2022年7月の投稿[18件]
寝覚めの床の主
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 125p コラム
上松町の寝覚めの床に関する民話が簡単に紹介されている。
怪物退治譚なのだが、大筋は静岡県磐田市見附天神にある「猿神退治」と同じである。犬が猿神を退治するのではなくて、修行僧が猪を使ってオオサンショウウオの怪物を退治する、という話になっている。
磐田市では「白羽の矢」は豊受大神の化身と暗喩する神社もある。
それにしても、猪(豚)とはオーストロネシア語族にとっては、イモを発生させたり、怪物を退治したり、神話的に重要なアイテムなのだなあ、と思う。
木曽の話では狩人が行者に代わっているし、ヤマタノオロチの神話とも比べれば
狩人=行者=須佐之男=シヴァ(アメタ)=黄帝
猿神=オオサンショウウオ=ヤマタノオロチ=シヴァ(縄文系の神であるところの「獣の王」、こっちもアメタ)=須佐之男=饕餮
というスパイラルな構図が浮かんでくる。そもそも「猿神=狩人」で、この2つは「同じ物」であり、太陽女神に生贄を捧げる立場だったものが、女神から分かれた豊受大神をガツガツ食べるようになったのが日本の神話と言える。しかも、修験道って言ったら、なんでも須佐之男と習合させてしまうのが大好きな宗教のようであるし。仏教というよりは「修験道教」と言った方が良さそうな感じがする。というか、黄帝と饕餮を習合させちゃ駄目じゃん、という根源的な問題がある。
ということで、
見附では「加茂」という地名も近くにある上に、裸祭りなんかもやっていてハイヌウェレな感じである。天竜川の上流には諏訪大社の下社がある。
木曽川の河口では天津日子根というアジスキタカヒコネ?な須佐之男の息子神の神社で、夜中に騒ぐ祭りを行う。けっこう近くには津島とかあるし。善光寺の別院とか下社関連? と思われる宗教施設がある。
木曽って言ったら、御岳が有名だし、その辺りの神職は下社関連だったような? 全部じゃないかもしれないけどさあ、みたいな。
当の下社は「お船祭り」というかつては裸祭りをやっていた(今は服は着ているらしい)。これがまたハイヌウェレというよりは、「直に焼き畑農業じゃね? フレイザーのドンゴ族?」と言いたくなるような焼殺祭祀である。
どうも、中部地方で、サトイモとか植わっているところは、縄文系のハイヌウェレ的思考が強いところに、なんか加茂とか下社とか下社とか下社とかが、台密と組んで取り憑いてない? と、長野から見たら「地の果て」みたいに見える名古屋で呆然としてそう思った管理人である。(三重なんて関西じゃん? そもそも長野から日帰りで行く所じゃないし、と思う管理人でした-;。)
民話の詳しい内容:寝覚めの床の主
#昔話 #長野県 #中信 #サンショウウオ #行者 #怪物退治 #白羽の矢 #猪 #修験道
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 125p コラム
上松町の寝覚めの床に関する民話が簡単に紹介されている。
怪物退治譚なのだが、大筋は静岡県磐田市見附天神にある「猿神退治」と同じである。犬が猿神を退治するのではなくて、修行僧が猪を使ってオオサンショウウオの怪物を退治する、という話になっている。
磐田市では「白羽の矢」は豊受大神の化身と暗喩する神社もある。
それにしても、猪(豚)とはオーストロネシア語族にとっては、イモを発生させたり、怪物を退治したり、神話的に重要なアイテムなのだなあ、と思う。
木曽の話では狩人が行者に代わっているし、ヤマタノオロチの神話とも比べれば
狩人=行者=須佐之男=シヴァ(アメタ)=黄帝
猿神=オオサンショウウオ=ヤマタノオロチ=シヴァ(縄文系の神であるところの「獣の王」、こっちもアメタ)=須佐之男=饕餮
