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固有名詞は可能な限りWikipediaに準ず

油の運び方のこつ
「シルクロードの民話 パミール高原」 320p

 小話かつ笑話。愚か話。

#民話 #タジキスタン #愚か話 #油

by admin. <67文字> 編集

人身御供(ひとみごくう)の伝説
「ひだぶり街道物語 岐阜新聞社」 32p

 宮川村の人身御供伝説。
 前半は八岐大蛇的な若い娘の生贄を求める大蛇の話。
 後半は娘自身が大蛇を倒す話。蛇が金物(特に針)を嫌う点は三輪山伝説に類似している。蛇(化け物)退治の英雄は登場しない。
 村の水田の開墾由来譚であり、お寺での断食供養の由来譚でもある。
 女性の力が開墾(村全体の収入や生活の安定の元となる事業)を可能にしたり、悪者の存在を解決する点は、岩見の乙子狭姫 の伝承と似る。かつては女神が直接農作物の豊穣をもたらす、という伝承があり、それが崩れたものか。飛騨地方の縄文時代の信仰を知る上での資料となり得るような古い時代に起源のある物語なのでは、と思う。(生きているままの女神に対する信仰の片鱗が残っているから。)
 お寺での断食供養はやや「犠牲的」な祭りといえるが、若い女性が女神(水や豊穣の神)の代理人あるいは祭祀者として神を祀っていた縄文時代の祭祀の名残かもしれないと思う。

 宮川村は縄文時代のイノシシ、クマ、蛇などの動物をかたどった動物意匠紋土器が岐阜県で初めて出土した地とのこと。石棒も出土しているようである。(石棒を「金精様」と呼ぶのは岐阜県の習慣だろうか?)

#伝説 #岐阜県 #飛騨 #蛇 #こんにゃく #針 #怪物退治 #開墾

by admin. 伝説,神話,起源・由来,固有地名 <573文字> 編集

味のつけ方 ATU1687+ATU1696+ATU1741

「シルクロードの民話 パミール高原」 316-319p

 言うべき言葉を段階的に忘れてしまう愚か話。

#民話 #タジキスタン #愚か話 #忘れ話 #転倒 #名前 #忘れた言葉 #「何て言うべきだったの(何をすべきだったの)?」 #司祭の客と盗み食いされた鶏

by admin. 民話 <161文字> 編集

豚でない豚
「シルクロードの民話 パミール高原」 314-315p

 小話かつ笑話。豚が忌避される物語は、ムスリムの文化だからか?

#民話 #タジキスタン #愚か話 #豚

by admin. 民話 <87文字> 編集

アロー家のはじまり
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 243-244p

 鳥女房的物語兼始祖伝説といえる。キリスト教が浸透すると、「神の子孫」を名乗る人々はいなくなったかもしれないが、かつての始祖としての「神」は人外の超常的存在へと変化したように思える。この物語に登場するヒロインは「山羊のようなひづめ」を持っており、かつては山羊をトーテムとした女神であったことが示唆される。

#伝説 #カタロニア #スペイン #始祖伝説 #禁忌 #聖母マリア #馬

by admin. 伝説 <228文字> 編集

あきれた両親 ATU1341
「シルクロードの民話 パミール高原」 314-315p

 愚か話。

#民話 #タジキスタン #愚か話 #愚か者たちが泥棒に何を盗んではならないか警告する

by admin. 民話 <93文字> 編集

ペテル・デ・カビナムの娘
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 222-225p

 スペインにおける「魔神(デモン)」とは、ヨーロッパ的よいうよりは、中東のデーヴァに似ていないだろうか。
 人間を誘拐して働かせる話なので、取り替え子の類話といえる。

 参照:取り替え子

#民話 #カタロニア #スペイン #魔神 #デモン #湖 #魔法のアイテム #取り替え子

by admin. 民話 <182文字> 編集

足の化けもの
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 244-251p

 前半は狡猾な男が天狗から姿の消える、いわば「魔法のアイテム」をだまし取る話。西欧では姿の消える魔法のアイテムは「ドワーフの宝」と考えられるが日本では「天狗のアイテム」のようである。男は北欧神話のロキにも似る。「怪物退治」が崩れた物語といえようか。
 後半は中途半端に透明人間になった主人公が妻の叡智に救われる話。「姿が消える」ということは神話や伝承的には「死」も暗喩するといえるので、妻は夫を再生させるイシスのような女神的存在といえようか。

