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オルフェオとヘウロディス(Sir Orfeo)
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 68-70p
ギリシア神話の「オルペウスとエウリュディケー」を下敷きとした物語。14世紀頃成立。
女主人公のへウロディス(Heurodis)はペルセポネーのようにフェアリーの王(冥界の王)にさらわれたのであるが、はっきりとした描写はなく、失踪したように描かれている。フェアリーの王は「樹木の化身」のようにも描かれ、植物神であることが示唆される。暗にパン(小麦)や葡萄の象徴とされるイエスを暗喩しているのであろうか。
主人公のオルフェオはオルフェウスのように森の中で暮らし、まさに「獣の王」といった感じになる。
フェアリーの国に妻を探しに行ったオルフェオは詩の才能により妻を返して貰うことができる。「オルペウスとエウリュディケー」のハッピーエンド版といえる。フェアリーの王がイエスを暗示しているのであれば、イエスが人(へウロディス)を蘇生させることができる神である、との暗喩でもあろう。
「インプの木」とは、接ぎ木をした木のことであるそうである。
#伝説 #イギリス #インプの木 #樹木 #樹木信仰 #植物神 #白馬 #いなくなった妻を探す夫 #ハープ #獣の王 #ギリシア神話 #ロマンス #カトリック
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 68-70p
ギリシア神話の「オルペウスとエウリュディケー」を下敷きとした物語。14世紀頃成立。
女主人公のへウロディス(Heurodis)はペルセポネーのようにフェアリーの王(冥界の王)にさらわれたのであるが、はっきりとした描写はなく、失踪したように描かれている。フェアリーの王は「樹木の化身」のようにも描かれ、植物神であることが示唆される。暗にパン(小麦)や葡萄の象徴とされるイエスを暗喩しているのであろうか。
主人公のオルフェオはオルフェウスのように森の中で暮らし、まさに「獣の王」といった感じになる。
フェアリーの国に妻を探しに行ったオルフェオは詩の才能により妻を返して貰うことができる。「オルペウスとエウリュディケー」のハッピーエンド版といえる。フェアリーの王がイエスを暗示しているのであれば、イエスが人(へウロディス)を蘇生させることができる神である、との暗喩でもあろう。
「インプの木」とは、接ぎ木をした木のことであるそうである。
#伝説 #イギリス #インプの木 #樹木 #樹木信仰 #植物神 #白馬 #いなくなった妻を探す夫 #ハープ #獣の王 #ギリシア神話 #ロマンス #カトリック
by admin. ⌚ 2020年07月12日(日) 00:09:51 伝説 <554文字> 編集
オジェ・ル・ダノワ(オジエ・ル・ダノワ)とアヴァロン(Avalon)の島
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 64-68p
オジエ・ル・ダノワ(Ogier le Danois、デンマーク人オジエ)はシャルルマーニュに仕えていた。シャルルマーニュ伝説の十二勇士の一人である。
オジエは勇敢な騎士で、アヴァロンの女主人モルガン・ル・フェイ(Morgue la faye、モルグ・ラ・フェイ)の恋人だった。モルガン・ル・フェイは嵐を起こすことのできる女神的存在である。楽園に近い場所に美女がいて、恋人となってくれる、という設定は、やはり「山のおやじ」的だと思う。
パピヨン (Papillon) という馬をモルグから送られる。
楽園でオジエが蛇を倒すところは「怪物退治」的な流れでもあるし、楽園に巣くった原罪の蛇をオジエが倒した、という暗喩でもあると思う。
オジエがアーサー王の代わりに戦うところはジークフリート的である。オジエが異教徒の王の妻を娶ろうとするところは「瓜子姫」的だが、モルグに連れ去られてしまうため、キュベレーとアッティスのような展開になっている。
オジエは女神を愛人に持ち、怪物退治を行い、ジークフリート的でもあり、最後に女神に連れ去られてしまう、と西欧の理想の英雄伝説の総まとめの見本のような存在だと思う。キリスト教の影響が色濃いと感じる。オジエの楽園生活の描写は、「キリストの戦士になったらこうなりますよ」という、まさに「山のおやじ」的プロパガンダが目的で作られたものではないだろうか。
伝ランベール・ド・パリ作『オジエの騎士道』(Chevalerie Ogier de Danemarche; 原型は12世紀だが、伝わる作品は13世紀初頭)(オジェ・ル・ダノワ)
#伝説 #フランス #馬 #神獣 #獅子 #蛇 #怪物退治 #林檎 #女神 #言うな #禁忌 #忘却(レテ)の冠 #魔法のアイテム #ジークフリート #歌 #泉 #瓜子姫 #ロマンス #カトリック
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 64-68p
オジエ・ル・ダノワ(Ogier le Danois、デンマーク人オジエ)はシャルルマーニュに仕えていた。シャルルマーニュ伝説の十二勇士の一人である。
オジエは勇敢な騎士で、アヴァロンの女主人モルガン・ル・フェイ(Morgue la faye、モルグ・ラ・フェイ)の恋人だった。モルガン・ル・フェイは嵐を起こすことのできる女神的存在である。楽園に近い場所に美女がいて、恋人となってくれる、という設定は、やはり「山のおやじ」的だと思う。
パピヨン (Papillon) という馬をモルグから送られる。
楽園でオジエが蛇を倒すところは「怪物退治」的な流れでもあるし、楽園に巣くった原罪の蛇をオジエが倒した、という暗喩でもあると思う。
