和名'''サトイモ'''の由来は、山地に自生していたヤマイモに対し、里で栽培されることから「里芋」という名が付いたとされる<ref>講談社編, 2013, p189</ref>。
栽培の歴史が長いことから、同音異種や異名同種が多い。タロイモ<ref name="YList">id:7352, Colocasia esculenta (L.) Schott, 2021-10-26</ref><sup><要出典範囲, 2021年12月, イエツイモ、ツルノコモ、ハスイモ></sup>、タイモ(田芋)<ref>講談社編, 2013, p189</ref>、ハタイモ(畑芋)<ref>講談社編, 2013, p189</ref>、イエイモ(家芋)<ref>講談社編, 2013, p189</ref>、ヤツガシラ(八頭)など<ref>編集:佐藤一郎、浅野通有『漢字に強くなる本―これは重宝』光文書院 1978年9月</ref>、ハイモ<ref>[http://www.weekly-ueda.co.jp/tethu/back/main7.html 胡麻を作らない話] 週刊 上田</ref>などのほか、ズイキイモとも呼ばれる<ref>『佐久市志民俗編下』(長野県佐久市、平成2年2月20日発行)1391頁</ref>。
英語では taro(ターロゥ:タロイモの意)、eddo(エドゥ:タロイモやサトイモの意)、dasheen(ダシン:サトイモ属 ''Colocasia'' を表わす同義語)などと呼ばれ<ref>講談社編, 2013, p188</ref>、フランス語では colocase(コロカーズ)または taro(タロ:タロイモの意)とも呼ばれている<ref>講談社編, 2013, p188</ref>。学名の ''Colocasia'' は、ギリシャ語の「食物」を表す “colon” と、「装飾」を表す “casein” を合成した言葉が語源となっている。
== 特徴 ==
大きな葉がついた葉柄が地上に生え、草丈は1.2 - 1.5メートル (m) ほどになる{{sfn|<ref>藤田智監修 NHK出版編|, 2019|p=113}}。地中部には食用にされる塊茎(芋)があり、細長いひげ根が生える。[[日本]]のサトイモは[[花]]を咲かせないと言われるが、実際には着花することがある。着花する確率は[[品種]]間の差が大きく、毎年[[開花]]するものから、[[ホルモン]]処理をしてもほとんど開花しないものまで様々である。[[蕾|着蕾]]した[[株立ち|株]]では、その中心に[[葉]]ではなくサヤ状の[[器官]]が生じ、次いでその脇から淡黄色の細長い[[仏炎苞]]を伸長させてくる。花は仏炎苞内で[[肉穂花序]]を形成する。, p113</ref>。地中部には食用にされる塊茎(芋)があり、細長いひげ根が生える。日本のサトイモは花を咲かせないと言われるが、実際には着花することがある。着花する確率は品種間の差が大きく、毎年開花するものから、ホルモン処理をしてもほとんど開花しないものまで様々である。着蕾した株では、その中心に葉ではなくサヤ状の器官が生じ、次いでその脇から淡黄色の細長い仏炎苞を伸長させてくる。花は仏炎苞内で肉穂花序を形成する。
サトイモは成長した茎の下部が親イモとなり、その周りを囲むように子イモが生じ、さらに子イモには孫イモがついて増えていくユニークな育ち方をする{{sfn|<ref>猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|, 2012|p=108}}{{sfn|, p108</ref><ref>丸山亮平編|, 2017|p=105}}{{sfn|, p105</ref><ref>藤田智監修 NHK出版編|, 2019|p=113}}, p113</ref>。主に子イモを食べるもの、親イモを食べるもの、親イモと子イモの両方を食べる品種がある{{sfn|<ref>藤田智監修 NHK出版編|, 2019|p=112}}, p112</ref>。
サトイモの栽培[[品種]]は[[倍数性#倍数体|2倍体]] (2n=28) および、[[倍数性#倍数体|3倍体]] (2n=42) である<ref>山口裕文、島本義也編著『栽培植物の自然史 : 野生植物と人類の共進化』([[北海道大学]]図書刊行会、2001年)p.153 ISBN 9784832999312</ref><ref>「[https://ci.nii.ac.jp/naid/110001807912/ 2倍体サトイモ(CoIocasia esculenta (L.) Schott)における4酵素のアイソザイムの遺伝分析]」日本育種学会『Breeding science』48(3), pp.273-280, 1998年9月1日</ref><ref>坂本寧男「[https://doi.org/10.3759/tropics.3.19 イモと雑穀-作物と環境]」『Tropics』1994年 3巻 1号 pp.19-32, {{doi|10.3759/tropics.3.19}}</ref>。着果はほとんど見られないが、[[2倍体]]品種ではよく着果する。[[種子]]は[[ウラシマソウ]]などと比較してかなり小さい。