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'''カエル'''(蛙、|Frog)は、両生綱'''無尾目'''(むびもく、Anura)に分類される構成種の総称。古称として'''かわず'''(旧かな表記では「かはづ」)などがある。英名は一般にはfrogであるが、ヒキガエルのような外観のものをtoadと呼ぶことが多い。

== 分布 ==
南極大陸を除いた全大陸および多くの島嶼<ref name="arak" />。アカガエル類の一部は、北極線より北にも分布する<ref name="arak" /><!-- 出典では北極圏の北 -->。

== 形態 ==
成体の頭は三角形で、目は上に飛び出している。一見すると頭部には種による差異がないようにも思えるが、実際には天敵対策のために毒液を流し込む鋭い棘を発達させた種や、大きめの獲物を飲み込めるように大きく裂けた顎を持つ種など、種ごとの違いが大きい。中には頭部をヘルメットのように活用して巣穴に蓋をする種もいる。極わずかの例外を除き、上顎にしか歯が生えていないが、歯が無い種類でも、牙状の突起を進化させたものが少なくない<ref>Skulls gone wild: How and why some frogs evolved extreme heads https://www.floridamuseum.ufl.edu/science/how-frogs-evolved-extreme-skulls/</ref>。獲物を飲み込む際には、目玉を引っ込めて強制的に喉の奥へ押し込む。

胴体は丸っこく、尻尾は幼体にしか存在しない。ほとんどの種で肋骨がない。

後肢が特に発達しており、後肢でジャンプすることで、敵から逃げたり、エサを捕まえたりする。後肢の指の間に水掻きが発達するものが多く、これを使ってよく泳ぐ。

前肢は人間の腕に似た形状をしている。ジャンプからの着地の際に身体への衝撃を和らげるのが主な役目である。餌となる小動物に飛びついて両肢で押さえつけたり、冬眠などのために土砂を掘ったり、汚れ落としのために片肢で顔を拭いたりする動作も可能である。アオガエル科やアマガエル科などの樹上生活をする種の多くでは指先に吸盤が発達し、その補助で細い枝などに掴まることができる。人間や猿のように物を片肢ないし両肢で掴み取ることはできない。

[[幼生]]は四肢がなく、ひれのついた尾をもつ。成体とは違う姿をしていて、俗に「'''[[オタマジャクシ]]'''([[お玉杓子]])」と呼ばれる(食器のお玉杓子に似た形状から)。オタマジャクシは一般には、えら呼吸を行うとされるが、一部に肺や皮膚による呼吸機能を持つものが存在する。尾を使って泳ぐため、淡水中でないと生きることができない。オタマジャクシは[[変態]]することで、尾をもたず肺呼吸する、四肢をもった幼体(仔ガエル)となる。

== 生態 ==
水辺で生活し、陸と水中の両方で生活する種類が多いが、ほとんど陸上だけを生活の主体にしているもの、樹上にまで進出しているものもある。完全に水中生活のものはそう多くない。

ほとんどが肉食性で、昆虫などを食べる。小型哺乳類まで食べる大型の種もある。陸上で採食するものは、舌を伸ばし、昆虫をそこにくっつけて口に引っ張り込む。口は非常に大きい。胃袋は広くて柔らかいため、異物などを飲み込んだときは胃袋を吐き出しそれを洗う行動をする<ref name="trivia">{{Cite book |和書 |author=フジテレビトリビア普及委員会 |year=2003 |title=トリビアの泉〜へぇの本〜 2 |publisher=講談社 }}</ref>。胃袋は右寄りに飛び出し、右手からぬぐい出すためカエルは右利きであるとされる<ref name="trivia" />。

呼吸の大部分を[[皮膚呼吸]]に頼っていて、皮膚がある程度湿っていないと生きていけない。わずかに肺呼吸も行っている。その際は口を膨らませ、それによって得た空気を肺に送り込んでいる。つまり、空気を「飲み込む」ような格好になる。これは[[気嚢]]や[[横隔膜]]といった呼吸機構を獲得しておらず、それら補助器官による自発呼吸ができないためである。ただし、{{snamei|ja|Barbourula kalimantanensis}}は肺を持たず、皮膚呼吸のみで生きている。また、海水に入ると[[浸透圧]]により体から水分が出て死んでしまう。ただし、例外的に水から離れて生活したり、[[汽水域]]に棲む種類も知られる。

