「槽伏(うけふ)せて踏み轟こし、神懸かりして胸乳かきいで裳緒(もひも)を陰(ほと=女陰)に押し垂れき。」
つまり、
天宇受賣命がうつぶせにした槽(うけ 特殊な桶)の上に乗り、背をそり胸乳をあらわにし、裳の紐を女陰まで押したれて、低く腰を落して足を踏みとどろかし(『日本書紀』では千草を巻いた矛、『古事記』では笹葉を振り<ref group="私注">これらは男根の象徴と思われる。</ref>)、力強くエロティックな動作で踊って、八百万の神々を大笑いさせた。その「笑ひえらぐ」様を不審に思い、戸を少し開けた天照大神に「あなたより尊い神が生まれた」と天宇受賣命は言って、[[アメノタヂカラオ|天手力男神]]に引き出して貰って、再び世界に光が戻った。『日本書紀』も似た記述であるが、胸乳の記述は無く、女陰については「火処(ほところ)焼き」と記され、神々の反応は記されていない。に引き出して貰って、再び世界に光が戻った。『日本書紀』も似た記述であるが、胸乳の記述は無く、女陰については「'''火処(ほところ)焼き'''」と記され、神々の反応は記されていない。 [[天孫降臨]]の際、[[邇邇芸命]](ににぎ)が天降ろうとすると、[[高天原]]から[[葦原中国]]までを照らす神(=[[猿田毘古神|猿田毘古]])が行く手を阻んだ。天宇受賣命は[[天照大御神]]と[[高御産巣日神|高木神]]に、「手弱女だが顔を合わせても気後れしない(面勝つ)からあなたが問いなさい」と言われた。この時の天宇受賣命は『日本書紀』では次のように記述されている。
[[天孫降臨]]の際、[[邇邇芸命]](ににぎ)が天降ろうとすると、[[高天原]]から[[葦原中国]]までを照らす神(=猿田毘古)が行く手を阻んだ。アメノウズメは天照大御神と[[タカミムスビ|高木神]]に、「手弱女だが顔を合わせても気後れしない(面勝つ)からあなたが問いなさい」と言われた。この時のアメノウズメは『日本書紀』では次のように記述されている。
「その胸乳をあらわにかきいでて、裳帯(もひも)を臍(ほそ=ヘソ)の下におしたれて、あざわらひて向きて立つ。」
つまり、乳房をあらわにし、裳の紐を臍の下まで押したれて、あざわらいながら(猿田毘古に)向かって言ったとある。その後、名を問い質すと、その神は[[国津神]]の[[サルタヒコ|猿田毘古神]]と名乗り、道案内をするために迎えに来たと言った。
つまり、乳房をあらわにし、裳の紐を臍の下まで押したれて、あざわらいながら([[猿田毘古神|猿田毘古]]に)向かって言ったとある。その後、名を問い質すと、その神は国津神の[[猿田毘古神]]と名乗り、道案内をするために迎えに来たと言った。 アメノウズメは[[天児屋命]](あめのこやね)、[[布刀玉命]](ふとだま)、[[玉祖命]](たまのおや)、[[伊斯許理度売命]](いしこりどめ)と共に五伴緒の一柱としてニニギに随伴して天降りした。アメノウズメは猿田毘古神の名を明かしたことからその名を負って仕えることになり、(いしこりどめ)と共に五伴緒の一柱として[[邇邇芸命]]に随伴して天降りした。'''天宇受賣命は[[猿田毘古神]]の名を明かした'''ことからその名を負って仕えることになり、[[猿女君]]の祖神となった。一説には猿田毘古神の妻となったとされる。の祖神となった。一説には[[猿田毘古神]]の妻となったとされる。
アメノウズメは猿田毘古神を送って[[日向国]](または[[志摩国]])に帰った後、大小の魚を集めて天孫(邇邇芸命)に仕えるかどうか尋ねた。みな「仕える」と答えた中で[[ナマコ]]だけが何も答えなかったので、アメノウズメはその口を小刀で裂いてしまった。それでナマコの口は裂けている。アメノウズメの功績により、代々の天皇は志摩国から新鮮な海産物が献上される時は、猿女君に与える。