あとはね

 あとはね、「専門医の受診を「推奨する」」とか、そういう言葉の意味はどうなるのか? と言われる気がします。「推奨」とは、「べき」ではないので、完全な「義務」とはいえません。医者の仕事は、法律が「医業を拒否してはいけない」とか、そういう大雑把なものだから、どこまでが「べきな医業」なのかは曖昧なわけで。個人的に思うことだけ書きます。私は法律の専門家ではないので。

 裁判とかでは、だいたい「標準的な治療」を満たしていたのか、いないのか、患者の容態が急変したら「予測可能であったのかなかったのか」が問われると思います。だから、「推奨」という言葉は、例えば患者さんがものすごい僻地に住んでいて、簡単には専門の病院にかかれない場合とかで、専門病院に受診すべき数値が検査で出ていても、経過が長くてかかりつけ医が患者の状態をよく把握しており、専門病院の受診を強く勧めることが患者さんのメリットになるかどうかあやぶまれるような場合には、「無理をして専門病院受診を勧めることまではしなくて良いのではないか」というくらいの意味だと思います。でも、そういう場合でも「本当は年に一度くらい専門の病院で見て貰えるといいんだけどねえ」程度の告知はあって然るべきだと思う。患者さんが自分の客観的な状態を、ある程度把握する、という意味でも。でも、私の場合はですよ? 長野市って長野県では一番の都会に住んでいて、専門病院は車で1時間もしない範囲で行けるわけですし、行けない事情もないし、それにかかりつけ医は受診から日が浅くて、「患者の経過状態をきちんと把握している」とは言えない状態だし、把握するための検査もろくにやってないし。それで専門医の受診を勧めないのは、「合理的な理由がない」わけです。そして、市民病院のウロは、市民病院自体が専門病院なので。ウロの医者が腎内とか内分泌科に「院内紹介」できない理由は何もない。患者の血糖値が高ければ、糖尿病で他院にかかっているかどうか、聞けない理由は全くない。だから、専門医の受診を勧めなかったせいで、患者に不都合が生じれば、お医者サマめは「予測可能であった」けれども、手抜き医療をした。義務とはいえなくても、標準的な医行為は行わなかった、ってなると思います。特に市民病院なんて市中の中では、最高峰の医療を提供して然るべき病院じゃん?? 「泌尿器の医者だから血糖値って何のことか知らなかった」って患者には言っても、それを裁判で代理人弁護士に言わせるのはねえ?? って普通に思うわけですが(苦笑)。まあ、でも弁護士さんはお金さえだせばどんな主張でもしてくれるかも?? とは思いますが-;。