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「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 137p、コラム
木曽福島町興善寺の稲荷に関する伝承である。これもハッピーエンドではない。
これも、いわゆる「炎黄闘争」が非常に長い時を経て崩れた形式の物語といえると思う。普通は狐は人を化かすものであるのだが、ここでは「良い狐」として描かれていることが興味深く感じる。興善寺には木曽義仲の墓もあるとのことである。
参考文献:木曽の民話、民宿松尾 HPより(最終閲覧日:22-09-06)
#昔話 #長野県 #中信 #狐 #非業の死
by admin. ⌚ 2022年09月06日(火) 08:26:08 昔話 <273文字> 編集
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 130-136p
玄蕃之丞狐とは、塩尻宿から贄川宿辺りに住んでいた、といわれるいたずら好きの狐の親分のことであるらしい。しかし、その最後は人間と争って非業の死を遂げるらしい。狐がかつて信仰の対象であったことの名残と、非業の死を遂げた者を神格化する習慣などが相まった物語といえようか。
西欧におけるトロール等の物語と、「いたずら好きな半神的存在に対する信仰」、「それらに対する最終的な人間の勝利」という点で比較してみると面白いかもしれない、と思う。
いわゆる「炎黄闘争」が非常に長い時を経て崩れた形式の物語といえる。
参考文献:玄蕃之丞狐、長野県:歴史・観光・見所 より(最終閲覧日:22-09-06)
#昔話 #長野県 #中信 #狐 #非業の死
by admin. ⌚ 2022年08月29日(月) 20:24:28 昔話,固有神獣 <386文字> 編集
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 81p、コラム
木曽郡上松町にある「びわ池」の伝説である。
怪物退治譚の一種なのだが、シャーマン(びわ法師)が自己犠牲を払って人々を助けた、という物語。
昔の宗教関係者はかなり外国の宗教も研究していたようであるし、原始キリスト教神話を基にして、修験道関係者が作り上げた物語なのではないだろうか、と個人的には想像する。
シャーマンが活躍して大洪水から身を守る、という説話は伏羲の物語にも通じる、と思う。
#昔話 #長野県 #中信 #竜 #龍 #びわ法師 #洪水 #怪物退治
by admin. ⌚ 2022年07月07日(木) 12:00:06 昔話 <290文字> 編集
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 70-80p
「新長野のむかし話」編について。これは元の話からかなり改変がされている、と感じるが私が知る限り最悪の改変だと思う。
1.伝説にまつわる地名が記載されていない点(犀川、松本平など)
2.犀竜が悪いことをして罰を受けて竜にされてしまっている点
3.罰を受けた原因は、犀竜自身というよりも社会的な問題なのだが、なんでそれを弱者である犀竜が一番泥を被って犠牲にならなければならないのだろうか。現代的に、弱者を搾取することを正当化する思想に繋がらないだろうか。
4.小太郎が自らの出自に引け目を感じている点。読者である子供に、出自等で他人と違うことは「それだけで悪いことである」と思わせることにならないだろうか。現代的な教育という観点から多様性の尊重と平等や公平という精神を損なう物語とならないだろうか。
何より、犀竜自身は祀られている神社を持たない、といえども、かつての水内郡(現在の長野市)の犀川流域から広い範囲で九頭竜女神が水神として祀られていることを併せ考えれば、犀竜とは九頭竜女神のことである、と容易に気がつけるはず。そんなことも分からない奴がこの物語に手を出すんじゃねーよ、水内郡の伝統と文化に対する侮辱だ! と正直思います。(ま、元の話も竜蛇女神に自己犠牲を求める話で、個人的には好きではないのですが。)
同じ「日本標準」出版でも「長野の伝説」に収録されている方が原話に近いと思うので、いつか紹介できれば、と思います。犀川には他に安曇族の神の開拓神話もあるのですが。開拓神をないがしろにしてどうなってるのか、という「現実の歴史」もいつか紹介できれば、と思います。
#昔話 #長野県 #北信 #竜 #開拓神 #女神
