タグ「ドイツ」を含む投稿[23件]
by admin. ⌚ 2022年04月01日(金) 14:25:18 <116文字> 編集
ムギを盗む小人
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 145-146p
小人に対する「見るな」の禁忌に関する話。おそらく、古代においては、収穫のいくばくかを小人(神)に捧げる、という習慣があったのかもしれない、と思う。
しかし、彼らの神としての地位が低下するにつれて、彼らに対する「捧げ物」は、むしろ「盗まれていく物」と考えられるようになったのだろう。禁忌に関する「呪い」の意味も薄れて、「禁忌を破ること」、「正体を見破ること」がむしろ現実的な「豊穣をもたらす行為」へと変化するようになった。これも「神」としての地位の低下に伴った、仕方のないこと、といえよう。
神的存在の宗教的地位が低下したために、むしろ「厭われる存在」となってしまった物語には、「怪物の出る水車場」がある。
参照:ドワーフ
#民話 #ドイツ #禁忌 #見るな #ドワーフ #小人
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 145-146p
小人に対する「見るな」の禁忌に関する話。おそらく、古代においては、収穫のいくばくかを小人(神)に捧げる、という習慣があったのかもしれない、と思う。
しかし、彼らの神としての地位が低下するにつれて、彼らに対する「捧げ物」は、むしろ「盗まれていく物」と考えられるようになったのだろう。禁忌に関する「呪い」の意味も薄れて、「禁忌を破ること」、「正体を見破ること」がむしろ現実的な「豊穣をもたらす行為」へと変化するようになった。これも「神」としての地位の低下に伴った、仕方のないこと、といえよう。
神的存在の宗教的地位が低下したために、むしろ「厭われる存在」となってしまった物語には、「怪物の出る水車場」がある。
参照:ドワーフ
#民話 #ドイツ #禁忌 #見るな #ドワーフ #小人
by admin. ⌚ 2022年03月22日(火) 01:40:30 民話 <456文字> 編集
エルベリヒ(Elberich)とオトニト(Otnit、あるいはオルトニト(Ortnit))
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 135-139p
「怪物退治」譚の変形であり、倒す相手は舅である。
助け手は、主人公の母と父親(エルベリヒ)である。エルベリヒが樹木(菩提樹)の化身であることが示唆されている。
呪的逃走はない。
エルベリヒからは甲冑、盾、名剣ロッセを貰う。
主人公は一応キリスト教徒になっているが、あまりキリスト教的な匂いは感じない、単純な物語である。
参照:ユオン・ド・ボルドー(Huon de Bordeaux)とオーベロン(オベロン、Oberon)
#伝説 #ドイツ #指輪 #魔法のアイテム #菩提樹 #母親 #ホレのおばさん #力くらべ #ドワーフ #オーディン #怪物退治 #こびと #樹木信仰
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 135-139p
「怪物退治」譚の変形であり、倒す相手は舅である。
助け手は、主人公の母と父親(エルベリヒ)である。エルベリヒが樹木(菩提樹)の化身であることが示唆されている。
呪的逃走はない。
エルベリヒからは甲冑、盾、名剣ロッセを貰う。
主人公は一応キリスト教徒になっているが、あまりキリスト教的な匂いは感じない、単純な物語である。
参照:ユオン・ド・ボルドー(Huon de Bordeaux)とオーベロン(オベロン、Oberon)
#伝説 #ドイツ #指輪 #魔法のアイテム #菩提樹 #母親 #ホレのおばさん #力くらべ #ドワーフ #オーディン #怪物退治 #こびと #樹木信仰
by admin. ⌚ 2022年03月15日(火) 19:35:52 伝説,固有アイテム,英雄名 <370文字> 編集
ユオン・ド・ボルドー(Huon de Bordeaux)とオーベロン(オベロン、Oberon)
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 55-59p
ユオンは妖精王オベロンと出会い、援助を得る。男神の援助を得るのであるから、「オーディン」型といえる。
オベロンはシーザーと「島の貴婦人」との混血である、と名乗り、オベロン自身が半神半人の英雄のような存在である。オベロンにはまた、出生時にメドゥーサ型の呪いがかけられていた。
ユオンはシャルルマーニュに仕えていた。
カイトリーによるとオーベロン(オベロン、Oberon)はオトニト(Otnit、あるいはオルトニト(Ortnit))のエルベリヒ(Elberich)、ニーベルンゲンのアルブリヒ(Albrih)と同じものである、とのことである。(妖精の誕生 160p他)
