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タグ「北欧」を含む投稿16件]

ニスの後悔
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 114p

 ニスの贖罪の物語。全体としては、神の怒りを静めるためには、正しい祭祀が必要である、という物語である。
 おそらく、本来は牛を生贄に捧げて、豊穣を得る、という話だったのではないか。
 牛が金に化生する、という点は「牛買い聖者」に似ている。
 動物があり得ないものに化生する物語には「ろばの裁判官」がある。

#伝説 #スカンジナビア #北欧 #トムテ #牛 #豊穣 #家付精霊 #金

by admin. <228文字> 編集

ニスの引越し
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 113-114p

 ニスから逃げようとして失敗する話。
 家に取り憑く小精霊は、世界を滅ぼすような大きな騒ぎは起こさないが、縁を切ろうとするとなかなか退治するのが難しいもののようである。

#伝説 #スカンジナビア #北欧 #トムテ #呪的逃走 #失敗 #家付精霊

by admin. 民話 <158文字> 編集

とりかえ子
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 110-112p
「フェアリーのおくりもの トマス・カイトリー」 36-38p

 「とりかえ子」について2篇。
 「とりかえ子」とは、精霊が赤ん坊をさらう代わりに、自分の子供を置いていってしまった、その子供のこと。
 普通の赤ん坊と違って、異様な行動をしたり、成長が普通でなかったりする。
 人々は知恵を使って、とりかえ子を追い出し、本物の赤ん坊を取り戻そうとする。

 「とりかえ子」は大声で叫んだり、異常な大食いであったりして、まるで古代中国の饕餮のようである。
 類話は「とりかえ子(スコットランド)」、「とりかえ子(ドイツ)」

#伝説 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #取り替え子 #饕餮

by admin. 伝説 <341文字> 編集

トロルと踊った少女
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 109-110p

 少女が冥界へ行って戻ってくる話。
 踊りが「禁忌」となっていて、少女は時間と正気を失う。

 浦島的な部分については「あの世で過ごした一夜」が類話。
 正気を失う点については「底革のハンス」が類話である。
 ダンスと関連する点については「フェアリーの住居にはいった若者」が類話である。

#民話 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #踊り #狂気 #浦島太郎

by admin. 民話 <240文字> 編集

トロルのお産
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 108-109p

 冥界(異界)へ行って戻ってくる物語だが、出産を手伝って謝礼を貰うという話。
 請われて出向くくらいだから、「逃走」はない。
 「ピクシーのお産」、「フェアリーの乳母」が類話である。

#伝説 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #報恩 #求産婆 #職能

by admin. 民話 <177文字> 編集

ボデディスの伝説
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 107-108p

 トロールが「助け手」となって、行方不明の息子が牢から「呪的逃走」するという趣旨の物語。
 冥界から持ち帰ったもの(鎖の一部)が境界に奉納されて、まるでトロールが教会の下部組織ででもあるような扱いである。

#伝説 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #報恩 #教会 #カトリック

by admin. 伝説,固有地名 <185文字> 編集

スカンジナビア半島のトロール

トロールは丘陵地、長塚、土墳などの下に共同体を作り暮らすためスウェーデンではベルグフォルク(丘の人々)と呼ばれた。彼等の住処は財宝でいっぱいで夜になると光り輝くと言われた。彼らは騒音を嫌い鐘や教会からは離れて暮らした。気に入った人間には富と幸運をもたらし、気に入らないものには不運と破壊をもたらした。また女子供をさらい財宝を盗む。金属工芸にも秀で、薬草や魔法を使った治療にも秀でていると言う。日の光に当たると石に変わるため、夕暮れ時から明け方までしか姿を見せない。
参照:トロール

#神話 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール

by admin. 神話,定義 <288文字> 編集

オーゲルブの教会に奉納された杯
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 105-106p

 教会に奉納された杯の由来譚である。
 物語の骨格は「怪物退治」の省略された「呪的逃走」のみの話。
 教会が絡む物語なので、教会そのものが逃走の「助け手」となる。日本でもお堂等に逃げ込んで鬼をやり過ごすような話があったと思う。
 古代の神々の役目であった「呪的逃走」の助け手を、確立された世界宗教も引き継いだ一例といえる。
 トロールの酒を捨てるところは、メソポタミア神話の「アダパの物語」を思わせる。
 もちろんアダパよりもずっと現代に近い時代の物語であるので、他人が差し出した怪しい飲み物などは飲まないのが常識ではあるが。
 物語的には「杯」は、「魔法の大釜」が著しく変形したものであろうか。
 類話は「スヴェンド・フェリングと女エルフ」、「フェアリーの宴会」である。

