昨夜は、雨が降らなくて、今日はけっこう地面が乾いたのですが、今日はまた夜に夕立があって、雨が降って。昼間は、お外組の作業は普通にできたのでした。
私の方は、書証でまだ手を入れなければならないところがあるのを発見して、手入れをして。そして、金勘定についても、少し書き始めて。落ち着いて、必要なことを簡潔に書くように、と言われる気がするわけで。
で、要請が来るので、やむなく中古本を大量に買ったわけで。だいたい、すでに絶版になった文庫本とかが主なわけで。人文系の本は、需要が限られているので、すぐに絶版になるし、それだけでなくて出版社もろとも消えてしまったりするので-;。最大手の岩波は買えないし。あちこち必要なものを探し回って。しばらく、民話の比較研究には困らないと思う。
で、お犬サマの「槃瓠(ばんこ)」についてちょこちょこと調べていて。槃瓠を男系の先祖とする神話あるいは民話は、中国南部の少数民族にいくつかあるわけで。後漢書にも「南夷伝」に書かれているわけで、昔から中国南部の話であったようです。でも、犬(狼)トーテムは、黄河文明よりも更に北の遊牧民の思想ですので、なぜ中国南部に狼トーテムの話があるのだろうか、と思う。そうすると、それは「黄帝」の話でいいんですよ。黄帝の子孫達のうち、良渚の階級社会と人食いの思想に迎合しない人達が、良渚からの分離・独立を図ったものが、槃瓠説話を持つ人達、と言われる気がするわけで。
中国の学者の間では、槃瓠と盤古は同じもので、盤古が少数民族の神話から中国全体の神話へと変遷する過程で、槃瓠先祖の話ができたのだろう、と言われているらしいです。でも、私は違って、槃瓠の話の方がオリジナルで、盤古の話は紀元後にプルシャの影響とかでできたものだと思う。槃瓠の民話の中には、「槃瓠を蒸したら人間になった」という話があり、「何かを蒸すと、別のものに化生する」という神話は、ハイヌウェレ型芋文化の思想であるので。稲作よりも古い話なんじゃん、それ? と思う。稲作よりも古い時代の、「犬のハイヌウェレ」の神話が、特定の犬トーテムの英雄の活躍を経て、具体的な「槃瓠」の神話に変わったものなのだと思う。それが更に神格化されたものが、盤古であると思う。槃瓠神話を持つ人々は、だいたい父系であるので。父系であっても、良渚に合流しなかった人達である、と思うわけです。