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固有名詞は可能な限りWikipediaに準ず

No.184, No.183, No.182, No.181, No.180, No.179, No.1787件]

トロルと踊った少女
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 109-110p

 少女が冥界へ行って戻ってくる話。
 踊りが「禁忌」となっていて、少女は時間と正気を失う。

 浦島的な部分については「あの世で過ごした一夜」が類話。
 正気を失う点については「底革のハンス」が類話である。
 ダンスと関連する点については「フェアリーの住居にはいった若者」が類話である。

#民話 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #踊り #狂気 #浦島太郎

by admin. 民話 <240文字> 編集

トロルのお産
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 108-109p

 冥界(異界)へ行って戻ってくる物語だが、出産を手伝って謝礼を貰うという話。
 請われて出向くくらいだから、「逃走」はない。
 「ピクシーのお産」、「フェアリーの乳母」が類話である。

#伝説 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #報恩 #求産婆 #職能

by admin. 民話 <177文字> 編集

じゅうにのかみのおたのすけ
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 91-94p

 「狐に化かされる」小編が4つ語られる。
 狐神に対する信仰は、日本では「稲荷信仰」に集約されるが、その起源は古代中国の西王母の随獣である「九尾の狐」にまで遡ると思う。
 狐神は人に恩恵を与えてくれるだけでなく、道に迷わせたり、幻を見せたりする神であり、その結果、狐の好物とされている食べ物を人間から取り上げたりする。
 化かされると、道に迷ったりする結果、人が命を落とすことも少なくないように思う。
 「化かす」とは、神の所業としては「祟り」に似たものだと思うが、動機は餌のためであったりして、姿だけでなく性質も獣的な面を強く残しているのが狐神の特徴であるような気がする。

 筑北村(旧坂北村)の里坊稲荷には7年に一度「狐の嫁入り」行列が披露される、珍しいお祭りがある。

#昔話 #長野県 #中信 #稲荷 #狐 #動物 #化かす #祟り

by admin. 伝説,神名,固有神獣 <414文字> 編集

ボデディスの伝説
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 107-108p

 トロールが「助け手」となって、行方不明の息子が牢から「呪的逃走」するという趣旨の物語。
 冥界から持ち帰ったもの(鎖の一部)が境界に奉納されて、まるでトロールが教会の下部組織ででもあるような扱いである。

#伝説 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #報恩 #教会 #カトリック

by admin. 伝説,固有地名 <185文字> 編集

スカンジナビア半島のトロール

トロールは丘陵地、長塚、土墳などの下に共同体を作り暮らすためスウェーデンではベルグフォルク(丘の人々)と呼ばれた。彼等の住処は財宝でいっぱいで夜になると光り輝くと言われた。彼らは騒音を嫌い鐘や教会からは離れて暮らした。気に入った人間には富と幸運をもたらし、気に入らないものには不運と破壊をもたらした。また女子供をさらい財宝を盗む。金属工芸にも秀で、薬草や魔法を使った治療にも秀でていると言う。日の光に当たると石に変わるため、夕暮れ時から明け方までしか姿を見せない。
参照:トロール

#神話 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール

by admin. 神話,定義 <288文字> 編集

オーゲルブの教会に奉納された杯
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 105-106p

 教会に奉納された杯の由来譚である。
 物語の骨格は「怪物退治」の省略された「呪的逃走」のみの話。
 教会が絡む物語なので、教会そのものが逃走の「助け手」となる。日本でもお堂等に逃げ込んで鬼をやり過ごすような話があったと思う。
 古代の神々の役目であった「呪的逃走」の助け手を、確立された世界宗教も引き継いだ一例といえる。
 トロールの酒を捨てるところは、メソポタミア神話の「アダパの物語」を思わせる。
 もちろんアダパよりもずっと現代に近い時代の物語であるので、他人が差し出した怪しい飲み物などは飲まないのが常識ではあるが。
 物語的には「杯」は、「魔法の大釜」が著しく変形したものであろうか。
 類話は「スヴェンド・フェリングと女エルフ」、「フェアリーの宴会」である。

 参照:アダパトロール
 
#伝説 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #踊り #魔法のアイテム #酒 #魔法の大釜 #不死の霊薬 #呪的逃走 #馬 #教会 #カトリック #椀貸伝説

by admin. 伝説,起源・由来,固有地名 <497文字> 編集

英雄ディックベール ATU513A+AT530+AT313
「シルクロードの民話 パミール高原」 157-171p

 2つのモチーフが組み合わさった物語。
 1つ目はいわゆる「難題婿」で、おじいさんと霊鳥シームルグの助けを得て、女主人公を手に入れる物語である。
 中間部として、二人の若者の出会いと、「力くらべ」の末の和解と友情が挿入される。インド神話のガルダとインドラの関係に似る。
 2つ目は、もう一人の若者の冒険を、霊鳥シームルグと主人公が助ける物語で「呪的逃走」を伴う。

 シームルグは本物語では「母なる鳥」とされているため、女神的存在ということで、「ホレのおばさん」型とする。「呪的逃走」の場面では「川と石」と「櫛」という有名な2つのモチーフが登場する。

 霊鳥シームルグはイラン神話に登場する古い時代からの神的存在で、伝承はイランのみならずパミール高原にまで広がっているようである。シームルグが木に住んでいて、その根元に蛇が住んでいるというところは、イラン神話の「ハオマの木」を思わせるが、「鳥と蛇の対立」はインド神話のガルダとナーガを思わせる。(イラン神話では蛇(トカゲ)から木を守るのは魚やロバとされている。)
 神話では、シームルグの羽には病気や傷を治す霊力がある、とされているが、民間伝承では、その能力は拡張されて、西欧の民話に出てくるような「助け手のおばあさん」「助け手のおじいさん」(彼らの本来の姿は異教の神々だったのだろうと思うが)のような全能的な役割をシームルグが負っている。シームルグは助言をしたり、魔法のアイテムをプレゼントしたりしてくれる。
 また、神話では英雄ロスタムとイスファンディヤール王子との争いの際にシームルグが和解するよう助言する場面があり、神話と本物語を併せると、シームルグは広く「友愛を取り持つ霊鳥」とみなされる傾向があるのかもしれない、と思う。「霊鳥」に関して、イラン神話とインド神話の両方の要素がみられ、中間地点のパミール高原の物語として興味深く感じる。

「川と石」のモチーフ:「サルのよめ」、「スルタンのぶち犬」、「山男
「櫛」のモチーフ:「スルタンのぶち犬」、「紡錘むすめ

参照:木と鳥

#民話 #ウラテューベ #難題聟 #シームルグ #ホレのおばさん #力くらべ #おじいさん #オーディン #プラタナス #蛇 #魔法のアイテム #舌の下 #ボロルドーイ #砥石 #櫛 #鏡 #魔人 #川と石 #6人が世界じゅうを旅する #ガラス山の姫 #呪的逃走 #炎黄闘争

by admin. 民話,固有神獣 <1163文字> 編集

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