そういえば

「妖精国の騎士」について書いてないね、って言われる気がするわけで。時間がある時に書いてみようと思うのですが。少女漫画における「ファンタジー」っていうと、私の中では「クリスタル・ドラゴン」と「妖精国の騎士」がまず出てくるわけで。ファンタジーというのは、要するに西洋の神話的な「剣と魔法の世界」を現代的なフィクションとして焼き直したものということで。「クリスタル・ドラゴン」というのは、紀元前後のアイルランドの女魔法使いのアリアンロッドという女の子の物語なのですが。当時のアイルランドには絶対的な「王」というものは存在していなくて、何人かの「王」が、その同族と共にいろんな場所で暮らしていたのですが、アリアンロッドの暮らしていた村が「邪眼のバラー」という他部族の王に襲撃されて滅ぼされてしまい、氏族を再興するために、アリアンロッドと族長の娘ヘンルーダが助けを求めて旅をする、という物語で。「邪眼のバラー」というのは、ケルトの神話を元にした人物なわけですが、この族長の姉が闇の魔法に手を染めた強い女魔法使いで、バラー自身も妙な魔物みたいなものに取り憑かれていて、不死身の化け物みたいなものになっていて。そのために、凶暴な発作みたいなものを起こして、必要もないのに余所の村を襲わずにはいられない、みたいなそんな状態になっていて。で、彼らの住んでいる場所もどんどん「魔物の巣窟」みたいになっていくわけですが。でも、そういう不死身の化け物相手に、とても普通には戦えない、ということでアリアンロッドとヘンルーダは旅をするわけで。で、連載が途中で途切れているので、未だ完結はしていないのですが。これは、私が10歳の時に連載が開始されたもので。で、物語のごく最初の方に、主人公のアリアンロッドが捕虜としてバラーの住処に連れて来られるわけで。で、アリアンロッドは冷酷なバラーに割と気にいられるわけですが、そこで彼女はバラーのことは当然嫌いなわけですが、「バラーと自分はとても近い存在だ。」と感じるわけで。でも、その理由は彼女には分からないわけです。で、物語も途中で中断しているので、それがどういう意味なのかは未だに語られていないわけで。

