=== スラブの風神 ===
==== ストリボーグ ====
'''ストリボーグ'''は、[[スラブ神話]]の風神。現代の研究者は風・大気・天候を司る神格と解釈しているが、詳らかにするように史料は遺っていない。[[インド・ヨーロッパ語族]]の古い神に起源があると考えられており、一説に、その名の由来は[[逆成]]の[[インド・ヨーロッパ祖語]]で「父なる神」を意味するという。ただし異説も複数ある。は、スラブ神話の風神。現代の研究者は風・大気・天候を司る神格と解釈しているが、詳らかにするように史料は遺っていない。インド・ヨーロッパ語族の古い神に起源があると考えられており、一説に、その名の由来は逆成のインド・ヨーロッパ祖語で「父なる神」を意味するという。ただし異説も複数ある。
スラブ神話の[[主神]]にして[[東スラブ]]の最高神と考えられているスラブ神話の主神にして東スラブの最高神と考えられている'''{{Anchors|ペルーン}}ペルーン'''もまた、風神の性格を帯びてはいる。しかし本質的に[[雷神]]であり、風は雷霆に伴う特徴の一つである。
=== メソアメリカの風神 ===
==== ククルカン ====
[[マヤ神話]]の最高神であるマヤ神話の最高神である'''ククルカン'''は、[[創造神]]にして[[文化英雄]]神でもある。その名は[[ユカテコ語]]で「羽毛のある蛇」あるいは「羽の生えた蛇」の意[ [[ユカテコ語|yua]]は、創造神にして文化英雄神でもある。その名はユカテコ語で「羽毛のある蛇」あるいは「羽の生えた蛇」の意[yua: {{lang|yua|Kukulkan}}(Kukulkan(=''plumed serpent, feathered serpent''、[[羽毛]]のある蛇、[[羽]]の生えた蛇)]。、羽毛のある蛇、羽の生えた蛇)]。[[イシュムカネーとイシュピヤコック]]、および、[[フラカン]]と共に3度に亘って世界と人類を創造してきた。人類に[[文明]]を授けたと伝えられ、[[アステカ神話]]のと共に3度に亘って世界と人類を創造してきた。人類に文明を授けたと伝えられ、アステカ神話の[[ケツァルコアトル]]と同一神とされる。[[四元素]]([[火]]・[[水]]・[[大地]]・[[大気]]と同一神とされる。四元素(火・水・大地・大気/[[風]])を司る。風)を司る。
==== フラカン ====
==== テスカトリポカ ====
{{Main|テスカトリポカ}}
[[ファイル:Tezcatlipoca 3.jpg|thumb|170px|テスカトリポカ]]
[[アステカ神話]]の主要な神の一柱で、神々の中で最も大きな力を持つとされる'''テスカトリポカ'''は、数多くの異なる神性を有しており、[[夜]]の風の神としての名は「{{lang|nci|Yohualli Èhecatl}};'''ヨワリ・エエカトル'''(意:夜風)」[ [[:en:Classical Nahuatl|nci]]: {{lang|nci|yohualli}}(=''night''、夜)+ {{lang|nci|èhecatl}}(=''wind''、風)]という。[[人身御供]]を好むなど神性は凶悪なものが多く、それゆえに[[宣教師#カトリック教会の宣教師|カトリック教会の宣教師]]たちの目には[[悪魔]]と映った。
==== ケツァルコアトル ====
{{Main|ケツァルコアトル}}
[[ファイル:Quetzalcoatl.svg|thumb|140px|ケツァルコアトル]]
アステカ神話の主要な神の一柱で、[[創造神]]・[[文化英雄]]神である'''ケツァルコアトル'''は、古くからは[[水]]や[[農耕]]に関わる[[ヘビ#信仰|蛇神]]であり、風の神でもあった。それが次第に文明一般を人類に授けた文化英雄神と考られるようになり、[[ギリシア神話]]における[[プロメテウス]]のように、人類に[[火]]をもたらした神ともされるようになった。[[トルテカ文明|トルテカ族]]の祖神から[[アステカ|アステカ族]]の神話に採り入れられてからは創造神の地位にまで高められた。マヤ神話の[[#ククルカン|ククルカン]]と同じ神ともされる。[[スペイン人]]によって旧来の文化を否定されて以降の改変と考えられるが、ケツァルコアトルは平和を愛する神ということになっており、人身御供を嫌って人々にこれを廃止させたという。しかし結局、テスカトリポカの奸計でケツァルコアトルは失脚させられ、習わしは旧に復しており、これは[[10世紀]]のトルテカの王による政変の顛末が神話に取り込まれたものと推定されている。