=== 炎帝とはなんだろう ===
古い時代の神々の中に黄帝や伏羲が存在するなら、「炎帝」だっているはずである。そもそも炎帝がいなければ炎黄の対立神話が生まれようもない。炎帝はその体が透き通っていた、ということでも有名である。台湾のアミ族タバロン社にはテヤマサンという美しく光り輝いて体内が透き通って見えた、という女神が登場する。彼女はブララカスという海から来た男に連れ去られてしまう。ブララカスというのは、名前から見て中国神話の「古い時代の神々の中に黄帝や伏羲が存在するなら、「炎帝」だっているはずである。そもそも炎帝がいなければ炎黄の対立神話が生まれようもない。炎帝はその体が透き通っていた、ということでも有名である。台湾のアミ族タバロン社にはテヤマサンという美しく光り輝いて'''体内が透き通って見えた'''、という女神が登場する。彼女はブララカスという海から来た男に連れ去られてしまう。ブララカスというのは、名前から見て中国神話の「'''[[伏羲]]'''」のことであり、テヤマサンとはインドやケルトでダヌと言われる大母女神のことと考える。おそらく彼女はチワン族の「太陽女神」であって、チワン族の言い分によれば、彼女こそがパイワン族にさらわれ、殺されてしまった女神なのだ、ということなのだろう<ref>神々の物語、台湾原住民文学選5、神村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p66-70</ref>。
海にさらわれてしまったテヤマサンは戻ってこない。しかしアミ族の別の神話では、チカナサウという女神がいて、彼女の息子のチマチウチウは海で行方不明になるけれども、魚に乗って戻ってくる。この魚の名がチサイニンといって、おそらくギリシア神話のトリトーンに相当する神と考える。が、ともかくアミ族の人々は「海にさらわれた女神」を「生還する男神」に変えて死なないことにして陸に戻してしまったのだと考える。母のチカナサウがこの生還に関わったとはされていないけれども、もしかしたら彼女の霊力のようなものが、チサイニンを魚に変えて息子を助けた、とされるのかもしれない。チマチウチウはテヤマサンであり、チサイニンでもあると考える。いずれもほぼ「TT」の子音の名を持つ神々である<ref>神々の物語、台湾原住民文学選5、神村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p245-247</ref>。