総論・男神
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各地の男神の神話や伝承をみるに、彼らには3つの大きな機能があるように思う。
- 黄帝型神:(時に植物神として表される)、基本的には善神だが例外もある。
- 炎帝型神:(時に植物神として表される)、基本的には悪神だが、そうでない場合もある。祝融型神の前世として重要。饕餮など。
- 祝融型神:範囲の広い疫神。基本的に悪神だが、王家の始祖神話を中心に善神とされる場合も多い。おおむね、黄帝型神の息子あるいは息子的に描かれる。
神話や伝承によっては、それぞれの性質が入り交じったり、分離したり、区別しがたい場合がある。また父と息子が入れ替わっていたり、別々の男性として描かれることもある。
女神対応表
日本の神話・伝承を中心に対応表を挙げる。
母女神(燃やされた女神) | 父神 | 姉娘神(吊された女神)・妹娘神(厄払い女神・) | 息子神・娘神の夫神・疫神 | 娘神の子神 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
三神婆(三女神の機能をまとめた女神) | 天然痘大王 | 朝鮮神話との対比 | |||
太陽(娘女神の機能をまとめた女神) | 月 | 朝鮮神話との対比 | |||
保食神・姉娘 | 月読命 | 記紀神話 | |||
大宜都比売・姉娘 | 須佐之男命 | 記紀神話 | |||
天甕津日女命・母 | 大国主命(伊農) | 天甕津日女命・娘 | 阿遅鉏高日子根神 | 子神1と2は兄妹といえる | |
多紀理毘売命(市杵嶋姫) | 大国主命 | 下照比売・姉娘 | 阿遅鉏高日子根神 | 一般的な系譜 | |
下照比売・母 | 天若日子 | 阿遅鉏高日子根神 | 管理人の予想 | ||
下照比売・母(出雲系) | 洲羽若彦命 | 伊豆玉姫命 | 武彦根命 | 管理人の予想・諏訪大社上社 | |
八須良姫命 | 速瓢神(出早雄命)・犬神 | 彦神別神 | 管理人の予想・諏訪大社下社旧 | ||
早太郎 | 日本の犬神 | ||||
槃瓠 | 中国神話の犬神 | ||||
八須良姫命(尾張系) | 八須良雄命 | 彦神別神 | 管理人の予想・諏訪大社下社 | ||
八坂刀売(安曇系) | 健御名方命(出雲系) | 会津比売命 | (建五百建命・多氏) | 現在の諏訪大社関連 | |
綿津見神(安曇系) | 豊玉姫・姉娘(安曇系) | (彦火火出見尊・皇族) | 鸕鶿草葺不合尊 | 記紀神話 | |
綿津見神(安曇系) | 玉依姫・妹娘(安曇系) | (鸕鶿草葺不合尊・皇族) | 彦火火出見尊 | 記紀神話 | |
綿津見神(安曇系) | 豊玉姫・梓川水神・姉娘(安曇系) | 穂高見命(ひたかの大明神)(安曇系) | 日光太郎 | 沙田神社風? | |
綿津見神(安曇系) | 八坂刀売・妹娘(安曇系) | 健御名方命(出雲系) | 彦神別神 | 沙田神社風? | |
神八井耳命(皇族) | (会津比売命) | 建五百建命・多氏 | 現在の諏訪大社関連 | ||
宮簀媛(尾張系) | 出雲建雄(出雲系) | 石上神宮風 | |||
宮簀媛(尾張系) | 日本武尊(皇族) | 熱田神宮風 | |||
天甕津日女命・姉娘 | 阿遅鉏高日子根神 | 瀧津彦命 | |||
天甕津日女命・姉娘 | 須佐之男命 | 大年神 | 愛知県伊奴神社的 | ||
神大市比売 | 須佐之男命 | 大年神 | 一般的な系譜 | ||
八上比売 | 大国主命 | 木俣神 | 一般的な系譜 | ||
須佐之男命・五十猛神 | 一般的な系譜的 | ||||
玉依日売 | 火雷命 | 可茂別雷命 | 賀茂氏祖神 | ||
ヒョウタン | 雷公 | バロン | ダロン | バロン・ダロン神話との比較 | |
天照大御神・母 | 建御雷神 | 近戸皇大神社風 | |||
伊邪那美命 | 伊邪那岐命 | 天照大御神・妹娘 | 須佐之男命 | 記紀神話 | |
伊邪那美命 | 伊邪那岐命 | 稚日女尊・姉娘 | 須佐之男命 | 記紀神話的 | |
天照大御神・母 | 天之手力男神 | 記紀神話 | |||
ヒョウタン | アペ・コペン | バロン | ダロン | 伏羲・女媧型神話との対比 | |
嫦娥(姉娘)・西王母(妹娘)的 | 羿 | 逢蒙・黒耳 | 羿神話との対比 | ||
西王母的妻 | 譚華丹 | 甘基王 | ヤオ族の羿的神話との対比 | ||
相柳 | 共工 | 祝融 | 祝融神話との対比 | ||
伊邪那美命 | 伊邪那岐命 | 火之夜藝速男神 | |||
手名椎 | 足名椎 | 櫛名田比売・姉娘 | 須佐之男命 | ||
(八岐大蛇) | 肥長姫・妹娘 | 誉津別命 | |||
西王母・妹娘的 | 黄帝 | 祝融・蚩尤(炎帝・饕餮) | 炎黄闘争との比較 | ||
北斗女神の象徴 | 犬・鶏などの神 | 時に狼など |
のようになる。この表は、管理人なりに出雲神話、記紀神話、諏訪大社などの祭神を検討してまとめてみた。出雲神話では、須佐之男命は大国主命よりも古い世代の神のように描かれるが、疫神であり、阿遅鉏高日子根神と似た性質であること。中国の神話では疫神は黄帝の「子神」の位置にくることなどから、本来は須佐之男命が大国主命の子神の位置に来る方が正しい神話の形式に思えるので、このようにしてみた。また、一つの女神に、複数の女神の性質が混在している点については、天甕津日女命のみでなく、下光比売命、伊邪那美命、天照大御神、八坂刀売などにも、そのような傾向があるように思う。
関連項目
参照他
- Wikipedia:各神対応項目