こぼれネタの回収
スラヴの主神ペルーンというのは、「PN」とか「BN」という子音でくくられる神の名ですので、ケルトの馬の女神エポナとか、トラキアの月女神ベンディース等と同系統の名前です。でもって、やっとたどり着いた、という感がしますが、フェニキアとフェニックスとも同じ系統である、ということになります。要するにペルーンがスラヴにおけるコロンで、フェニックスも男性形なら「コロン」と同じもの、ということになります。

本当にこれでやっとこさ、コロンとフェニックスとホルンの「ボス」にたどり着いたわけです。

「ボス」という言葉は英語では「上司」みたいな意味になりますが、ボスニアという地名とかに残されている起源の古い言葉です。「BS」で縮められるこの単語は、「B」が省略されると「OS」という言葉になりますので、オセット族とか、ゼウス(Di-Os)の後半部分にかかってくる言葉だと思われます。ユーピテルが「父なるD(DBT)」で、ゼウスが「オセット族(Ossetians)」要するに「Osse-tia」の逆バージョン「T-oss」ということになります。そもそも「ゼウス」という名が「オセチア」と同じ言葉なわけです。オセット族はコーカサスに住んでいる人々ですし、プロメーテウスの肝臓を食らうゼウスは「コーカサスの鷹」として現されますので、要するに

ギリシア人の先祖の中でもゼウスを主神に持っている人々は、オセット族の末裔

ということになります。そして、被征服者の帽子を被るイタキ島の王オデュッセウス(Odysseus)は「Od-sseusu」となるわけで、この場合は、後半部分の「セウス」が「ゼウス」と連続性があるのだと思われます。「Od」という言葉は、「Vd」の省略形で、北欧に行くと主神オーディンの名前、インド方面へ行くとヴェーダ(Veda)という「聖典」の名前に変化します。「ヴェーダ」という言葉は元々「知識」という意味ですが、オデュッセウスは「トロイの木馬」を考案した悪賢い王ですし、北欧神話のオーディンは「知恵の神」ですので、「Od」というのは「悪い方に賢い知恵」というような意味を持つ言葉と思われます。要するにオデュッセウスというのは「賢いゼウス」というような意味で、元は「賢いオセット」という意味でもあったのだと思います。どうやらギリシャでは、「賢い」という形容詞が取れた方が神サマになって、形容詞が残っている方が伝説上の王サマになったとーー;。

で、このオデュッセウスが、エトルリア人と一緒になってヒッタイトを攻撃したとすると、文化的にはアテナイを形成した人々よりは、元々エトルリア人に近い人々の王であり神であったと思われるわけです。距離的にもスパルタ・イタキ島の方がイタリアに近く、イタリア南部と文化的に連続性があると思われます。(それに加えて、スパルタを形成したドーリア人はアテナイを形成したのと同系統の先住アカイア人を非常に弾圧しましたから、そもそも元々同じギリシャ人である、なんていう意識はスパルタの側には乏しかったと思われます。)

で、後のローマ人は、ユーピテルとゼウスは「同じもの」と主張したわけですし、ユーピテルというのは「父なるD」ということですから、それが「オセット族」を意味する「ゼウス」と同じものであるということは、「父なるオセット族」と言っているも同然です。ローマ形成の中核となったラテン人がオセット族の直接の末裔であったかどうかはやや疑問ですが、ローマに同化したエトルリア人の先祖は、スパルタと同系統と考えればエトルリアの「父なる神」は「ユーピテル・ゼウス」でも良いのかな、と思います。(ただし、ローマは狼信仰なので、文化的にはトラキア・ベンディースに近い気がするわけですが)

一方、「オセット」の語源ですが、これが「T-oss」となって、「タウロス」となりますと、その直節の語源は古代エジプトの女神「タウエレト」になると思われます。どうも、古代エジプトにおいては、ミン神(男)とタウエレト女神(女)は別々の神であったのに、クレタ島で習合したら

牡牛の化け物の神サマ

になってしまったという操作が行われているようで、「オセット」という言葉の起源が「タウエレト」で、

馬鹿の神サマ ではなくて 河馬の神サマ

であった、とそういうことになるようです。ま、それはともかく、ミノタウロスとは「ミン+タウエレト」ということで、そもそもこの言葉はこの1対の男女神がクレタ島の祖神であった、というような意味を持っていたのかもしれません。それが広範囲に広がった後に、今度は「T」音が「D」音に変化して再びギリシャ方面に侵入したものが、ゼウスやユーピテルを擁する人々であったと思われるわけです。要するに

「タウロス」という言葉は、エジプトからクレタ島経由で広範囲に拡がり、

カフカスの山中で、「D」音に変化した後に、各地に攻め込んだ、

とそういうことになりそうです。だから、カフカス、クリミア、トルコには「タウロス」という古い言葉が残っているわけですが、「D」音に変化した後に攻め込んだ先では、ゼウスとかユーピテルとか、ディーヴィーとなっているのだと思われます。

で、ユーピテルの配偶神ユーノーもついでに書きますが、ユーノー(Juno)は「D-N」から変化した言葉ですので、要するにダイアナ・ディナ系の女神ということになります。ディアーナ女神は月神ですが、ユーノーに近い名は、ドン川、ドナウ川、ケルトの神デ・ダナーン、ケルトやインドの女神ダヌなどなわけで、あまり良い子音を持たない女神ではありますが、特に女神の場合

水源の神

という意味の強い神となっています。だから「ディアーナ殺し」ということに、なにがしかの宗教的意味があるとすれば

水源の女神を殺せ

という、そういうことになるわけで、蛇の女神であっても水源の女神である「D-N」の女神達は、首狩族の

「水源の蛙女神を殺せ」

という信仰の変形バージョンで、「水源の蛇女神を殺せ、というバージョン」の一翼を不運にも背負わされることとなってしまっているわけです。ということは、コロン神を

首狩族の神

に変形してしまっている人々の信仰においては、川の太母でさえあれば

「ユーノー」であろうが「順」であろうが、「川の太母」であるものを殺せ

と、そういうことにもなっていると思われ、非常に剣呑な思想に繋がっているということになりそうです。

ま、それはおいておいて、タウロスというのは元々「女神」なわけで、そういえば、誰か最後に「フェニックス」の役を

女の子に押しつけようとしてた人がいたな、

と思い出したわけで。夜中の11時に、「本日、ビデオ発売」って言われましても、

それを見て、その日のうちにビデオ買いに行く人はさすがにいないだろうと思われるのに、何故わざわざ「本日」をつけるの?

とか、思わず深夜に突っ込んでしまった私がいるわけです。深夜の「父なるコロンのボス」って、それは「バチカン」のことですか? って、ようやくここまでたどり着くのに1ヶ月近くかかったわけです。まあ、なんとか辿りつけたようですが。本当に世の中、無駄なこと、は言わない人というのもいるようですーー;。

Posted by bellis 06:08 | 神話 | comments (x) | trackback (x)