タグ「怪物退治」を含む投稿[66件]
by admin. ⌚ 2022年08月02日(火) 17:07:14 <124文字> 編集
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 125p コラム
上松町の寝覚めの床に関する民話が簡単に紹介されている。
怪物退治譚なのだが、大筋は静岡県磐田市見附天神にある「猿神退治」と同じである。犬が猿神を退治するのではなくて、修行僧が猪を使ってオオサンショウウオの怪物を退治する、という話になっている。
磐田市では「白羽の矢」は豊受大神の化身と暗喩する神社もある。
それにしても、猪(豚)とはオーストロネシア語族にとっては、イモを発生させたり、怪物を退治したり、神話的に重要なアイテムなのだなあ、と思う。
木曽の話では狩人が行者に代わっているし、ヤマタノオロチの神話とも比べれば
狩人=行者=須佐之男=シヴァ(アメタ)=黄帝
猿神=オオサンショウウオ=ヤマタノオロチ=シヴァ(縄文系の神であるところの「獣の王」、こっちもアメタ)=須佐之男=饕餮
というスパイラルな構図が浮かんでくる。そもそも「猿神=狩人」で、この2つは「同じ物」であり、太陽女神に生贄を捧げる立場だったものが、女神から分かれた豊受大神をガツガツ食べるようになったのが日本の神話と言える。しかも、修験道って言ったら、なんでも須佐之男と習合させてしまうのが大好きな宗教のようであるし。仏教というよりは「修験道教」と言った方が良さそうな感じがする。というか、黄帝と饕餮を習合させちゃ駄目じゃん、という根源的な問題がある。
ということで、
見附では「加茂」という地名も近くにある上に、裸祭りなんかもやっていてハイヌウェレな感じである。天竜川の上流には諏訪大社の下社がある。
木曽川の河口では天津日子根というアジスキタカヒコネ?な須佐之男の息子神の神社で、夜中に騒ぐ祭りを行う。けっこう近くには津島とかあるし。善光寺の別院とか下社関連? と思われる宗教施設がある。
木曽って言ったら、御岳が有名だし、その辺りの神職は下社関連だったような? 全部じゃないかもしれないけどさあ、みたいな。
当の下社は「お船祭り」というかつては裸祭りをやっていた(今は服は着ているらしい)。これがまたハイヌウェレというよりは、「直に焼き畑農業じゃね? フレイザーのドンゴ族?」と言いたくなるような焼殺祭祀である。
どうも、中部地方で、サトイモとか植わっているところは、縄文系のハイヌウェレ的思考が強いところに、なんか加茂とか下社とか下社とか下社とかが、台密と組んで取り憑いてない? と、長野から見たら「地の果て」みたいに見える名古屋で呆然としてそう思った管理人である。(三重なんて関西じゃん? そもそも長野から日帰りで行く所じゃないし、と思う管理人でした-;。)
民話の詳しい内容:寝覚めの床の主
#昔話 #長野県 #中信 #サンショウウオ #行者 #怪物退治 #白羽の矢 #猪 #修験道
by admin. ⌚ 2022年07月26日(火) 00:40:57 <1207文字> 編集
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 81p、コラム
木曽郡上松町にある「びわ池」の伝説である。
怪物退治譚の一種なのだが、シャーマン(びわ法師)が自己犠牲を払って人々を助けた、という物語。
昔の宗教関係者はかなり外国の宗教も研究していたようであるし、原始キリスト教神話を基にして、修験道関係者が作り上げた物語なのではないだろうか、と個人的には想像する。
シャーマンが活躍して大洪水から身を守る、という説話は伏羲の物語にも通じる、と思う。
#昔話 #長野県 #中信 #竜 #龍 #びわ法師 #洪水 #怪物退治
by admin. ⌚ 2022年07月07日(木) 12:00:06 昔話 <290文字> 編集
「ひだぶり街道物語 岐阜新聞社」 88-89p
高山市丹生川地区、乗鞍岳の伝説。
仁徳天皇の頃、飛騨に両面宿儺という鬼神が住んでいて、武振熊命に討たれた。その一方、両面宿儺は仏教寺院の開基や、乗鞍信仰を確立し、地元では英雄であった、という物語。
両面宿儺とは、どちらかといえば政治的に創作された人物だと思うし、だからこそ古代からの神のように見えて、仏教との関わりが深いのだと思う(仏教は古代日本では比較的新しい宗教概念なので。)。長野県側と比較するならば、八面大王とも、泉小太郎とも関連すると考える。中央と対立した神という点では八面大王と類似している。また、乗鞍の女神であると共に水と日輪の女神でもある乗鞍岳そのものを女神との何らかの潜在的な関わりで「祭祀者」となっている点、女神を押しのけて自らが主人公になっている点は泉小太郎的といえる。
参照:両面宿儺
#伝説 #岐阜県 #飛騨 #女神 #太陽 #池 #怪物退治
by admin. ⌚ 2022年06月21日(火) 15:16:28 伝説,神話,英雄名,多エピソード保有人名 <424文字> 編集
「ひだぶり街道物語 岐阜新聞社」 32p
宮川村の人身御供伝説。
前半は八岐大蛇的な若い娘の生贄を求める大蛇の話。
後半は娘自身が大蛇を倒す話。蛇が金物(特に針)を嫌う点は三輪山伝説に類似している。蛇(化け物)退治の英雄は登場しない。
村の水田の開墾由来譚であり、お寺での断食供養の由来譚でもある。
女性の力が開墾(村全体の収入や生活の安定の元となる事業)を可能にしたり、悪者の存在を解決する点は、岩見の乙子狭姫 の伝承と似る。かつては女神が直接農作物の豊穣をもたらす、という伝承があり、それが崩れたものか。飛騨地方の縄文時代の信仰を知る上での資料となり得るような古い時代に起源のある物語なのでは、と思う。(生きているままの女神に対する信仰の片鱗が残っているから。)
お寺での断食供養はやや「犠牲的」な祭りといえるが、若い女性が女神(水や豊穣の神)の代理人あるいは祭祀者として神を祀っていた縄文時代の祭祀の名残かもしれないと思う。
宮川村は縄文時代のイノシシ、クマ、蛇などの動物をかたどった動物意匠紋土器が岐阜県で初めて出土した地とのこと。石棒も出土しているようである。(石棒を「金精様」と呼ぶのは岐阜県の習慣だろうか?)