で、「妖精国(アルフヘイム)の騎士」の方は、もうちょっと北欧神話的、というかそんな感じであって。主人公はアルトディアスという国の王女でローゼリィという女の子なのですが、その世界には「魔剣」と呼ばれる剣が3本あって。で、それが「太陽の剣」「月の剣」「光(ルシリス)の剣」と呼ばれていて、それぞれ持ち主に選ばれた人にしか扱えない剣と言われていて。で、特に「光(ルシリス)の剣」というのは強力な魔力を持っているので、その持ち主に選ばれた人は、その魔力に耐えきれずにいずれは発狂したりして身を滅ぼす、と言われている不吉な剣、ということで。「強力な魔法の剣であるけれども、持ち主に不幸をもたらす剣」というのも北欧神話にはありがちなモチーフなわけで。で、「太陽の剣」と「月の剣」の持ち主は男性だけれども、「光(ルシリス)の剣」の持ち主は女性ということで、ローゼリィがそれに選ばれていた、というのが物語の発端になるわけですが。で、北の方に強大で好戦的な国家が台頭して、アルトディアスの国も滅ぼされてしまい、亡国の王女となったローゼリィは妖精に助けられて、剣術だけでなくて魔法も教えてもらい、一人前の騎士になって、兄弟とも再会し、国家の再興のために奮闘する、という話なわけですが。北方の王国の方にも、強力な魔族が入り込んでいて、一筋縄ではいかない、ということで。主人公が妖精に育てて貰ったから、タイトルの「妖精国(アルフヘイム)の騎士」という言葉に繋がるのですが、でもこの場合の妖精というのは、羽根が生えている小動物みたいな可愛らしいものではなくて、人と神の中間的な存在、というかそういうものであって。だいたい、アルフヘイムというのは、北欧神話におけるフレイ神の治める国なわけで、フレイは「光の妖精の王」と言われているわけで、そこから流用している名前なわけです。で、ローゼリィを育ててくれた妖精はルシアンという名前なのですが、その先祖に「レーヴィル・ユングリンガル」という英雄的な人物がいるということで。で、「ユングリンガル」というのも北欧神話におけるフレイ神の別名ということで。で、一方の敵方に取り憑いていて、敵の王を間接的に助けている魔族の王子の名前は「オディアル・ルーフィフス」というわけで。この「オディアル」という名前も「オーディン」から流用した名前ですよねえ? って今になれば思うわけですが。で、ローゼリィ王女は王国の再興のために、オディアルのことを倒さなければいけないわけで、まあ、当然好きな相手ではないわけですが、でもこの二人はお互いのことを「とても近い存在」だと感じているわけで。この物語は20年以上もダラダラと連載が続いて、最終的には掲載誌も変更されてやっと完結したわけですが。奇妙なことに、主人公のローゼリィと、その敵のオディアルがなぜ「とても近い存在」なのか、ということは語られなかったわけで。なんだか、そういう展開が「クリスタル・ドラゴン」に似ている、と以前から思っていたわけですが。そして、もう一つ印象的だったことは、この漫画が連載され始めたのは、「ぼくの地球を守って」と同じ年で、私が高校生になった年、ということで。「ぼくの地球を守って」がSFだとすると、こちらは純然たるファンタジーだ、ということで。で、しかも終盤に連載が掲載されていたのが、私が買って読んでいた雑誌だった、ということで、まあ、私に読ませるための漫画だったんでしょうねえ? と思うわけですが。で、今になって思うことですが、「光(ルシリス)」というのは、漠然とした「光」ということではなくて、「シリウス」のアナグラムでしょ、それ? と思うわけで。3つの魔剣とは「太陽の剣」「月の剣」「星の剣」ということなのですねえ? と思うわけで。ルシリスの主人が女性にしかなれない、というのは、ここのところだけ北欧神話的ではなくて、古代エジプト的なシリウス信仰(イシス女神に対する信仰)だと思うわけですが。古代エジプトにおける「イシス女神」は、英語的な「アース(大地)」という言葉でもありますし、北欧神話におけるアース神族と「同じ意味」ですので。アース神族の頂点に君臨する、狼星(シリウス)の目を持つ神がオーディンですので、「オディアルとルシリス(シリウス)の乙女」は本来「同じもの」である、というのがこの物語の「謎かけ」であったんだな、と思ったわけで。その答えは自分で見つけ出さなければならないものだから、敢えて物語の中では語られなかったんだな、と思ったわけで。

北欧神話には、オーディンを頂点に頂くアース神族と、フレイを頂点とするヴァン神族がいるわけで。で、こういう設定は単なる北欧に住む人々全体の神話、というだけでなくて、どこそこの有力な家系はオーディンの子孫だ、とかフレイの子孫だ、とかっていう話が根本にあると思うわけで。神話といえども、元は部族の伝承というか、口頭で語り継ぐ歴史みたいなものが基本にあるわけで。カフカスの神話であるナルト叙事詩が特定の家系に語り継がれてきたものである、ということと根っこは同じだと思うわけで。みんな部族の歴史を現すものなわけで、神の子孫が有力な王族である、というのは日本の古事記とかと同様の思想だと思うわけですが。でも、神話全体としては、「ヴァナ神族」というのは、印欧語族共通の古い神ヴァルナの北欧名ですので、「天空」とか「水」という意味があると思うわけで。一方のアース神族というのは「大地」ということですから、両方併せて、「天と地の神族」ということで、人の世界を取り巻く世界全体を現しているのだと思うのですが。

そして、「妖精国の騎士」におけるオディアルとルシリスのローゼリィが元々は「同じもの」であるので「近い存在」であるというのなら、「クリスタル・ドラゴン」のバラーとアリアンロッドもご同様なのですよねえ? と思うわけで。「邪眼のバラー」は神話的にはオーディンに近しい設定ですが、名前の通り「B系」の神ですので。で、一方のアリアンロッドは「ロッド」というのは杖とかそういう意味だと思うわけで。で、最初の「アリ」というのは「神」という意味ですので、「アン神」という意味になるのだと思うわけで。ケルトの神話的には、これは豊穣の女神であって。地母神とされているようなのですが。西方の文化全体からみれば、本来は「天のアン女王」と呼ばれる女神であって、「金星」が彼女の目だって言われる気がするわけですが。北欧神話においては、ヴァン神族のフレイの別名がイングであって。イングというのは、「偉大なるアン」という意味ですから、「B系」の神であるフレイと「アン女王」は「同じ神」ということになるのであって。北欧神話のフレイが、ケルト神話のバロールと同じものだし、フレイのトーテムは豚ですので、ヴァン神族を擁していた人々は本来ケルトに近い信仰を持っていたのか、と思ったのですが。ケルト神話に題材を借りていても、それは「邪眼のバラー」と「アリアンロッド」は、元は「同じ物」だということを見抜け、という謎かけだったと思うわけで。