 参照:アダパトロール
 
#伝説 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #踊り #魔法のアイテム #酒 #魔法の大釜 #不死の霊薬 #呪的逃走 #馬 #教会 #カトリック #椀貸伝説

by admin. 伝説,起源・由来,固有地名 <497文字> 編集

底革のハンス
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 101-102p

 妖精の「踊りの丘」でエルフの踊りを見て、エルフの乙女の誘惑(キス)に負けた若者が狂気に陥った、という物語。

 超常的な者にキスされて正気を失ったり、記憶を喪失するという物語はときに見られる。相手が「美しい乙女」だからそうなる、というものでは必ずしもないらしい。
 参照:悪魔の難題

 正気を失う点は「トロルと踊った少女」が類話である。
 
#民話 #スカンジナビア #北欧 #エルフ #踊り #キス #禁忌 #狂気

by admin. 伝説,起源・由来,固有地名 <252文字> 編集

小人の剣ティルフィング(ティルヴィング(Tyrfing))
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 90-92p

 小人の剣は、作り手を脅したりして無理矢理作らせると、持ち主に不幸をもたらす、という例の物語。
 「ヘルヴォルとヘイズレク王のサガ(古ノルド語: Hervarar saga ok Heiðreks)」の中心となる呪われた剣である。

 サガの筋は「『北欧神話と伝説』、V.グレンベック著、山室静 訳、講談社、278-302p」に詳しい。
 
#伝説 #北欧 #ドワーフ #魔法のアイテム #文献  #小人

by admin. 伝説,神話,固有アイテム <258文字> 編集

トルストン(Thorstein)と小人
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 89p

 トルストンは7世紀に実在したと言われてる伝説上の人物である。
 小人を助けて、お礼に魔法のアイテムを貰った、と言われている。
 参照:トルストンのサガ
 
#伝説 #北欧 #ドワーフ #魔法のアイテム #小人

by admin. 伝説,英雄名,多エピソード保有人名 <149文字> 編集

ロキと小人
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 86-88p

 ドゥエルガル(dvergr)の性質を示すものとして、カイトリーが紹介した物語。「妖精の誕生」の目次では民話とされているが、神話である。神々の武器をロキがどのようにして手に入れたのか、という由来譚になっている。 参照:シフの髪を切った話
 小人とは、この物語のように魔法のアイテムを作る、主に地下に住む鍛治師とされている。
 この物語についての「妖精の誕生」でのカイトリーの解説には、個人的には何も言えない。(というか、何が言いたいのかよく分からない。)

 シフの髪を切った話は、「怪物退治譚」の変形で、宝物探報が主な目的となった「イアーソーン型」である。物語の導入部分は、上位の神トールとの対立であるので、「ゲイ流譚型」といえる。
 物語としては、流れに疑問を感じる不自然な場面がいくつかあり、欠損を思わせる。それは、
 1.何故ロキがシヴの髪を刈ってしまうのか。なぜ、自然に髪が伸びるまで待てないのか。という点
 2.手に入れた魔法のアイテムはいわば「賠償品」であって、最初からロキのものではないのだが、なぜロキは品物を自慢したりしたのか。そして、なぜ命を賭けた賭けをしたのか。という点
の2点である。
 「シヴの髪を刈る行為」は、「長く豊かな髪」は女性らしさの象徴でもあり、夫の自慢でもあるので、それは「女性の死」の暗喩であると思う。つまり、ロキはシヴを殺してしまったので、その再生のために冥界を流転する旅に出ることになる。旅には、シヴの再生の目的と、もっと人の現実世界に近い「賠償」のため、という2つの側面がある。ロキの旅に2段階あるのは、最初の旅のみでは、再生に足りない、あるいは賠償が足りない、とされる理由が本来あったのではないだろうか。そのため、さらなる目的物を得るためにロキは命を賭けなければならないのである。一つの命を再生させるために、新たな命が必要とされる、というのはよくある神話のパターンである。
 そして、旅の目的を果たしてロキは帰還するが、結局は成功と認められないことになる。従ってロキは殺されねばならない。この展開にも2面性があり、ロキはシヴの再生のために最初から命を差し出さねばならない、という神話的目的と、「賠償に失敗したから」という現実的な目的が入り交じっているように思う。「口をきけないようにする」という展開は、「ロキの死」を暗喩している。