#伝説 #岐阜県 #飛騨 #蛇 #こんにゃく #針 #怪物退治 #開墾
by admin. ⌚ 2022年06月19日(日) 14:51:28 伝説,神話,起源・由来,固有地名 <573文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 244-251p
前半は狡猾な男が天狗から姿の消える、いわば「魔法のアイテム」をだまし取る話。西欧では姿の消える魔法のアイテムは「ドワーフの宝」と考えられるが日本では「天狗のアイテム」のようである。男は北欧神話のロキにも似る。「怪物退治」が崩れた物語といえようか。
後半は中途半端に透明人間になった主人公が妻の叡智に救われる話。「姿が消える」ということは神話や伝承的には「死」も暗喩するといえるので、妻は夫を再生させるイシスのような女神的存在といえようか。
ただ、全体としては神話の崩れ、というよりは庶民的な面白い話、だと思うので、物語として確立したのは近世以降であり、修験道のプロパガンダとしての要素が強い物語だと感じる。
#昔話 #長野県 #中信 #天狗 #姿消える #魔法のアイテム #かくしみの #かくれがさ #ぼたもち #怪物退治 #叡智 #天狗 #修験道 #足
by admin. ⌚ 2022年06月06日(月) 13:42:10 昔話 <420文字> 編集
「シルクロードの民話 パミール高原」 269-279p
主人公が知恵のある老人に助けて貰う話。「怪物退治」の物語のバリエーションの一形態といえるが、物語の最後に主人公と父王がどうなったのか(再会したのか)等が語られておらず、おそらく本来の物語からみると、一部のモチーフが欠損して中途半端になっている物語だといえると思う。
物語の主題はまったく異なるのだが、「主人公が老人に助けてもらって旅をする点」「命を助けて貰う点」等、構成が「巡礼の道連れ」とよく似ていて興味深く感じる。
#民話 #タジキスタン #叡智 #オーディン #怪物退治 #賢明な教え
by admin. ⌚ 2022年05月06日(金) 08:23:54 民話 <291文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 162-167p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 56-61p、タイトルは「へびのシガ」に変更された。内容にもかなりの改変がある。理由は不明。
蛇というのは水神の象徴でもあると思う。水に関する神に恩があって、そのお返しに祟りを受けない、のみならず命まで貰ってしまう、というのは、「伏羲と雷公」の物語、いわゆる「洪水神話」の話の骨組みであると思う。ただし、本物語は、「人間が神を助けた」という性質が強いので、西欧的な「ノアの箱船」が起源というよりは、「伏羲と雷公」の物語の方が近くて起源に相応しいと思う。
外国では神は「絶対的な存在」とされることが多い、と思うのだが、本物語は図々しく人間が神に恩返しを求める話である。日本人の宗教観を探る上でも興味深い物語といえる。
#昔話 #長野県 #中信 #怪物退治 #報恩譚 #求恩返し譚 #蛇
by admin. ⌚ 2022年04月07日(木) 22:54:39 昔話 <420文字> 編集
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 135-139p
「怪物退治」譚の変形であり、倒す相手は舅である。
助け手は、主人公の母と父親(エルベリヒ)である。エルベリヒが樹木(菩提樹)の化身であることが示唆されている。
呪的逃走はない。
エルベリヒからは甲冑、盾、名剣ロッセを貰う。
主人公は一応キリスト教徒になっているが、あまりキリスト教的な匂いは感じない、単純な物語である。
参照:ユオン・ド・ボルドー(Huon de Bordeaux)とオーベロン(オベロン、Oberon)
#伝説 #ドイツ #指輪 #魔法のアイテム #菩提樹 #母親 #ホレのおばさん #力くらべ #ドワーフ #オーディン #怪物退治 #こびと #樹木信仰
by admin. ⌚ 2022年03月15日(火) 19:35:52 伝説,固有アイテム,英雄名 <370文字> 編集
「シルクロードの民話 パミール高原」 171-184p
複数のモチーフが組み合わさった物語。
前半と結末は、予言をする異界の乙女達との婚姻譚。最終的に一人とはうまくいくけれども、残りの二人とは破綻する物語。
そこに「兄その他を探す乙女」の後半部分(結婚、出産、子供の失踪)が加わり、
更に、姉弟の冒険譚、前半は弟の宝物入手譚、一部怪物退治+呪的逃走あり、後半は姉の「兄その他を探す乙女」+宝物入手譚となっている。
姉は弟やその他の人々の助け手ともなっているし、「おうむの真の主人」であることが暗示されている。
助け手にデヴィンと聖者ヒジールが登場する。「聖者ヒジール」がどのような聖者であったのかは調べられなかった。
2世代に渡る物語といえ、前半と結末は、精霊と王の婚姻譚、中間は姉と弟が、それぞれ女主人公と主人公になっている。
出産に関連して女主人公を虐めるエレシュキガル的存在が、姑ではなくて、姉二人、となっているところが、シンデレラとの共通点で興味深く感じる。