[[変温動物]]なので極端に暑い、寒い環境の際は土中などで休眠する。

多くの種で体外受精を行う<ref name="arak" />。成功率を高めるため月の満ち欠けに対応して繁殖行動をし、満月の夜にもっとも活発に活動する<ref>{{Cite journal|last=Grant|first=Rachel A.|last2=Chadwick|first2=Elizabeth A.|last3=Halliday|first3=Tim|date=2009-08-01|title=The lunar cycle: a cue for amphibian reproductive phenology?|url=https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0003347209002188|journal=Animal Behaviour|volume=78|issue=2|pages=349–357|language=en|doi=10.1016/j.anbehav.2009.05.007|issn=0003-3472}}</ref>。多くの種は水中で産卵するが、陸上で産卵する種もいる<ref name="arak" />。水面や樹上に泡状の塊をつくり、その中に卵を産むものもいる<ref name="arak" />。卵数は、数個から数万個まで変異が大きい<ref name="arak" />。卵を保護する種や後述する直接発生する種では少卵傾向があり、水中に産んでそのままにする種では多卵傾向がある<ref name="arak" />。卵から孵化した幼生は、水中で自由遊泳する種が多い<ref name="kuramoto">倉本満 「すべてのオタマジャクシ期を経るわけではなく、繁殖様式は変化に富み多様である。」『動物たちの地球 両生類・爬虫類 3 トノサマガエル・モリアオガエルほか』第5巻 99号、朝日新聞社、1993年、66-67頁</ref>。幼生期は数日の種もいれば、数年にわたる種もいる<ref name="arak" />。一方で卵の中で卵黄を吸収して成長し、自由遊泳する幼生期間を経ずに幼体が孵化する(直接発生)する種もいる<ref name="arak" /><ref name="kuramoto" />。さらに輸卵管の中で胚に栄養を与え、幼生や幼体を産む胎生種もいる<ref name="kuramoto" />。

オタマジャクシ期では[[性転換]]することも知られている<ref name=ng190321>{{Cite web|url= https://www.nationalgeographic.com/animals/article/frogs-reverse-sex-more-often-than-thought |title= Healthy frogs can mysteriously reverse their sex |accessdate=2024/10/05|publisher= National Geographic |author= |date=2019/03/21 }}</ref>。

蛙は良く鳴くことで有名である。特に配偶行動に関わって大きな鳴き声を上げるものが多くあり、世界各地で古くから注目された。

日本では水田が多い地方などでは、夜にたくさんの蛙が一斉に鳴き出し、「蛙の大合唱」といって夏から秋の風物詩となっている。夜、家の外から静かに響いてくる蛙の鳴き声の美しさは、多くの俳句や歌に詠まれている。
日本語では、「ケロケロ」「ゲロゲロ」「クワックワッ」などと表記されることが多い。

鳴嚢を膨らませることによって鳴き、鳴嚢はのどの前にある種類と、両側の頬にある種類とがある。


== 人間との関係 ==
=== 食用 ===
大型の種類は、世界各地で食用にされる。日本で「食用蛙」といえば、普通[[ウシガエル]]のことを指す。肉は[[鶏肉みたいな味|鶏肉のささみに似ており]]、淡白で美味である。[[中華人民共和国|中国]]をはじめ、欧州など世界的には、カエルを食べることは特別なことではない。ただし、欧州の蛙食の歴史に於いて先駆的であった[[フランス人]]は、後続の国々から「カエル喰い」と揶揄を込めて呼ばれていた。現在でも英語で '''frog eater''' (フロッグ・イーター)や'''Johnny Crapaud'''(ジョニー・クラポー。クラポーは仏語でカエル)はフランス人に対する蔑称であり、'''frog''' だけでフランス人を指すこともある。現代フランス料理の祖といわれる[[オーギュスト・エスコフィエ]]は、若き日の英国王[[エドワード7世 (イギリス王)|エドワード7世]]に自慢のカエル料理を提供し賞賛を得たが、材料を問われて言葉につまり、「頭が三角になる思い」をしたという。後年、エスコフィエは[[ロンドン]]の「カールトン・ホテル」で評判となった冷製料理「妖精・オーロラ風」がカエル料理だったことを明かし、イギリス食通のあいだに騒動を巻き起こした<ref>{{Harvtxt|21世紀研究会|2004||p=235}}</ref>。食べ方としては[[ソテー]]や[[パン粉]]焼きなどがある。もっぱら腿が用いられる。

