クリ・ドラ再び

クリ・ドラというのは「クリスタル・ドラゴン」の略なわけですが。
そういえばふと思い出したのですが、この漫画の主人公アリアンは、魔法使いの見習いなのに普段は魔法をほとんど使えなくて、たいしたことはできないわけです。一応見習いですから、薬草の知識とか「頭で覚えられること」はある程度分かっているわけですが、実施がうまくいかないわけ。でも、一応風の精霊と契約していて、風はある程度自在に操れるわけです。
風を自在に操れる
ということは、その点だけでも、彼女が西洋の「太陽神」を意識して描かれてるんだ? と今になって気が付いたわけです。むこうの太陽神は天候神でもありますので。でも、彼女は魔法そのものは滅多に使えないわけです。でも、たまに感情が高ぶったりすることがあると、魔力が暴走して大暴風雨的な騒ぎを起こしたるするわけ。そんなものだから、先輩の魔法使いから
「自分の力を制御する術を学んで、実力をつけなさい」
とか言われてしまうわけ。でも、当人にはそのやり方が良く分かってないわけです。
でもって、「邪眼のバラー」の姉の魔法使いというのはアリアンとは対照的で、有能で悪い魔法使いだから、「魔」とかを呼び出してじゃんじゃん好きなように扱えるわけです。で、こっちの方はアリアンが族長の娘と一緒に村から逃げ出したものだから、二人を殺そうとして、手下の悪魔に後を追いかけさせるわけです。で、バラーもそれとは別に、逃げた二人を連れ戻すために手下を送り出すわけ。
そうして、追われたり逃げたりして旅をしている内に、アリアンはソリルという男性と出会うわけです。この人は魔法は使えないわけですが、いわゆる「戦士」なわけ。でもって、アリアンに戦士の才能がありそう、ってことで剣の使い方とかを教えてくれるわけです。で、このソリルという人物は普段は割と温厚な方ですが、いったん戦場に出て興奮すると、敵でも味方でも見境なく殺しまくる、というわけで、西洋の神話ではこういうタイプの人を「狂戦士」というわけです。敵であっても、味方であっても「戦場では会いたくない」タイプです。んでもって、ソリルに連れられてアリアンも戦場に出る羽目になるのですが、そこでアリアンも
自分も同じタイプ
だと気が付くわけです。やっぱり戦場で興奮すると見境がなくなるタイプだったらしいです。そういう自分を
嫌だな
とも思うわけですが、
邪眼のバラーと戦うためにはそういう才能も必要かも
とも彼女は思うわけです。で、そんなこんなでアリアンはローマへ向かうわけですが、仲間になったソリルとは別ルートで向かったので、広いローマでどうしたら良いのか分かりません。一方のソリルはローマで剣闘士として暮らしていたことがあって、街のことは良く知っているわけです。
そこで、ソリルは自分は昔の剣闘士仲間の宿舎に潜伏するのですが、その一方でアリアンの方は奴隷に売り飛ばされたりしたら闘技場で買い取るように手配するわけ。そうすると確実に落ち合える、ということで。まんまとその手に引っかかったアリアンは奴隷として闘技場に連れていかれるわけですが、いろいろ事情があって
男子の宿舎
に放り込まれて、髮は切られちゃうは、男装はさせられるは、というわけで、名前も「アラン」という名にするように言われるわけです。で、その格好で闘技場にも出たわけですが、そこで
悪い魔法使いが送り込んだ「魔」が取り憑いた人物と出会って、それが襲ってきたもので闘技場に悪魔があふれかえって見せ物どころではなくなる
わけ。それで暴発したアリアンも魔力を全開にさせて、闘技場をボロボロに破壊してしまうわけです。そんなものだから、奴隷の剣闘士達も逃げたい人たちは逃げてしまった、と。
どうもね、漫画でアリアンがローマに行った時に、何をやったか思い出さねば
みたいな気分になって、思い出したこと、それって、コロシアムをズタボロにしたこと?
自分の能力が自覚できなくて、制御する方法を知らない狂戦士って、どういうことだろう、それ?
とか、ふと思ったわけです。そういえば、「ソリル」っていう名も「太陽」のことじゃんねえ? とか思うわけで。(でもソリルは名字がニールセンとかだった気がするから名字には「蛇」の子音が入っているわけですが。)
どうせ、こういう記憶力だけは良くできているわけです。全くのところ。