というスパイラルな構図が浮かんでくる。そもそも「猿神=狩人」で、この2つは「同じ物」であり、太陽女神に生贄を捧げる立場だったものが、女神から分かれた豊受大神をガツガツ食べるようになったのが日本の神話と言える。しかも、修験道って言ったら、なんでも須佐之男と習合させてしまうのが大好きな宗教のようであるし。仏教というよりは「修験道教」と言った方が良さそうな感じがする。というか、黄帝と饕餮を習合させちゃ駄目じゃん、という根源的な問題がある。
ということで、
見附では「加茂」という地名も近くにある上に、裸祭りなんかもやっていてハイヌウェレな感じである。天竜川の上流には諏訪大社の下社がある。
木曽川の河口では天津日子根というアジスキタカヒコネ?な須佐之男の息子神の神社で、夜中に騒ぐ祭りを行う。けっこう近くには津島とかあるし。善光寺の別院とか下社関連? と思われる宗教施設がある。
木曽って言ったら、御岳が有名だし、その辺りの神職は下社関連だったような? 全部じゃないかもしれないけどさあ、みたいな。
当の下社は「お船祭り」というかつては裸祭りをやっていた(今は服は着ているらしい)。これがまたハイヌウェレというよりは、「直に焼き畑農業じゃね? フレイザーのドンゴ族?」と言いたくなるような焼殺祭祀である。
どうも、中部地方で、サトイモとか植わっているところは、縄文系のハイヌウェレ的思考が強いところに、なんか加茂とか下社とか下社とか下社とかが、台密と組んで取り憑いてない? と、長野から見たら「地の果て」みたいに見える名古屋で呆然としてそう思った管理人である。(三重なんて関西じゃん? そもそも長野から日帰りで行く所じゃないし、と思う管理人でした-;。)
民話の詳しい内容:寝覚めの床の主
#昔話 #長野県 #中信 #サンショウウオ #行者 #怪物退治 #白羽の矢 #猪 #修験道
by admin. ⌚ 2022年07月26日(火) 00:40:57 <1207文字> 編集
エーベルトフト近くの女エルフ
「フェアリーのおくりもの トマス・カイトリー」 18-19p
エルフに誘惑されて正気を失う話。
後半はエルフに誘惑された若者を再び人間界に戻す話であるが、肉を食べさせると良いらしい。元はさらわれた若者を取り戻すために肉(牛や豚といった獣)を生贄として捧げた話が崩れたものか。死んだ若者(神)に対して生贄を捧げたら、イモではなくて当人が戻ってきたようである。
デンマークではエルフとの性的接触で、正気が失われると考えていたのだろうか。
正気を失う点については「底革のハンス」、「トロルと踊った少女」が類話である。特に「底革のハンス」とは、男性が女性のエルフに誘惑される、という点で類似性が高いと考える。
#民話 #デンマーク #妖精 #狂気 #誘惑
「フェアリーのおくりもの トマス・カイトリー」 18-19p
エルフに誘惑されて正気を失う話。
後半はエルフに誘惑された若者を再び人間界に戻す話であるが、肉を食べさせると良いらしい。元はさらわれた若者を取り戻すために肉(牛や豚といった獣)を生贄として捧げた話が崩れたものか。死んだ若者(神)に対して生贄を捧げたら、イモではなくて当人が戻ってきたようである。
デンマークではエルフとの性的接触で、正気が失われると考えていたのだろうか。
正気を失う点については「底革のハンス」、「トロルと踊った少女」が類話である。特に「底革のハンス」とは、男性が女性のエルフに誘惑される、という点で類似性が高いと考える。
#民話 #デンマーク #妖精 #狂気 #誘惑
by admin. ⌚ 2022年07月23日(土) 13:24:50 <359文字> 編集
尾科の文吾
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 106-109p
飯田市の伝説である。文吾という人物は実在だったらしい。
岩に「へそ」の跡がついたのは、本来は「睾丸」の跡だったそうです。南信にはかつての磐座信仰が男根信仰に移行した例があるのか? と思う。
怪力と食欲が関連する伝承もあるらしい。