オジエがアーサー王の代わりに戦うところはジークフリート的である。オジエが異教徒の王の妻を娶ろうとするところは「瓜子姫」的だが、モルグに連れ去られてしまうため、キュベレーとアッティスのような展開になっている。
オジエは女神を愛人に持ち、怪物退治を行い、ジークフリート的でもあり、最後に女神に連れ去られてしまう、と西欧の理想の英雄伝説の総まとめの見本のような存在だと思う。キリスト教の影響が色濃いと感じる。オジエの楽園生活の描写は、「キリストの戦士になったらこうなりますよ」という、まさに「山のおやじ」的プロパガンダが目的で作られたものではないだろうか。
伝ランベール・ド・パリ作『オジエの騎士道』(Chevalerie Ogier de Danemarche; 原型は12世紀だが、伝わる作品は13世紀初頭)(オジェ・ル・ダノワ)
#伝説 #フランス #馬 #神獣 #獅子 #蛇 #怪物退治 #林檎 #女神 #言うな #禁忌 #忘却(レテ)の冠 #魔法のアイテム #ジークフリート #歌 #泉 #瓜子姫 #ロマンス #カトリック
ユオン・ド・ボルドー(Huon de Bordeaux)とオーベロン(オベロン、Oberon)
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 55-59p
ユオンは妖精王オベロンと出会い、援助を得る。男神の援助を得るのであるから、「オーディン」型といえる。
オベロンはシーザーと「島の貴婦人」との混血である、と名乗り、オベロン自身が半神半人の英雄のような存在である。オベロンにはまた、出生時にメドゥーサ型の呪いがかけられていた。
ユオンはシャルルマーニュに仕えていた。
カイトリーによるとオーベロン(オベロン、Oberon)はオトニト(Otnit、あるいはオルトニト(Ortnit))のエルベリヒ(Elberich)、ニーベルンゲンのアルブリヒ(Albrih)と同じものである、とのことである。(妖精の誕生 160p他)
El-とかAl-は地中海東側では「神」を表す接頭辞であるので、エルベリヒの元の名前はベリヒ(Berich)やブリヒ(Brih)といえるのではないか、と個人的には思う。ウガリット神話のバアル(Baal)は嵐と慈雨の神とされていますし、個人的にはこのあたりが起源の神的存在なのではないのか、と感じます。旧約聖書に出てきますから、キリスト教圏で、聖書が読めた人だったら、誰でもバアルのことは知っていたと思いますが。
『Les Prouesses et faitz du noble Huon de Bordeaux』は13世紀前半の武勲詩である。(オーベロン)
オベロンが嵐を起こしたりできる性質は天候神(風の神か?)の崩れた姿を思わせる。
物語の最後にユオンがパラダイス(天国)へ誘われる点はやはり、キリスト教の影響と「山のおやじ」的発想を感じる。キリスト教と中世の騎士道のプロパガンダの物語といえるのではないだろうか。
参照:エルベリヒ(Elberich)とオトニト(Otnit、あるいはオルトニト(Ortnit))
#伝説 #ドイツ #フランス #こびと #オーディン #禁忌 #言うな #嵐 #川 #呪い #女神 #カイトリー #ドワーフ
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 55-59p
ユオンは妖精王オベロンと出会い、援助を得る。男神の援助を得るのであるから、「オーディン」型といえる。
オベロンはシーザーと「島の貴婦人」との混血である、と名乗り、オベロン自身が半神半人の英雄のような存在である。オベロンにはまた、出生時にメドゥーサ型の呪いがかけられていた。
ユオンはシャルルマーニュに仕えていた。
カイトリーによるとオーベロン(オベロン、Oberon)はオトニト(Otnit、あるいはオルトニト(Ortnit))のエルベリヒ(Elberich)、ニーベルンゲンのアルブリヒ(Albrih)と同じものである、とのことである。(妖精の誕生 160p他)
El-とかAl-は地中海東側では「神」を表す接頭辞であるので、エルベリヒの元の名前はベリヒ(Berich)やブリヒ(Brih)といえるのではないか、と個人的には思う。ウガリット神話のバアル(Baal)は嵐と慈雨の神とされていますし、個人的にはこのあたりが起源の神的存在なのではないのか、と感じます。旧約聖書に出てきますから、キリスト教圏で、聖書が読めた人だったら、誰でもバアルのことは知っていたと思いますが。
『Les Prouesses et faitz du noble Huon de Bordeaux』は13世紀前半の武勲詩である。(オーベロン)
オベロンが嵐を起こしたりできる性質は天候神(風の神か?)の崩れた姿を思わせる。
物語の最後にユオンがパラダイス(天国)へ誘われる点はやはり、キリスト教の影響と「山のおやじ」的発想を感じる。キリスト教と中世の騎士道のプロパガンダの物語といえるのではないだろうか。
参照:エルベリヒ(Elberich)とオトニト(Otnit、あるいはオルトニト(Ortnit))
#伝説 #ドイツ #フランス #こびと #オーディン #禁忌 #言うな #嵐 #川 #呪い #女神 #カイトリー #ドワーフ
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 80-85p
田(稲作)と神霊との関わりの話である。
子供が天狗に変化する部分は、農耕祭祀に関する生贄を彷彿とさせる。
人身御供の役割は、神霊と一体化して田の収穫の豊穣をもたらすことである。おそらく、水稲耕作にとって重要な水の管理(治水)も行っていたことと思われる。
天狗が、雷神のようであり、鳥のようであり、稲作に関する点は、日本的な「田の神」信仰に通じると共に、中国の神話で「雷神」=「鶏」である点も彷彿とさせる。
日本における天狗とは、中国風な雷神や風神の変化したものなのか、興味深い。
#昔話 #長野県 #中信 #天狗 #田の神 #雷神 #鳥 #人身御供 #見るな #禁忌