タグ「炎黄闘争」を含む投稿[12件]
by admin. ⌚ 2022年09月16日(金) 02:04:49 <176文字> 編集
「シルクロードの民話 パミール高原」 157-171p
2つのモチーフが組み合わさった物語。
1つ目はいわゆる「難題婿」で、おじいさんと霊鳥シームルグの助けを得て、女主人公を手に入れる物語である。
中間部として、二人の若者の出会いと、「力くらべ」の末の和解と友情が挿入される。インド神話のガルダとインドラの関係に似る。
2つ目は、もう一人の若者の冒険を、霊鳥シームルグと主人公が助ける物語で「呪的逃走」を伴う。
シームルグは本物語では「母なる鳥」とされているため、女神的存在ということで、「ホレのおばさん」型とする。「呪的逃走」の場面では「川と石」と「櫛」という有名な2つのモチーフが登場する。
霊鳥シームルグはイラン神話に登場する古い時代からの神的存在で、伝承はイランのみならずパミール高原にまで広がっているようである。シームルグが木に住んでいて、その根元に蛇が住んでいるというところは、イラン神話の「ハオマの木」を思わせるが、「鳥と蛇の対立」はインド神話のガルダとナーガを思わせる。(イラン神話では蛇(トカゲ)から木を守るのは魚やロバとされている。)
神話では、シームルグの羽には病気や傷を治す霊力がある、とされているが、民間伝承では、その能力は拡張されて、西欧の民話に出てくるような「助け手のおばあさん」「助け手のおじいさん」(彼らの本来の姿は異教の神々だったのだろうと思うが)のような全能的な役割をシームルグが負っている。シームルグは助言をしたり、魔法のアイテムをプレゼントしたりしてくれる。
また、神話では英雄ロスタムとイスファンディヤール王子との争いの際にシームルグが和解するよう助言する場面があり、神話と本物語を併せると、シームルグは広く「友愛を取り持つ霊鳥」とみなされる傾向があるのかもしれない、と思う。「霊鳥」に関して、イラン神話とインド神話の両方の要素がみられ、中間地点のパミール高原の物語として興味深く感じる。
「川と石」のモチーフ:「サルのよめ」、「スルタンのぶち犬」、「山男」
「櫛」のモチーフ:「スルタンのぶち犬」、「紡錘むすめ」
参照:木と鳥
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by admin. ⌚ 2022年02月22日(火) 11:16:46 民話,固有神獣 <1163文字> 編集
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 309-318p
「山のこびと」とは青ひげのような存在である。大金持ちであり、「見るな」の禁忌を持つ。
逆にこびとが荷物を運ぶ際は、こびとに「見ている」と労働を促すようになっている。
女主人公は老人と叡智と複数の助け手によりこびとを倒し、とらわれている人々を解放する。
池におちるフリをするモチーフは「ガマとサル」にもみられる。「石と川」の変形であろうか。
女主人公が自ら問題を解決する点は「サルのよめ」が類話である。
類話は「青ひげ」である。
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by admin. ⌚ 2022年02月14日(月) 21:07:00 民話 <398文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 60-79p
射日神話的。
助け手におじいさんとおばあさんがいる点、倒す怪物も悪龍とその妻となって、ある種ジェンダーレスなところが珍しい物語である。
悪龍の妻をも倒してしまうので、結婚はない。結婚する前から妻と破綻しているパターンである。
岩戸のモチーフが不完全であるが登場する。
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by admin. ⌚ 2022年01月02日(日) 18:05:47 民話 <299文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 57-63p
アラビアンナイト的。一種の知恵を使った「怪物退治」譚ともいえる。
主人公が鳥に乗って脱出するくだりの類話は「ラ・ラメー」である。怪物を退治した結果、財宝を得るのは桃太郎的か。
元は人身御供を立てて、生贄を異界への使いとして、異界の財宝を得よう、という概念があったと思われる。いわば、生贄に捧げた者をヘルメースのような「境界神」「伝令神」にしよう、という思想である。その否定思想を「復讐」という手法で表現した報復譚といえる。
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by admin. ⌚ 2022年01月01日(土) 18:27:00 民話 <332文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 44-49p
一寸法師的、末子成功譚の変形。
主人公、乞食のおじいさん(助け手)、盗賊(怪物)という構成が残り、「怪物退治譚」が崩れた物語であることが分かる。
主人公が家に戻る際に、輪廻転生的(豆→牛→豆)に変化することが特徴である。主人公が明らかに植物の化身である点、食べられる点からハイヌウェレ的と考える。
泥棒達は主人公を泥棒の手先に利用しようとしており、外界と特定の家の中とを結ぶ「境界神」としようとして、財宝を得ようとしている。
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by admin. ⌚ 2021年12月31日(金) 07:48:06 民話 <334文字> 編集
「ソヴィエト諸民族民話集」 30-34p
舌切り雀的。前半は「鶴の恩返し」のように報恩譚である。後半は復讐譚になる。
コウノトリはヨーロッパでは河川女神の使者のように暗喩的に考えられている、と個人的には思う。(蜂も同様の意味を持つのであろう。)
女神が特定の人物に恩寵を与える点は、この物語の起源が炎黄闘争の神話にあり、コウノトリは九天玄女に相当するからであると思う。
コウノトリが瓜科の植物の種をもたらす点は瓜信仰(伏羲信仰)との関連性を窺わせる。
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by admin. ⌚ 2021年12月28日(火) 18:02:55 民話 <318文字> 編集
「世界の民話2 南欧 ぎょうせい」 20-27p
有名な「青ひげ」である。
禁忌を破った妻が罰を受ける、というモチーフが含まれる。人身御供の暗喩といえる。
典型的な炎黄闘争の物語といえようか。
類話は「山のこびと」である。
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