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固有名詞は可能な限りWikipediaに準ず

No.79, No.78, No.77, No.76, No.75, No.74, No.737件]

サルのよめ
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 44-50p
「美女と野獣」的 or 「猿神退治」的

 前半の猿が女主人公を得るまでは、どちらかといえば「難題婿」的な展開。
 後半は呪的逃走が変化したもので、「川と石」のモチーフが出てくる(臼は木製かも知れないが)。猿に重い荷物を運ばせるところは「山のこびと」的である。
 どちらかといえば、騙された猿神が気の毒な展開の物語であるが、怪物の死と女主人公の再生(逃走)というモチーフは良く保たれている。
 女主人公は餅(植物)の化身といえる。女主人公が自ら冥界に赴いて問題を解決してしまう点も「山のこびと」が類話といえる。
 逃走の際の「川と石」のモチーフは「英雄ディックベール」、「スルタンのぶち犬」、「山男」にみられる。

#昔話 #長野県 #北信 #猿 #猿聟 #異類聟 #難題婿 #3人姉妹 #餅 #植物 #叡智 #怪物退治 #川と石 #妹による救出

by admin. 昔話 <434文字> 編集

ジャムシード(聖王イマ(Yima)) 44-54p
「ペルシアの神話伝説 世界神話伝説大系4 名著普及会」
インドのヤマ(Yama)(人類の始祖)、北欧神話のユミル(Ymir)と同語源。
神より一本の黄金の矢、黄金をこめた一本の鞭、聖なる火を送られる。
「恐ろしい冬」を囲繞地の中で過ごす。(「ノアの箱舟」的である。)
禁忌の食物を食べ、不老不死を失う。(「アダムとイブ」に類似している。)
イマとイマク(妹)は悪魔と婚姻し神を裏切る。(「アダムとイブ」は悪魔にそそのかされ神を裏切る。)
アジ・ダハーカ(Azhi Dahaka)という怪蛇に殺される。(「アダムとイブ」は蛇に化けた悪魔にそそのかされ、不老不死の生命を失う。)

語源的には、
ドゥムジ、タンムーズ、デモポン、テリピヌ
アドニス、アッティス、アダム
と類似があるか。

性質的には、エンキ、オシリス、浦島太郎、(蛭子)にも類似する。
この系統の神(あるいは特別な人間)は、「死」と関連があり必ず死ぬ(あるいは異界を旅する、一時的に眠りにつく、等)。
そして、その「死」にはなにがしかの神話的意味が存在する。

 ジャムシード王の隠された宝がどこかに埋められている、という民間伝承があるようである。「甥と叔父」参照。

#神話 #イラン #ペルシア #ゾロアスター教 #英雄 #蛇 #イナンナとドゥムジ

by admin. 伝説,神話 <583文字> 編集

赤い首輪をつけた蛙
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 201-203p

 単純に「女神の恩寵を得た者が成功する」という神話の崩れたものであると思う。
 類話は「豆よ、真っ二つに切ってやるぞ」、「病気の百姓女」。

#民話 #スイス #蛙 #女神 #ヨリンデとヨリンゲル

by admin. 民話 <147文字> 編集

青い鳥
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 198-201p

 若者が守護神(男性)の助力を得て、怪物を退治し、妻を得る、というモチーフはポセイドーンとアムピトリーテー型といえる。
 鳥信仰は樹木信仰に通じるが、「天人女房」にも通じる物語であるので、その点からは女性(妻の化身)から助力を得ている、という点で、テーセウスとアリアドネー型ともいえる。
 全体からいえば、聖者(父なる神)の部下である女神(青い鳥)の助力を得て成功する物語、といえる。これをワルキューレ型と呼びたい。
 二人の男性の立場が入れ替わる点は、オシリスとセト的といえる。

#民話 #スイス #オシリスとセト #鳥 #鳥信仰 #樹木信仰 #怪物退治 #ワルキューレ

by admin. 民話 <324文字> 編集

妖精のおはなし
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 194-198p

 前半は「2人兄弟」譚。豊穣を得るために一人が死ぬ、という展開はナルト叙事詩のゼラセとエクセルテグを思わせる。西欧にはこのパターンの「始祖伝説」が多いのか。
 類話は「こびとのチュルリヴィルリ」。
 前半部分の類話は「大王の三人の妻」。

#民話 #スイス #オシリスとセト #異類嫁 #妖精 #禁忌 #食べるな #真名 #小麦 #鶴女房 #いなくなった妻を探す夫 #セクメトの失踪 #2人兄弟

by admin. 民話 <245文字> 編集

蛇娘
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 187-194p

 女主人公は「閉じ込められている乙女(冥界の女神)」といえる。冬になると活発になる、というのも「冬の象徴」のように思える。
 女主人公が蛇の聟の禁忌(怒り)に触れて姿を消す(死ぬ)点は、三輪山的な蛇聟譚といえる。「エンリルとニンリル」的でもある。
 貧しい若者は、女主人公を得ようとするが、失敗し、女主人公との仲は決裂する。女主人公が明確に「別の世界」へ行ってしまうので、「ゲイと嫦娥」的とする。
 全体としては、怪物退治が失敗して、女主人公が兄弟(ここでは蛇)を選ぶ、という物語であると思う。「エンリルとニンリル」型の神話に、「怪物退治」、とくに「難題聟」の要素が不可されたものか。
 女主人公が「死の呪い(冥界の蛇との結婚)」を魔女にかけられている点は、イナンナとエレシュキガル的といえるが、両者(呪いをかける方とかけられる方)のバランスが対等でない点はアテーナーとメドゥーサの関係を思わせる。これをメドゥーサ型と呼ぶ。
 「ばらの姫」とは、かなり近縁的な物語だと感じる。
 個人的には、エミリー・ブロンテの「嵐が丘」を彷彿とさせる物語だと思いました。

#民話 #スイス #蛇 #エンリルとニンリル #イナンナとエレシュキガル #ゲイと嫦娥 #呪い #運命の女神 #冬 #閉じ込められている乙女 #神 #難題聟 #人身御供 #蛇聟 #狩人 #怪物退治 #メドゥーサ #ヘビの冠

by admin. 民話 <627文字> 編集

大きな睦月 ATU1541+ATU1384+ATU1229*+ATU1202
「世界の民話1 ドイツ・スイス ぎょうせい」 185-187p

 主人公は妻と決裂し、流転の後、和解する。
「いなくなった妻を探す夫」の変形版(パロディー)といえる。

#民話 #スイス #愚か妻 #妻以外の女を探す夫 #パロディー #長い冬のために #夫が妻と同じくらいの愚か者を3人探す #干し草フォークで木の実をすくう #危険な鎌

by admin. 民話 <208文字> 編集

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