文献等データベース I love books.

固有名詞は可能な限りWikipediaに準ず

タグ「おばあさん」を含む投稿10件]

王さまと息子
「シルクロードの民話 パミール高原」 235-258p

 導入部(起)は「見るな」の禁忌と「絵姿女房」。
 承は「略奪婚」と「力くらべ」であって、「略奪婚」はやや呪的逃走的である。
 転は「夢解き」、転落(父親と大臣の裏切り)、体の一部の喪失(目玉)、瑞鳥(オウムとムクドリ)による復活
 結は復讐

 という構成である。罪なく体の一部を失ったもの(「死」の暗喩)が瑞鳥によって復活し、妻達(女神達)の加護により復讐を果たす、という物語。
様々な民話のモチーフが含まれているが、罪のないイエスの死と、復活、そして復讐という俗にみられるような、キリスト教神話的な物語とは言えないだろうか。
そういう点では「モンテ・クリスト伯」的な物語だと思う。

#民話 #禁忌 #見るな #絵姿女房 #ホレのおばさん #おばあさん #略奪婚 #力くらべ #夢解き #犬 #水 #目玉 #体の一部喪失 #オウム #ムクドリ #瑞鳥 #病気平癒 #変身 #復讐 #カトリック #妻

by admin. 民話 <438文字> 編集

大王の三人の妻 ATU707+ATU313
「シルクロードの民話 パミール高原」 171-184p

 複数のモチーフが組み合わさった物語。
 前半と結末は、予言をする異界の乙女達との婚姻譚。最終的に一人とはうまくいくけれども、残りの二人とは破綻する物語。
 そこに「兄その他を探す乙女」の後半部分(結婚、出産、子供の失踪)が加わり、
 更に、姉弟の冒険譚、前半は弟の宝物入手譚、一部怪物退治+呪的逃走あり、後半は姉の「兄その他を探す乙女」+宝物入手譚となっている。
 姉は弟やその他の人々の助け手ともなっているし、「おうむの真の主人」であることが暗示されている。
 助け手にデヴィンと聖者ヒジールが登場する。「聖者ヒジール」がどのような聖者であったのかは調べられなかった。

 2世代に渡る物語といえ、前半と結末は、精霊と王の婚姻譚、中間は姉と弟が、それぞれ女主人公と主人公になっている。
 出産に関連して女主人公を虐めるエレシュキガル的存在が、姑ではなくて、姉二人、となっているところが、シンデレラとの共通点で興味深く感じる。
 母親が土に埋められるところは、植物の化身であることを暗示させる。「たまご姫」的でもあると思う。
 前半部分の類話は「妖精のおはなし」。
 「兄その他を探す乙女」のモチーフがあちこちに散りばめられている。

 母親の方が「罰を受ける女神」であり、娘の方が再生を司る女神である点は、岩見の伝承である「オオゲツヒメと狭姫」の関係も彷彿とさせ、興味深く思う。(「太陽と木と鳥2 」参照)
 呪いを受けて石に変えられてしまうところは、個人的には「ライオンと魔女」を思い出しました。

#民話 #異類嫁 #イナンナとエレシュキガル #兄その他を探す乙女 #デヴィン #おばあさん #ホレのおばさん #聖者ヒジール #オーディン #シームルグ #おうむ #鳥 #鏡 #塩 #川と石 #馬 #動物 #石 #変身 #怪物退治 #呪い #禁忌 #すり替え人 #3人の金の子ども #呪的逃走

by admin. 民話,固有神獣 <1033文字> 編集

どこにもない花
「シルクロードの民話 パミール高原」 147-156p

 2つのモチーフが組み合わさった物語。
 導入部分は主人公が結婚のために宝物を求める、という内容。「難題聟」であり「イアーソーン型」である。難題を課すのは舅である。おばあさんが間接的な助け手となるが、一般的に人でもできる範囲の助けに留まって、ナンの役割などははっきりしない。
 主人公は人でなしの青ひげ的魔法使いに弟子入りする形式だが、魔法を教えてくれるのは魔法使いの娘である。冥界(魔法使いの住処)からの呪的逃走はあるのだけれども、魔法使いが町中に住んでいる、という設定になっているので「異界からの逃走」という要素がやや曖昧と感じる。本来、逃走のためのものであった主人公の「変身」も金儲けのためともなっている。「魔法使いの弟子」的な変身による逃走を繰り返して、主人公は魔法使いを退治すると、王女を得て結婚となる。

 「財宝探索」の物語の中に、入れ子のように「魔法使いの弟子」的な、冥界を経て変身しながら逃走する物語が組み込まれている。そのため、冥界の娘との婚姻譚は削除されている。一番の類話は「魔法使いの弟子」である。
 
#民話 #タジキスタン #難題聟 #イアーソーン型 #おばあさん #ホレのおばさん #娘 #山羊 #羊 #牛 #馬 #駱駝 #鳩 #花 #イスラム教の僧 #大麦 #鶏 #狐 #変身 #呪的逃走 #怪物退治

by admin. 民話 <615文字> 編集

クワッ、クワッ、くっつけ! ATU571
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 322-328p

