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タグ「」を含む投稿8件]

どこにもない花
「シルクロードの民話 パミール高原」 147-156p

 2つのモチーフが組み合わさった物語。
 導入部分は主人公が結婚のために宝物を求める、という内容。「難題聟」であり「イアーソーン型」である。難題を課すのは舅である。おばあさんが間接的な助け手となるが、一般的に人でもできる範囲の助けに留まって、ナンの役割などははっきりしない。
 主人公は人でなしの青ひげ的魔法使いに弟子入りする形式だが、魔法を教えてくれるのは魔法使いの娘である。冥界(魔法使いの住処)からの呪的逃走はあるのだけれども、魔法使いが町中に住んでいる、という設定になっているので「異界からの逃走」という要素がやや曖昧と感じる。本来、逃走のためのものであった主人公の「変身」も金儲けのためともなっている。「魔法使いの弟子」的な変身による逃走を繰り返して、主人公は魔法使いを退治すると、王女を得て結婚となる。

 「財宝探索」の物語の中に、入れ子のように「魔法使いの弟子」的な、冥界を経て変身しながら逃走する物語が組み込まれている。そのため、冥界の娘との婚姻譚は削除されている。一番の類話は「魔法使いの弟子」である。
 
#民話 #タジキスタン #難題聟 #イアーソーン型 #おばあさん #ホレのおばさん #娘 #山羊 #羊 #牛 #馬 #駱駝 #鳩 #花 #イスラム教の僧 #大麦 #鶏 #狐 #変身 #呪的逃走 #怪物退治

by admin. 民話 <615文字> 編集

白檀の木 ATU450
「シルクロードの民話 パミール高原」 139-146p

 女主人公は兄と結婚させられそうになって家を出る。「セクメトの失踪」の前半的だが、民話では神話とは違い兄妹の結婚は忌避されるので、兄が連れ戻しに旅に出ることはない。その名残が女主人公を引き留めようとする家族との歌のやり取りであると思う。烏に運んで貰う点は「怪鳥」型である。兄と女主人公との仲は当然破綻するので「ゲイと嫦娥」型である。
 女主人公姉妹と白檀の木が一体のものとして語られる点、二人が空を飛んで移動する点、特に姉が池の女神的でもある点は「天人女房」的であり、「たまご姫」、「スルタンのぶち犬」と共通している。姉妹のうち、妹は鹿の化身でもある。姉妹併せると、アルテミスとその聖獣の鹿を彷彿とさせる。姉が妹の人身御供的死を阻止するのは、「アルテミスとイーピゲネイア」型である。
 女主人公が冥界で子供を生む点は、どちらかといえば「エンリルとニンリル」的だと思う。ただし、この物語では夫の再生というよりは、女主人公自身の地位の確立に役立つエピソードとなっている。
 王の最初の3人の妻が殺されるところは、女主人公が植物の化身であることからも「瓜子姫」型といえる。女主人公が植物的であるという点は「とくさむすめ」が類話といえる。「瓜子姫」型としては「のろいをかけられた花嫁」、「悪魔の難題」の後半部分も類話といえる。

 全体は「うりひめ」、「たまご姫」のように、天人(あるいは鳥)を思わせる女主人公が、瓜子姫的な変遷を経て結婚による幸せを手に入れる、という物語である。物語の導入部分は「ゲイと嫦娥」型の物語と「セクメトの失踪」型の物語が組み合わさって崩れたもの。(最も嫦娥も夫の元から月へと失踪するのであるが。)女主人公と妹との関わりは、まさに「アルテミスとイーピゲネイア」であると思う。キリスト教以前に、広範囲にわたる「月の女神信仰」があったことを伺わせる。嫦娥は中国の月の女神であるので、洋の東西の「月の女神」の要素が融合して含まれている物語といえ、シルクロードの物語的だと思うし、興味深く感じる。

