「天国の門は南天にあり」ということで、巴蜀文字における「方位に関する文字」を纏めてみました。北欧神話なんかでは、風はユグドラシルの木のてっぺんに留まっている鷲(すなわち太陽鳥の一種)が起こすと言われていますが、巴蜀の神話では、南天に門があって、太陽のもたらす暖かい南風はそこから吹いてくることになっているらしいです。で、一方東(海)の方にも植物が生え揃うように太陽が生えてくる?「大地の門」があるらしいですが、こちらは「大地の門」というべき「地下世界との境界の門」ということになります。
で、古代エジプトの「アケル」には「暁」という意味もあって、本来古代エジプトの「大地の門」は東にあったと思われるのですが、それがいつの間にか逆向きの「西の門」となって「日が沈む門」にされているわけです。メソポタミアでも同様です。で、「天上にある門の先の国」を「天国」とすれば、「日が沈む門」の先にあるものは平ったくいうと「地獄」ということになります。ということは「南天」を大事にしないということは、「天国を無くしてしまえ」=「地獄だけにしてしまえ」ということにも通じるのかと、そう思うわけです。
それから、「トンパの達人」というソフトを買ってしまいましたので、せっせと活用しています。納西族の「トンパ神」というのは、どう見ても下半身が「蛇」の「蛇神」で、逆さにして矢で射られた蛙(言い換えれば殺された太陽)なんかを象徴的に使っていますので、彼らの文化は文字的には巴蜀文化に近いわけですが、信仰的にはどうにも黄河&遼河文明に近いわけで、そこのところが非常に残念なわけですが。でも、文字そのものはとても参考になりますので、せっせと活用したいと思っているわけです。