 主人公の頭が「かさぶただらけ」というのは、「鉢かづき姫」のような「見るな」の禁忌の暗喩だと思う。「ものぐさ太郎」も同様である。
 楽しい笑話である。

#民話 #レートロマン #王女難題 #おばあさん #ホレのおばさん #鵞鳥 #かさぶた #見るな #鉢かづき姫 #「みんなくっつけ」

by admin. 民話 <197文字> 編集

勇敢なメルゲーン
「ソヴィエト諸民族民話集」 256-271p

 主人公が弓の名手である点は射日神話である。悪しき魔女を倒す点は、マルドゥク的か。

#民話 #ナナイ #怪物退治 #秘密の急所 #鳥女房 #末子成功譚 #鴨 #鳥 #巨人 #こびと #弓 #射日神話 #おばあさん #ティアマト #火 #おじいさん #オーディン #炎黄闘争 #O1b2

by admin. 民話 <176文字> 編集

悪魔の難題
「ソヴィエト諸民族民話集」 112-137p

 前半は「テーセウスとアリアドネー」型の物語。
 後半は「うりひめ」、「たまご姫」や「とくさむすめ」、「のろいをかけられた花嫁」、「白檀の木」に通じる話である。
 神馬に関して「恐れないこと」が禁忌とされるのはタフムーラス型である。
 超常的な者にキスされると、ある意味正気ではなくなる、という点での類話:底革のハンス

#民話 #ベラルーシ共和国 #唾 #悪魔 #魔法使いの弟子 #難題聟 #呪的逃走 #不知の子 #鶏 #羊 #川 #馬 #恐れ #タフムーラス #鳥 #白樺 #柳 #樹木信仰 #おばあさん #ホレのおばさん #小麦 #テーセウスとアリアドネー #変身 #怪物退治 #禁忌 #キス #瓜子姫

by admin. 民話 <367文字> 編集

百姓の子イワンと龍
「ソヴィエト諸民族民話集」 60-79p

 射日神話的。
 助け手におじいさんとおばあさんがいる点、倒す怪物も悪龍とその妻となって、ある種ジェンダーレスなところが珍しい物語である。
 悪龍の妻をも倒してしまうので、結婚はない。結婚する前から妻と破綻しているパターンである。

 岩戸のモチーフが不完全であるが登場する。

#民話 #ロシア #3人兄弟 #龍 #竜 #馬 #烏 #犬 #井戸 #林檎 #敷物 #豚 #呪的逃走 #末子成功譚 #怪物退治 #おじいさん #オーディン #ダマスク鋼の剣 #鉄の棒 #おばあさん #ホレのおばさん #川 #ティアマト #炎黄闘争 #化生

by admin. 民話 <299文字> 編集

紡錘むすめ
「ソヴィエト諸民族民話集」 20-29p

 女主人公、助け手、怪物といった物語の骨格となる登場人物の全てが女性である点が珍しく感じる。織物に関する若い女神と老いた女神との対立は、西欧では「夏と冬の対立」のように語られる傾向が強いが、本物語では季節の循環的な要素は乏しい。紡錘むすめはゲルマン神話で言うところのエオステレに相当し、本来のトーテムは兎であった可能性が高いと考える。「紡錘むすめ」という名前からして織物に関する女神が崩れた神を思わせるが、本物語での性質としては九天玄女のような軍神としての性質が強いように感じる。異界と行き来できる点は、メソポタミア神話のイナンナを思わせる。
 が呪的逃走の「魔法のアイテム」となる点は「英雄ディックベール」、「スルタンのぶち犬」と共通している。

#民話 #コミ共和国 #呪的逃走 #小さ子 #イナンナ型 #おばあさん #ホレのおばさん #狼 #熊 #怪物退治 #烏 #大烏 #鳥 #櫛 #樹木信仰 #魔法のアイテム #松ヤニ #火 #川 #ティアマト #糸紡ぎ #動物番 #蜂の援助型 #受罰女神 #生贄型 #女・女神殺し型 #岩戸神話

by admin. 民話 <506文字> 編集

ふしぎなろうそく ATU562
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 272-275p

 逃走の際には主人公は山羊に助けて貰っている。オデュッセイアのキュクロープスの項を連想させる内容である。
 助け手である「3人のおばあさん」は「3人の運命の女神」(ノルンといえるか?)を思わせる。
 ろうそくの魔力に助けて貰う点は「魔法のランプ型」といえる。最後に舅と姑を殺してしまう点が「怪物退治譚」の名残といえよう。

#民話 #レートロマン #山羊 #呪的逃走 #運搬動物 #おばあさん #ホレのおばさん #ろうそく #魔法のランプ #怪物退治 #怪物尊重 #青い火の中の精霊

by admin. 民話 <290文字> 編集

生命の水、美の水、青春の本
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 59-69p

「難題聟」の変形版。「眠り姫」を目覚めさせる若者は「獣の王」でもあるので、オルフェウス的といえる。
 父親がはっきりしない子が、自らの父親を当てる、というモチーフは「賀茂別雷命」を思わせる。

 「マリク・ハッサン」と粗筋が非常に良く似ている。

#民話 #ドイツ #王位継承 #眠り姫 #禁忌 #キス #父なし子 #賀茂別雷命 #3人兄弟 #オシリスとセト #末子成功譚 #魔法の大釜 #水 #ハンカチ #はさみ #豊穣のアイテム #盃 #舌 #猪 #豚 #身代わり動物 #獣の王 #眠り姫 #難題聟 #おばあさん #ホレのおばさん #命の水 #イアーソーン

by admin. 民話 <325文字> 編集

DASHBOARD

■全文検索:

複合検索窓に切り替える

■複合検索:

  • 投稿者名:
  • 投稿年月:
  • #タグ:
  • カテゴリ:
  • 出力順序:

■日付検索:

■カレンダー:

2022年4月
12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

■ハッシュタグ:

■最近の投稿:

■フリースペース:

編集

▼現在の表示条件での投稿総数:

10件

▼最後に投稿または編集した日時:

2023年02月14日(火) 17:51:41

RSSフィード