 ただ、全体としては神話の崩れ、というよりは庶民的な面白い話、だと思うので、物語として確立したのは近世以降であり、修験道のプロパガンダとしての要素が強い物語だと感じる。

#昔話 #長野県 #中信 #天狗 #姿消える #魔法のアイテム #かくしみの #かくれがさ #ぼたもち #怪物退治 #叡智 #天狗 #修験道 #足

by admin. 昔話 <420文字> 編集

夢の中での商売 ATU1689
「シルクロードの民話 パミール高原」 313p

 笑話であり、小話である。

#民話 #タジキスタン #雄鶏 #夢

by admin. <74文字> 編集

かしこい自然 ATU1689
「シルクロードの民話 パミール高原」 313p

 笑話である。

#民話 #タジキスタン #胡桃 #メロン #「それが桃ではなかったことを神に感謝する」

by admin. 民話 <92文字> 編集

頭の災難
「シルクロードの民話 パミール高原」 312p

 笑話であるけれども、鳥を神(あるいは神の使い)とみなす思想、それに仕えることに失敗した者が首を失って死ぬ、という思想が残されている点が興味深い。
 死んだ男は「ミーノータウロス神話」の「ミーノータウロス」が崩れたものとしても良いかと思ったが、胴と首が分離するモチーフが残されているので「蚩尤」とした方が、思想的にも距離的にも妥当かと思う。

#民話 #タジキスタン #怪物退治 #こうのとり #鳥 #頭 #蚩尤 #饕餮

by admin. 民話 <240文字> 編集

作りぞこない
「シルクロードの民話 パミール高原」 311-312p

 「弘法にも筆の誤り」的な笑話である。

#民話 #タジキスタン #駱駝 #創造

by admin. 民話 <76文字> 編集

足の毛がふさふさしたやぎ ATU123
「シルクロードの民話 パミール高原」 308-311p

 個人的には、ギリシア神話のクロノスとレアーの関係を彷彿とさせる物語だと感じる。

#民話 #タジキスタン #山羊 #ジャッカル #オオカミと子ヤギたち

by admin. 民話 <127文字> 編集

へっぴりよめ
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 235-239p

 ハイヌウェレ的な「排泄神」の物語が崩れたもの。
 これも、物語として確立したのは近世以降だと思うけれども、日本的なハイヌウェレ神話は、どちらかというと早い段階で「神の死体から植物が化生する」という思想が失われて形骸化していったのかもしれないと想像する。
 成立には、これも神話等に詳しい修験道関係者等が関わっているかもしれない、とは思うが。

#昔話 #長野県 #北信 #放屁 #排泄神 #梨

by admin. 昔話 <235文字> 編集

小さな葉っぱと土くれ
「シルクロードの民話 パミール高原」 306-308p

 寓話的な物語である。
 個人的には、これも「原罪」に通じる物語であると感じる。

#民話 #タジキスタン #土 #葉 #狐 #原罪

by admin. 民話 <106文字> 編集

イウェネックのレー
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 222-225p

 鳥による懐妊の物語。
 ローマの建国神話、レア・シルウィアの物語に似る。「怪物退治」の動機の部分が強調されたものといえる。
 各地の「建国神話」と類似姓があるであろう。

#民話 #ブルターニュ #フランス #禁忌 #鳥神 #指輪 #魔法のアイテム

by admin. 民話 <163文字> 編集

鼻かぎのぬけ八
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 229-234p

 これは神から授かった魔法のアイテムにより主人公が成功する、という話。
 「怪物退治」の変形であると共に、「魔法のランプ」型である、といえるのではないだろうか。

#昔話 #長野県 #中信 #竹 #鼻 #魔法のアイテム #魔法のランプ

by admin. 昔話 <156文字> 編集

くまと柴かり老人 ATU159B
「シルクロードの民話 パミール高原」 300-306p

 特別な能力のある人間ではない神的な存在が日との願いを次々と叶えてくれる点で、「美しい白樺」と類似姓のある物語だと考える。
 妻の過分なふるまいが男性と超自然的存在との関係を悪い方に変えてしまう、という点で「アダムとイブ」の原罪の物語にも通じる話とはいえないだろうか。そういう点では女性に対する差別的な意図を持った物語ともいえる。

