No.110, No.109, No.108, No.107, No.106, No.105, No.104[7件]
サー・ローンファルのロマンス
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 52-55p
サー・ローンファル(Sir Launfal)はアーサー王に仕える騎士で、フェアリーのトリヤムーア(Tryamour)と恋人同士になる。
その結果、魔法の財布等の豊穣のアイテムを手に入れる。
ギニア(グィネヴィア)王妃に言い寄られ、「言うな」の禁忌を破ってしまうが、恋人に対する貞節を守り、最後には恋人に助けられて、恋人と共にフェアリーの国に去る。
Thomas Chestreによるその中英語版『Sir Launfal(ローンファル卿)』)で描かれるグィネヴィアは、執念深くふしだらな女であるだけでなく、けちで、アーサーや育ちの良い騎士たちから嫌われている。14世紀の作品。(グィネヴィア)
宮廷を去ったサー・ローンファルが隠遁するところは「獣の王」を思わせる。怪物が退治されるわけではないが、ギニア王妃が「悪役」として設定されており、ティアマト的な役割を割り振られている。最後に恋人に助けられるところは「テーセウスとアリアドネー」型といえるが、フェアリーの国(冥界)に去ってしまう点は、「天国への昇天」を連想させる。トリヤムーアはワルキューレ的な存在ともいえる。
「昇天」を良しとする結末は、どちらかといえばキリスト教の影響なのではないだろうか。(個人的には「山のおやじ」的発想だと思う。)
様々な民間伝承を綺麗に中世の騎士ロマンスに纏めた物語といえると思います。
#伝説 #イギリス #禁忌 #言うな #魔法のアイテム #獣の王 #ティアマト #テーセウスとアリアドネー #ロマンス
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 52-55p
サー・ローンファル(Sir Launfal)はアーサー王に仕える騎士で、フェアリーのトリヤムーア(Tryamour)と恋人同士になる。
その結果、魔法の財布等の豊穣のアイテムを手に入れる。
ギニア(グィネヴィア)王妃に言い寄られ、「言うな」の禁忌を破ってしまうが、恋人に対する貞節を守り、最後には恋人に助けられて、恋人と共にフェアリーの国に去る。
Thomas Chestreによるその中英語版『Sir Launfal(ローンファル卿)』)で描かれるグィネヴィアは、執念深くふしだらな女であるだけでなく、けちで、アーサーや育ちの良い騎士たちから嫌われている。14世紀の作品。(グィネヴィア)
宮廷を去ったサー・ローンファルが隠遁するところは「獣の王」を思わせる。怪物が退治されるわけではないが、ギニア王妃が「悪役」として設定されており、ティアマト的な役割を割り振られている。最後に恋人に助けられるところは「テーセウスとアリアドネー」型といえるが、フェアリーの国(冥界)に去ってしまう点は、「天国への昇天」を連想させる。トリヤムーアはワルキューレ的な存在ともいえる。
「昇天」を良しとする結末は、どちらかといえばキリスト教の影響なのではないだろうか。(個人的には「山のおやじ」的発想だと思う。)
様々な民間伝承を綺麗に中世の騎士ロマンスに纏めた物語といえると思います。
#伝説 #イギリス #禁忌 #言うな #魔法のアイテム #獣の王 #ティアマト #テーセウスとアリアドネー #ロマンス
ものぐさ太郎
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 67-74p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 82-89p
「動物番」系の物語の非常に個性的な類話であると思う。
太郎を小綺麗にしたら「いい男」になった、というのは「クワッ、クワッ、くっつけ!」のかさぶた男と同様、本来の姿を「見るな」という暗喩だと思う。
