No.197, No.196, No.195, No.194, No.193, No.192, No.191[7件]
エルベリヒ(Elberich)とオトニト(Otnit、あるいはオルトニト(Ortnit))
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 135-139p
「怪物退治」譚の変形であり、倒す相手は舅である。
助け手は、主人公の母と父親(エルベリヒ)である。エルベリヒが樹木(菩提樹)の化身であることが示唆されている。
呪的逃走はない。
エルベリヒからは甲冑、盾、名剣ロッセを貰う。
主人公は一応キリスト教徒になっているが、あまりキリスト教的な匂いは感じない、単純な物語である。
参照:ユオン・ド・ボルドー(Huon de Bordeaux)とオーベロン(オベロン、Oberon)
#伝説 #ドイツ #指輪 #魔法のアイテム #菩提樹 #母親 #ホレのおばさん #力くらべ #ドワーフ #オーディン #怪物退治 #こびと #樹木信仰
「妖精の誕生 トマス・カイトリー」 135-139p
「怪物退治」譚の変形であり、倒す相手は舅である。
助け手は、主人公の母と父親(エルベリヒ)である。エルベリヒが樹木(菩提樹)の化身であることが示唆されている。
呪的逃走はない。
エルベリヒからは甲冑、盾、名剣ロッセを貰う。
主人公は一応キリスト教徒になっているが、あまりキリスト教的な匂いは感じない、単純な物語である。
参照:ユオン・ド・ボルドー(Huon de Bordeaux)とオーベロン(オベロン、Oberon)
#伝説 #ドイツ #指輪 #魔法のアイテム #菩提樹 #母親 #ホレのおばさん #力くらべ #ドワーフ #オーディン #怪物退治 #こびと #樹木信仰
ほらがいの子
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 119-122p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 126-129p、タイトルは「ほらがいの川くだり」に変更された。
ほらがいの子をさらおうとして、天変地異が起き、祟られる話。
ほらがいは修験道に関係のあるアイテムである。
また、古代の日本では、貝には「再生させる力」というか「医薬の力」があるとされて、死んだ大国主命を貝の女神が蘇生させる、という神話もある。
地下のなまずが暴れると、地震が起きる、という古来寄りの俗信の「なまず」が修験道の普及に従って「ほらがい」に変更されたものか。
参照:ホラガイ
#昔話 #長野県 #東信 #祟り #貝 #修験道 #天変地異 #水神
「長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 119-122p
「読んで 遊んで とっぴんぱらり 新長野のむかし話 長野県国語教育学会編」 126-129p、タイトルは「ほらがいの川くだり」に変更された。
ほらがいの子をさらおうとして、天変地異が起き、祟られる話。
ほらがいは修験道に関係のあるアイテムである。
また、古代の日本では、貝には「再生させる力」というか「医薬の力」があるとされて、死んだ大国主命を貝の女神が蘇生させる、という神話もある。
地下のなまずが暴れると、地震が起きる、という古来寄りの俗信の「なまず」が修験道の普及に従って「ほらがい」に変更されたものか。
参照:ホラガイ
#昔話 #長野県 #東信 #祟り #貝 #修験道 #天変地異 #水神
マリク・ハッサン cf. ATU550+ATU301+ATU573
「シルクロードの民話 パミール高原」 184-201p
マリク・ハッサンという末子王子が、二人の兄と三人で父王の願いを叶えるために旅に出る。マリクは異界で若い女性と結婚し、助力を得る。また、母なるシームルグを助けて助力を得る。眠っていた女王と交流し目的を達成する。マリクの最終的な目的は父王のために余所の宝を略奪することだから、主人公は祝融型神 のうち、末子型神であり、窃盗型神といえる。
「生命の水、美の水、青春の本」と非常に似た話。鳥に肉を食べさせて飛ばすところは「ラ・ラメー」と似ている。3人兄弟の末子と上の二人との関係は「蛙の恩返し」に似る。鳥を盗むところも「蛙の恩返し」と同様である。
末子王子の異界流譚、英雄がシームルグに助力を得る話、英雄が眠っていた女性と交流して目的を達成する話、の3つが複合的に混ざり合って構成されている。中央アジアではシームルグが住む「世界樹」はプラタナスと考えられているようであり、「英雄ディックベール」と同じ設定である。「英雄がシームルグに助力を得る」というだけなら主人公のマリクは黄帝型神 といえたのだろうが、話が複合的になった結果、主人公は祝融型神 となってしまっている。そしてやはりいくつかの物語が複合した結果だと思われるが、最終的に二人の妻を持つことになる。それが許されるのは語られている地の結婚制度が一夫一妻制ではないからだろう。
神話の上ではペリとデーヴは「善と悪」で対立的な存在だが、この物語の中では、「共に異界に住む妖精」的な存在で、一つの町に仲良く暮らしているようである。
#民話 #中国 #パミール #祝融型神 #末子型神 #窃盗型神 #良渚型
「シルクロードの民話 パミール高原」 184-201p
マリク・ハッサンという末子王子が、二人の兄と三人で父王の願いを叶えるために旅に出る。マリクは異界で若い女性と結婚し、助力を得る。また、母なるシームルグを助けて助力を得る。眠っていた女王と交流し目的を達成する。マリクの最終的な目的は父王のために余所の宝を略奪することだから、主人公は祝融型神 のうち、末子型神であり、窃盗型神といえる。
「生命の水、美の水、青春の本」と非常に似た話。鳥に肉を食べさせて飛ばすところは「ラ・ラメー」と似ている。3人兄弟の末子と上の二人との関係は「蛙の恩返し」に似る。鳥を盗むところも「蛙の恩返し」と同様である。
末子王子の異界流譚、英雄がシームルグに助力を得る話、英雄が眠っていた女性と交流して目的を達成する話、の3つが複合的に混ざり合って構成されている。中央アジアではシームルグが住む「世界樹」はプラタナスと考えられているようであり、「英雄ディックベール」と同じ設定である。「英雄がシームルグに助力を得る」というだけなら主人公のマリクは黄帝型神 といえたのだろうが、話が複合的になった結果、主人公は祝融型神 となってしまっている。そしてやはりいくつかの物語が複合した結果だと思われるが、最終的に二人の妻を持つことになる。それが許されるのは語られている地の結婚制度が一夫一妻制ではないからだろう。
神話の上ではペリとデーヴは「善と悪」で対立的な存在だが、この物語の中では、「共に異界に住む妖精」的な存在で、一つの町に仲良く暮らしているようである。
#民話 #中国 #パミール #祝融型神 #末子型神 #窃盗型神 #良渚型