参考:【神社・巨石・伝承】尾科諏訪神社の文吾岩(金玉岩)@長野県飯田市龍江 、日々平穏(最終閲覧日:22-07-16)
#昔話 #長野県 #南信 #怪力
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 106-109p
飯田市の伝説である。文吾という人物は実在だったらしい。
岩に「へそ」の跡がついたのは、本来は「睾丸」の跡だったそうです。南信にはかつての磐座信仰が男根信仰に移行した例があるのか? と思う。
怪力と食欲が関連する伝承もあるらしい。
参考:【神社・巨石・伝承】尾科諏訪神社の文吾岩(金玉岩)@長野県飯田市龍江 、日々平穏(最終閲覧日:22-07-16)
#昔話 #長野県 #南信 #怪力
by admin. ⌚ 2022年07月16日(土) 20:18:20 <257文字> 編集
びわ池
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 81p、コラム
木曽郡上松町にある「びわ池」の伝説である。
怪物退治譚の一種なのだが、シャーマン(びわ法師)が自己犠牲を払って人々を助けた、という物語。
昔の宗教関係者はかなり外国の宗教も研究していたようであるし、原始キリスト教神話を基にして、修験道関係者が作り上げた物語なのではないだろうか、と個人的には想像する。
シャーマンが活躍して大洪水から身を守る、という説話は伏羲の物語にも通じる、と思う。
#昔話 #長野県 #中信 #竜 #龍 #びわ法師 #洪水 #怪物退治
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 81p、コラム
木曽郡上松町にある「びわ池」の伝説である。
怪物退治譚の一種なのだが、シャーマン(びわ法師)が自己犠牲を払って人々を助けた、という物語。
昔の宗教関係者はかなり外国の宗教も研究していたようであるし、原始キリスト教神話を基にして、修験道関係者が作り上げた物語なのではないだろうか、と個人的には想像する。
シャーマンが活躍して大洪水から身を守る、という説話は伏羲の物語にも通じる、と思う。
#昔話 #長野県 #中信 #竜 #龍 #びわ法師 #洪水 #怪物退治
by admin. ⌚ 2022年07月07日(木) 12:00:06 昔話 <290文字> 編集
生妻の池
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 81p、コラム
松本市中山にある「生妻池」の伝説である。
毎晩やってくる娘の着物の裾に糸をつけて後をつけたら、娘の正体は池の竜蛇女神であった、というもの。同じような伝説が岐阜県高山市朝日地区の道の駅の看板に書いてあったので、中部地方の竜蛇女神伝説としてはポピュラーな形式のものなのか、と思う。
生妻池の近くの弘法山古墳には「泉小太郎」伝説もある。小太郎の母の犀竜が、かつては広範囲に信仰されていた竜蛇女神であった証拠だと考える。
#昔話 #長野県 #中信 #竜 #龍 #女神 #池 #糸
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 81p、コラム
松本市中山にある「生妻池」の伝説である。
毎晩やってくる娘の着物の裾に糸をつけて後をつけたら、娘の正体は池の竜蛇女神であった、というもの。同じような伝説が岐阜県高山市朝日地区の道の駅の看板に書いてあったので、中部地方の竜蛇女神伝説としてはポピュラーな形式のものなのか、と思う。
生妻池の近くの弘法山古墳には「泉小太郎」伝説もある。小太郎の母の犀竜が、かつては広範囲に信仰されていた竜蛇女神であった証拠だと考える。
#昔話 #長野県 #中信 #竜 #龍 #女神 #池 #糸
by admin. ⌚ 2022年07月05日(火) 12:45:23 伝説,固有地名 <299文字> 編集
竜王権現
