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固有名詞は可能な限りWikipediaに準ず

No.188, No.187, No.186, No.185, No.184, No.183, No.1827件]

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ニスの引越し
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 113-114p

 ニスから逃げようとして失敗する話。
 家に取り憑く小精霊は、世界を滅ぼすような大きな騒ぎは起こさないが、縁を切ろうとするとなかなか退治するのが難しいもののようである。

#伝説 #スカンジナビア #北欧 #トムテ #呪的逃走 #失敗 #家付精霊
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大王の三人の妻 ATU707+ATU313
「シルクロードの民話 パミール高原」 171-184p
 複数のモチーフが組み合わさった物語。以下のようなモチーフから成り立っている。
1.とある大王が予言を行う三人姉妹を妻とする。末娘が男と女の双子を産むと邪悪な姉二人が子供を誘拐して動物と入れ替えてしまう。そのため末娘は罰せられる。しかし、捨てられた子供達はシームルグに育てられ、成長すると母親を助ける。大王は邪悪な姉二人を罰して殺す。
2.成長する過程で姉と弟(捨てられた子供達)のうち姉は叔母達が派遣した悪しき老婆に騙されて、手に入れるにの危険を伴う宝を欲するようになる。弟は姉のために旅に出かけ、2度までは宝を手に入れることに成功するが3回目は失敗して死んでしまう。
3.姉は弟を助けるために旅に出て、自らも死にそうになるが助けることに成功する。(その後子供達は母親を助ける。)

全体的には1が中心となるリアンノン的な物語で、ともかく子供達は親元ではなく他人の元で育つ。その成長過程で子供達の冒険のエピソードが挿入されている。
1の場合、大王は妻二人を惨殺するので祝融型神、意地悪な姉二人は惨殺されるので吊された女神、末娘は前半では、いじめられる吊された女神だが、最終的には生き残って養母としての女神、へ変化する。
2の場合、悪役の老婆は惨殺されるので吊された女神、騙される姉もまた吊された女神、姉に振り回されて非業の死を遂げる弟は黄帝型神といえる。神話的には姉は弟を助ける女神であることが妥当なのだが、本物語では騙されて弟を振り回す姉として描かれる。どことなく蛇神に騙されてアダムを振り回したエバの姿が姉に重なる気がする。女性の一方が邪悪な女性に騙される点は、ガルーダの母親のエピソードを思い出させる。悪役の老婆、意地悪な二人の姉は祝融型神のうち性転換型と考える。
3の場合、姉は死した弟を救う女神的存在となるので、姉は養母としての女神に切り替わる。弟は姉を支え、母親を助けるのだから黄帝型神といえる。黄帝型神の弟とその守護者が駄目な父親の目を覚まさせるのだから、この下りでの大王は黄帝型神に負ける炎帝型神である。
モチーフによって登場人物の型が変化し、脇役の悪人や保護者が複数登場するので複雑な話になっている。子供達が手に入れた宝物は馬やおうむである。子供達の死は「石化」として現される。娘が流転の末に両親や弟を助ける点は、鉢里公主の神話に類するように感じる。本作ではシームルグは子供達を育てる役としてわずかしか登場しない。しかもいろいろな話が組み合わさっているせいか、騙される子供達に対して保護者としても役割も充分に果たせてはいないように感じる。名前だけを物語のために借りている感がある。
#民話 #ウラテューベ #養母としての女神 #吊された女神 #祝融型神 #黄帝型神 #炎帝型神 #石化 #シームルグ
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おばけ退治
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 95-100p

 いわゆる「怪物退治」譚。僧侶が退治する「聖ゲオルギス型」である。
 閑貞坊とは、昔信濃町に住んでいた僧侶のことのようである。
 ただし、知的な感じではなく、修験道の僧侶らしく、逞しく武力に優れていたと思われる。

#伝説 #長野県 #北信 #狢 #化かす #動物 #祟り #追い払い #聖ゲオルギウス #修験道
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とりかえ子
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 110-112p
「フェアリーのおくりもの トマス・カイトリー」 36-38p

 「とりかえ子」について2篇。
 「とりかえ子」とは、精霊が赤ん坊をさらう代わりに、自分の子供を置いていってしまった、その子供のこと。
 普通の赤ん坊と違って、異様な行動をしたり、成長が普通でなかったりする。
 人々は知恵を使って、とりかえ子を追い出し、本物の赤ん坊を取り戻そうとする。

 「とりかえ子」は大声で叫んだり、異常な大食いであったりして、まるで古代中国の饕餮のようである。
 類話は「とりかえ子(スコットランド)」、「とりかえ子(ドイツ)」

#伝説 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #取り替え子 #饕餮
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トロルと踊った少女
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 109-110p

 少女が冥界へ行って戻ってくる話。
 踊りが「禁忌」となっていて、少女は時間と正気を失う。

 浦島的な部分については「あの世で過ごした一夜」が類話。
 正気を失う点については「底革のハンス」が類話である。
 ダンスと関連する点については「フェアリーの住居にはいった若者」が類話である。

#民話 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #踊り #狂気 #浦島太郎
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トロルのお産
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 108-109p

 冥界(異界)へ行って戻ってくる物語だが、出産を手伝って謝礼を貰うという話。
 請われて出向くくらいだから、「逃走」はない。
 「ピクシーのお産」、「フェアリーの乳母」が類話である。

#伝説 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #報恩 #求産婆 #職能
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じゅうにのかみのおたのすけ
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 91-94p

 「狐に化かされる」小編が4つ語られる。
 狐神に対する信仰は、日本では「稲荷信仰」に集約されるが、その起源は古代中国の西王母の随獣である「九尾の狐」にまで遡ると思う。
 狐神は人に恩恵を与えてくれるだけでなく、道に迷わせたり、幻を見せたりする神であり、その結果、狐の好物とされている食べ物を人間から取り上げたりする。
 化かされると、道に迷ったりする結果、人が命を落とすことも少なくないように思う。
 「化かす」とは、神の所業としては「祟り」に似たものだと思うが、動機は餌のためであったりして、姿だけでなく性質も獣的な面を強く残しているのが狐神の特徴であるような気がする。

 筑北村(旧坂北村)の里坊稲荷には7年に一度「狐の嫁入り」行列が披露される、珍しいお祭りがある。

#昔話 #長野県 #中信 #稲荷 #狐 #動物 #化かす #祟り

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2025年12月20日(土) 07時33分49秒〔2時間前〕