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念の為、比較に苗族の祖神の名を挙げておく。中国の神話では単純に、「魃・応竜」対「蚩尤」の戦いといえる。インドの神話では、これをただ単に男女を入れ替えただけでなく、「デーヴァ」に相当する神を、2つに分けて、一方を「ダヌ女神」と女神に変えてしまい、「勝利者としての蚩尤(デーヴァ)」として、新たに「インドラ」を咥えている。神話というものは、時代が進むにつれて単純なものから複雑なものへと変化し、内容も素朴なものから壮大なものになっていくと考えるので、登場人物が増えているインドの神話の方が後発なのだと考える。
また、蚩尤は死して楓の樹に変化した、とされているが、長江文明の大渓文化の城頭山文化では建築資材として楓の樹が多用されており、蚩尤に関連した呪術的なこだわりがあったと思われる。ということは、紀元前5000年頃~紀元前3000年頃の古代中国で、すでに蚩尤は「負けて殺された神」と考えられていたということになる。インドの最古の宗教的思想ともいえるリグ・ヴェーダは紀元前1500年〜1000年頃に成立しているので、年代的にも中国の神話の方が古いといえるのではないだろうか。
== 概要 ==