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固有名詞は可能な限りWikipediaに準ず

全年全月6日の投稿(時系列順)16件]

豆よ、真っ二つに切ってやるぞ ATU563
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 242-244p

 樫の木は主人公達の分身、ろうそくは魂の象徴である。
 「魔法使いの弟子」の変形ともいえるが、円満退職しているので、「豊穣の女神の恩寵を得た」という物語である。冥界へ行って豊穣をもたらす、という点はハイヌウェレ的ともいえる。「冥界に行って、女っ主人から魔法のアイテムを貰って戻ってくる」という点は、個人的には浦島太郎の陸上版のように感じる。
 「赤い首輪をつけた蛙」が一番近い物語といえようか。

#民話 #レートロマン #3人兄弟 #末子成功譚 #豆 #植物 #魔法のアイテム #テーブルクロス #ろば #魔法の大釜 #樫 #ろうそく #人身御供 #テーブルとロバとこん棒

by admin. 民話 <342文字> 編集

白鳥の乙女 ATU313
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 244-247p

 主人公が悪魔に魂を自ら売ってしまう点は「くつ屋のおとぎ話」と同じである。
 聟と舅が対立して間に入った嫁を殺してしまう、という展開は、そのままシヴァとサティーの物語といえる。

#民話 #レートロマン #隠者 #オーディン #テーセウスとアリアドネー #シヴァとサティー #天人女房 #皮隠し #難題聟 #白鳥 #ぶどう #人身御供 #魂売り #呪的逃走

by admin. 民話 <224文字> 編集

半分男 ATU675
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 247-250p

 「魔法使いの弟子」の変形が著しいタイプ。主人公は悪魔(魔法使い)と関わって魔法を習う代わりに、半身になっても生きている、という特殊な能力(魔力の一種)を手に入れたといえる。

#民話 #レートロマン #不知の子 #悪魔 #半身英雄 #鱒 #動物神 #処女懐胎 #難題聟 #淡島 #人身御供 #半分男 #怠け者の少年

by admin. 民話 <202文字> 編集

金ひり子犬
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 60-63p

 「花咲爺」の類和といえるか。犬神が捧げ物を得ると、金を生んでくれる、という話。
 ということは、犬は雌なのだと思われる。
 主人公(おじいさん)が親切な人で、女主人公(おばあさん)が意地悪な人で、異性同士が対照的となっているのは、イザナギとイザナミ的である。
 犬神がなぜ、主人公、女主人公と暮らすようになったのか、という理由は欠如していて不明である。

 でも、ものすごく単純な「神様に捧げ物をしたらお金が儲かる(根拠は不明)」という短絡的思想は、民話の中だけでなくて、現在の「神社」というものに対する日本人の姿勢を見ても、日本人の精神文化の中に非常に深く根付いているといえると感じる。(ここまで単純で露骨な思想形態はあまり他では類を見ないと感じる。)お金大好き日本人文化を象徴するような物語である。・・・別にお金だって必要なものだから、それが悪いとは言わないけどさあ。私だってお金は欲しいけど。

#昔話 #長野県 #北信 #犬 #動物 #化成 #金 #イザナギとイザナミ #池

by admin. 昔話 <477文字> 編集

豊穣の牝牛

ペルシャ:ビルマーヤ:英雄フェリドゥーンを育てる
インド:スラビーまたはカーマデーヌ
ケルト:グラス・ガヴナン:鍛冶師ゴヴニュの牛

ギリシャ神話のアマルティアに通じる性質がある。

#神話 #牝牛 #雌牛 #牛 #神獣

by admin. 神話 <117文字> 編集

動物のことばがわかる男 ATU671
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 250-253p

 主人公が父親の怒りを買って流転しなければならない点は「ゲイ流譚」である。
 全体としては「魔法使いの弟子」の変形版といえる。主人公が魔法使いならぬ「学校」から習ってきたのは「動物の言葉」である。それが主人公の「超常的な能力」となり、蘇民将来的な能力を発揮するまでに至る。キリスト教で「蘇民将来」といったら、主人公はイエス以外の何者でもない。「獣の王」的な主人公が人を蘇生させる、というオルフェウス的な民話を、主人公をイエスになぞらえて書き換えたものといえよう。イエスも同然の若者はローマ法王にまで上り詰めるわけだから、まさにキリスト教を庶民に親しみ易くして、布教するための「プロパガンダ」のために作られた物語といえるのではないだろうか。主人公が超常的な能力を手に入れる場所が魔法使い(悪魔)の元ではなく、学校と書き換えられているのも、そのためかもしれない。
 鳥が、王(あるいはそれに類する者)の頭の上に舞い降りる、という概念はイラン神話のフマを思わせる。その点の類話は「ユシィフとズライカ」である。

#民話 #レートロマン #ゲイ流譚 #舌 #兎 #身代わり動物 #鳩 #蛙 #烏 #フマ #獣の王 #動物神 #獣の王 #蘇民将来 #疫神 #カトリック #プロパガンダ #3種の言葉

by admin. 民話 <596文字> 編集

おじいさんと一つ目の大男たち
「ソヴィエト諸民族民話集」 80-92p

 他者よりも非力なものが、知恵を使って怪物を退治する点は「ずるいこじきと人食い巨人」と共通する。不可能なことを求める点は「蝶むすび」と同じ。
 おじいさんが単独で怪物に立ち向かう点は桃太郎的である。