母親が土に埋められるところは、植物の化身であることを暗示させる。「たまご姫」的でもあると思う。
前半部分の類話は「妖精のおはなし」。
「兄その他を探す乙女」のモチーフがあちこちに散りばめられている。
母親の方が「罰を受ける女神」であり、娘の方が再生を司る女神である点は、岩見の伝承である「オオゲツヒメと狭姫」の関係も彷彿とさせ、興味深く思う。(「太陽と木と鳥2 」参照)
呪いを受けて石に変えられてしまうところは、個人的には「ライオンと魔女」を思い出しました。
#民話 #異類嫁 #イナンナとエレシュキガル #兄その他を探す乙女 #デヴィン #おばあさん #ホレのおばさん #聖者ヒジール #オーディン #シームルグ #おうむ #鳥 #鏡 #塩 #川と石 #馬 #動物 #石 #変身 #怪物退治 #呪い #禁忌 #すり替え人 #3人の金の子ども #呪的逃走
by admin. ⌚ 2022年03月02日(水) 14:12:24 民話,固有神獣 <1033文字> 編集
「シルクロードの民話 パミール高原」 147-156p
2つのモチーフが組み合わさった物語。
導入部分は主人公が結婚のために宝物を求める、という内容。「難題聟」であり「イアーソーン型」である。難題を課すのは舅である。おばあさんが間接的な助け手となるが、一般的に人でもできる範囲の助けに留まって、ナンの役割などははっきりしない。
主人公は人でなしの青ひげ的魔法使いに弟子入りする形式だが、魔法を教えてくれるのは魔法使いの娘である。冥界(魔法使いの住処)からの呪的逃走はあるのだけれども、魔法使いが町中に住んでいる、という設定になっているので「異界からの逃走」という要素がやや曖昧と感じる。本来、逃走のためのものであった主人公の「変身」も金儲けのためともなっている。「魔法使いの弟子」的な変身による逃走を繰り返して、主人公は魔法使いを退治すると、王女を得て結婚となる。
「財宝探索」の物語の中に、入れ子のように「魔法使いの弟子」的な、冥界を経て変身しながら逃走する物語が組み込まれている。そのため、冥界の娘との婚姻譚は削除されている。一番の類話は「魔法使いの弟子」である。
#民話 #タジキスタン #難題聟 #イアーソーン型 #おばあさん #ホレのおばさん #娘 #山羊 #羊 #牛 #馬 #駱駝 #鳩 #花 #イスラム教の僧 #大麦 #鶏 #狐 #変身 #呪的逃走 #怪物退治
by admin. ⌚ 2022年02月17日(木) 10:13:45 民話 <615文字> 編集
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 309-318p
「山のこびと」とは青ひげのような存在である。大金持ちであり、「見るな」の禁忌を持つ。
逆にこびとが荷物を運ぶ際は、こびとに「見ている」と労働を促すようになっている。
女主人公は老人と叡智と複数の助け手によりこびとを倒し、とらわれている人々を解放する。
池におちるフリをするモチーフは「ガマとサル」にもみられる。「石と川」の変形であろうか。
女主人公が自ら問題を解決する点は「サルのよめ」が類話である。
類話は「青ひげ」である。
#民話 #レートロマン #こびと #シヴァとサティー #見るな #禁忌 #金の飾りピン #見ている #怪物退治 #蜂起 #おじいさん #オーディン #池に落ちるふり #川と石 #人身御供 #罰を受ける女神 #炎黄闘争 #妹による救出
by admin. ⌚ 2022年02月14日(月) 21:07:00 民話 <398文字> 編集
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 274-297p
「怪物退治」譚の2つのパターンが組み合わさった物語。
一つは、魚の怪物と対峙する物語、もう一つは竜と対峙する物語である。魚の怪物は倒すわけではない。どちらの対決も、動物神と女主人公双方の助けを得ている。
#民話 #レートロマン #不知の子 #禁忌 #海 #熊 #蟻 #烏 #動物神 #変身 #竜 #龍 #怪物退治 #秘密の急所 #蛇の卵 #テーセウスとアリアドネー #歌 #卵の中に隠された鬼の(悪魔の)心臓 #水車池の女の水の精霊
by admin. ⌚ 2022年02月14日(月) 00:08:10 民話 <269文字> 編集
「シルクロードの民話 パミール高原」 86-106p
主人公と女主人公が上位の者と対立して町を追い出されるところは「ゲイ流譚」型といえる。
女主人公が魔人の側について、兄を殺そうとする。「怪物退治」のうち、ティアマト型といえる。自ら生んだ息子に殺される点も、マルドゥクとティアマトの関係を連想させる。魔人が穴の中に封印されていた点は、元は「冥界神」だったことの暗喩といえる。
甥が叔父に代わって戦い、魔人を倒したり、花嫁を得る点はまさに「ジークフリート型」といえる。
