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化け猫
「北欧民話 アスビヨルンセン 高木眞一訳 山一書房」 19-22p
ノルウェーの民話。水車場が毎年火事になるのだが、その原因は主人の妻が化け猫(魔女)であって、毎年魔女の集会を開いて放火するから、というもの。それを仕立屋が見破って魔女の腕を切り落とした、というもの。最後に三人の関係がどうなったのかは不明。
水車場の女主人は火に関するので「吊された女神」というよりは「燃やされた女神」に近いと考える。本作では彼女が燃やされる代わりに、放火をする側になる。彼女はおそらく悪神に変換されてしまった火を操る太陽女神なのだろう。夫と妻の結末が分からないが、夫が妻を好きになるような話ではないと思うので、妻に裏切られた夫は炎帝型神のうちミーノータウロス型といえるか。賢い仕立屋は、祝融型神のうち、伏羲型である。軻遇突智のような火神が母神を焼き殺した、という神話が一番近い類話のように思う。でも、女神が悪者に変換されているから、あくまでも正しいのは祝融型神の方とされている。この「魔女の集会」が春に行われるものならば、メイポールのようなダンスを行う祭りで、異教の火祭りがかつて存在していて、そのことを指すのかもしれないと思う。ベルティーンでも良いと感じる。元は祭りの起源譚となる神話だったのかもしれない。
余談だが、妻が魔女の集会を開くのではなく若くて美しい黄帝型ランスロットと浮気していたら夫はアーサー王そのものになってしまうのではないだろうか。春の火祭りに太陽女神は古き夫を捨てて、新しい夫と結ばれる、というそういう祭祀があったのかもしれない。その場合燃やされたのは、夫の財産どころではなく古い夫そのものだっかたもしれないと思う。
太陽女神が猫で現されるのはエジプト神話のバステトと同じである。
#民話 #燃やされた女神 #獣 #炎帝型神 #ミーノータウロス型 #祝融型神 #伏羲型神

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2025年12月21日(日) 04時48分07秒〔5時間前〕