#民話 #ウラテューベ #セクメトの失踪 #小鳥 #鳩 #烏 #怪鳥 #白檀 #樹木信仰 #ゲイと嫦娥 #水 #池 #鹿 #変身 #アルテミスとイーピゲネイア #出産 #すり替え人 #エンリルとニンリル #瓜子姫 #小さい兄と妹

by admin. 民話 <1050文字> 編集

ペリの妻
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 34-37p

 物語の導入部分は、「ゲイ流譚」型である。

 原典は「バハル・ダヌシ(知識の園)(Bahar Danush( (Garden of Knowledge) ))」(ユナエト・ウラー(Ynâyet-ûllah)著、1650年)である。

#民話 #イラン #ペルシア #ゲイ流譚 #鳩 #鳥 #ペリ #天人女房 #羽衣

by admin. 民話 <189文字> 編集

動物のことばがわかる男 ATU671
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 250-253p

 主人公が父親の怒りを買って流転しなければならない点は「ゲイ流譚」である。
 全体としては「魔法使いの弟子」の変形版といえる。主人公が魔法使いならぬ「学校」から習ってきたのは「動物の言葉」である。それが主人公の「超常的な能力」となり、蘇民将来的な能力を発揮するまでに至る。キリスト教で「蘇民将来」といったら、主人公はイエス以外の何者でもない。「獣の王」的な主人公が人を蘇生させる、というオルフェウス的な民話を、主人公をイエスになぞらえて書き換えたものといえよう。イエスも同然の若者はローマ法王にまで上り詰めるわけだから、まさにキリスト教を庶民に親しみ易くして、布教するための「プロパガンダ」のために作られた物語といえるのではないだろうか。主人公が超常的な能力を手に入れる場所が魔法使い(悪魔)の元ではなく、学校と書き換えられているのも、そのためかもしれない。
 鳥が、王(あるいはそれに類する者)の頭の上に舞い降りる、という概念はイラン神話のフマを思わせる。その点の類話は「ユシィフとズライカ」である。

#民話 #レートロマン #ゲイ流譚 #舌 #兎 #身代わり動物 #鳩 #蛙 #烏 #フマ #獣の王 #動物神 #獣の王 #蘇民将来 #疫神 #カトリック #プロパガンダ #3種の言葉

by admin. 民話 <596文字> 編集

のろいをかけられた花嫁
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 141-145p

 「閉じ込められている乙女」はイナンナとエレシュキガル的である。
 逃走の際に女主人公が手助けをするのは、テーセウスとアリアドネー的といえる。
 花嫁が入れ替わる点は、瓜子姫的である。花嫁の入れ替えに「母親」が絡んで、かつ最後に罰せられるのは「罪を犯して罰せられた女神」という点で「ティアマト」を連想させる。
 類話は「うりひめ」、「たまご姫」、「とくさむすめ」、「白檀の木」、「悪魔の難題」の後半部分

#民話 #オーストリア #ATU480 #親切な少女と不親切な少女 #テーセウスとアリアドネー #梨 #胡桃 #林檎 #呪的逃走 #瓜子姫 #妻の母親 #怪物退治 #鳩 #天人女房 #イナンナとエレシュキガル #閉じ込められている乙女 #魔女の母親 #瓜子姫

by admin. 民話 <404文字> 編集

しゃれこうべ
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 103-105p

 形は崩れてるけれども、イナンナとエレシュキガル神話が崩れた物語だと思う。
「黄泉の国」での試練の結果、再生されるのが「夫神」ではなくて、女神であるところは、古い時代の女神信仰の名残を思わせ、アルテミスとイーピゲネイアと同様の関係を連想させる。
(ハイヌウェレとしても良いかも、と思いますが、植物の豊穣の物語、という側面が弱いので、「アルテミスとイーピゲネイア」としました。)
 類話は「病気の百姓女」。

#民話 #オーストリア #イナンナとエレシュキガル #再生される女神 #頭蓋骨 #禁忌 #恐れ #鳩 #アルテミスとイーピゲネイア #人身御供 #幽霊 #冥界の食事 #小麦

by admin. <330文字> 編集

蛙の嫁さん
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 80-83p

禁忌を破ったために、結婚生活そのものは破綻する。その点は「七夕」的である。

#民話 #ドイツ #異類嫁 #3人兄弟 #鳩 #末子成功譚 #禁忌 #見るな #蛙 #天人女房 #池 #鶴女房 #ゲイと嫦娥 #動物花嫁

by admin. 民話 <144文字> 編集

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