祝融型神
祝融型神とは中国神話の祝融およびこの神の同類とも言うべき神々の群を指す。根源的なトーテムは「蛙」である。英雄といった軍神型の場合は熊をトーテムに持つ場合が多い[1]。犠牲獣型の場合は、豚、牛といったトーテムにもなり得る。伏羲のように蛇、馬で現される神もいる。その他ウナギなど。
他人のほかや両親・姉妹・弟などの身内に害をなす性質が強く、疫神、災害神として表されることが多い。また、身分が高い方では、最高神、天帝といったものから、ドゥムジのような犠牲獣的な神まで幅広く存在する。上位の神々となる場合には「父神」、下位の神となる場合には「息子神」で現されることが多い。また特に印欧語族の神々には「若々しさ」を強調して青年のように現される場合が多い。
- 火神・太陽神・火山神などである。ただし「夜の太陽(すなわち「暗闇))」と現されることが多い。破壊性が高く、世界を終わらせようとすることがある。射日神話などの英雄の場合がある。軍神型。
- アガメムノーンもそうだが、人を騙す場合がある。詐欺師型。
- 他人の所有物を盗んだり、略奪したりする場合がある。窃盗型。
- 騙すことの延長だが、女神(女性)に化けている場合があると思われる。女性が女性を騙したり、殺そうとする場合である。白雪姫の継母や天邪鬼のように。性転換型。
- 人身御供を肯定することが多い。人を食べる場合がある饕餮型。
- 兄妹婚といった近親婚を行う場合がある。(伏羲型神)
- 知恵者とされ、時に文化英雄となる。気に入った相手に助言などを与えることもある。人類の創造を行ったりもする。「難題婿」「魔術師の弟子」「賢い職人」譚全般。男性形のシームルグなど(伏羲型神)。
- 弟を殺す、といった「カインとアベル」のカイン的性質を持つ。(チャンヤン型神)
- 民間伝承では「末子成功譚」の主人公は祝融型神に入ると考える。彼の成功は良くも悪くも「兄弟」の死の上に成立することが多い。甘基王型が多い。末子型とする。
- 月神とされる場合がある。
- 全般的に疫神である。疫神型。
- 人間ではない異形の動物として現されることがある。伏羲も下半身は蛇の神である。獣王型。
といった特徴を持つ。桃太郎のように成功者として描かれる話も多い。
祝融型神[編集]
勝者の場合[編集]
- 禹:黄帝型神(水神)を倒す。祝融を人間化した存在。夏の創始者とされる。妻を追い回して殺したと思われる。
- 寒浞:后羿の肉を后羿の子供たちに食べさせ、食べなかったものを殺した。少康に殺された、とされる。
- 祝融
- チャンヤン:ミャオ族の祖神の一柱。伏羲型神。
- 少名毘古那神:この神は、特に東国で「天神」「征服神」「祖神」として祀られていた形跡があり、北斗信仰と関連した神とも考えられるので、伏羲の項にいれるか、こちらに入れるか迷ったのだが、「征服神(軍神)」ということを重要視してこちらに入れる。信濃金刺氏がかつて祖神としていた形跡がある。
- 怪物が出る水車場:主人は火と知恵で悪い精霊を退治する祝融型神の典型である。→こちらも
賢い職人系の話[編集]
敗者の場合[編集]
饕餮[編集]
饕餮を炎帝型神とするか、祝融型神とするか迷った。なぜなら、饕餮は炎帝が死んで変化した怨霊のような存在と考えているからである。饕餮を刻んだ青銅器は人身御供を含めて神(先祖)に捧げるものを盛ったり、蒸したり、調理するのが本来の機能と考えている。饕餮はそれを神々に届ける媒介であり、また神々と共に食べる存在であるとも思われる。媒介の時は人間でいえば、皇帝のように神と人とを結びつける存在となる。人としては高位だが神としては下位である。神々と同じ食物を食べる場合には神といえる。神とは先祖が死して成ったものでもある。だから、饕餮は死んで下位の神となった先祖の誰か個人かもしれないし、亡くなった代々の先祖の習合体かもしれない。ともかく、饕餮に供物を捧げさえすれば先祖全体を供養することになるのではないだろうか。だから、私の分類からいえば、饕餮は「亡くなった炎帝型神」なのである。しかし、祝融型神のように「生まれ変わり」なのではなく、死者の世界に半分留まり、境界神として機能している。だから、饕餮は炎帝型神なのだけれども、怨霊としての炎帝型神で純粋な炎帝型神ではないし、「生まれ変わり」の祝融型神でもないのだと思う。でも、炎帝型神が「死後変化したもの」と考えているので、広い意味で祝融型神に含めることとする。