#民話 #タジキスタン #熊 #原罪 #ライオンと男の敵対

by admin. 民話 <242文字> 編集

あんころもちこぞう
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 223-228p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 38-43p

 これはハイヌウェレ的な「排泄神」の物語が崩れたものだと考える。
 「殿様」とかが出てくるので、物語として確立したのは近世以降だと思う。
 成立には神話等に詳しい修験道関係者等が関わっているのだろうか?

#昔話 #長野県 #中信 #あんころもち #排泄神

by admin. 昔話 <214文字> 編集

ティルウィス・テーグの物語
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 217-219p

 フェアリーの世界への訪問譚。禁忌を破ると訪問する資格を失う。
 異界との境界には水も関係する。

#民話 #ウェールズ #フェアリー #禁忌 #泥棒 #湖

by admin. 伝説 <120文字> 編集

エリドルスの物語
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 211-213p

 フェアリーの世界への訪問譚。禁忌を破ると訪問する資格を失う。

#民話 #ウェールズ #フェアリー #禁忌 #嘘

by admin. 民話 <94文字> 編集

善と悪のお値段 ATU133*
「シルクロードの民話 パミール高原」 295-296p

 個人的には「因幡の白うさぎ」を思い起こさせる話である。

#民話 #タジキスタン #蠍 #亀 #ヤギがヘビを川の向こう岸に運ぶ

by admin. 民話 <109文字> 編集

やぎとおおかみ ATU122C
「シルクロードの民話 パミール高原」 296-300p

 「怪物退治」の一形で、叡智によるものといえようか。牧畜民の物語といえる。

#民話 #タジキスタン #山羊 #狼 #羊と狼 #羊がオオカミを説得して、歌を歌わせる

by admin. 民話 <127文字> 編集

とんち役人
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 219-222p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 20-23p、タイトルは「村をすくったとんち庄屋」に変更された。登場人物の「村役人」が「庄屋」に変更されている。理由は不明。

 笑話。頓知話。
 これも、庶民から見た、役人(あるいは庄屋)のあって欲しい、といえる理想の姿かもしれないと思う。
 物語の形式としてはやや「怪物退治」的といえようか。

#昔話 #長野県 #北信 #頓知 #叡智 #年貢

by admin. 昔話 <248文字> 編集

けがをしたアザラシ
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 211-213p

 アザラシは水の中に住むフェアリーである、という物語である。
 傷をつけた者が傷を治す、という思想が含まれる。

#民話 #スコットランド #フェアリー #傷の手当 #アザラシ

by admin. 民話 <126文字> 編集

老婆とすずめ ATU715
「シルクロードの民話 パミール高原」 288-294p

 身分の高い者(王)が鳥と一体化する物語。「鳥のみじじい」と併せてであるが、一体化した人間に対して、禍福を与えるのは鳥の方で、鳥の方が人間(王)よりも思想として地位が高いことが分かる。
 本話では小鳥は「老婆」に仕える存在であり、更に鳥よりも地位の高い存在(老婆)がいる。「老婆」は「鳥に食事を運んで貰った」という西王母あるいは、その前身といえる、古い時代の長江文明の太陽女神といえる。本物語でも、雀は老婆の食料である葡萄を管理している。
 そのような点では、「老婆とすずめ」の方が「鳥のみじじい」よりも本来の女神信仰の思想を色濃く残しているといえようか。

#民話 #タジキスタン #雀 #老婆 #鳥神 #葡萄 #半分オンドリ

by admin. 民話 <364文字> 編集

切明の庄屋
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 212-218p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 24-32p、タイトルは「とんちんかん庄屋」に変更された。

 笑話。愚か話でもある。
 こういった物語も由来を辿れば「怪物退治」と言えるのではないだろうか、と思う。
 封建的な江戸時代は、役人と庶民の間柄はこのように和やかなものではないので、ある意味、この物語のような和やかな関係は、庶民にとっての理想の姿でもあったのかもしれないと思う。
 