 民話では、物語の最後は「めでたし めでたし」で終わることが多いが、西欧の神話では特に悲劇で終わることが多い。登場人物のほとんどが死んでしまう「ニーベルンゲン」のような物語もある。ただし、本物語は、「北欧神話」という大きな物語群の中で、「神々の武器の由来譚」としての位置を与えられたこと、ロキの最期がラグナロクに位置づけられたことなどから、ロキの死は暗示されるだけで、物語の上では死なない、ということに変更されたのではないか、と思われる。男神が女神を再生させる、という点ではイナンナとタンムーズ的ともいえる。タンムーズも冥界のイナンナの怒りを買ったことが、彼の死の原因とされている。

 類話はケルト神話の「トゥレンの息子達 」である。主人公達は、人の命を奪い、上位の神に賠償するために財宝を探索する「イアーソン型」かつ「ゲイ流譚型」の旅をする。試練が2部制になっている点、最期に主人公達が亡くなる点等が共通である。

#神話 #北欧 #イアーソーン #ゲイ流譚 #魔法のアイテム #イナンナとタンムーズ #損害賠償 #小人 #ドワーフ

by admin. 民話,神話,起源・由来,多エピソード保有人名 <1491文字> 編集

ドゥエルガル(dvergr)
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 85-86p

 「ドゥエルガルははじめユミルの肉の中に創造され、生活をはじめ、その中のウジとなっていたが、神々の意志によって人間の知識を分け与えられ、人の姿をとるようになった。しかしなお大地の中と石の中に住んだ。(エッダ)」
 とのことで、彼らは冶金術に優れている。

 ドゥエルガル(dvergr)は英語のドワーフ(dwarf)の起源である。
 個人的には、地下世界の宝を形にする存在なので、冥界神が崩れて精霊化したものではないか、と思う。
 
#神話 #北欧 #ドワーフ

by admin. 神話,定義 <271文字> 編集

アルファル(alfer他)
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 82-84p

 明るいアルファル
 「ユグドラシルの下、アルフ・ヘイムと呼ばれる町があり、明るいアルファルとよばれる人々が住んでいる。明るいアルファルの姿は太陽より白い。」とされた。(「散文のエッダ」より)
 ノルニル(ノルンの複数形)はアルファルの種族だとされている。

 暗いアルファル
 「地下世界に住んでいる。暗いアルファルの姿は歴青(ピッチ)より黒い。」とされた。(「散文のエッダ」より)

 ノルン
 神の種族とされるもの:人間の人生を形作るもの。ウルズ(ウドル)、ヴェルザンディ(ヴェルタンディ)、スクルド(過去、現在、未来)の3姉妹である。
 アルファルに属するもの:神以外のもの
 ドゥエルガルに属するもの:上記以外

 とされた。

 アルファル(alfer)は英語のエルフ(elf)の起源である。

 参照:エルフ
 
#神話 #北欧 #エルフ

by admin. 神話,定義 <484文字> 編集

怪物の出る水車場
「北欧民話 アスビヨルンセン 高木眞一訳 山一書房」 17-18p

 ニッセは北欧の伝承では家に住み着いて、色々と手助けしてくれる精霊なのだが、この物語では悪者として追い払われてしまう。単純な「怪物退治」譚である。
 水車小屋に関して、そこに憑いて悪さをする精霊を退治する(罰を与える)物語は、スコットランドのウリスク(Urisk)に関してもあるようである(妖精の誕生、カイトリー著、市場泰男訳、社会思想社教養文庫、p213-214参照)。
  神的存在の宗教的地位が低下したために、むしろ「厭われる存在」となってしまった物語には、「ムギを盗む小人」がある。

 参照:トムテ

#民話 #ノルウェー #北欧 #精霊 #トムテ #ニッセ #怪物退治 #追い払い #聖ゲオルギウス #家付精霊

by admin. 民話 <423文字> 編集

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