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No.191, No.190, No.189, No.188, No.187, No.186, No.1857件]

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ほうえんさんとキツネ
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 105-108p

 「ほうえんさん」とは「法印」とのこと。
 僧侶が狐にいたずらをして化かされる話である。修験道に関連のある話。

#昔話 #長野県 #北信 #狐 #化かす #動物 #祟り #修験道 #報復
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ニスの後悔
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 114p

 ニスの贖罪の物語。全体としては、神の怒りを静めるためには、正しい祭祀が必要である、という物語である。
 おそらく、本来は牛を生贄に捧げて、豊穣を得る、という話だったのではないか。
 牛が金に化生する、という点は「牛買い聖者」に似ている。
 動物があり得ないものに化生する物語には「ろばの裁判官」がある。

#伝説 #スカンジナビア #北欧 #トムテ #牛 #豊穣 #家付精霊 #金
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くもが淵
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 101-104p

 「怪物退治」の失敗譚。聖ゲオルギス型である。
 前半は、蜘蛛と蛇の戦いで、蜘蛛に加勢を頼まれた主人公が失敗する話。
 後半は、蜘蛛の仲間に復讐されそうになる話。

 中国の乞巧奠(きこうでん、七夕)では女性達が蜘蛛に占ってもらうという習慣がかつてあり、蜘蛛というのは女性(織り姫)の象徴であると思う。蜘蛛が蛇に飲まれる、とは女性が河伯に人身御供に捧げられる、ということを言い換えたものではないだろうか。人身御供の救出が失敗する、とは羿のような英雄神話を是とするのではなく、暗に否定する意味が込められていると感じる。「黒姫物語」といい、北信には羿に批判的な勢力でもいるのか、と思えるほどである。蜘蛛が川の主のようにふるまうのも、「川に生贄にされた女性」という暗喩があるのだと思う。

 「木曽殿アブキ」とは、「裾花渓谷の清水川に面したところにある間口60m、奥行き20mの大岩くつで、その昔、木曽義仲が越後の四郎追撃の途路この洞くつに兵馬三百を休めたといわれ、また義仲が討死にした後、次男の義重が再挙を企てた跡として知られます。アブキ橋から見おろす景観は奥裾花景勝地の一つに数えられます。※アブキ橋欠壊により現在行けません。(アブキとはアイヌ語で「洞穴」のことだそう。)(長野市商工会 のHPより)鬼無里には木曽義仲に関する伝説がある場所がいくつかある。長野市鬼無里には木曽義仲の家臣が隠れ住んだ、という事情があるのではないか。

 また、物語は鬼無里で採取されているが、「四か庄の青鬼」とは、現在の白馬村青鬼のことと思われる。古い家屋が建ち並び、全体が重要伝統的建造物群保存地区に指定されている山間の集落である。鬼無里には鬼女伝説があるが、青鬼にも鬼が住んでいたという伝説が残っている。白馬村から鬼無里へは鬼無里街道(現在の国道406号線)が続いており、現在でも沿線の小神社には修験道の伝統が続いている痕跡を見ることができる。

 羿神話に否定的、という点で、類話は「黒姫物語」である。
 乞巧奠について、参照:太陽と木と鳥1

#伝説 #長野県 #北信 #鬼無里 #蜘蛛 #蛇 #動物 #祟り #復讐 #聖ゲオルギウス #失敗 #川 #水神
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ニスの引越し
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 113-114p

 ニスから逃げようとして失敗する話。
 家に取り憑く小精霊は、世界を滅ぼすような大きな騒ぎは起こさないが、縁を切ろうとするとなかなか退治するのが難しいもののようである。

