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全年全月28日の投稿(時系列順)12件]

若い王女
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 112-115p
1.しゃべるぶどう 2.笑うりんご 3.銀の鈴

 女性が自ら結婚の条件を出すタイプの「難題聟」と、神との取引に子供を差し出す物語(「魔法使いの弟子」的)の両方の要素が含まれる物語。
 全体としては、猪の神に、豊穣と引き換えに娘を差し出す物語であり、葡萄や林檎といった植物の豊穣がもたらされる点はハイヌウェレ的でもある。最初の妻は反古にされているので、シヴァとサティー的といえる。男神が強引に妻を得る点は、クピードーとプシュケー的である。ただし、本物語の猪神は葡萄の化身であり、個人的にはディオニューソスを連想する。難題を出した王女が結婚した相手は死神(悪魔)といえよう。
 女性が自ら結婚の条件を出すタイプとしては、「大麻を吸う男」が類話といえる。
 (ただし、本質的な物語のモチーフは「大麻を吸う男」とは異なる。)

#民話 #オーストリア #結納 #猪 #豚 #植物 #宝物 #葡萄 #林檎 #3人姉妹 #シヴァとサティー #難題聟 #人身御供 #王女出題 #異類聟

by admin. 民話 <473文字> 編集

ばらの姫
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 116-123p

 主人公に代わり、馬が怪物(竜)を倒してくれる物語。馬はポセイドーンといった神の化身を思わせるが、複数の動物が助け手として登場している。
 「ばらの姫」が植物の化身で、それを救い出す若者が「動物番(獣の王的)」である。ハイヌウェレ(植物)とそれを殺す動物(ハイヌウェレ神話では、ハイヌウェレを殺したものは動物に姿を変えられてしまう)の関係のハッピーエンド版といえようか。本物語では「馬」が重要な動物とされるため、デーメーテール女神を馬の姿で犯すポセイドーンの神話も連想させる。
 聟に目印をつける点は、三輪山神話(いわゆる日本的「蛇聟譚」と共通のモチーフである。
 「蛇娘」とは近縁性の高い物語だと思う。


#民話 #オーストリア #王女の母親 #蜂 #竜の母親 #ホレのおばさん #蛇聟 #鈴 #動物番 #鵞鳥 #龍 #竜 #烏 #狐 #魚 #ばら #動物神 #植物 #奉公 #怪物退治 #馬

by admin. 民話 <436文字> 編集

天竜川のカワランベ
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 26-28p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 110-114p

 馬に関しては「ポーチュン」と類似点がある。

#昔話 #長野県 #南信 #川 #天竜川 #精霊 #水神 #報恩 #魚 #忘恩 #馬 #相撲 #動物引き込み #河童 #河伯

by admin. 昔話,固有地名 <172文字> 編集

ジプシーと三人の悪魔
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 123-129p

 前半は「蘇民将来」的な話。イエスが人を生きかえられたりする代わりに、現世利益的な宝物を与える点は北欧神話的、異教的と言うべきか。
 主人公と悪魔とのやりとりは「怪物退治」の崩れと思われるが、主人公が悪魔を自分の家で迎え撃つ話といえる。そのため、「呪的」に逃走するのは悪魔の方、と入れ替わっている。
 パロディー的ではあるが、「恐れを知らないこと」が禁忌として暗示されている。
 主人公の生きているときの所業が来世に影響する点も北欧神話的といえると思うが、天国と地獄という表現が出てくるところ、良くも悪くもなりきれない人間的な主人公が天国にも地獄にも行き場がない、という点は、「煉獄」を連想させ、キリスト教的な思想の影響といえると感じる。イエスに「永遠の魂の平和(天国)」を求めない主人公が悪い、というキリスト教の説話的な意味の物語であろう。(でも、異教徒の私はキリスト教徒ではないので、「死後の天国を求めない精神」が非難されるべき、というキリスト教の考え方そのものに共感する気持ちがないので、説教的に感じにくい面はある。)