本来的な物語が「テーセウスとミーノータウロスとアリアドネー」だったとすれば、本来は女主人公と魔人が兄妹(あるいは姉弟)という関係であって、外からやってきた主人公(本物語では「兄」)の方が略奪婚の当事者だったといえるのではないか、と思います。私は、民話を考察する際に女主人公から見て「兄弟」と「夫」の区別はあまりつけません。なぜなら、古代の特に母系社会ではイシスとオシリスのように、兄妹であって夫婦である、ということは珍しいことではなく、むしろ家の財産を守るためにはその方が妥当であった、という文化があるからです。日本の古代の天皇家も、異母兄弟で結婚して天皇、皇后となり、皇族でなければ皇后として認められなかった、という時代がありました。そこには現代的に「兄弟」と「夫」を区別する文化はありませんでした。古代日本の「妹」という言葉は、妻を指す言葉でもあり、妹を指す言葉でもあったのです。また、通い婚である母系社会では、夫は複数いて当然ですので、女性の不貞という概念がなく、その点も現代と異なります。そのように考えると本物語の「甥」は、本当は魔人の子供なのか、兄の子供なのかも分からない、ということになります。子供が主人公のことを愛して、父親だと感じていたのであれば、血のつながりに関係なく主人公の側につくことは母系社会的にはあり得ること、と思います。ただし、本物語では「甥」は魔人の血を引いた半人半神のような英雄であり、正義に味方する若き神のような存在ですので、そういう点も「正義の神」であるマルドゥクを連想させます。そして、当然イスラム文化の影響を受けている物語ですから、イスラム的には女主人公の死は「名誉殺人」的な概念となるのかなあ、と思います。(身内を裏切って、身内の賛成しない男と仲良くなって正式な結婚もせずに、事実上の夫婦となっているわけだから。ただし、民話としてはそのような女主人公の行動も古代の女神の名残のように思われます。)
ジャムシード王は伝説的な古代ペルシアの王と言われていますが、インド神話のヤマ(閻魔)、北欧神話のユミルと同語源であると言われています。ジャムシード王の尽きせぬ宝がどこかの洞窟に隠されている、との考え方は、「さまざまな鉱物資源(尽きせぬ宝)を体内にため込んでいるプタハのような大地(冥界)の神」を連想させ、少なくとも民間的にはジャムシード王のことを、「宝物をため込んでいる冥界の王」と見なし得るような口頭伝承があったのかもしれない、と思うと、ジャムシード王からヤマへの変遷が感じられて興味深く思います。
#民話 #タジキスタン #ゲイ流譚 #怪物退治 #ティアマト #怪物尊重 #ジークフリート
by admin. ⌚ 2022年02月13日(日) 00:58:12 民話,神話 <1383文字> 編集
「シルクロードの民話 パミール高原」 81-86p
主人公である王が妻の不実(事実上の不貞)に気がついて行動を起こす点は「アラビアンナイト」の導入部分と良く似ている。「アラビアンナイト」では、主人公は不貞を働いた女主人公を殺し、それだけに飽き足らず次々と女性を娶っては殺す、という「復讐婚」的な暴君へと変化するが、本物語では、妻を檻に閉じ込めたところで物語は終わる。
「閉じ込められた妻」は「冥界に閉じ込められた(=死)」を暗示させるが、直接的な死としては語られない。直接的な死の表現がないところは、ペルセポネーのような「冥界の女神」への変化をも暗示させるか。
不倫妻が愛人に入れ込んで夫を殺そうとする(夫に不幸をもたらそうとする)点は、「アーサー王とグィネヴィア」を連想させる。神話としては「ネミの森」的といえよう。古代の冷酷な豊穣の女神にとっては、夫は「年老いている」というだけで、捨て去る正当性が生じるからである。
妻を閉じ込めた後、主人公が「聞くな」の禁忌を持つ存在へと変化するのは「王様の耳はロバの耳」を連想させる。蛇王ザッハークとの関連が示唆される。「女主人公が交替しない」という点では、シヴァとサティーの不完全な形と言える。
全体としては「ネミの森」的な人身御供を求める女神信仰と、シヴァ的な「妻の人身御供」を求める男神信仰が混在している物語で、不貞を嫌うイスラム的な思想が二つを纏めている物語といえると思う。「怪物退治」譚として見た場合には、退治されるのは女性であり、えん罪ではないので、神々を殺そうとしたティアマト的といえる。
#民話 #タジキスタン #馬 #聞くな #禁忌 #怪物退治 #馬 #ティアマト #閉じ込められている乙女 #不倫 #アルテミス #ザッハーク #鉄の棒
by admin. ⌚ 2022年02月10日(木) 09:28:01 民話 <761文字> 編集
「シルクロードの民話 パミール高原」 68-81p
主人公が家を出る下りは「ゲイ流譚」的である。
女主人公に「見るな」の禁忌があり、閉じこもった暮らしを送り、彼女の怒りを買ったものは死に至る、という点は「王女のハンカチ」と共通する。
略奪婚を試みる悪しき王の結末は、「怪物退治」の一型といえる。女主人公の助力がある点で、「テーセウスとアリアドネー」型の物語といえる。この物語では女主人公ではなく、主人公の方が鳥に化生する。馬との関連もわずかであるが示唆される。女主人公は杏と関連づけられる。
当人の姿以外のものが異性の心を捉えるという点は、日本の「髪長姫」を連想させる。
参照:絵姿女房
#民話 #中国 #絵姿女房 #見るな #禁忌 #怪物退治 #鳥 #馬 #杏 #植物 #テーセウスとアリアドネー #ゲイ流譚 #閉じ込められている乙女 #略奪婚