中国においてもっとも一般的な食用蛙はアカガエルの一種で、中国語では「田鶏(ティエンジー)」と呼ばれる。冬に食べることが多かったが、現在は養殖されており年中食べることができるほか、[[ハスマ]]と呼称されるカエルを原材料とする[[菓子]]も食べられる。また[[エジプト]]などから大型のウシガエルも移入されて養殖されている。[[安徽省]]や[[福建省]]などでは渓流に住む「石鶏 (シージー、''Rana spinosa'')」も美味と珍重されている。食べ方としては手足の部分の[[から揚げ|唐揚げ]]が最も一般的。上下を真っ二つに切って、内臓を取り出し、[[スープ]]にする場合もある。また、[[華南]]では[[粥]]の具としても利用される。

なお、人へも寄生する[[広東住血線虫症|広東住血線虫]]などが寄生している場合もあるので、生食や野生の捕獲喫食は危険である。

* [[ガマの油]]([[ニホンヒキガエル|ヒキガエル]])
* [[蟾酥]](せんそ)

モデル生物としてカエルが利用されることも多い。発生生物学や生理学の部門での利用が有名である。特に[[アフリカツメガエル]]はよく実験目的で飼育される。脳を切除して[[脊髄反射]]を見る実験は「'''脊髄ガエル'''」という名がつけられている。
[[解剖学|解剖]]の実習では[[蛙の解剖|蛙が定番]]であるが、日本の理科教育においては次第に軽視される傾向にある。

=== 文化 ===
==== 日本 ====
[[ファイル:Chouju sumo2.jpg|thumb|鳥獣戯画]]
[[大和民族]]におけるカエルは、棲息に好適な水辺や水田が多かったことから、常に人にとって身近な存在となっている。古くから[[冬眠]]から覚めて活発に行動する[[春]]から[[夏]]にかけての景物とされ、『[[万葉集]]』以来、特に鳴き声を愛でて詩歌に詠む。例えば[[山上憶良]]が「あまぐものむかぶすきはみ たにぐくのさわたるきはみ」(万葉集巻第五)と詠んだように、[[上代日本語|上代]]では谷間で聞かれる鳴き声から、ヒキガエルを「たにぐく(多爾具久・谷蟇)」と呼び<ref name="Simauchi">嶋内博愛、松枝到(編)「カエルをめぐる象徴性:グリム童話集を起点に」『象徴図像研究:動物と象徴』 言叢社 2006 ISBN 4862090079 pp.147-168.</ref>、『[[古事記]]』にも[[葦原中国]]の神の一柱として[[多邇具久]]が登場する。

[[和歌]]での「かはづ」は、主に鳴き声が美しいことで知られるカジカガエルのことを指すが、この語は[[平安時代|平安]]初期ごろから、混同されてカエル一般を指すようになった。[[俳諧]]においては、カエル一般を指すと思われる用例が増える。[[松尾芭蕉|芭蕉]]の「古池や蛙飛び込む水の音」、[[一茶]]の「やせ蛙まけるな一茶これにあり」等の句は特に有名。「蛙」は春の季語で、これは初蛙のイメージから。「雨蛙(あまがへる)」「蟇/蟾蜍(ひきがへる)、蟾(ひき)、蝦蟇(がま)」「[[カジカガエル|河鹿]](かじか=カジカガエル)」は夏の季語である{{refnest|group="注釈"|「蛙/蝦」は三春(初春・仲春・晩春・義春)・動物に、「雨蛙」「蟇/蟾蜍」「河鹿」は三夏・動物に分類される季語である<ref>{{Harvtxt|齋藤|阿久根|1997}}</ref>。}}。

[[歌舞伎]]では、[[アカガイ]]の貝殻を2枚こすり合わせることでカエルの鳴き声を表現する<ref>{{Cite web|和書|url=http://enmokudb.kabuki.ne.jp/phraseology/phraseology_category/butai/syoumei_to_onkyo |title=歌舞伎用語案内 照明と音響 |publisher=松竹、国立国会図書館、歌舞伎 |accessdate=2020-01-02 }}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://kyoushien.kyokyo-u.ac.jp/taka/1169.html |title=身近な音具たち かえる |publisher=京都教育大学 |accessdate=2020-01-02 }}</ref>。