そして、信濃国の特徴なのかもしれませんが、「都から来た妻」というものに、「異類嫁」に近いような特別な扱いがされているように思います。
#昔話 #長野県 #中信 #労働 #異類嫁 #都から来た妻 #怠け者 #見るな #禁忌 #ポセイドーンとアムピトリーテー #歌 #ものぐさ太郎 #略奪婚的 #常世信仰
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 67-74p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 82-89p
「動物番」系の物語の非常に個性的な類話であると思う。
太郎を小綺麗にしたら「いい男」になった、というのは「クワッ、クワッ、くっつけ!」のかさぶた男と同様、本来の姿を「見るな」という暗喩だと思う。
そして、信濃国の特徴なのかもしれませんが、「都から来た妻」というものに、「異類嫁」に近いような特別な扱いがされているように思います。
#昔話 #長野県 #中信 #労働 #異類嫁 #都から来た妻 #怠け者 #見るな #禁忌 #ポセイドーンとアムピトリーテー #歌 #ものぐさ太郎 #略奪婚的 #常世信仰
妖精オリアンドと騎士モージ(モーギス)
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 51-52p
モージ(Maugris、またはMaugis)は「フランスの話材」を扱った武勲詩、ロマンスなどに登場する人物。騎士でありながら、魔法にも精通しており、シャルルマーニュに仕えている。(Wikipedia )
オリアンドとはモーギスの養母かつ名づけ親かつ愛人である。親元から盗み出されたモーギスを拾い上げて養育した。
成長したモーギスは名剣・フロベルジュを手に入れる。
魔法の馬・バヤール(バイヤール)はモーギスが最初に手に入れた、という文献もあるが、その場合は後にモーギスの従兄弟のルノー・ド・モントーバンに譲られた、とされる。
モージが最も早く登場するのは、12世紀後半に成立した古フランス語の武勲詩、「エイモン公の4人の息子」(fr:Quatre Fils Aymon)である。(モージ)
名づけ親と子供の関係は「名づけ親」「ランスロットと湖の貴婦人ヴィヴィアン」に通じる。モージは「さらわれた子供」ではあるが、オリアンドが直接さらったわけではなく、ワンクッション置かれている。
英雄に名馬と名剣が組み合わさっている伝承は西欧的といえよう。
子育てに実の親がかかわっていない点は「不知の子」的である。
#伝説 #フランス #馬 #神獣 #剣 #神物 #女神 #英雄 #名づけ親 #ロマンス
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 51-52p
モージ(Maugris、またはMaugis)は「フランスの話材」を扱った武勲詩、ロマンスなどに登場する人物。騎士でありながら、魔法にも精通しており、シャルルマーニュに仕えている。(Wikipedia )
オリアンドとはモーギスの養母かつ名づけ親かつ愛人である。親元から盗み出されたモーギスを拾い上げて養育した。
成長したモーギスは名剣・フロベルジュを手に入れる。
魔法の馬・バヤール(バイヤール)はモーギスが最初に手に入れた、という文献もあるが、その場合は後にモーギスの従兄弟のルノー・ド・モントーバンに譲られた、とされる。
モージが最も早く登場するのは、12世紀後半に成立した古フランス語の武勲詩、「エイモン公の4人の息子」(fr:Quatre Fils Aymon)である。(モージ)
名づけ親と子供の関係は「名づけ親」「ランスロットと湖の貴婦人ヴィヴィアン」に通じる。モージは「さらわれた子供」ではあるが、オリアンドが直接さらったわけではなく、ワンクッション置かれている。
英雄に名馬と名剣が組み合わさっている伝承は西欧的といえよう。
子育てに実の親がかかわっていない点は「不知の子」的である。
#伝説 #フランス #馬 #神獣 #剣 #神物 #女神 #英雄 #名づけ親 #ロマンス