by admin. ⌚ 2022年02月08日(火) 23:56:50 民話 <463文字> 編集
「シルクロードの民話 パミール高原」 52-67p
女主人公が「7つの扉のついた地下室」に住んでいる点は、明らかに「イナンナの冥界下り」と共通したモチーフと思われる。イナンナが下る冥界にも7つの扉がある、とされる。この点の類話は「山のなかに閉じこめられた王女」である。
神話では、イナンナは姉エレシュキガルの支配する冥界を「自分のもの」と考えて下り、そこで冥界の女王である姉の怒りを得て殺された、とされるが、それはイナンナとエレシュキガルが「一体となったことを示している、とも解釈できる。少なくとも、本作の女主人公はイナンナ的ではあるが、冥界を住処としており、エレシュキガルともいえる性質を併せ持つ。彼女の住処に許しなく踏み込む者は、そこは「冥界」であるので、当然のように死ぬ。
一方、女主人公の夫は、父王の怒りを受けて旅に出る。これは「人身御供」の象徴ともいえるが、物語的には、「上位の者の怒りを得て、主人公が流転する」という点で、中国のゲイ神話、日本の日本武尊を思わせる。なにがしかの禁忌を破って、異界を流転する夫とそれを再生させようとする妻、という点ではエンリルとニンリル的でもある。
えん罪であるけれども、女主人公が夫を裏切った(ように見え)る、という点は、テーセウスとアリアドネーの神話が根底にあり、「二人が何故決裂したのか」という点について、アリアドネーの側にえん罪といえる理由があったのではないか、という理由付けの物語のようにも思える。
夫以外の男が妻にちょっかいを出しており、それが原因で争いが起きる、という点は、ラーマヤーナ的な「略奪婚」の要素であると思う。従って妻を略奪した「怪物」は最終的には退治されるが、この物語では怪物を倒すのは、妻自身となっており、とても強いヒロインの物語といえる。妻の貞節を賭けて騙される話。
妻が夫を男装して捜し求める点は、「兄たちを探す乙女」の変形版といえる。
全体としては、テーセウスとアリアドネーの物語のモチーフが一番強く、そこに「妻のえん罪」という要素が大きく関わる物語といえます。でも、本作の「妻」はイスラム圏の物語なのに、こんなに女性が強く、魔女的で、物語の主導権を握る存在であっていいのだろうか? と異教徒の私の方がむしろ思うくらい、女主人公の行動力と活躍が強く前面に出ており、夫を勝たせるのか、略奪者を勝たせるのか、それは「女神の恩寵次第で決まる」という、「ネミの森」のような太古の女神信仰の影響が強く残されている物語だと感じます。日本武尊の物語でも、日本武尊の人生を左右する存在として伯母の倭姫が大きく関わってきますし、大国主命は貝の女神に命を再生させて貰います。ゲイ神話的に主人公が流転するモチーフは、東アジア的な要素だと思う。ゲイもまた、妻の嫦娥に振り回される存在でもあります。しかも、テーセウスとアリアドネーのように、ゲイと嫦娥も決裂します。ゲイと嫦娥の神話が西に広がって、テーセウスとアリアドネーの物語に変化する過程で「えん罪」という要素が独自の形で入り込んできた物語といえるのかもしれないと思います。
女主人公が「見てはならない」(当人の魔力によっても「見ることができない」)存在である点も、太古の女神の姿を彷彿とさせると感じます。これは「鶴の恩返し」とも共通のモチーフです。
類話は「美しい娘」である。
#民話 #タジキスタン #イナンナとエレシュキガル #エンリルとニンリル #ハンカチ #絵姿女房 #見るな #禁忌 #怪物退治 #男装流譚 #鳥 #天人女房 #テーセウスとアリアドネー #ゲイ流譚 #えん罪 #妻の貞節を賭けて騙される話 #兄その他を探す乙女 #閉じ込められている乙女 #王の子どもたち
by admin. ⌚ 2022年02月07日(月) 14:06:42 民話 <1585文字> 編集
「シルクロードの民話 パミール高原」 29-52p
全体の流れは「3人男」の変形版といえる。
3人の男性が流転する点、最後に「幸せな結婚」が一人の男だけに訪れる点である。西欧の民話によく見られる「末子成功」の型ではない。その点は東洋的といえると思う。
妻が略奪される点、最終的に救い出す点は、「ラーマヤーナ的」といえる。いわゆる「怪物退治」の変形版である。
主人公が隠者的(獣の王)な生活を経て、人としての再生を得る点は、オルフェウス的でもあるし、ギルガメシュ叙事詩のエンキドゥを思わせる。あるいはシヴァの原型と言われるインダス文明のパシュパティを彷彿とさせる。
息子の一人が川に流される、という点は「人身御供」を思わせる。これが転じて、サルゴン大王やモーセの伝説が派生しているように思われる。
優れた医者が死者を生きかえらせる能力をも持つ、という点はアスクレーピオス神話を思わせる。地中海周辺に発達したこの神話は、イエス・キリスト神話に受け継がれるように思う。人が神の領域に踏み込むような能力を持つことの是非を問うような深い考察を伴うギリシャで語られるアスクレーピオス神話とは異なり、単純に遠い異世界(ローマ)での、夢のような憧れの出来事として、アスクレーピオス神話の片鱗は登場する。元々はオルフェウス的な神話だったものが、キリスト教の影響を受けて変化したものか?