 狐はずる賢くて人を騙す動物とされているが、本物語では炎帝を象徴するトーテムとされている。


#民話 #キルギス共和国 #怪物 #一つ目 #巨人 #叡智 #炎帝狐 #狐 #無理難題 #怪物退治 #聖ゲオルギウス #不可能 #炎黄闘争

by admin. 民話 <261文字> 編集

麻布とくしゃみ
「ソヴィエト諸民族民話集」 93-98p

 蘇民将来的。病気に関してではなく、報恩として「豊穣のアイテム」を授かるタイプである。
 仕事を続ける、という点では、「主イエスと聖ペトロがフリオールに来たとき」「山女の贈りもの」が類話。

#民話 #エストニア共和国 #旅人 #オーディン #蘇民将来 #麻布 #労働継続 #くしゃみ #布

by admin. 民話 <181文字> 編集

仕立屋とくまと小鬼
「ソヴィエト諸民族民話集」 99-105p

 ブレーメンの音楽隊的、3人兄弟的だが、異種の3人組(仕立屋、熊、子鬼)であるところが特徴的。
 怪物退治に菩提樹が関わっている点は、女神でも男神でもないので、「樹木信仰」の一形としました。

#民話 #タタール #3人兄弟 #仕立屋 #熊 #妖怪 #怪物退治 #笛 #菩提樹 #樹木信仰 #ブレーメン #獣の王

by admin. 民話 <189文字> 編集

食わずにょうぼう
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 109-116p

 吝嗇が元で、怪物に祟られる話。
 後半に「呪的逃走」が入る。
 「瓜子姫」が欠落した「瓜子姫と天邪鬼」といえると思う。要は、魔女との婚姻と、その逃走譚(この場合は「追い出し」型)である。
 「瓜子姫」は登場しないが、その名残で、逃走の手助けを植物が行ってくれる。それが「端午の節句」の由来譚となっている。

#昔話 #長野県 #中信 #鬼 #祟り #吝嗇 #呪的逃走 #由来 #樹木信仰 #蓬 #菖蒲 #追い出し #匿い

by admin. 昔話,起源・由来 <251文字> 編集

フェアリーの問い
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 207-208p

 「最後の審判」とフェアリーの物語。
 キリスト教のプロパガンダというか、説話的な物語。

#伝説 #スコットランド #フェアリー #カトリック

by admin. 民話 <109文字> 編集

最後のことば ATU910
「シルクロードの民話 パミール高原」 269-279p

 主人公が知恵のある老人に助けて貰う話。「怪物退治」の物語のバリエーションの一形態といえるが、物語の最後に主人公と父王がどうなったのか(再会したのか)等が語られておらず、おそらく本来の物語からみると、一部のモチーフが欠損して中途半端になっている物語だといえると思う。
 物語の主題はまったく異なるのだが、「主人公が老人に助けてもらって旅をする点」「命を助けて貰う点」等、構成が「巡礼の道連れ」とよく似ていて興味深く感じる。

#民話 #タジキスタン #叡智 #オーディン #怪物退治 #賢明な教え

by admin. 民話 <291文字> 編集

足の化けもの
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 244-251p

 前半は狡猾な男が天狗から姿の消える、いわば「魔法のアイテム」をだまし取る話。西欧では姿の消える魔法のアイテムは「ドワーフの宝」と考えられるが日本では「天狗のアイテム」のようである。男は北欧神話のロキにも似る。「怪物退治」が崩れた物語といえようか。
 後半は中途半端に透明人間になった主人公が妻の叡智に救われる話。「姿が消える」ということは神話や伝承的には「死」も暗喩するといえるので、妻は夫を再生させるイシスのような女神的存在といえようか。

 ただ、全体としては神話の崩れ、というよりは庶民的な面白い話、だと思うので、物語として確立したのは近世以降であり、修験道のプロパガンダとしての要素が強い物語だと感じる。

#昔話 #長野県 #中信 #天狗 #姿消える #魔法のアイテム #かくしみの #かくれがさ #ぼたもち #怪物退治 #叡智 #天狗 #修験道 #足

by admin. 昔話 <420文字> 編集

ペテル・デ・カビナムの娘
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 222-225p

 スペインにおける「魔神(デモン)」とは、ヨーロッパ的よいうよりは、中東のデーヴァに似ていないだろうか。
 人間を誘拐して働かせる話なので、取り替え子の類話といえる。

 参照:取り替え子

#民話 #カタロニア #スペイン #魔神 #デモン #湖 #魔法のアイテム #取り替え子

by admin. 民話 <182文字> 編集

炉の中に落ちたスコッテ
「フェアリーのおくりもの トマス・カイトリー」 25-26p

 異界の者の集会で聞いたことを家人話して起きる物語。又聞き譚。
 さまざまなバリエーションがあるように思う。

#民話 #デンマーク #トロール #又聞き譚 #ビール #やかん #大釜

by admin. 民話 <136文字> 編集

お寺の小僧さん
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 137p、コラム

 木曽福島町興善寺の稲荷に関する伝承である。これもハッピーエンドではない。

 これも、いわゆる「炎黄闘争」が非常に長い時を経て崩れた形式の物語といえると思う。普通は狐は人を化かすものであるのだが、ここでは「良い狐」として描かれていることが興味深く感じる。興善寺には木曽義仲の墓もあるとのことである。

参考文献:木曽の民話民宿松尾 HPより(最終閲覧日:22-09-06)

#昔話 #長野県 #中信 #狐 #非業の死

by admin. 昔話 <273文字> 編集

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