 「愚か」の内容
 湯・茶、食事の作法、薬味、床柱、手水

#昔話 #長野県 #中信 #庄屋 #笑話 #愚か者

by admin. 昔話 <302文字> 編集

盗まれた牡牛
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 209-211p

 フェアリーは、取り替え子 のように人をさらうだけでなく、家畜や食料を盗む、という話。
 北欧のトムテのように、家付精霊がささやかな捧げ物を望むのと対照的に、
フェアリーは精霊が望む物を略奪するかのように振る舞うようであるが、
好む物は、どちらも似通っているように思う。
いわゆる「家付精霊」は正しく祀れば家畜を大切にしてくれるが、
フェアリーは正しく追い払わないと、家畜に害をなす。
どちらも取扱は「正しく」ないといけないようである。

#伝説 #スコットランド #フェアリー #泥棒 #いたずら #牛 #パン #誘拐 #女性

by admin. <299文字> 編集

フェアリーの住居にはいった若者
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 208-209p

 フェアリーとダンスをすると時間が過ぎるのを忘れてしまう、という物語。
 主人公の若者は幸運にも救出され、何百年も異界にいずに済んでいる。
 「トロルと踊った少女」が類話といえる。

#伝説 #スコットランド #フェアリー #踊り #浦島太郎

by admin. 伝説 <165文字> 編集

最後のことば ATU910
「シルクロードの民話 パミール高原」 269-279p

 主人公が知恵のある老人に助けて貰う話。「怪物退治」の物語のバリエーションの一形態といえるが、物語の最後に主人公と父王がどうなったのか(再会したのか)等が語られておらず、おそらく本来の物語からみると、一部のモチーフが欠損して中途半端になっている物語だといえると思う。
 物語の主題はまったく異なるのだが、「主人公が老人に助けてもらって旅をする点」「命を助けて貰う点」等、構成が「巡礼の道連れ」とよく似ていて興味深く感じる。

#民話 #タジキスタン #叡智 #オーディン #怪物退治 #賢明な教え

by admin. 民話 <291文字> 編集

フェアリーの問い
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 207-208p

 「最後の審判」とフェアリーの物語。
 キリスト教のプロパガンダというか、説話的な物語。

#伝説 #スコットランド #フェアリー #カトリック

by admin. 民話 <109文字> 編集

ねずみ経
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 208-211p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 34-37p、タイトルは「おんチョロチョロ」に変更された。

 笑話だけれども、「(仏教に対する)信心はありがたい物だ」という意図が含まれている物語。
 基本的には仏教振興のためのものか。

#伝説 #長野県 #北信 #鼠 #仏教 #修験道 #泥棒 #笑話

by admin. 昔話 <201文字> 編集

「びんの丘」の伝説
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 201-202p

 物語中の「びん」は「豊穣の大釜」に相当するものだと思う。

#伝説 #アイルランド #フェアリー #雌牛 #びん #魔法の大釜 #魔法のアイテム #護衛

by admin. 伝説 <115文字> 編集

鳥のみじじい
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 201-207p

 「おとっとこよし」と「瘤取りじいさん」の中間といえるような物語である。
 そのため、「おとっとこよし」、「鳥のみじじい」、「瘤取りじいさん」の物語には連続性があって、関連する物語であることが分かる。
 「成功するじいさん」は鳥と関連し、「成功しないじいさん」は大宜津比売の神話等、日本的なハイヌウェレ譚との関連がある。
 社会学的に興味深い話といえる。「老婆とすずめ」との対比も興味深い。

#伝説 #長野県 #北信 #こぶ取り #オシリスとセト #鳥 #鳥神

by admin. 昔話 <283文字> 編集

ノック・グラフトンの伝説 ATU503
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 200-201p