ペリの妻
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 34-37p
親に追い出された商人の息子がある池のほとりにある木の根元で休んでいた。四羽のハト(鳩)が降りてきて娘の姿になり、水浴びをした。若者はこっそり服を隠し彼女たちが鳥に戻れないようにした。そして、誰か一人は自分の妻になるようにと求めた。ペリ達は「自分たちの体は火からできている。人間は土と自らできている。」と述べ断ったが若者は聞き入れなかった。仕方なく末娘が妻になることとして、姉妹達は服を返してもらい天に帰った。若者は家に帰りハト娘と結婚して仲良く暮らしたが、逃げられないように服は隠していた。夫が旅に出た際に、妻は子細を知っている家政婦の老婆から服の隠し場所を聞き出し、服を着て天に帰ってしまった。いわゆる「鳥女房」であり、「羽衣」・「七夕」が類話である。
木・池・鳥といった、いわゆる「世界樹」に関する伝承について回るセットが揃っている。有名な類話は「牛郎織女」「イナンナの冥界下り」だろう。話の内容は「牛郎織女」に近いが、ハト(鳩)がトーテムなところはイナンナと一致する。夫は「祝融型神・窃盗型」、老婆は鳥女神の再生に協力する「養母としての女神」といえる。
参照:ペリ
#民話 #吊された女神 #鳥神 #世界樹
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 34-37p
親に追い出された商人の息子がある池のほとりにある木の根元で休んでいた。四羽のハト(鳩)が降りてきて娘の姿になり、水浴びをした。若者はこっそり服を隠し彼女たちが鳥に戻れないようにした。そして、誰か一人は自分の妻になるようにと求めた。ペリ達は「自分たちの体は火からできている。人間は土と自らできている。」と述べ断ったが若者は聞き入れなかった。仕方なく末娘が妻になることとして、姉妹達は服を返してもらい天に帰った。若者は家に帰りハト娘と結婚して仲良く暮らしたが、逃げられないように服は隠していた。夫が旅に出た際に、妻は子細を知っている家政婦の老婆から服の隠し場所を聞き出し、服を着て天に帰ってしまった。いわゆる「鳥女房」であり、「羽衣」・「七夕」が類話である。
木・池・鳥といった、いわゆる「世界樹」に関する伝承について回るセットが揃っている。有名な類話は「牛郎織女」「イナンナの冥界下り」だろう。話の内容は「牛郎織女」に近いが、ハト(鳩)がトーテムなところはイナンナと一致する。夫は「祝融型神・窃盗型」、老婆は鳥女神の再生に協力する「養母としての女神」といえる。
参照:ペリ
#民話 #吊された女神 #鳥神 #世界樹
ロスタム(ローステム)
イラン神話の英雄。ザールとカブールの王女ルーダーベの息子。『シャー・ナーメ』ではたびたび獅子に喩えられる。イランを守るため、トゥーラーン(トゥラーン)や化け物とたびたび戦った。ペルシア最大の英雄の一人である。母の胎内で大きくなりすぎたため、シームルグの力を借り、帝王切開により出生する。彼の代わりに馬のラクシュが戦うことがある。ラクシュはロスタムを助けようとして主人に殺されそうになることもあった(第三の試練。類話?:山膏 )。獅子(ライオン)、竜(アスデーヴというデーヴが変身したもの、第三の試練)、魔女(第四の試練)、デーヴ・アルザング(第六の試練)、百鬼(Div-e-Sepid、デーヴ・セフェード)(第七の試練)、トゥーラーン(イランの敵国)と戦う。また毛皮が太陽のように輝き、背中に黒いしまのある巨大な野生のロバ (驢馬)にデーヴ・アクヴァンが変身して、王の牧場で馬たちを食い殺した際に、とある泉のほとりでアクヴァンを倒した。アクヴァンはゾウ(象)のような頭を持っていた。アクヴァンの息子ベルキヤスと戦ったのが、ロスタムとデーヴとの最後の戦いである。ベルキヤスは「山のように大きな巨人で顔は真黒、全身が毛でおおわれ、首はドラゴンのよう、口から二本のイノシシのきばが突き出し、目は血の泉、頭髪は針のように逆立ち、ヘビのようにとぐろを巻いた巻き毛の中にはハトが巣くっていた(「妖精の誕生」34pより)」とされる。
