No.111
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2023年02月14日(火) 17:51:41
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「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 55-59p
ユオンは妖精王オベロンと出会い、援助を得る。男神の援助を得るのであるから、「オーディン」型といえる。
オベロンはシーザーと「島の貴婦人」との混血である、と名乗り、オベロン自身が半神半人の英雄のような存在である。オベロンにはまた、出生時にメドゥーサ型の呪いがかけられていた。
ユオンはシャルルマーニュに仕えていた。
カイトリーによるとオーベロン(オベロン、Oberon)はオトニト(Otnit、あるいはオルトニト(Ortnit))のエルベリヒ(Elberich)、ニーベルンゲンのアルブリヒ(Albrih)と同じものである、とのことである。(妖精の誕生 160p他)
El-とかAl-は地中海東側では「神」を表す接頭辞であるので、エルベリヒの元の名前はベリヒ(Berich)やブリヒ(Brih)といえるのではないか、と個人的には思う。ウガリット神話のバアル(Baal)は嵐と慈雨の神とされていますし、個人的にはこのあたりが起源の神的存在なのではないのか、と感じます。旧約聖書に出てきますから、キリスト教圏で、聖書が読めた人だったら、誰でもバアルのことは知っていたと思いますが。
『Les Prouesses et faitz du noble Huon de Bordeaux』は13世紀前半の武勲詩である。(オーベロン)
オベロンが嵐を起こしたりできる性質は天候神(風の神か?)の崩れた姿を思わせる。
物語の最後にユオンがパラダイス(天国)へ誘われる点はやはり、キリスト教の影響と「山のおやじ」的発想を感じる。キリスト教と中世の騎士道のプロパガンダの物語といえるのではないだろうか。
参照:エルベリヒ(Elberich)とオトニト(Otnit、あるいはオルトニト(Ortnit))
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