by admin. ⌚ 2022年06月30日(木) 06:57:03 昔話,固有神獣,英雄名,起源・由来 <771文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 244-251p
前半は狡猾な男が天狗から姿の消える、いわば「魔法のアイテム」をだまし取る話。西欧では姿の消える魔法のアイテムは「ドワーフの宝」と考えられるが日本では「天狗のアイテム」のようである。男は北欧神話のロキにも似る。「怪物退治」が崩れた物語といえようか。
後半は中途半端に透明人間になった主人公が妻の叡智に救われる話。「姿が消える」ということは神話や伝承的には「死」も暗喩するといえるので、妻は夫を再生させるイシスのような女神的存在といえようか。
ただ、全体としては神話の崩れ、というよりは庶民的な面白い話、だと思うので、物語として確立したのは近世以降であり、修験道のプロパガンダとしての要素が強い物語だと感じる。
#昔話 #長野県 #中信 #天狗 #姿消える #魔法のアイテム #かくしみの #かくれがさ #ぼたもち #怪物退治 #叡智 #天狗 #修験道 #足
by admin. ⌚ 2022年06月06日(月) 13:42:10 昔話 <420文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 212-218p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 24-32p、タイトルは「とんちんかん庄屋」に変更された。
笑話。愚か話でもある。
こういった物語も由来を辿れば「怪物退治」と言えるのではないだろうか、と思う。
封建的な江戸時代は、役人と庶民の間柄はこのように和やかなものではないので、ある意味、この物語のような和やかな関係は、庶民にとっての理想の姿でもあったのかもしれないと思う。
「愚か」の内容
湯・茶、食事の作法、薬味、床柱、手水
#昔話 #長野県 #中信 #庄屋 #笑話 #愚か者
by admin. ⌚ 2022年05月10日(火) 00:10:54 昔話 <302文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 201-207p
「おとっとこよし」と「瘤取りじいさん」の中間といえるような物語である。
そのため、「おとっとこよし」、「鳥のみじじい」、「瘤取りじいさん」の物語には連続性があって、関連する物語であることが分かる。
「成功するじいさん」は鳥と関連し、「成功しないじいさん」は大宜津比売の神話等、日本的なハイヌウェレ譚との関連がある。
社会学的に興味深い話といえる。「老婆とすずめ」との対比も興味深い。
#伝説 #長野県 #北信 #こぶ取り #オシリスとセト #鳥 #鳥神
by admin. ⌚ 2022年04月30日(土) 07:20:10 昔話 <283文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 189-191p
イェンゼンのことは個人的には好きではないのだが、「芋といえばハイヌウェレ」というくらい(?)ハイヌウェレ型神話は有名な話である。この物語は一般的なハイヌウェレ型神話よりも更に古い時代の「ハイヌウェレ型神話」といえると考える。
西欧では「末子成功譚」が多いが、東アジアから環太平洋周辺地域のオーストロネシア語族の文化圏の中には「兄と弟」の組み合わせで、原因は様々だが、弟が唐突に死ぬ、というパターンの物語がままある。本物語もそのような国際的な物語の1つであって、台湾やポリネシア等に類話がみられる。
本物語に限っていえば、これはホトトギスという鳥の由来譚と、5月の端午の節句に芋汁を食べることの由来譚でもある。芋名月は日本では中秋の行事とされることが多いが、鬼無里では5月の節句の行事であったことが分かる。そして、兄が鳥の化身であり、弟が山芋の化身であることが分かる。これを動物神や植物神の擬人化、とみるのか、人を動物や植物になぞらえている、とみるのか、ということになるが、管理人は後者であると思う。