[[鳥獣戯画]]([[平安時代]]末期)にも、[[ニホンザル|サル]]や[[ウサギ]]とともに、人間に擬せられたカエルの姿が、生き生きと描かれている。また、[[草双紙]]([[江戸時代]])では妖術使いの[[児雷也豪傑譚|児雷也]]が大蝦蟇(おおがま=空想上の化け物)に乗って登場する等、様々な表現のモチーフとなっている。

童謡『かえるの合唱』は、ドイツ民謡を音楽家の[[岡本敏明]]が日本語に訳詞したもの。

[[昭和]]20年代には、カエルは「げこげこ」ではなく「ころころ」と鳴くという表現が一般的であった<ref>『母を讃える』、1949年7月5日発行、高知県教員組合、P34</ref>。

昭和40年代にはカエルを主人公とした漫画および[[アニメ (日本のアニメーション作品)|アニメーション]]『[[ど根性ガエル]]』や、[[着ぐるみ]]劇『[[ケロヨン]]』が人気を博した。

また、[[サンリオ]]は『[[けろけろけろっぴ]]』という子供カエルのキャラクターを創造した。[[宮沢賢治]]は寓話『蛙のゴム靴』で、西洋から渡来のゴム[[長靴]]を晴れた日にも履き、得意になっている文明開化の明治紳士を風刺する中篇を書いている。21世紀にあっても、[[百田尚樹]]の風刺小説『カエルの楽園』のモチーフに使用されている。

[[貝原益軒]]の『大和本草』によれば、カエルの名は他の土地に移しても必ず元の所に帰るという性質に由来すると記述されている。

日本では、「お金が返る(カエル)」として、カエルのマスコットを財布の中に入れておく習慣がある。似たような扱いで、新しいものでは、[[1985年]]に[[日本電信電話|NTT]]が出した「'''カエルコール'''」がある。帰るときに家に連絡を入れよう、というものだが、「今から、カエル」というテレビの[[コマーシャルメッセージ|コマーシャル]]が人気を呼んだ。

一方、[[北海道]]の[[アイヌ民族]]の文化においては、カエルは不吉な生き物とされていた。家にカエルが入り込めば、すかさず炉の熱灰をかけて退治したという。水田耕作をおこなわなかったアイヌにとって湿地帯は利用価値の低い土地で吸血虫の住処であり、そこに住むカエルも同様に忌み嫌われたものらしい<ref>『図解アイヌ』 角田陽一 [[新紀元社]] 2018年 p92</ref>。

==== 日本以外 ====
中国では[[道教]]の[[青蛙神]]信仰の影響から後ろ脚が一つのガマガエルが縁起物として飾られている場合がある。

[[ファイル:Xenopus laevis.jpg|thumb|[[アフリカツメガエル]] ''Xenopus laevis'']]
[[南アメリカ|南米]]のいくつかの地域では、カエルは幸運(特に金運)を招くものと考えられている。このため、カエルを[[ペット]]のように飼ったり、カエルの置物を家に飾ったりすることがある。また、口を開けたカエルの置物に向かって[[コイン]]を投げ、うまく口の中に入れることを競う遊びも行なわれている。

[[西洋]]においてもカエルはよく親しまれている。ギリシャ古喜劇の『[[蛙]]』では、カエルが船をこぐ[[ディオニューソス]]を半ば冷やかしながら歌い続けるシーンからそのタイトルをとっている。
日本語ではカエルという語はカエル目全般を指す総称だが、ヨーロッパ言語では愛すべき生き物としてのカエル(frog,frosh,grenouileなど)と、醜い生き物であるヒキガエル(toad,kröte,crapaudなど)やガマガエル (unke) を区別しており、後者はしばしば人に対する蔑称として使用される<ref name="Simauchi"/>。中世キリスト教ではカエルは死や吝嗇など不浄のシンボルとされたが、死後の世界では魂が水底と地上を循環するという民間伝承を持つドイツでは、水との親和性や冬眠することなどからカエルは人の魂の[[メタファー]]とされた。

[[ノーベル賞]]の授賞式では参加した学生と受賞者がカエルのようにジャンプする「蛙跳び」の儀式があり、これは受賞者のさらなる飛躍を願ってのことである由。受賞者の参加は自由意思によるが、参加した受賞者には「カエル勲章」が授けられる。また[[アメリカ合衆国]]では地域によって[[ウシガエル]]の三段跳び競争が行われている。[[東洋]]においても、農業が盛んな一部の地域では信仰の対象として事実上の保護動物として扱う国々があり、一方で[[ベトナム]]や東南アジアでは主に[[唐揚げ]]として酒の肴とする食用カエルが養育されている。その他[[熱帯雨林]]気候の地域では多種が生息する身近な動物である為、その国ごとの[[ことわざ]]にも登場する例が多い。

