イスラム国

オバマ大統領が、シリア領内への大規模空爆を認めたということで、戦禍の拡大を心配する声や、地上軍の派遣を求める声などがあるようです。

「イスラム国」というのは、不思議な組織で、中東地域から西欧に移住した人たちの2世、3世が大勢加わっているようです。要するに、本来その土地に住んでいる人々ではないですし、やたらと人質をとったり、残酷な処刑を行うという傾向も、地元の人たちの性格傾向と言うよりは、あらゆる点で差別意識や階級意識が過酷な西欧社会の影響を強く受けているのではないのか、と思うくらいです。確か、中世の西洋なんかは、支配者階級が農奴階級を殺すのなんか、なんの問題も無いような行為だったわけで。非支配者を殺すことにためらいのない姿勢は、むしろそちらに似ていると思う。
そして、更に不思議なのは、地元の人でもなく、異なる気候風土で育った人々が、何故見知らぬ土地に出かけて、すぐにそこを征服・支配するような成果を上げられるのか、ということで、どのようなツテやコネがあれば、そのようなことが可能になるのだろうか、と思うのです。そして、彼らは支配地域の石油関連施設等からも収入を得ていると言うことで、どうして、正式な軍隊や、国民、国家として認められるはずのない人たちが、そのような施設の運営の仕方を知っていたりとか、取引の仕方を知っていたり、そして彼らと取引する人たちをどうやって確保しているのかも不思議です。
それに、確か彼らの武器供給源は、イラクでもシリアでも「正式な国軍」から「奪った」ものが多いような印象を受けています。国家の正規の軍隊が「武器の管理」に関して、なぜそのように「ずさん」なのかも不思議です。武器を残して撤退しなければならないような羽目になるなら、せめて武器を破壊して撤退することはできなかったのだろうか、とも思う。

要するに、彼らと本格的に対抗しようというのであれば、軍隊を投入するだけでなく、資金源を徹底的に洗って、収入を遮断する必要があると思います。そして、生きた戦闘員の供給を止めるためには、欧米社会の差別意識とかそういうものまで、本当には改革する必要があると思うし、どんな民族、どんな宗教出身であっても、自国民は自国民として平等かつ公平に扱う姿勢は誰にとっても必要であろうと思うだけです。そもそも、その覚悟無くして、「移民」なんて受け入れるべきではないのだと思う。

 

しかし、現在の状況を考えれば、地元の人々の生活を守るために、ある程度の軍事介入は止むなし、と思います。そして、きちんとした成果を上げたければ、攻撃の精度を最大限に上げることも必要だと思いますけれども。これだから、私は過去にビン・ラディンを殺すことを反対したのだと思う。たぶん、彼を殺したとしても、こういうことはそれだけでは終わらないだろう、ときっと私は知っていたのではないかと思うわけですが。今回の件に関しては、オバマ大統領の決断を支持したいと思います。困っている地元の人たちには、現実の助けが必要だと思うからです。どうか、速やかにかつ的確な攻撃がなされて、事態が沈静化するようにと、願っています。全体的な戦力の差からみれば、それも可能であると思いますので。その合間に軍事的以外の面でも、敵の勢力を地道に削ぐ政策を地道に続けていって頂ければと思います。軍事だけで無く、政治的な配慮も各方面で必要な事項であろうかと、そんな気がします。