#伝説 #スカンジナビア #北欧 #トムテ #呪的逃走 #失敗 #家付精霊
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大王の三人の妻 ATU707+ATU313
「シルクロードの民話 パミール高原」 171-184p
 複数のモチーフが組み合わさった物語。以下のようなモチーフから成り立っている。
1.とある大王が予言を行う三人姉妹を妻とする。末娘が男と女の双子を産むと邪悪な姉二人が子供を誘拐して動物と入れ替えてしまう。そのため末娘は罰せられる。しかし、捨てられた子供達はシームルグに育てられ、成長すると母親を助ける。大王は邪悪な姉二人を罰して殺す。
2.成長する過程で姉と弟(捨てられた子供達)のうち姉は叔母達が派遣した悪しき老婆に騙されて、手に入れるにの危険を伴う宝を欲するようになる。弟は姉のために旅に出かけ、2度までは宝を手に入れることに成功するが3回目は失敗して死んでしまう。
3.姉は弟を助けるために旅に出て、自らも死にそうになるが助けることに成功する。(その後子供達は母親を助ける。)

全体的には1が中心となるリアンノン的な物語で、ともかく子供達は親元ではなく他人の元で育つ。その成長過程で子供達の冒険のエピソードが挿入されている。
1の場合、大王は妻二人を惨殺するので祝融型神、意地悪な姉二人は惨殺されるので吊された女神、末娘は前半では、いじめられる吊された女神だが、最終的には生き残って養母としての女神、へ変化する。
2の場合、悪役の老婆は惨殺されるので吊された女神、騙される姉もまた吊された女神、姉に振り回されて非業の死を遂げる弟は黄帝型神といえる。神話的には姉は弟を助ける女神であることが妥当なのだが、本物語では騙されて弟を振り回す姉として描かれる。どことなく蛇神に騙されてアダムを振り回したエバの姿が姉に重なる気がする。女性の一方が邪悪な女性に騙される点は、ガルーダの母親のエピソードを思い出させる。悪役の老婆、意地悪な二人の姉は祝融型神のうち性転換型と考える。
3の場合、姉は死した弟を救う女神的存在となるので、姉は養母としての女神に切り替わる。弟は姉を支え、母親を助けるのだから黄帝型神といえる。黄帝型神の弟とその守護者が駄目な父親の目を覚まさせるのだから、この下りでの大王は黄帝型神に負ける炎帝型神である。
モチーフによって登場人物の型が変化し、脇役の悪人や保護者が複数登場するので複雑な話になっている。子供達が手に入れた宝物は馬やおうむである。子供達の死は「石化」として現される。娘が流転の末に両親や弟を助ける点は、鉢里公主の神話に類するように感じる。本作ではシームルグは子供達を育てる役としてわずかしか登場しない。しかもいろいろな話が組み合わさっているせいか、騙される子供達に対して保護者としても役割も充分に果たせてはいないように感じる。名前だけを物語のために借りている感がある。
#民話 #ウラテューベ #養母としての女神 #吊された女神 #祝融型神 #黄帝型神 #炎帝型神 #石化 #シームルグ
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おばけ退治
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 95-100p

 いわゆる「怪物退治」譚。僧侶が退治する「聖ゲオルギス型」である。
 閑貞坊とは、昔信濃町に住んでいた僧侶のことのようである。
 ただし、知的な感じではなく、修験道の僧侶らしく、逞しく武力に優れていたと思われる。

#伝説 #長野県 #北信 #狢 #化かす #動物 #祟り #追い払い #聖ゲオルギウス #修験道
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とりかえ子
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 110-112p
「フェアリーのおくりもの トマス・カイトリー」 36-38p

 「とりかえ子」について2篇。
 「とりかえ子」とは、精霊が赤ん坊をさらう代わりに、自分の子供を置いていってしまった、その子供のこと。
 普通の赤ん坊と違って、異様な行動をしたり、成長が普通でなかったりする。
 人々は知恵を使って、とりかえ子を追い出し、本物の赤ん坊を取り戻そうとする。

 「とりかえ子」は大声で叫んだり、異常な大食いであったりして、まるで古代中国の饕餮のようである。
 類話は「とりかえ子(スコットランド)」、「とりかえ子(ドイツ)」

#伝説 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #取り替え子 #饕餮

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2025年12月18日(木) 22時47分57秒〔7時間前〕