なぜ、人間を動物や植物になぞらえるのか、といえば、その理由は「階級」や「身分」というものを示し、誰が「上の身分」で、誰が「下の身分」であるかを示しているし、それぞれの社会的役割を示しているものとも考える。兄は「鳥」であって、木の枝の高いところに住み、弟たちを支配する。山芋は、地面の下に存在し、一番低いところに生息するものなので、それが「身分の低さ」を示すし、支配しかされない。そのような観点から見れば、本物語は「身分の低い者は上位の者の食べ物である」とか「上位の者は身分の低い者の生殺与奪件を握る」という階級社会の理論や思想を示す、社会学的な物語あるいは「説話」とすらいえると考える。
階級社会の発生は、父系文化の発生と一致し、良渚文化にまで遡る。本物語に暗喩される「身分的に上位の者は下位の者を食い物にして当然である」という思想が、父系文化と階級社会を支えてきた思想だと理解すれば、大国が小国を一方的に「悪者」と決めつけて理不尽に攻撃するようなことを正当化する根本的な思想が、5500年ほど前に長江下流域の水稲耕作民から発生したものであって、人類はそこから5000年以上たっても、「父系文化の根本的思想」から抜け出すことができないでいることが分かる。この思想の問題の根は山芋の根よりも更に深いところまで潜り込んでいるように思える。そして、鬼無里・長野市信州新町あたりには、古い時代のハイヌウェレ型神話に関係する民話・伝承が多く残され、独特な地域であるなあ、と思う。(今のところ信州新町はなんだか「泥棒村」みたいなノリになっちゃっていて、呆れかえるばかりである。まあ、ここのところ1600年くらいはそういうノリだったのかもしれませんがー;。)
参照:序列殺人
#昔話 #長野県 #北信 #鬼無里 #ほととぎす #鳥 #山芋 #植物 #ハイヌウェレ #序列殺人
by admin. ⌚ 2022年04月18日(月) 06:21:35 昔話,起源・由来 <1281文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 183-188p
これは継母が継子を虐め殺してしまう、という非常に残酷で陰惨な話。少なくとも子供に聞かせるような話ではないと思う。
民話や神話における「釜」というのは、尽きせぬ食料を出す「豊穣の大釜」と、地獄などで罰を与える「罰のための大釜」に分かれる、と個人的には思う。本物語の「釜」は後者である。また、幼い子供を人身御供に捧げた習慣、おそらく太古にはそれを食したであろう習慣が、かすかに垣間見える物語といえる。これは環太平洋周辺地域の海洋民族の食人文化に通じる思想が古代の日本にもあったのではないか、と思わせる。
このような物語はコンプライアンス的には、そのまま子供に聞かせるには向かないが、さりとて、古代の先祖の文化の痕跡を消し去って良いものとも思わない。民話や伝説は残酷な話が多いので、どうやって後世に伝え残していくのかを熟慮する必要がある典型的な物語といえる。
歌が秘密を暴露するところは、「王様の耳はロバの耳」的でもある。
この手の残酷な物語の取扱に気を遣うべきと考えたのは何も現代人だけではなく、「源氏物語」の中にも、光源氏が娘の明石の中宮を育てる際に、実母ではない紫の上に養育を任せたので、子供の目に「継子虐め」の物語が触れないように気を配った、というエピソードが出てくる。
#昔話 #長野県 #北信 #継子虐め #魔法の大釜 #歌 #秘密の暴露 #人身御供
by admin. ⌚ 2022年04月16日(土) 05:46:01 昔話 <622文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 162-167p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 56-61p、タイトルは「へびのシガ」に変更された。内容にもかなりの改変がある。理由は不明。
蛇というのは水神の象徴でもあると思う。水に関する神に恩があって、そのお返しに祟りを受けない、のみならず命まで貰ってしまう、というのは、「伏羲と雷公」の物語、いわゆる「洪水神話」の話の骨組みであると思う。ただし、本物語は、「人間が神を助けた」という性質が強いので、西欧的な「ノアの箱船」が起源というよりは、「伏羲と雷公」の物語の方が近くて起源に相応しいと思う。
外国では神は「絶対的な存在」とされることが多い、と思うのだが、本物語は図々しく人間が神に恩返しを求める話である。日本人の宗教観を探る上でも興味深い物語といえる。
#昔話 #長野県 #中信 #怪物退治 #報恩譚 #求恩返し譚 #蛇