サマンガーン(トゥーラーンの属国)で美女タハミーネと出会いソフラーブ(ソホラーブ)をもうける。後に戦場でソフラーブと戦い殺す(息子殺し)。晩年ザーブリスタンの領主であったロスタム一家はイランの王に疎まれ、青銅の体を持つというイスファンディヤール王と戦う。シームルグに王を殺さぬよう助言を受けるが、王を殺してしまう。ロスタムは王の子バフマンを養子として養育するが、長じたバフマンはザーブリスタンを攻め滅ぼし、ロスタムの父ザール、息子のファラーマルズを殺害した。一方、ロスタムは腹違いの弟シャガードと対立し、落とし穴の計略により、ラクシュと共に瀕死の重傷を負う。ロスタムは重傷を負いながら、弓でシャガードを射殺して息絶える。シャガードは老木に身を隠していたがロスタムの矢は身を隠していた老木ごと貫いた。弓の名手でもある。(Wikipedia:ロスタム より。最終閲覧日251218)
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」
七道程 (ハフト・ハーン)という冒険を行う。デーヴァとの戦いである。 32-34p
レクシ(ラクシュ)はローステムの愛馬である。
#黄帝型神 #女神支援型 #難産母 #息子殺し #弓の名手
イラン神話の英雄。ザールとカブールの王女ルーダーベの息子。『シャー・ナーメ』ではたびたび獅子に喩えられる。イランを守るため、トゥーラーン(トゥラーン)や化け物とたびたび戦った。ペルシア最大の英雄の一人である。母の胎内で大きくなりすぎたため、シームルグの力を借り、帝王切開により出生する。彼の代わりに馬のラクシュが戦うことがある。ラクシュはロスタムを助けようとして主人に殺されそうになることもあった(第三の試練。類話?:山膏 )。獅子(ライオン)、竜(アスデーヴというデーヴが変身したもの、第三の試練)、魔女(第四の試練)、デーヴ・アルザング(第六の試練)、百鬼(Div-e-Sepid、デーヴ・セフェード)(第七の試練)、トゥーラーン(イランの敵国)と戦う。また毛皮が太陽のように輝き、背中に黒いしまのある巨大な野生のロバ (驢馬)にデーヴ・アクヴァンが変身して、王の牧場で馬たちを食い殺した際に、とある泉のほとりでアクヴァンを倒した。アクヴァンはゾウ(象)のような頭を持っていた。アクヴァンの息子ベルキヤスと戦ったのが、ロスタムとデーヴとの最後の戦いである。ベルキヤスは「山のように大きな巨人で顔は真黒、全身が毛でおおわれ、首はドラゴンのよう、口から二本のイノシシのきばが突き出し、目は血の泉、頭髪は針のように逆立ち、ヘビのようにとぐろを巻いた巻き毛の中にはハトが巣くっていた(「妖精の誕生」34pより)」とされる。
サマンガーン(トゥーラーンの属国)で美女タハミーネと出会いソフラーブ(ソホラーブ)をもうける。後に戦場でソフラーブと戦い殺す(息子殺し)。晩年ザーブリスタンの領主であったロスタム一家はイランの王に疎まれ、青銅の体を持つというイスファンディヤール王と戦う。シームルグに王を殺さぬよう助言を受けるが、王を殺してしまう。ロスタムは王の子バフマンを養子として養育するが、長じたバフマンはザーブリスタンを攻め滅ぼし、ロスタムの父ザール、息子のファラーマルズを殺害した。一方、ロスタムは腹違いの弟シャガードと対立し、落とし穴の計略により、ラクシュと共に瀕死の重傷を負う。ロスタムは重傷を負いながら、弓でシャガードを射殺して息絶える。シャガードは老木に身を隠していたがロスタムの矢は身を隠していた老木ごと貫いた。弓の名手でもある。(Wikipedia:ロスタム より。最終閲覧日251218)
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」
七道程 (ハフト・ハーン)という冒険を行う。デーヴァとの戦いである。 32-34p
レクシ(ラクシュ)はローステムの愛馬である。
#黄帝型神 #女神支援型 #難産母 #息子殺し #弓の名手