葉では現れないが、下男達の容赦ない態度から暗喩される。タフムーラス型といえる。
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「ソヴィエト諸民族民話集」 165-177p
アルダール・コセーはカザフ民話で愛される主人公、とのこと。
「難題聟」の変形。逃げ出す手段は遊牧民らしく馬である。突如として消えてしまうところが「魔法的」といえる。
#民話 #カザフスタン #呪的逃走 #馬 #運搬動物 #難題聟 #叡智 #ポセイドーンとアムピトリーテー #吝嗇
by admin. ⌚ 2022年01月16日(日) 00:04:02 民話,多エピソード保有人名 <189文字> 編集
「シルクロードの民話 パミール高原」 14-26p
「難題嫁」「呪的逃走」「イナンナとエレシュキガル」の変形版。
人身御供を伺わせるのではなく、男が復讐のために結婚する、というモチーフは「アラビアンナイト」に通じる。
女性の流譚という意味では、鉢里公主的である。「兄たちを探す乙女」の変形版と思う。
女性が男性の苦難を助ける、という点ではテーセウスとアリアドネー的でもある。
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by admin. ⌚ 2022年02月03日(木) 07:35:19 民話 <301文字> 編集
「シルクロードの民話 パミール高原」 26-29p
「イナンナとエレシュキガル」の変形版。
女性と麦が同一視されている。元は植物と豊穣の女神に関する神話が、イスラム的な文化の影響を受け
女神が流転したり、直接豊穣をもたらしたりするエピソードが変形して、家庭内(家庭円満)のささやかな
悪意のない呪術の物語へと変化したものと思われる。
結婚に関わる物語である点は、瓜子姫的な要素の片鱗を思わせる。
男性を軸として、妻が入れ替わる物語は、シヴァとサティーとパールヴァティーの関係を思わせる。
西欧の類和としては「青ひげ」がある。
#民話 #ウズベキスタン #難題嫁 #イナンナとエレシュキガル #小麦 #植物 #分身 #シヴァとサティー
by admin. ⌚ 2022年02月03日(木) 07:48:32 民話 <326文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 220-231p
瓜子姫と天邪鬼的な物語。結婚に関する物語ではなく、「兄たちを探す物語」となっている。
「兄達」は柳の化身であるので、元はタンムーズやアッティスといった植物の化身の神話の男神と同じものといえる。
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by admin. ⌚ 2022年02月04日(金) 12:51:16 民話 <205文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 64-66p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 116-119p、タイトルは「よくふか長者とほらあなの主」に変更された。
「主」とは河童か、それとも大蛇の類いか?
ともかく、「病気は祟りである」とか、「神に対する恩を忘れると祟られる」とか、そういう主題の話である。「誉津別命」が類話といえる。
子供は人間ではないので「取り替え子」的な要素もある。
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