El-とかAl-は地中海東側では「神」を表す接頭辞であるので、エルベリヒの元の名前はベリヒ(Berich)やブリヒ(Brih)といえるのではないか、と個人的には思う。ウガリット神話のバアル(Baal)は嵐と慈雨の神とされていますし、個人的にはこのあたりが起源の神的存在なのではないのか、と感じます。旧約聖書に出てきますから、キリスト教圏で、聖書が読めた人だったら、誰でもバアルのことは知っていたと思いますが。
『Les Prouesses et faitz du noble Huon de Bordeaux』は13世紀前半の武勲詩である。(オーベロン)
オベロンが嵐を起こしたりできる性質は天候神(風の神か?)の崩れた姿を思わせる。
物語の最後にユオンがパラダイス(天国)へ誘われる点はやはり、キリスト教の影響と「山のおやじ」的発想を感じる。キリスト教と中世の騎士道のプロパガンダの物語といえるのではないだろうか。
参照:エルベリヒ(Elberich)とオトニト(Otnit、あるいはオルトニト(Ortnit))
#伝説 #ドイツ #フランス #こびと #オーディン #禁忌 #言うな #嵐 #川 #呪い #女神 #カイトリー #ドワーフ
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 55-59p
ユオンは妖精王オベロンと出会い、援助を得る。男神の援助を得るのであるから、「オーディン」型といえる。
オベロンはシーザーと「島の貴婦人」との混血である、と名乗り、オベロン自身が半神半人の英雄のような存在である。オベロンにはまた、出生時にメドゥーサ型の呪いがかけられていた。
ユオンはシャルルマーニュに仕えていた。
カイトリーによるとオーベロン(オベロン、Oberon)はオトニト(Otnit、あるいはオルトニト(Ortnit))のエルベリヒ(Elberich)、ニーベルンゲンのアルブリヒ(Albrih)と同じものである、とのことである。(妖精の誕生 160p他)
El-とかAl-は地中海東側では「神」を表す接頭辞であるので、エルベリヒの元の名前はベリヒ(Berich)やブリヒ(Brih)といえるのではないか、と個人的には思う。ウガリット神話のバアル(Baal)は嵐と慈雨の神とされていますし、個人的にはこのあたりが起源の神的存在なのではないのか、と感じます。旧約聖書に出てきますから、キリスト教圏で、聖書が読めた人だったら、誰でもバアルのことは知っていたと思いますが。
『Les Prouesses et faitz du noble Huon de Bordeaux』は13世紀前半の武勲詩である。(オーベロン)
オベロンが嵐を起こしたりできる性質は天候神(風の神か?)の崩れた姿を思わせる。
物語の最後にユオンがパラダイス(天国)へ誘われる点はやはり、キリスト教の影響と「山のおやじ」的発想を感じる。キリスト教と中世の騎士道のプロパガンダの物語といえるのではないだろうか。
参照:エルベリヒ(Elberich)とオトニト(Otnit、あるいはオルトニト(Ortnit))
#伝説 #ドイツ #フランス #こびと #オーディン #禁忌 #言うな #嵐 #川 #呪い #女神 #カイトリー #ドワーフ
生命の水、美の水、青春の本
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 59-69p
「難題聟」の変形版。「眠り姫」を目覚めさせる若者は「獣の王」でもあるので、オルフェウス的といえる。
父親がはっきりしない子が、自らの父親を当てる、というモチーフは「賀茂別雷命」を思わせる。
「マリク・ハッサン」と粗筋が非常に良く似ている。
#民話 #ドイツ #王位継承 #眠り姫 #禁忌 #キス #父なし子 #賀茂別雷命 #3人兄弟 #オシリスとセト #末子成功譚 #魔法の大釜 #水 #ハンカチ #はさみ #豊穣のアイテム #盃 #舌 #猪 #豚 #身代わり動物 #獣の王 #眠り姫 #難題聟 #おばあさん #ホレのおばさん #命の水 #イアーソーン
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 59-69p
「難題聟」の変形版。「眠り姫」を目覚めさせる若者は「獣の王」でもあるので、オルフェウス的といえる。
父親がはっきりしない子が、自らの父親を当てる、というモチーフは「賀茂別雷命」を思わせる。
「マリク・ハッサン」と粗筋が非常に良く似ている。
#民話 #ドイツ #王位継承 #眠り姫 #禁忌 #キス #父なし子 #賀茂別雷命 #3人兄弟 #オシリスとセト #末子成功譚 #魔法の大釜 #水 #ハンカチ #はさみ #豊穣のアイテム #盃 #舌 #猪 #豚 #身代わり動物 #獣の王 #眠り姫 #難題聟 #おばあさん #ホレのおばさん #命の水 #イアーソーン
by admin. ⌚ 2020年04月21日(火) 22:15:58 民話 <325文字> 編集
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 158-159p
ニクスの性質を示した物語。ニクスに捕らえられた魂を解放する点は「怪物退治」の変形版といえるか。
参照:ニクス
#民話 #ドイツ #ニクス #河伯 #水神