 いわゆる「瘤取り」譚である。
 類話は「背中にこぶのある仕立屋の話」。

#伝説 #アイルランド #フェアリー #こぶ取り #オシリスとセト #こびとたちの贈り物

by admin. 伝説 <130文字> 編集

「フェアリーの子牛の丘」の伝説
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 200p

 短い物語ではあるが、笛を吹く者が怪物を退治する、という物語の崩れであるように思う。
 いわゆる「動物番」の一種ではないだろうか。

#民話 #アイルランド #フェアリー #変身 #牛 #笛

by admin. 伝説,起源・由来,固有地名 <135文字> 編集

ふたつのことば
「シルクロードの民話 パミール高原」 269-279p

 お金を出して格言を買う話。
 長い間、家を離れていた主人公が、格言のおかげで妻と子供を殺さずに済んだ、という点が特徴である。

#民話 #中国 #叡智 #箴言 #猫 #雌鶏

by admin. 民話 <124文字> 編集

まま子のクリ拾い
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 195-198p

 いわゆる「姥皮」型の物語。「継子虐め」と組み合わされた物語で、最後はハッピーエンド型である。
 西欧では「ホレのおばさん」に相当するものは、日本では「山姥」と言われることが多い。

 「黄金のベテリと松やにバビー」が類話といえる。

参照:姥皮

#伝説 #長野県 #北信 #栗 #山姥 #姥皮 #継子虐め #冥界

by admin. 昔話 <257文字> 編集

とりかえ子
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 189-191p

 「とりかえ子」への対応を「召使いの少女」が行うところは「とりかえ子(スカンジナビア)」と同じ。
 本物語では「とりかえ子」は召使いの仕事を手伝ってくれたりして、家付精霊のような性質を持っており、全く役に立たないわけではない。それが本物語の特徴と思える。

 類話は「とりかえ子(スカンジナビア)」、「とりかえ子(ドイツ)」

 参照:取り替え子

#民話 #スコットランド #フェアリー #取り替え子 #家付精霊

by admin. 民話 <341文字> 編集

親捨て山
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 192-194p

 いわゆる「姥捨て山」型の物語。「枝折り型」と「難題型(木の棒型)」の複合型である。「うばすて」というと長野県の「冠着山」が有名だが、本物語は栄村で採取された。
 類話は「金のかめ」。

参照:うばすてやま

#伝説 #長野県 #北信 #姥捨山 #枝折り #木の棒

by admin. 昔話 <263文字> 編集

フェアリーの乳母
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 188-189p

 異界の住人が産婆を求める場合(求産婆)とほぼ同じ話。
 「目の膏薬」に関するエピソードがある点も同じ。
 類話は「ピクシーのお産」、「トロルのお産」。

#民話 #スコットランド #妖精 #求乳母

by admin. 民話 <143文字> 編集

おとっとこよし
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 189-191p

 イェンゼンのことは個人的には好きではないのだが、「芋といえばハイヌウェレ」というくらい(?)ハイヌウェレ型神話は有名な話である。この物語は一般的なハイヌウェレ型神話よりも更に古い時代の「ハイヌウェレ型神話」といえると考える。

 西欧では「末子成功譚」が多いが、東アジアから環太平洋周辺地域のオーストロネシア語族の文化圏の中には「兄と弟」の組み合わせで、原因は様々だが、弟が唐突に死ぬ、というパターンの物語がままある。本物語もそのような国際的な物語の1つであって、台湾やポリネシア等に類話がみられる。

 本物語に限っていえば、これはホトトギスというの由来譚と、5月の端午の節句に芋汁を食べることの由来譚でもある。芋名月は日本では中秋の行事とされることが多いが、鬼無里では5月の節句の行事であったことが分かる。そして、兄が鳥の化身であり、弟が山芋の化身であることが分かる。これを動物神や植物神の擬人化、とみるのか、人を動物や植物になぞらえている、とみるのか、ということになるが、管理人は後者であると思う。

 なぜ、人間を動物や植物になぞらえるのか、といえば、その理由は「階級」や「身分」というものを示し、誰が「上の身分」で、誰が「下の身分」であるかを示しているし、それぞれの社会的役割を示しているものとも考える。兄は「鳥」であって、木の枝の高いところに住み、弟たちを支配する。山芋は、地面の下に存在し、一番低いところに生息するものなので、それが「身分の低さ」を示すし、支配しかされない。そのような観点から見れば、本物語は「身分の低い者は上位の者の食べ物である」とか「上位の者は身分の低い者の生殺与奪件を握る」という階級社会の理論や思想を示す、社会学的な物語あるいは「説話」とすらいえると考える。