このように、洋の東西の様々な民話や神話のモチーフがちりばめられながら、最後に主要な登場人物全てが「めでたし めでたし」となるところが、神話や民話を越えて、「文芸作品」と呼ぶに相応しい物語といえると思います。
距離的に近いせいか、全体としてはインド神話との共通のモチーフ(思想)が多いように思います。
全体としてはイスラム的な文化の影響を受けている平和的な民話ですが、アスクレーピオス神話(しかもローマが出てくる)がちょこっと絡む点が、微妙にカトリックの匂いがする、と個人的には思います。
おそらく、「死者を生き返らせる」という思想は、
英雄の技 → 隠者の技(獣の王、オルフェウス等) → 医者の技(アスクレーピオス) → キリストの技(キリスト教外ではミトラスの技?)
と変遷しているのだと思われる。
#民話 #中国 #難題聟 #3人男 #ラーマヤーナ #怪物退治 #獣の王 #鷹 #鳥 #川 #人身御供 #アスクレーピオス #蘇生型 #オルペウス教 #カトリック
by admin. ⌚ 2022年02月04日(金) 18:39:58 民話 <1031文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 154-158p
下男達の助け手となる男神がペルーンであることが明らかになっている物語。
前半は地主=怪物的な物語で、ペルーン(物語中ではペコルーン)が問題解決をしてしまう。物語の主人公はペルーンといえる。
後半は馬に変えられた地主がキャベツを食べて再生する話で、キャベツを捧げられる馬の神のような扱いになっている。地主は家畜の神であるヴォーロスの化身といえようか。地主(ヴォーロス)は再生されると新たに結婚生活をやり直すわけで、結婚の復活も神らしい結末と言える。
「馬を恐れない」という禁忌は明確な言葉では現れないが、下男達の容赦ない態度から暗喩される。タフムーラス型といえる。
#民話 #ラトビア共和国 #馬 #禁忌 #タフムーラス #食事 #恐れ #おじいさん #ペルーン #ヴォーロス #聖ゲオルギウス #地主 #怪物退治 #変身 #キャベツ #植物 #吝嗇
「ソヴィエト諸民族民話集」 112-137p
前半は「テーセウスとアリアドネー」型の物語。
後半は「うりひめ」、「たまご姫」や「とくさむすめ」、「のろいをかけられた花嫁」、「白檀の木」に通じる話である。
神馬に関して「恐れないこと」が禁忌とされるのはタフムーラス型である。
超常的な者にキスされると、ある意味正気ではなくなる、という点での類話:底革のハンス
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by admin. ⌚ 2022年01月11日(火) 23:25:22 民話 <367文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 60-79p
射日神話的。
助け手におじいさんとおばあさんがいる点、倒す怪物も悪龍とその妻となって、ある種ジェンダーレスなところが珍しい物語である。
悪龍の妻をも倒してしまうので、結婚はない。結婚する前から妻と破綻しているパターンである。
岩戸のモチーフが不完全であるが登場する。
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by admin. ⌚ 2022年01月02日(日) 18:05:47 民話 <299文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 57-63p
アラビアンナイト的。一種の知恵を使った「怪物退治」譚ともいえる。
主人公が鳥に乗って脱出するくだりの類話は「ラ・ラメー」である。怪物を退治した結果、財宝を得るのは桃太郎的か。
元は人身御供を立てて、生贄を異界への使いとして、異界の財宝を得よう、という概念があったと思われる。いわば、生贄に捧げた者をヘルメースのような「境界神」「伝令神」にしよう、という思想である。その否定思想を「復讐」という手法で表現した報復譚といえる。
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by admin. ⌚ 2022年01月01日(土) 18:27:00 民話 <332文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 44-49p
一寸法師的、末子成功譚の変形。
主人公、乞食のおじいさん(助け手)、盗賊(怪物)という構成が残り、「怪物退治譚」が崩れた物語であることが分かる。
主人公が家に戻る際に、輪廻転生的(豆→牛→豆)に変化することが特徴である。主人公が明らかに植物の化身である点、食べられる点からハイヌウェレ的と考える。
泥棒達は主人公を泥棒の手先に利用しようとしており、外界と特定の家の中とを結ぶ「境界神」としようとして、財宝を得ようとしている。
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by admin. ⌚ 2021年12月31日(金) 07:48:06 民話 <334文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 20-29p
