No.180, No.179, No.178, No.177, No.176, No.175, No.174[7件]
オーゲルブの教会に奉納された杯
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 105-106p
教会に奉納された杯の由来譚である。
物語の骨格は「怪物退治」の省略された「呪的逃走」のみの話。
教会が絡む物語なので、教会そのものが逃走の「助け手」となる。日本でもお堂等に逃げ込んで鬼をやり過ごすような話があったと思う。
古代の神々の役目であった「呪的逃走」の助け手を、確立された世界宗教も引き継いだ一例といえる。
トロールの酒を捨てるところは、メソポタミア神話の「アダパの物語」を思わせる。
もちろんアダパよりもずっと現代に近い時代の物語であるので、他人が差し出した怪しい飲み物などは飲まないのが常識ではあるが。
物語的には「杯」は、「魔法の大釜」が著しく変形したものであろうか。
類話は「スヴェンド・フェリングと女エルフ」、「フェアリーの宴会」である。
参照:アダパ 、トロール
#伝説 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #踊り #魔法のアイテム #酒 #魔法の大釜 #不死の霊薬 #呪的逃走 #馬 #教会 #カトリック #椀貸伝説
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 105-106p
教会に奉納された杯の由来譚である。
物語の骨格は「怪物退治」の省略された「呪的逃走」のみの話。
教会が絡む物語なので、教会そのものが逃走の「助け手」となる。日本でもお堂等に逃げ込んで鬼をやり過ごすような話があったと思う。
古代の神々の役目であった「呪的逃走」の助け手を、確立された世界宗教も引き継いだ一例といえる。
トロールの酒を捨てるところは、メソポタミア神話の「アダパの物語」を思わせる。
もちろんアダパよりもずっと現代に近い時代の物語であるので、他人が差し出した怪しい飲み物などは飲まないのが常識ではあるが。
物語的には「杯」は、「魔法の大釜」が著しく変形したものであろうか。
類話は「スヴェンド・フェリングと女エルフ」、「フェアリーの宴会」である。
参照:アダパ 、トロール
#伝説 #スカンジナビア #デンマーク #北欧 #トロール #踊り #魔法のアイテム #酒 #魔法の大釜 #不死の霊薬 #呪的逃走 #馬 #教会 #カトリック #椀貸伝説
英雄ディックベール ATU513A+AT530+AT313
「シルクロードの民話 パミール高原」 157-171p
2つのモチーフが組み合わさった物語。
1つ目はいわゆる「難題婿」で、おじいさんとシームルグの助けを得て、若者が妻を得る物語である。「ディックベール」とは「力持ち」とのことなので、日本神話でいうところの「タヂカラオ」のようなものかと思う。
中間部として、二人の若者の出会いと、「力くらべ」の末の和解と友情が挿入される。インド神話のガルダとインドラの関係に似る。
2つ目は、もう一人の若者の冒険を、シームルグと主人公が助ける物語である。
友愛で結ばれた二人の若者はディックベールは黄帝型神、友人は炎帝型神である。意地悪な舅は彼らに負かされるのだから炎帝型神の舅型といえる。
シームルグは本物語では「母なる鳥」とされ、女神である。「呪的逃走」の場面では「川と石」と「櫛」という有名な2つのモチーフが登場する。
「川と石」のモチーフ:「サルのよめ」、「スルタンのぶち犬」、「山男」
「櫛」のモチーフ:「スルタンのぶち犬」、「紡錘むすめ」
参照:木と鳥
#民話 #ウラテューベ #シームルグ #力くらべ #櫛 #川と石 #黄帝型神 #河姆渡型
「シルクロードの民話 パミール高原」 157-171p
2つのモチーフが組み合わさった物語。
1つ目はいわゆる「難題婿」で、おじいさんとシームルグの助けを得て、若者が妻を得る物語である。「ディックベール」とは「力持ち」とのことなので、日本神話でいうところの「タヂカラオ」のようなものかと思う。
中間部として、二人の若者の出会いと、「力くらべ」の末の和解と友情が挿入される。インド神話のガルダとインドラの関係に似る。
2つ目は、もう一人の若者の冒険を、シームルグと主人公が助ける物語である。
友愛で結ばれた二人の若者はディックベールは黄帝型神、友人は炎帝型神である。意地悪な舅は彼らに負かされるのだから炎帝型神の舅型といえる。
シームルグは本物語では「母なる鳥」とされ、女神である。「呪的逃走」の場面では「川と石」と「櫛」という有名な2つのモチーフが登場する。
「川と石」のモチーフ:「サルのよめ」、「スルタンのぶち犬」、「山男」
「櫛」のモチーフ:「スルタンのぶち犬」、「紡錘むすめ」
参照:木と鳥
#民話 #ウラテューベ #シームルグ #力くらべ #櫛 #川と石 #黄帝型神 #河姆渡型