 階級社会の発生は、父系文化の発生と一致し、良渚文化にまで遡る。本物語に暗喩される「身分的に上位の者は下位の者を食い物にして当然である」という思想が、父系文化と階級社会を支えてきた思想だと理解すれば、大国が小国を一方的に「悪者」と決めつけて理不尽に攻撃するようなことを正当化する根本的な思想が、5500年ほど前に長江下流域の水稲耕作民から発生したものであって、人類はそこから5000年以上たっても、「父系文化の根本的思想」から抜け出すことができないでいることが分かる。この思想の問題の根は山芋の根よりも更に深いところまで潜り込んでいるように思える。そして、鬼無里・長野市信州新町あたりには、古い時代のハイヌウェレ型神話に関係する民話・伝承が多く残され、独特な地域であるなあ、と思う。(今のところ信州新町はなんだか「泥棒村」みたいなノリになっちゃっていて、呆れかえるばかりである。まあ、ここのところ1600年くらいはそういうノリだったのかもしれませんがー;。)

参照:序列殺人

#昔話 #長野県 #北信 #鬼無里 #ほととぎす #鳥 #山芋 #植物 #ハイヌウェレ #序列殺人

by admin. 昔話,起源・由来 <1281文字> 編集

みなし子の若者 ATU950
「シルクロードの民話 パミール高原」 259-268p

 「どろぼうの名人」の類話。
 父親がはっきりしない子が、自らの父親を当てる、というモチーフを含む。
 戸口に印をつけたりする点は「アリババ」を思わせる。
 話型としては、ATU950とATU1525の中間的な物語であって、この2つには連続性がある、と個人的には思う。

#民話 #タジキスタン #叡智 #泥棒 #らくだ #父なし子 #賀茂別雷命 #ランプシニトス

by admin. 民話 <226文字> 編集

三人まま子
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 183-188p

 これは継母が継子を虐め殺してしまう、という非常に残酷で陰惨な話。少なくとも子供に聞かせるような話ではないと思う。
 民話や神話における「釜」というのは、尽きせぬ食料を出す「豊穣の大釜」と、地獄などで罰を与える「罰のための大釜」に分かれる、と個人的には思う。本物語の「釜」は後者である。また、幼い子供を人身御供に捧げた習慣、おそらく太古にはそれを食したであろう習慣が、かすかに垣間見える物語といえる。これは環太平洋周辺地域の海洋民族の食人文化に通じる思想が古代の日本にもあったのではないか、と思わせる。
 このような物語はコンプライアンス的には、そのまま子供に聞かせるには向かないが、さりとて、古代の先祖の文化の痕跡を消し去って良いものとも思わない。民話や伝説は残酷な話が多いので、どうやって後世に伝え残していくのかを熟慮する必要がある典型的な物語といえる。
 歌が秘密を暴露するところは、「王様の耳はロバの耳」的でもある。

 この手の残酷な物語の取扱に気を遣うべきと考えたのは何も現代人だけではなく、「源氏物語」の中にも、光源氏が娘の明石の中宮を育てる際に、実母ではない紫の上に養育を任せたので、子供の目に「継子虐め」の物語が触れないように気を配った、というエピソードが出てくる。

#昔話 #長野県 #北信 #継子虐め #魔法の大釜 #歌 #秘密の暴露 #人身御供

by admin. 昔話 <622文字> 編集

早太郎
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 172-180p

 「怪物退治」の一種。「猿神退治」といったら「早太郎」というくら有名な話。
 光善寺は長野県駒ヶ根市赤穂にある天台宗の別格本山の古刹である。天台宗信濃五山のひとつに数えられた。
 一方、静岡県磐田市見付には矢奈比賣神社(見付天神)がある。
 早太郎は光善寺での名前で、見付では悉平太郎(しっぺいたろう)と呼ばれる。

