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「イスタヌはヒッタイト人とハッティ族の太陽神である。ルウィ語ではティワズ(Tiwaz)またはティヤズ(Tijaz)として知られている。」(英語版wikipedia「Istanu」の項より)<ref>ヒッタイトにおける太陽神として、最高神であるヘバト女神が知られている。イスタヌはかつて、ヒッタイトにおける男性の太陽神であると考えられていたようだが、近年ではヘバト女神と同じもの(すなわち女神)であることが知られるようになっている。英語版wikipediaでは未だに「He」という言葉を使い、男性神として扱っているが、本サイトでは女神として扱う。「シュメールの太陽神ウツ(UTU)はボアズキョイ文書に頻繁に登場するだけでなく、複数の名を持っている。ハッティ族のエスタン、ヒッタイト人のイスタヌ、ルウィ人のティワト、アナトリア語のティヤト、フルリ人のシメギ、アッカド語のシャマス、シュメール語のウツである。...エスタンはハッティ族から女神として信仰され、通称は『女王』であった。」([http://deepblue.lib.umich.edu/bitstream/handle/2027.42/86730/Sonnengott.pdf?sequence=1 Reallexikonder Assyriology]より)</ref>ヒッタイトの太陽女神を考察する場合に、女神が複数の名を持っていることがまず考察の対象となる。ヒッタイトは複数の民族からなる他民族国家であったため、それぞれの民族が自分達の呼び方で神を表していたからである。アリンナという都市に神殿を持ち、「アリンナの太陽女神」と呼ばれたこの女神は、ハッティ族からエスタンという呼ばれていた。この神の名が、何に由来するのかということを調べ始めたのが本項執筆の動機である。= はじめに ==ここで述べる「西方の神名」とは、主に印欧語系とセム語系の言葉になる。古代の地中海周辺で主に話されていた言語である。話者達は「印欧語とセム語は違うもの」と言うかもしれない。私は言語学の専門家ではなく、むしろ外国語は苦手だ。でもざっくりとした印象では特に古代における神名や昔からあるような基本的な名詞、例えば「水」のような言葉は語源から見ても、印欧語系とセム語系でさほど変わりはないように感じるのだ。古代において地中海周辺の人々は互いに交流し、各地の神々と自分の神を自然に比較して別々に分類したり、習合させたりしていた。だから言語体系によらず、神の名前も似通ってくるのは自然の流れだったと考える。
また、本項の考察内容であるが、「神」の語源について一定の傾向があるように思われるために纏めてみたが、各地には固有名詞や地名で呼ばれる神々が存在するため、必ずしも絶対的な法則ではなく、例外もあり得ることは附記しておく。== ヒッタイトの太陽女神 ==多民族国家であるヒッタイトは最高位の主神に太陽女神を置いていた。彼女の呼称は一つではなく、各民族がそれぞれ自分の太陽女神の名を使用して、それが他の民族の太陽女神とも同じものとして考えていたようである。くさび形文字で太陽神のことを'''ウツ(UTU)'''と書いたが、ヒッタイトではこう書いてこれをイスタヌ、ティワズ、シャマシュ、ウツといった各地の太陽神・太陽女神を現す言葉として使用していた。日本では漢字を音読みと訓読みで読むように、くさび形文字で「UTU」と書いても、人によってそれをウツではなくイスタヌとかティワズと呼んでいたのだろう。<ref>ヒッタイトにおける太陽神として、最高神であるヘバト女神が知られている。イスタヌはかつて、ヒッタイトにおける男性の太陽神であると考えられていたようだが、近年ではヘバト女神と同じもの(すなわち女神)であることが知られるようになっている。英語版wikipediaでは未だに「He」という言葉を使い、男性神として扱っているが、本サイトでは女神として扱う。「シュメールの太陽神ウツ(UTU)はボアズキョイ文書に頻繁に登場するだけでなく、複数の名を持っている。ハッティ族のエスタン、ヒッタイト人のイスタヌ、ルウィ人のティワト、アナトリア語のティヤト、フルリ人のシメギ、アッカド語のシャマス、シュメール語のウツである。...エスタンはハッティ族から女神として信仰され、通称は『女王』であった。」([http://deepblue.lib.umich.edu/bitstream/handle/2027.42/86730/Sonnengott.pdf?sequence=1 Reallexikonder Assyriology]より)</ref> ヒッタイトの人々、特に高位の人々には自らの太陽女神を直接名で呼ばない習慣があったようである。ヘバトも「アリンナの太陽女神は杉の国(レバノン)でヘバトと呼ばれている。」と言われており、ヒッタイトの人がヒッタイトの神の名としてみなしていたのかというとそうでもなかった。日本人がかぐや姫のことを「かぐや姫」と直接呼ばずに、「中国で嫦娥と呼ばれている女神」と言うようなものである。
== Estanという言葉について ==

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