by admin. ⌚ 2022年04月07日(木) 22:54:39 昔話 <420文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 132-135p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 96-100p
いわゆる「冬至粥(小豆粥)」の起源譚。冬至粥は「無病息災」を祈るためのものであり、弘法大師に親切にした老婆が、弘法大師から「無病息災」の粥を授けられた、という意味を含んだ物語である。また、木曽では冬至を境にして菜っ葉の漬物を食べる種類が切り替わる、という伝統があるらしい。節に、神に無病息災を祈って菜っ葉を捧げるのは、柳田的にはむしろ夏祭(旧6月、本来は水の神の祭)の習慣と考えられるような気がする。冬至には南瓜(瓜類である)を食べる習慣があるし、菜っ葉を捧げる習慣(ただし冬だから漬物となる)もあったとすれば、水神信仰(祇園信仰)に関連する習慣であったことが分かる。人々の一人一人が水神(疫神)と一体化して(現人神となって)、供物を食している。
「無病息災」を願うものとしては、蘇民将来説話の崩れで、弘法大師が牛頭天王に相当する存在なのだと思う。ただし、「不親切な者」は登場しない。弘法大師そのものは、実際には修験道の行者のような旅はしなかったかもしれないが、弘法大師が旅をして奇跡を起こした、という伝説はあちこちにあるのではないだろうか。
ただ、現代的な感覚から見ると、大師様が直接利益や恩恵を分かりやすくもたらしてくれる物語ではないので、「弘法大師が泥棒を推奨した」という話にも見えてしまい、「冬至粥」とか、冬至の祭りの意味を知っていないと、意味するところは理解しにくいかもしれない。
参照:蘇民将来
#昔話 #長野県 #中信 #蘇民将来 #漬物 #菜っ葉 #小豆粥 #小豆 #冬至 #由来 #弘法大師 #冬至粥 #祇園信仰 #修験道
by admin. ⌚ 2022年03月19日(土) 01:04:13 昔話,固有アイテム,多エピソード保有人名,固有地名 <764文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 128-131p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 102-105p、内容に改変が見られる。理由は不明。
二人の女性が、結婚を軸にして入れ替わる。典型的な「瓜子姫」の物語である。
瓜子姫は最期には助かる。天邪鬼は茅に化生する。
瓜子姫は川から流れてくる。「桃太郎」と似ている。
類話は「たまご姫」、「とくさむすめ」、「のろいをかけられた花嫁」、「白檀の木」、「悪魔の難題」など
参照:うりこひめとあまのじゃく
#昔話 #長野県 #東信 #瓜子姫 #柿 #茅 #川誕 #瓜
by admin. ⌚ 2022年03月16日(水) 01:18:34 昔話 <467文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 119-122p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 126-129p、タイトルは「ほらがいの川くだり」に変更された。
ほらがいの子をさらおうとして、天変地異が起き、祟られる話。
ほらがいは修験道に関係のあるアイテムである。
また、古代の日本では、貝には「再生させる力」というか「医薬の力」があるとされて、死んだ大国主命を貝の女神が蘇生させる、という神話もある。
地下のなまずが暴れると、地震が起きる、という古来寄りの俗信の「なまず」が修験道の普及に従って「ほらがい」に変更されたものか。
参照:ホラガイ
#昔話 #長野県 #東信 #祟り #貝 #修験道 #天変地異 #水神
by admin. ⌚ 2022年03月12日(土) 22:10:33 昔話 <345文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 86-90p
蛇婿としては、「三輪山伝説」の類話。
蛇はいわゆる「河伯」の象徴でもあるので、河伯に「妻」と称して若い娘を生贄に捧げる、でないと祟りを受ける、という思想をそのまま示した物語である。
后羿の神話では祟る河伯の目を射て祟りを鎮めることになるが、本物語では「怪物退治」は失敗して、逆に人身御供を捧げる結果となってしまう。むしろ、河伯を倒そうとした黒姫の父親の方が「悪い」となるような展開である。