#民話 #オーストリア #蘇民将来 #イエス #財布 #悪魔 #鏡 #魔法のアイテム #ジプシー #梨 #鍛冶屋 #天国と地獄 #禁忌 #恐れ #来世 #怪物退治 #迎え撃ち型 #カトリック

by admin. 民話 <603文字> 編集

紡錘むすめ
「ソヴィエト諸民族民話集」 20-29p

 女主人公、助け手、怪物といった物語の骨格となる登場人物の全てが女性である点が珍しく感じる。織物に関する若い女神と老いた女神との対立は、西欧では「夏と冬の対立」のように語られる傾向が強いが、本物語では季節の循環的な要素は乏しい。紡錘むすめはゲルマン神話で言うところのエオステレに相当し、本来のトーテムは兎であった可能性が高いと考える。「紡錘むすめ」という名前からして織物に関する女神が崩れた神を思わせるが、本物語での性質としては九天玄女のような軍神としての性質が強いように感じる。異界と行き来できる点は、メソポタミア神話のイナンナを思わせる。
 が呪的逃走の「魔法のアイテム」となる点は「英雄ディックベール」、「スルタンのぶち犬」と共通している。

#民話 #コミ共和国 #呪的逃走 #小さ子 #イナンナ型 #おばあさん #ホレのおばさん #狼 #熊 #怪物退治 #烏 #大烏 #鳥 #櫛 #樹木信仰 #魔法のアイテム #松ヤニ #火 #川 #ティアマト #糸紡ぎ #動物番 #蜂の援助型 #受罰女神 #生贄型 #女・女神殺し型 #岩戸神話

by admin. 民話 <506文字> 編集

としとった冬の精と若い冬の精
「ソヴィエト諸民族民話集」 9-13p

 若い冬の精が人々を凍えさせようとする話。神々の力くらべの物語である。

風神

#民話 #リトアニア #農民 #力くらべ #風神  #寓話

by admin. 民話 <106文字> 編集

王様とはたおり
「ソヴィエト諸民族民話集」 14-19p

姥捨山的

#民話 #アルメニア #機織り #謎解き #叡智 #聖ゲオルギウス #炎黄闘争

by admin. 民話 <75文字> 編集

西瓜の種
「ソヴィエト諸民族民話集」 30-34p

舌切り雀的。前半は「鶴の恩返し」のように報恩譚である。後半は復讐譚になる。
コウノトリはヨーロッパでは河川女神の使者のように暗喩的に考えられている、と個人的には思う。(蜂も同様の意味を持つのであろう。)
女神が特定の人物に恩寵を与える点は、この物語の起源が炎黄闘争の神話にあり、コウノトリは九天玄女に相当するからであると思う。
コウノトリが瓜科の植物の種をもたらす点は瓜信仰(伏羲信仰)との関連性を窺わせる。

#民話 #ウズベキスタン #コウノトリ #鳥 #鳥信仰 #蜂 #昆虫 #植物 #蜂の援助型亜型・報復型 #炎黄闘争 #こぶ取り #オシリスとセト #報恩 #報復 #瓜信仰

by admin. 民話 <318文字> 編集

ころころまめきち
「ソヴィエト諸民族民話集」 238-255p

 「怪物退治」譚。「食べ比べ」的なエピソードがあるが、「力くらべ」の変形といえる。

#民話 #ウクライナ #魔法使いの弟子 #怪物退治 #竜 #龍 #食欲 #怪力 #鉄の棒 #末子成功譚 #豆 #植物 #略奪婚 #豚飼 #牛飼 #馬飼 #力くらべ #オーディン

by admin. 民話 <164文字> 編集

とりかえ子
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 110-112p
「フェアリーのおくりもの トマス・カイトリー」 36-38p

 「とりかえ子」について2篇。
 「とりかえ子」とは、精霊が赤ん坊をさらう代わりに、自分の子供を置いていってしまった、その子供のこと。
 普通の赤ん坊と違って、異様な行動をしたり、成長が普通でなかったりする。
 人々は知恵を使って、とりかえ子を追い出し、本物の赤ん坊を取り戻そうとする。

 「とりかえ子」は大声で叫んだり、異常な大食いであったりして、まるで古代中国の饕餮のようである。
 類話は「とりかえ子(スコットランド)」、「とりかえ子(ドイツ)」

#伝説 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #取り替え子 #饕餮

by admin. 伝説 <341文字> 編集

ノック・グラフトンの伝説 ATU503
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 200-201p

 いわゆる「瘤取り」譚である。
 類話は「背中にこぶのある仕立屋の話」。

#伝説 #アイルランド #フェアリー #こぶ取り #オシリスとセト #こびとたちの贈り物

by admin. 伝説 <130文字> 編集

前もっての善処
「シルクロードの民話 パミール高原」 324-325p

 小話で、愚か話。やや教訓的か。

#民話 #タジキスタン #水がめ #大釜

by admin. <75文字> 編集

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