=== NIN ===
メソポタミア神話の特徴としては、女神にNin-がつくものが多い(ニンフルサグ(Ninhursag)、ニンマー(Ninmah)等)。ただし、これは必ずしも絶対と言うことではなさそうである。例えば、ニヌルタ(Ninurta)という男性神も存在する<ref>ただし、この神は本来女神であった可能性も否定はできない。</ref>。
== 考察に関する問題点 ==
本項には、一般的に述べられている説と私の持論との間の相違が激しい部分があるため、その点を挙げておく。
=== エスタンの性別について ===
[[画像:Yazilikaya reliefs 42 43.JPG|thumb|500px|テシュブとヘバト – ヤズルカヤ遺跡のレリーフ<br>画面右側のスカートを履いている人物がヘバト女神である。<br>この写真では明かでないが、ヘバト女神の後ろには<br>息子神のシャッルマの像が刻まれている。<br>(ポーランド語版wikipediaより)]]
[[ファイル:YazilikayaTexier.jpg|thumb|right|275px|壁画全体の構図<br>(ハンガリー語版wikipediaより)]]
欧米のサイトでは、Wikipediaを初めとしてこの女神を「God(すなわち「男性神」)」として記載しているものが多数みられるため、その点について思うことを少々書いておく。
古代ヒッタイトにはアリンナという都市が存在し、そこに太陽女神が存在するのだが、その女神が神としては1柱であり、複数の呼称を持っていると言うことは、学術論文のレベルでは明かになっているようであるが、一般のサイトで認知されるまでには知識が普及していないように感じる。欧米のサイトでは
* Hebatのみが太陽女神である
* HebatとEstanのみが太陽女神である
という記述が目立つようである。
個人的には、太陽女神であるヘバト(Hebat)の名をつけた皇妃が存在すること。この名から派生した名を持つ神と思われるケルト神話におけるエスニウ(Ethniu)も女神であること。また、「エスター(Esther)」は欧米では女性名であること等は、アリンナの太陽神が女神であることの状況証拠と成り得るであろうと考える。
イスタヌ(Istunu)については、司法神も兼ねているとのことであるが、ギリシア神話のテミス、ローマ神話のユースティティアがいずれも女神であるのだから、女神であってはならないという理由が存在しないと考える。
== 関連項目 ==