・・・これだから、古い時代の「天帝」は人身御供擁護派だったのではないのか、羿は人々を助けようとしたからこそ罰を受けたのではないか、と筆者が言いたくなる所以である。
長野県の北信地区には、民話が語られるような時代になるまで、「人身御供を擁護する思想」がはびこっていた証拠といえるのではないか、と思うくらいである。だからこそ、猿神を退治する早太郎を探しに、わざわざ南信まで行かなければならないのである。北信ではそのような英雄こそが悪者である、という思想を示した物語ともいえる。
また、蛇神に対する人身御供に対して、馬がなにがしかの形で関わることが示唆される物語でもある。
志賀高原には、この物語の大蛇が住むという大沼池がある。
羿神話に否定的という点で、類話は「くもが淵 」である。
#昔話 #長野県 #北信 #蛇聟 #異類婿 #人身御供 #怪物退治 #馬 #祟り
by admin. ⌚ 2020年07月26日(日) 23:40:33 昔話,伝説 <619文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 80-85p
田(稲作)と神霊との関わりの話である。
子供が天狗に変化する部分は、農耕祭祀に関する生贄を彷彿とさせる。
人身御供の役割は、神霊と一体化して田の収穫の豊穣をもたらすことである。おそらく、水稲耕作にとって重要な水の管理(治水)も行っていたことと思われる。
天狗が、雷神のようであり、鳥のようであり、稲作に関する点は、日本的な「田の神」信仰に通じると共に、中国の神話で「雷神」=「鶏」である点も彷彿とさせる。
日本における天狗とは、中国風な雷神や風神の変化したものなのか、興味深い。
#昔話 #長野県 #中信 #天狗 #田の神 #雷神 #鳥 #人身御供 #見るな #禁忌
by admin. ⌚ 2020年07月26日(日) 00:22:30 昔話 <325文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 67-74p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 82-89p
「動物番」系の物語の非常に個性的な類話であると思う。
太郎を小綺麗にしたら「いい男」になった、というのは「クワッ、クワッ、くっつけ!」のかさぶた男と同様、本来の姿を「見るな」という暗喩だと思う。
そして、信濃国の特徴なのかもしれませんが、「都から来た妻」というものに、「異類嫁」に近いような特別な扱いがされているように思います。
#昔話 #長野県 #中信 #労働 #異類嫁 #都から来た妻 #怠け者 #見るな #禁忌 #ポセイドーンとアムピトリーテー #歌 #ものぐさ太郎 #略奪婚的 #常世信仰
by admin. ⌚ 2020年07月11日(土) 00:00:47 昔話 <333文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 64-66p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 116-119p、タイトルは「よくふか長者とほらあなの主」に変更された。
「主」とは河童か、それとも大蛇の類いか?
ともかく、「病気は祟りである」とか、「神に対する恩を忘れると祟られる」とか、そういう主題の話である。「誉津別命」が類話といえる。
子供は人間ではないので「取り替え子」的な要素もある。
#昔話 #長野県 #南信 #宝物 #報復 #祟り #呪い #忘恩 #水神 #川 #人身御供 #取り替え子 #予言 #椀貸伝説
by admin. ⌚ 2020年07月07日(火) 11:46:24 昔話 <290文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 60-63p
「花咲爺」の類和といえるか。犬神が捧げ物を得ると、金を生んでくれる、という話。
ということは、犬は雌なのだと思われる。
主人公(おじいさん)が親切な人で、女主人公(おばあさん)が意地悪な人で、異性同士が対照的となっているのは、イザナギとイザナミ的である。
犬神がなぜ、主人公、女主人公と暮らすようになったのか、という理由は欠如していて不明である。
