[[太昊型神]]は「生まれ変わる神」と考えられていて、前世では非業の死を遂げ、後世で殺された相手の子供として生まれて復讐する、という逸話を持つ場合がある。「'''殺された男は、その妻の子として生まれ変わる'''」というパターンが多いのだが、阿遅鉏高日子根神の場合は記紀神話では復讐は行わない。ただ、'''「生まれかわり」ということを強調するために'''、'''前世を天若日子'''、'''後世を阿遅鉏高日子根神'''としたのではないだろうか。前世と後世をそれぞれ「別の存在」とすれば、[[天若日子]]と阿遅鉏高日子根神は「異なる神」なのだろうが、その魂はおおむね「同じ神」ということなのだろう。また、'''死者の魂が生まれ変わったもの'''として、怨霊のような「荒ぶる神」として阿遅鉏高日子根神は暴力的な神として描かれるのかもしれない、と考える。
=== 阿遅鉏高日子根神の正体 阿遅鉏高日子根神の正体・私的考察 ===
光っていて「谷二つを輝かせてお渡りになる」とは「'''虹'''」のことと考える。古代の人々は「虹とは星の一種」と考えていたのではないだろうか。台湾原住民のパイワン族は'''百歩蛇'''という毒蛇を祖神としている。この百歩蛇には「虹を伴っていた」という「[[虹蛇]]」の性質がある。オーストロネシア語族を中心として虹を蛇に見立てた「虹蛇」という神が天候に作用するという神話は広く展開している。阿遅鉏高日子根神にも天候神としての性質があるし、彼も「'''[[虹蛇]]'''」なのではないだろうか。[[太昊型神]]のうち、中国神話の[[伏羲]]は蛇神とされるし、[[太昊]]を[[伏羲]]と同一視する説もあるので、[[太昊]]も蛇神としての性質があると考える。