女主人公、助け手、怪物といった物語の骨格となる登場人物の全てが女性である点が珍しく感じる。織物に関する若い女神と老いた女神との対立は、西欧では「夏と冬の対立」のように語られる傾向が強いが、本物語では季節の循環的な要素は乏しい。紡錘むすめはゲルマン神話で言うところのエオステレに相当し、本来のトーテムは兎であった可能性が高いと考える。「紡錘むすめ」という名前からして織物に関する女神が崩れた神を思わせるが、本物語での性質としては九天玄女のような軍神としての性質が強いように感じる。異界と行き来できる点は、メソポタミア神話のイナンナを思わせる。
櫛が呪的逃走の「魔法のアイテム」となる点は「英雄ディックベール」、「スルタンのぶち犬」と共通している。
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by admin. ⌚ 2021年12月28日(火) 00:30:53 民話 <506文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 86-90p
蛇婿としては、「三輪山伝説」の類話。
蛇はいわゆる「河伯」の象徴でもあるので、河伯に「妻」と称して若い娘を生贄に捧げる、でないと祟りを受ける、という思想をそのまま示した物語である。
后羿の神話では祟る河伯の目を射て祟りを鎮めることになるが、本物語では「怪物退治」は失敗して、逆に人身御供を捧げる結果となってしまう。むしろ、河伯を倒そうとした黒姫の父親の方が「悪い」となるような展開である。
・・・これだから、古い時代の「天帝」は人身御供擁護派だったのではないのか、羿は人々を助けようとしたからこそ罰を受けたのではないか、と筆者が言いたくなる所以である。
長野県の北信地区には、民話が語られるような時代になるまで、「人身御供を擁護する思想」がはびこっていた証拠といえるのではないか、と思うくらいである。だからこそ、猿神を退治する早太郎を探しに、わざわざ南信まで行かなければならないのである。北信ではそのような英雄こそが悪者である、という思想を示した物語ともいえる。
また、蛇神に対する人身御供に対して、馬がなにがしかの形で関わることが示唆される物語でもある。
志賀高原には、この物語の大蛇が住むという大沼池がある。
羿神話に否定的という点で、類話は「くもが淵 」である。
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by admin. ⌚ 2020年07月26日(日) 23:40:33 昔話,伝説 <619文字> 編集
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 64-68p
オジエ・ル・ダノワ(Ogier le Danois、デンマーク人オジエ)はシャルルマーニュに仕えていた。シャルルマーニュ伝説の十二勇士の一人である。
オジエは勇敢な騎士で、アヴァロンの女主人モルガン・ル・フェイ(Morgue la faye、モルグ・ラ・フェイ)の恋人だった。モルガン・ル・フェイは嵐を起こすことのできる女神的存在である。楽園に近い場所に美女がいて、恋人となってくれる、という設定は、やはり「山のおやじ」的だと思う。
パピヨン (Papillon) という馬をモルグから送られる。
楽園でオジエが蛇を倒すところは「怪物退治」的な流れでもあるし、楽園に巣くった原罪の蛇をオジエが倒した、という暗喩でもあると思う。
オジエがアーサー王の代わりに戦うところはジークフリート的である。オジエが異教徒の王の妻を娶ろうとするところは「瓜子姫」的だが、モルグに連れ去られてしまうため、キュベレーとアッティスのような展開になっている。
オジエは女神を愛人に持ち、怪物退治を行い、ジークフリート的でもあり、最後に女神に連れ去られてしまう、と西欧の理想の英雄伝説の総まとめの見本のような存在だと思う。キリスト教の影響が色濃いと感じる。オジエの楽園生活の描写は、「キリストの戦士になったらこうなりますよ」という、まさに「山のおやじ」的プロパガンダが目的で作られたものではないだろうか。
伝ランベール・ド・パリ作『オジエの騎士道』(Chevalerie Ogier de Danemarche; 原型は12世紀だが、伝わる作品は13世紀初頭)(オジェ・ル・ダノワ)
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「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 272-275p
逃走の際には主人公は山羊に助けて貰っている。オデュッセイアのキュクロープスの項を連想させる内容である。
助け手である「3人のおばあさん」は「3人の運命の女神」(ノルンといえるか?)を思わせる。
ろうそくの魔力に助けて貰う点は「魔法のランプ型」といえる。最後に舅と姑を殺してしまう点が「怪物退治譚」の名残といえよう。
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by admin. ⌚ 2020年07月10日(金) 00:14:48 民話 <290文字> 編集