この他にも、世界の森林保全を目的に活動する国際NGO団体「レインフォレスト・アライアンス(RA)」が定めた、独自の基準を認証した農園で栽培された作物を使用した商品に対して付けられるマークにカエルを採用している。これはカエルが自然環境に敏感であり、環境が悪化すると他の動物よりも先に消えてしまうと言われているからである<ref>{{Harvtxt|JICA|2011|p=16f}}</ref>。

==== 成句 ====
; 蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)/蛙鳴雀噪(あめいじゃくそう)
; [[井の中の蛙大海を知らず|井の中の蛙(かわず)、大海(たいかい)を知らず]]
: 井の中の蛙(かわず)、大海(たいかい)を知らず(「されど空の高さを知る」と続ける場合もあり、意味が逆転する。元々は「されど空の高さを知る」はなく、日本で勝手に付け加えられたもの)。
; 蛙、オタマジャクシの時を忘れる
; 蛙が兜虫に成る(かえるがかぶとむしになる)
; 蛙の尾
; 蛙の行列
; 蛙の子は蛙
; 蛙の相撲
; 蛙の面に水(かえるのつらへみず)/蛙の面に小便(かえるのつらにしょうべん)
; 蛙の頬被り(かえるのほおかむり)
; 蛙の目借時(かえるのめかりどき)
; 蛙は口ゆえ蛇に呑まるる/蛙は口から呑まるる
; 井底之蛙(せいていのあ)、井蛙之見(せいあのけん)
: 「井の中の蛙、大海を知らず」と同じ。
; 蛇に見込まれた蛙/蛇に逢うた蛙
; [[茹でガエル]](ゆでがえる)
; [[三竦み]]
<!-- == カエルをモチーフとした作品 == この節をコメントアウトします。[[プロジェクト:生物#注意すべき内容]]参照。

==== 音楽 ====
* かわず([[地歌]]) - 「作もの」と呼ばれる滑稽な内容の曲群のうちのひとつ。18世紀中頃の作。作曲者は不詳。真夏の昼下がり、カエルがヘビに食べられそうになるが、カエルは「私の父親はカラスに取られ、何とかその敵を討ちたいと思って親類一同と相談しているのに、今あなたに食べられてはその望みも水の泡、どうか助けてください」と懇願すると、ヘビも「自分も子供をトビに取られた。世の中には似たこともあるものだ」と同情して帰って行く。残ったカエルは「(嘘で)まんまと奴をたばかることができた。口は重宝なものだ」と言って傍らの溝に飛び込んだ。
* ねはん(地歌) - 作曲者不詳。これも滑稽な内容のもので、蓮の葉に溜った露を釈迦の涙のように有り難がっていると、そこにカエルが出てきて、「これは私のしし(小便)で候」という小曲。
* かえるの合唱(作詞・[[岡本敏明]]、[[ドイツ]][[民謡]]、[[文部省唱歌]]) - [[輪唱]]で歌われる曲の一つ。
* おたまじゃくしはカエルの子(作詞:[[永田哲夫]]・[[東辰三]]、[[リパブリック讃歌]]、[[童謡]])
* イップ ニップ ジャンプ(いっぷ にっぷ じゃんぷ)(作詞:[[山川啓介|井出隆夫]]、作曲:[[渋谷毅]])
* あめふりりんちゃん(作詞:[[おーなり由子]]、作曲:[[栗原知己]] - NHK「おかあさんといっしょ」2000年6月のうた。「りんちゃん」とはカエルを模したキャラクター)
* 蛙の夜回り(手遊び歌。作詞:[[野口雨情]]、作曲:[[中山晋平]]。[[替え歌]]として「[[ウルトラマン]]の夜回り」などがある)
* かえるの体操([[谷口國博]])
* かえるのみどりちゃん(作詞・作曲:[[増田裕子]]、歌:[[ケロポンズ]])
* けろっぴロック([[岡崎裕美]])

