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No.312, No.311, No.310, No.309, No.308, No.307, No.3067件]

竜宮からきた赤い船
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 138-143p

 「西鶴諸国咄」よりの出典。原題は「巻三 行末の宝船」である。諏訪の地元に、諏訪湖の底に竜宮城がある、という話は見たことがないが、余所ではこのような話が流布していたかもしれない、と思う。西鶴は江戸時代の人であるので、江戸時代的な発想が随所にあり、どこまでが江戸時代の脚色なのか、と思う。


 粗筋は、諏訪湖の底に竜宮城があって、湖で溺れた男が「赤い船」に乗って戻ってきて、村の男衆を何人か連れて行ってしまったが、男衆は戻ってこなかった、という話。

 湖で溺れた男は、要は「幽霊」であると思うので、幽霊があの世から戻ってきて、元の仲間を道連れに引き込んだ、というと「怪奇譚」のようにもなる。むしろ、中国の怪奇譚の影響を受けた和製怪奇譚なのでは? と思う。そして、諏訪湖ではなく、天竜川の河口の浜松に「赤い蛇女神」の伝承があるので、むしろ「竜宮」とか「赤い船」というのは、天竜川の「赤い蛇女神」に関連して、江戸時代的に作り替えられた話で、諏訪湖の話ではあっても、発生地は遠州(静岡)なのではないか、と思うわけですが。

 基本的には、湖の'''赤い'''蛇女神に男の生贄を捧げた話だと思う。諏訪的には、これは多留姫でもあるし、ミシャグジ様で良いと思います。というか、縄文的にはミシャグジ様という名(かつ出産土器の女神)、賀茂的水神女神としては多留姫という名、日本神話的には天照大神、渡来神(かつ賀茂の祖神)としては阿加流比売神、しかし新羅に来るその前の名は? と問えば我らが「女媧娘娘」と繋がる「人身御供を求める蛇女神」であると思う。

 しかも、「怠け者の男」が死んで「竜宮の王(冥王)の部下となった」という設定付きである。要するに、この「怠け者の男」こそが「饕餮」と言わざるを得ない。苗族にもこんな感じの伝承があったはず、と思う。


 ということで、話の内容よりも、江戸時代に西鶴にこういう話を書かせる、その執念と信念こそに敬意を払いたい・・・けれども、人身御供は駄目ですよ。という話である。「赤い船」とは太陽神であった女媧娘娘の化身のことと思う。神紋に織物の女神である西王母の象徴の「梶の葉」、湖に女媧娘娘の化身である多留姫、と「二人の母神」を擁する上社であるが、そこに出雲の下照媛を加えて、「三位一体」の「太陽女神」を「母神」としているのだと思う。(下社はイザナミ=八坂刀売=焼き殺される母神一択といえる。)要は上社の形態は、尾張真清田と一致する。

 まあ、でも、「諏訪の民話」とするには微妙な話である。ここまできっちりと神話的な整合性をとった話を作る事ができたのが西鶴その人自身であれば、素晴らしい作家であったと言うべきである。

#昔話 #長野県 #中信 #龍 #常世信仰

by admin. <1208文字> 編集

青ひげ
「世界の民話2 南欧 ぎょうせい」 20-27p

 有名な「青ひげ」である。

 禁忌を破った妻が罰を受ける、というモチーフが含まれる。人身御供の暗喩といえる。
 典型的な炎黄闘争の物語といえようか。
 類話は「山のこびと」である。


#民話 #フランス  #見るな #禁忌 #青ひげ型 #鍵 #人身御供 #炎黄闘争 #受罰女神 #人身御供

by admin. <176文字> 編集

スヴェンド・フェリング
「フェアリーのおくりもの トマス・カイトリー」 39-41p

 トロルの喧嘩に加勢して、怪力を得る話。怪力を得ることは一種の化生といえようか。
 「見るな」の禁忌がついている。
 「炎黄闘争」の崩れた物語といえる。

#民話 #デンマーク #ニーベルンゲン #見るな #怪力 #食欲 #炎黄闘争 #化生 #スヴェンド・フェリング

by admin. 民話,英雄名 <177文字> 編集

きつねの説教
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 137p、コラム

 詳細は不明。
 狐に説教された酒飲みの話のようである。

#昔話 #長野県 #中信 #狐

by admin. 昔話 <106文字> 編集

トロルの旅立ち
「フェアリーのおくりもの トマス・カイトリー」 38-39p

 人間には姿の見えないトロルが川を越えて引っ越す、という物語。
 「帽子の中に土を入れる」と「トロルの姿が見えるようになる」というまじないは、「土の中に埋められればトロルと同じ次元の住人になれる」といういわゆる'''岩戸型の棄老の精神を暗喩した名残'''であろうと思う。

#民話 #デンマーク #トロール #棄老 #岩戸型

by admin. 民話 <202文字> 編集

こえおけの温泉
「読んで 遊んで とっぴんぱらたからぎけのり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 137p、コラム

 詳細は不明。
 狐にいたずらした男が報復された話のようである。

#昔話 #長野県 #中信 #狐 #報復

by admin. 昔話 <115文字> 編集

美女と野獣
「世界の民話2 南欧 ぎょうせい」 3-19p

 有名な「美女と野獣」である。

 大きく2つの要素からなっており、一つは「特定の娘(末娘)と野獣」の婚姻譚である。怪物退治の要素はない、あるいはほとんどない。野獣は娘の裏切りにあって死にかかるが、娘が助けることとなっている。娘を野獣から助ける英雄は登場しない。要は、「クピードーとプシュケー型」でも「エンリルとニンリル型」でも良いのだが、人身御供に対して肯定的な物語といえる。

 妹に意地悪して(一応)罰せられる姉がいるのも「クピードーとプシュケー」的だが妹と野獣の婚姻を邪魔しようとしたから罰せられたのであって、罰せられた原因は「妬み」となっている。

 野獣は金持ちであり「バラの花」の化身である。よって、植物神でもあり、樹木神でもある、といえる。折ってはいけない(殺してはいけない)樹木神を殺してしまったから、神を再生させるために娘の生贄が必要とされる、とそのような思想が崩れたもののように思われる。

 娘が父親の身代わりになったりする自己犠牲の精神、神(野獣)の再生のモチーフはキリスト教をなぞらえたもののようにも思える。

参考:美女と野獣

#民話 #フランス #人身御供 #イナンナとエレシュキガル #クピードーとプシュケー #エンリルとニンリル #妬み型 #ゲシュティンアンナ型 #カトリック

by admin. 民話 <589文字> 編集

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