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 254-259p
「怪物退治」の物語のうち、「呪的逃走」の部分を大幅に拡大して
1.鳥を得る物語
2.馬を手に入れる物語
3.王女手に入れる物語
の3つのエピソードを順次織り込んでいるタイプ。
人間の死霊が蛙(動物神)に変わる、というのは輪廻転生的だと思う。
死刑囚を助けると、代わりに主人公が冥界に落ちてしまう、という珍しい型の「オシリスとセト」的入れ替わり譚もついている。主人公は天馬に乗って逃げ出す。
3人兄弟の末子と上の二人との関係は「マリク・ハッサン」に似る。鳥を盗むところも「マリク・ハッサン」と同様である。
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by admin. ⌚ 2020年07月07日(火) 11:27:09 民話 <445文字> 編集
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 211-215p
キリスト教的な「悪魔に魂を売った者を神が助ける話」といえる。
悪魔の姿が豚や山羊であるのは北欧神話的にはフレイやフレイヤに関連づけられるのではないだろうか。「風の神」である点はオーディンを連想させる。
隠者の叡智が悪魔払い(怪物退治)に通じる点は他者に助けて貰うので「ジークフリート」型と思う。この点の類話は「化け猫」である。
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by admin. ⌚ 2020年05月11日(月) 17:53:41 民話 <274文字> 編集
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 203-206p
「洗濯おけ」の項は、川や池に人身御供を捧げる行為の「パロデx-」と感じる。羊や牧師は「キリスト教」の象徴ではないだろうか。
樹木と泥棒のエピソードは「怪物退治」や「樹木信仰」の名残。これもパロディーである。主人公は怪物退治をして幸せな結婚をする。汚物もまた主人公の「化身」である。唾からも神が生まれるという日本神話の根本にある精神と共通の思想が、かつては各地にあったことを伺わせる。これも非常に古い時代の思想であろう。
「愚か者」が「無垢な者」でもあり、成功する、という思想もキリスト教的なのではないだろうか。それを逆手にとって、キリスト教に対する批判が強く感じられる物語であると思う。
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by admin. ⌚ 2020年05月09日(土) 22:56:57 民話 <469文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 44-50p
「美女と野獣」的 or 「猿神退治」的
前半の猿が女主人公を得るまでは、どちらかといえば「難題婿」的な展開。
後半は呪的逃走が変化したもので、「川と石」のモチーフが出てくる(臼は木製かも知れないが)。猿に重い荷物を運ばせるところは「山のこびと」的である。
どちらかといえば、騙された猿神が気の毒な展開の物語であるが、怪物の死と女主人公の再生(逃走)というモチーフは良く保たれている。
女主人公は餅(植物)の化身といえる。女主人公が自ら冥界に赴いて問題を解決してしまう点も「山のこびと」が類話といえる。
逃走の際の「川と石」のモチーフは「英雄ディックベール」、「スルタンのぶち犬」、「山男」にみられる。
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by admin. ⌚ 2020年05月09日(土) 22:45:38 昔話 <434文字> 編集
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 198-201p
若者が守護神(男性)の助力を得て、怪物を退治し、妻を得る、というモチーフはポセイドーンとアムピトリーテー型といえる。
鳥信仰は樹木信仰に通じるが、「天人女房」にも通じる物語であるので、その点からは女性(妻の化身)から助力を得ている、という点で、テーセウスとアリアドネー型ともいえる。
全体からいえば、聖者(父なる神)の部下である女神(青い鳥)の助力を得て成功する物語、といえる。これをワルキューレ型と呼びたい。
二人の男性の立場が入れ替わる点は、オシリスとセト的といえる。
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by admin. ⌚ 2020年05月08日(金) 20:03:07 民話 <324文字> 編集
「フェアリーのおくりもの トマス・カイトリー」 24p
「地上の上のもの」と「下のもの」を毎年交互に得る、という詐欺めいた物語。
怪物退治の変形か。
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