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 81p、コラム
筑北村差切峡の竜神の話。竜神は『降り続く長雨で、修那羅にあった大きな池が崩れた際、主の大蛇も流されて、差切峡の「ドの渕(ぶち)」に住み着いた。(「差切峡の大蛇伝説と竜王権現様祭り 」)より』のだが、猟師が鳥を撃つのを邪魔したため、猟師が竜神を殺したところ、祟りが生じたため、仙人が供養というか調伏した、という話である。
龍と鳥が一体のものである、というごく古いオーストロネシア語族の「世界樹」の概念の片鱗が残されている物語。竜神を殺した猟師はさしづめ羿といえよう。羿が悪しき三足烏や河伯を倒したところで、世の中がそれで全てうまくいくとは限らなくて、人が何もしなくても様々な天災は起こり得る。それを「祟り」としてシャーマン(本物語では「仙人」)でなければ収集できない、としてしまえば、神職やシャーマンの地位にある者は、永遠に「唯一祟りを鎮める者」として人々の上に君臨できるのではなかろうか。シャーマンが「神を生贄に捧げなければ、戦争は止まらない(止めない)、小麦も手に入らない(入れさせない)」と言い出すようなことがもしあれば、祟っている諸悪の根源はシャーマン自身ともいえるのではなかろうか、とふと想像したりするわけです。
本物語は仙人の祈祷が重要な要素であるため、修験道の宣伝的な意味があると思う。また、本物語の竜神は鳥との一体的な立場が強く、水神女神とする要素が乏しいため、中国的な「世界樹」の概念の方が起源として近い物語と感じる。誰が持ち来たったものなのか、興味深く感じます。
参考サイト:差切峡の大蛇伝説と竜王権現様祭り
#昔話 #長野県 #北信 #竜 #龍 #仙人 #祟り #調伏 #鳥
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 81p、コラム
筑北村差切峡の竜神の話。竜神は『降り続く長雨で、修那羅にあった大きな池が崩れた際、主の大蛇も流されて、差切峡の「ドの渕(ぶち)」に住み着いた。(「差切峡の大蛇伝説と竜王権現様祭り 」)より』のだが、猟師が鳥を撃つのを邪魔したため、猟師が竜神を殺したところ、祟りが生じたため、仙人が供養というか調伏した、という話である。
龍と鳥が一体のものである、というごく古いオーストロネシア語族の「世界樹」の概念の片鱗が残されている物語。竜神を殺した猟師はさしづめ羿といえよう。羿が悪しき三足烏や河伯を倒したところで、世の中がそれで全てうまくいくとは限らなくて、人が何もしなくても様々な天災は起こり得る。それを「祟り」としてシャーマン(本物語では「仙人」)でなければ収集できない、としてしまえば、神職やシャーマンの地位にある者は、永遠に「唯一祟りを鎮める者」として人々の上に君臨できるのではなかろうか。シャーマンが「神を生贄に捧げなければ、戦争は止まらない(止めない)、小麦も手に入らない(入れさせない)」と言い出すようなことがもしあれば、祟っている諸悪の根源はシャーマン自身ともいえるのではなかろうか、とふと想像したりするわけです。
本物語は仙人の祈祷が重要な要素であるため、修験道の宣伝的な意味があると思う。また、本物語の竜神は鳥との一体的な立場が強く、水神女神とする要素が乏しいため、中国的な「世界樹」の概念の方が起源として近い物語と感じる。誰が持ち来たったものなのか、興味深く感じます。
参考サイト:差切峡の大蛇伝説と竜王権現様祭り
#昔話 #長野県 #北信 #竜 #龍 #仙人 #祟り #調伏 #鳥
by admin. ⌚ 2022年07月04日(月) 00:43:27 <761文字> 編集
「フェアリーのおくりもの トマス・カイトリー」 21-23p
トロルの水神としての性質の一端が垣間見える物語。
異界の者が手紙を人間に託す物語は各地に見られる。
#民話 #デンマーク #トロール #手紙 #水 #教会