このシリーズが一段落つきました。最初はヒエログリフをちょこちょこと軽く分析するミニシリーズにするはず、だったのが意外と大変でした。来る日も来る日もユニコード表とにらめっこする羽目にーー;。ということで、「月神」について述べているのに、肝心の正々堂々と
月神
と名乗っている神々のことはまだ何も書いていませんので、クヌム、ミン、コンス、トートといった有名所を纏めて、かつ、今まで書いた記事を修正できるように、メソポタミア方面のことも書きつつ、当面の目標は、
オシリス一家
までたどり着ければよいな、とそういう感じなわけです。オシリスというのは、
「バラバラにされて殺された神」
ですが、その属性を「月」なのか「太陽」なのかを考えたときに、「月」を示す言葉が最初の「オ」しかないな、と気が付いたわけです。で、オシリスは「アサル」ともいうわけで、そうなると、「月」を意味する言葉がなくなってしまいます。でも、オシリスのヒエログリフには
右目(すなわち「月」)
が含まれていて、「月」に属する神であることは間違いないと思うわけです。で、「m」という言葉が付いて、オシリス同様、死して冥界の王的存在となる王(生きているときは良い王)に、イランの古神話のジャムシード王とか、インドのヤマとかがいるわけで、彼らは「mがつく月」から派生した半人半神といえます。だけど、
「m」
がつく「月」は
「永遠」
の存在でもあるのに、何故この神は死ぬの?
ということになる。そうすると結局、
「バラバラにされたオシリス」
とは
ハイヌウェレ型農業神
といえると思うのです。で、オシリス一家の中に「サティ」という女神がいるのですが、インドに行くとオシリスではなく、この女神がバラバラになる神話があるわけで、この
バラバラ殺神
と関連の深い一家のことを書き出すと、その起源が
エジプトでもメソポタミアでも 「無い」
だけに、
分かっていても、書きたくない、
ただでさえ、エジプトとメソポタミアでアップアップしてるのにーーーー
となるわけです。古代中国のハイヌウェレ型三神を個人的には
盤古、炎帝神農、蚩尤
と考えているわけで、この3つは
「同じ神」
だと思うわけです。黄河文明の農業の始まりに関わる神で、その起源は1万年近く昔に遡り、時代が下ると、土器等の
水盤の底に張り付いている 「盤蛙」 となるわけで、
この農業に関する 「蛙神」 のことを語り出すと、芋づる式に
井戸尻の蛙女神、農業に関わって、左目が 「月」 を示す 「波紋」
になっている神まで一直線なのですけれども、どうも
「黄帝」
という敵の手によって、左目が太陽で男性に、本場中国では変えられてしまっているので、
偉大な炎帝神農
のはずが、「人面魚」扱いしかされていない、と、
そういうことにとめどもなく繋がるから、書きたくないわけです。なにせ、シュメールのイナンナの正体を掴むまででも四苦八苦している状態なわけですからーー;。
農業の黎明と共に中国からもたらされたこの神は、同時期に別ルートからもたらされた「男性の蛇神信仰」と習合した結果、
女神
に固定されて、日本では日本式に独自の発展と展開を遂げているわけです。「夫」の方は「石棒」とか「男根」の神様ですので、あちこちの神社で今でもみられます。
では、
妻の方は?
となるわけで、右目が太陽、左目が月のこのハイヌウェレ的であった盤蛙女神は井戸尻遺跡の土器から始まって、今でもあちこちにいるわけですが、
誰もそのことは語らない
と、そういう感じのようです。まあ、でも一番有名な所では、伊勢神宮の内宮の女神ということになるのでしょう。(結局、外宮の女神も同じ神のような気もするのですけれどもねーー;)