==== 文学 ====
* [[古池や蛙飛びこむ水の音]]([[松尾芭蕉]])
* やせ蛙負けるな一茶これにあり([[小林一茶]])
* [[がまくんとかえるくん]](''Frog and Toad''、[[アーノルド・ローベル]])
* [[蛙 (喜劇)|蛙]]([[アリストパネス]]:[[ディオニューソス|ディオニュソス]]が地獄へ向かい、[[アイスキュロス]]と[[エウリピデス]]を競争させる)
* [[草野心平]]:(蛙を題材にした多くの詩が有名。合唱曲の詩に採られたものも多い)
* [[カイロ団長]]([[宮沢賢治]])
* ブンナよ、木からおりてこい([[水上勉]])
* かえるくん、東京を救う([[村上春樹]])
* [[かえるの王さま]]
* [[はねがえる]]:[[マーク・トゥエイン]]の小説・[[賭博]]好きの男が蛙跳び競争で大負けする話。

== 食物連鎖とカエル ==
自然界の[[食物連鎖]]の中でカエルは下位の昆虫類や節足動物類の捕食者としての位置づけだけでなく、上位の多くの生物に対する餌としてもカエルの占める位置は非常に重要である。[[ヘビ]]、鳥類などの餌となり{{refnest|group="注釈"|ただし、大型のカエルは反対にこれら捕食者を捕食することもある。}}、陸上における食物連鎖を支えている。特に日本に於いては、耕作農地面積の多くの部分が水田であり稲作の害虫となる[[ウンカ]]を始めとする昆虫類、様々な伝染病を媒介する[[蚊]]を含めた生物を大量に捕食し上位生物の餌となっている。水田の圃場整備をする際は、カエルの生息環境に考慮した工法が望まれる<ref>{{Harvtxt|東|2002}}</ref>。

== 参考文献 ==<!--著作者名の50音順-->
*{{Cite journal |和書|author=東淳樹|date=2003|url=https://doi.org/10.15083/00004243 |title=サシバとその生息地の保全に関する地域生態学的研究|publisher=東京大学大学院農学生命科学研究科、東京大学農学部|journal=東京大学農学部.博士論文 |volume=博農第2480号 |accessdate=2016-07-24|ref={{Harvid|東|2002}}}}
*{{Cite book|和書|author=齋藤慎爾|authorlink=齋藤慎爾|coauthors=[[阿久根末忠]] 編著|date=1997-09|title=必携季語秀句用字用例辞典|publisher=[[柏書房]]|isbn=4-7601-1456-4|ref={{Harvid|齋藤|阿久根|1997}}}}
*{{Cite book|和書|author=21世紀研究会 編著|date=2004-05|title=食の世界地図|series=文春新書378|publisher=文藝春秋|isbn=4-16-660378-7|ref={{Harvid|21世紀研究会|2004}}}}
*{{Citation|last1 = Alexander | first1 = Pyron R. | last2 = Wiens | first2 = John J.|title=A large-scale phylogeny of Amphibia including over 2800 species, and a revised classification of extant frogs, salamanders, and caecilians|journal=Molecular Phylogenetics and Evolution|volume=61|number=2|pages=543-583|year=2011}}
*{{Citation | author = Frost et al. | year = 2006 | title = The Amphibian Tree of Life | url = https://hdl.handle.net/2246/5781 | journal = Bulletin of the American Museum of Natural History | volume = 297 | issue = | pages = 1–291 |doi=10.5531/sd.sp.13 }}
*{{Citation | author = Heinicke M. P. et al. | year = 2009 | title = A new frog family (Anura: Terrarana) from South America and an expanded direct-developing clade revealed by molecular phylogeny | url = http://evo.bio.psu.edu/hedgeslab/Publications/PDF-files/220.pdf | format = PDF | journal = Zootaxa | volume = 2211 | issue = | pages = 1–35 }}
*{{Cite journal|和書|date=2011-06|url=https://www.jica.go.jp/publication/j-world/1106/pdf/tokushu_05.pdf#search='%E3%82%AB%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%81%AE%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF'|format=PDF|title=自然界の変化に敏感!?“カエルマーク”の正体とは…|journal=JICA's World|issue=33|publisher=[[国際協力機構|JICA]]|pages=16-17|accessdate=2016-07-24|ref={{Harvid|JICA|2011}}}}

== 脚注 ==

{{DEFAULTSORT:かえる}}
[[Category:蛙神|*]]
[[Category:動物]]

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