 光善寺には今でも早太郎のお墓があります。見付天神には悉平太郎を祀った霊犬神社があるとのこと。
 駒ヶ根から見付まではおおよそ90~100kmの距離がある。古くからの南信と静岡との交流を忍ばせると共に、
傷つきながらも遠い道のりを故郷まで戻ってきた早太郎のことを思うと、感慨深いものがあります。
 早太郎が通ったと思われる道は現在の国道152線号であり、「秋葉街道」という名があって、
南信から秋葉山に通じる道でもあります。かつての修験道の道でもあるので、やはり物語の発生と伝播には
修験道が大きく関わっているのではないか、と思います。

参照:猿神退治


#伝説 #長野県 #南信 #犬 #仏教 #修験道

by admin. 伝説,英雄名,固有地名 <499文字> 編集

王さまと息子
「シルクロードの民話 パミール高原」 235-258p

 導入部(起)は「見るな」の禁忌と「絵姿女房」。
 承は「略奪婚」と「力くらべ」であって、「略奪婚」はやや呪的逃走的である。
 転は「夢解き」、転落(父親と大臣の裏切り)、体の一部の喪失(目玉)、瑞鳥(オウムとムクドリ)による復活
 結は復讐

 という構成である。罪なく体の一部を失ったもの(「死」の暗喩)が瑞鳥によって復活し、妻達(女神達)の加護により復讐を果たす、という物語。
様々な民話のモチーフが含まれているが、罪のないイエスの死と、復活、そして復讐という俗にみられるような、キリスト教神話的な物語とは言えないだろうか。
そういう点では「モンテ・クリスト伯」的な物語だと思う。

#民話 #禁忌 #見るな #絵姿女房 #ホレのおばさん #おばあさん #略奪婚 #力くらべ #夢解き #犬 #水 #目玉 #体の一部喪失 #オウム #ムクドリ #瑞鳥 #病気平癒 #変身 #復讐 #カトリック #妻

by admin. 民話 <438文字> 編集

フェアリーのどろぼう
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 176-177p

 エルフが納屋に入りこんで穀物を盗む話。

#民話 #ハンプシャー #妖精 #泥棒 #穀物 #いたずら

by admin. 民話 <90文字> 編集

ピクシーのお産
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 173-176p

 「トロルのお産」とほぼ同じ話。類話は「フェアリーの乳母」。

 参照:求産婆

#民話 #コーンウォール #妖精 #ピクシー #求産婆

by admin. 民話 <179文字> 編集

法蔵寺のネコ
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 168-171p

 お寺で飼われていた猫に、霊力(法力?)が宿って奇跡や恩返しをした、という話。長野県には唐猫に対する信仰もあるし、猫に若干稲荷的な性質をもたせて語られることが多い気がする。
 また、小川村、鬼無里(長野市)、美麻村(現白馬村)は、かつては修験道の道で行者の行き来があった地域なので、「仏教説話」的な物語の成立には、修験道が関わったかもしれない、と思う。
 内容よりも、昔(江戸時代くらい)の日本の葬式に関する風俗がうかがい知れて、楽しい物語である。

 小川村瀬戸川にある霊験山法蔵寺に伝わる伝説である。宝蔵寺には猫塚があったり、猫供養を行ったりしているそうです。

#伝説 #長野県 #北信 #鬼無里 #猫 #報恩譚 #仏教 #修験道

by admin. 伝説,固有神獣,固有地名 <356文字> 編集

ヘビの恩返し
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 162-167p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 56-61p、タイトルは「へびのシガ」に変更された。内容にもかなりの改変がある。理由は不明。

 蛇というのは水神の象徴でもあると思う。水に関する神に恩があって、そのお返しに祟りを受けない、のみならず命まで貰ってしまう、というのは、「伏羲と雷公」の物語、いわゆる「洪水神話」の話の骨組みであると思う。ただし、本物語は、「人間が神を助けた」という性質が強いので、西欧的な「ノアの箱船」が起源というよりは、「伏羲と雷公」の物語の方が近くて起源に相応しいと思う。
 外国では神は「絶対的な存在」とされることが多い、と思うのだが、本物語は図々しく人間が神に恩返しを求める話である。日本人の宗教観を探る上でも興味深い物語といえる。

#昔話 #長野県 #中信 #怪物退治 #報恩譚 #求恩返し譚 #蛇

by admin. 昔話 <420文字> 編集

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