でも、ものすごく単純な「神様に捧げ物をしたらお金が儲かる(根拠は不明)」という短絡的思想は、民話の中だけでなくて、現在の「神社」というものに対する日本人の姿勢を見ても、日本人の精神文化の中に非常に深く根付いているといえると感じる。(ここまで単純で露骨な思想形態はあまり他では類を見ないと感じる。)お金大好き日本人文化を象徴するような物語である。・・・別にお金だって必要なものだから、それが悪いとは言わないけどさあ。私だってお金は欲しいけど。
#昔話 #長野県 #北信 #犬 #動物 #化成 #金 #イザナギとイザナミ #池
by admin. ⌚ 2020年07月06日(月) 17:45:59 昔話 <477文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 51-59p
題の「まったらこうよ」とは、長野県の方言的に使われている古語で、「まったら(放ったら)」+「こうよ(来よ)」という意味。「まる(放る)」というのは「用を足す」という意味。
導入部分は上司と対立するタイプの「ゲイ流譚」である。ただし、上司にあたる「おしょうさん」は、旅の助けとなる魔法のアイテムもプレゼントしてくれる「助け手」も兼ね、主人公の小坊主さんの師匠でもあるので、「ゲイ流譚」と「魔法使いの弟子」が融合した展開となっている。対立はあるけれども、互いに殺し合うほどではなく、どちらかといえば友好的な師匠と弟子であることが特徴である。
前半は「鬼ばばあ」からの逃走譚で、「怪物退治」は省略されて逃げるだけである。魔法のアイテムはここで使用される。
中盤は祟る「田の神」を退治するのではなく、「祀る」物語。ないがしろにされていた「田の神」に、餅、酒、大根を捧げる。いずれも植物の変化したもので「生贄の娘の身代わり」であるので、女主人公が植物の化身であることが分かる。
後半はいわゆる「難題婿」で、蜂に助けてもらう「動物神」型兼「謎解き」型。「恐れ」による禁忌も伴う。
主人公が「小坊主さん」であるので、武力で怪物を退治する、という要素は乏しくて、知恵を使って問題を解決しよう、という傾向が強い。かつ、省略が多いけれども、導入部分のおしょうさんとの別れも含めると本来の「怪物退治+呪的逃走」から発生した物語のパターンが4つも繰り返されている物語である。使用されているモチーフも多岐に渡る。よく4つの物語パターンをまとめたな、と思う。神に酒を捧げて機嫌をとり、生贄の乙女を助ける点は、まさにセクメト神話である。
また、祭祀に関して「餅、酒、大根」を捧げることが、「人身御供」の代わりだとあからさまに分かる内容である。普通に日本人だとお祭りの際に、餅、酒、大根を神前に捧げるなんて、「当たり前に普通のこと」過ぎて、その意味を深く考えたことがないような気がするが、民話の中にその本態があっさり語られていたりするようである。
#昔話 #長野県 #東信 #僧侶 #鬼女 #呪的逃走 #お札 #魔法のアイテム #おしょうさん #オーディン #川 #祭祀 #餅 #酒 #稲 #大根 #巨人 #かかし #田の神 #水神 #植物 #難題聟 #蜂 #動物神 #恐れ #禁忌 #射日神話 #魔法使いの弟子 #ゲイ流譚 #叡智 #動物番
by admin. ⌚ 2020年05月31日(日) 19:51:53 昔話 <1053文字> 編集
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 44-50p
「美女と野獣」的 or 「猿神退治」的
前半の猿が女主人公を得るまでは、どちらかといえば「難題婿」的な展開。
後半は呪的逃走が変化したもので、「川と石」のモチーフが出てくる(臼は木製かも知れないが)。猿に重い荷物を運ばせるところは「山のこびと」的である。
どちらかといえば、騙された猿神が気の毒な展開の物語であるが、怪物の死と女主人公の再生(逃走)というモチーフは良く保たれている。
女主人公は餅(植物)の化身といえる。女主人公が自ら冥界に赴いて問題を解決してしまう点も「山のこびと」が類話といえる。
逃走の際の「川と石」のモチーフは「英雄ディックベール」、「スルタンのぶち犬」、「山男」にみられる。
#昔話 #長野県 #北信 #猿 #猿聟 #異類聟 #難題婿 #3人姉妹 #餅 #植物 #叡智 #怪物退治 #川と石 #妹による救出
by admin. ⌚ 2020年05月09日(土) 22:45:38 昔話 <434文字> 編集
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 137p、コラム
詳細は不明。
狐に説教された酒飲みの話のようである。
#昔話 #長野県 #中信 #狐