そして、ヴァン神族系の神話には、「ヴェルンド」という鍛治師が出てくるわけで。フレイ・イングリングに対する信仰が強い場所では、ヴェルンドの伝説も割と残っているわけで。で、ヴェルンドというのは、アース神族系の神話のオーディンのことだと思うわけで。西洋では水曜日が「オーディンの日」と呼ばれていて、英語の「Wednesday」がそれに相当するのですが。これがオランダ後とかでは「woensdag」となるわけで。ヴェルンドというのは、「水曜日」から派生した言葉だと思うわけですが。ヴェルンドは主に有力な武器(特に剣)を鍛える鍛治師であって。オーディンも魔法の剣を人に与えたりする神であって。そして、ヴェルンドはケルトの神話の中ではゴブニュという火事の神に変化するわけで。そして、ケルトのバロールは北欧神話のフレイと同じ「火の神」でもありますので。纏めると、フレイやバロールというのは本来西方の有力な「炎の神」であったと思うわけで。オーディン、ヴェルンド、ゴブニュというのは、そこから派生した有力な鍛冶神であって、この2神が様々な組み合わせて各地に散らばった結果が、西洋の神話なのだと思うわけで。最上位に君臨する「フレイ」系の神は、母系の有力な女神である「天のアン女王」と強力に習合して、ゲルマン系の神話ではほぼ一体化している、ということで。で、一方もうちょっと南の方から東欧にかけては、接頭辞に「T」がつく「T系」の神の方がより有力な神となって、こちらの方が「アン女王」と同一視される、ということで。西洋の信仰は、地域によって似たりよったりに見えるけれども、少しずつ差と特徴がある、ということで。北欧の鍛冶神は、ローマの鍛冶神であるウゥルカーヌスとほぼ同様の子音構成ですので、その語源は「バルカン半島」にあり、たぶん推測ですが「バルカン」という言葉が「狼」という言葉と同語源なので、西方においては「狼」と「鍛冶神」の語源が同じなのではないのか、と思うわけですが。ローマにおいては、「奴隷の神」の象徴であったウゥルカーヌスも、北欧神話では戦いの場を左右する主神、ということで。では、この神の起源がヒッタイトにあるのであれば、ヒッタイトにおける「シリウス」の女神とは何者ぞ? ということになるわけで。イシス系の名前を持つ女神って誰かいるのかなあ? と思ってちょっと調べてみたのですが。そうしましたら、シャウシュカというフルリ系の「豊穣の女神」に行き着いたわけで。太陽女神、というよりは「太陽に力を与える(でなければ太陽を喰らい尽くす)」と言われる「シリウスの乙女」とは何者ぞ? と聞かれたら、それはフルリの太母シャウシュカって言わないといけないわけだ@@。シャウシュカが太陽神に力を与え、その力をもってして古代ヒッタイトの鍛冶の技は成り立っていたわけだから。重要な女神はヘバトだけではなかったんだ、ということで。だいたいこういうことは、意図的に「隠されている」のが常なわけですが。そして、アリンナの太陽女神は、ヒッティ族の間ではウルセム(Wurusemu)と呼ばれていた、ということで。
そういえば、ヘバトというのは、レバノンで呼ばれていた太陽女神のことですので、古代ヒッタイトの人々はウルセムのことを、その名の通りに真名で呼ぶのは失礼ということで、余所の国の太陽女神の名前で呼んでいたわけで。要するに、その本当の名前は「ウルセム」だし、それが西洋の「狼」とか「鍛冶神」の語源と関連があるんだ? ということで。オーディンもヒッタイト時代まで遡ると、「太陽女神」のことなんだ? って思うわけで。それが北欧に伝播する過程で、より上位の女神であるシャウシュカ女神(すなわちシリウスの女神)と習合して、しまいにアース(シャウシュカ)神族のオーディン(ウルセム)という形になったのですねえ? と思うわけで。これで、私が高校生になった時に開始された「妖精国の騎士」が問いかけた謎、すなわちヴェールンドとシリウスの関係、というものが30年近い時を超えて、ようやく分かったような気がするわけで。これもまた「叡智」というものの「なせる技」?とでも言うのであれば、また少し「オーディン」の名に近づいたのかな? というか、やっと起源となる「女神」にまでたどり着いたよ? と思うわけで。オーディンは、「シリウスの乙女」と呼ぶべき時はシャウシュカ女神が起源なのであり、鍛冶神としての姿は太陽女神ウルセムなんだー、と思ったわけですが。その名前がヒッタイトの本来の太陽女神の名前であるから、それでその名前を取れ、その起源を明らかにせよ、と言われるわけで@@。我は夜の続く闇の季節には天空に輝く狼の星、昼の続く季節には武器をもたらす神である太陽女神である。そして、我のもたらす武器とは言霊そのものである。我が名はウルセム。とそういうことなわけだ。あくまでも気候の厳しい地域では、その名前は男系のオーディンとかワステルジュとかそういう名前が多くて、女神の名前として残っているのはヒッタイトくらいなのかもしれない、と思うわけで。でも、しかしハッティ族はれっきとした「印欧語族」であるので。母系優位の印欧語族系の文化はけっこう貴重かも? と思うわけで。というわけで、とにもかくにも、やっと「女の子のオーディン」を見つけ出したわけで。だから、その名前は女神がとってもいいんだ? その秘密さえ見抜ければ、ということなのだと思うわけですが。(ちなみにヒッタイトの鍛冶神はハサメリという名前なわけで。それはギリシャ神話のヘルメースの名前ですねえ? と思うわけで。不思議なことですが、ヒッタイトにおいては、鍛冶に必要なのは太陽の力だと分かっていながら、その技そのものは、月の神とも関連があると思われていた気がするのですが。まさに、鍛冶の技とは、太陽の神、月の神、星(シリウス)の神の3つが組み合わさった魔法だと考えられていたのでしょうか? という気がします。)

本日の日誌

昨夜は「SmaSTATION!?」を見てから寝て。新しく小さなテレビを買ったので、こたつに潜り込んで見たわけで。これで、寒い夜に震えながらテレビを見なければならなかったのが解消されてちょっと嬉しかったのですが。でも、夜遅くなると眠いので、途中でちょっとうとうとしたりしていて。で、「SmaSTATION!?」を見ていたら、途中で蛇の兄さんが降臨してくる気配がして。二人で、ちょっとゴロゴロしている感じになったのですが。ともかく、香取君の服装にチェックも水玉もなくて良かったな、と思ったわけで;。

で、朝方夢を見て。なんだか自分が新任の学校の先生になっていて、どこかの田舎の町に赴任してきたわけです。で、同僚?だかお友達に神田沙也加ちゃんがいて、「今は都会でなくても、欲しい物はなんでも手に入るけれども、田舎に住んでいたら、ミュージカル女優のお仕事はどうするの?」って話をしていて。で、そんなことをして道を歩いていたら、光一君に会って。で、うれしかったので、人目も憚らずに道の真ん中でハグをして。で、その後に、「みんなで住める家を買いに行こう。」って言われて、どこかのものすごく広い車のショールームみたいなところに連れていかれて。で、「ここをリフォームすればみんな住めるよ。」って言われて目が覚めて。光一君の夢って始めて見た@@、って思ったのですが。で、光一君はともかく、なんで沙也加ちゃん? って思ったのですが、よく考えたら沙也加ちゃんは「仲人さん」になりたい人だったなあ、と思って。光一君の動画を最初に見だしたのは、沙也加ちゃんとデュエットしてるやつからだったんだよねえ、と思い出して。

で、今日は動画を見たり、いろんな設計図を見直したり、書類を整理したり、お手紙を書いたり、とちょこちょこといろんなことをしていて。ゆっくり休めた日曜日になっていたら良いのですが。