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'''地'''(日本語:ち、韓国語:지 (ji/チ、漢字語) 、上代中国語:*l'els)。 | '''地'''(日本語:ち、韓国語:지 (ji/チ、漢字語) 、上代中国語:*l'els)。 | ||
| − | + | 「「地」という漢字は「土」と「也」という音韻から成り、本来の意味は「大地」で、「天」の反対語である。『説文街子』には「太古の気は初めて分離し、軽く清らかな陽は天となり、重く濁った陰は地となり、万物がそこに配置された。これは土と「也」という音韻から成り立っている」と記されている。 | |
== 也・私的解説 == | == 也・私的解説 == | ||
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また手足がないことから、女神は昆虫のような存在と考えられていた可能性もあるように思う。脱皮する蛇や昆虫は「生まれ変わり」の象徴でもある。死した女神が大地や虹に「生まれ変わった」ことの象徴でもあるのではないだろうか。 | また手足がないことから、女神は昆虫のような存在と考えられていた可能性もあるように思う。脱皮する蛇や昆虫は「生まれ変わり」の象徴でもある。死した女神が大地や虹に「生まれ変わった」ことの象徴でもあるのではないだろうか。 | ||
| − | + | また、毒蛇という意味の「虫」という字と比較した場合、'''角のあるものが「也」'''という字で、ないものが'''「虫」'''であると考えられる。ちなみに長野県長野市中条および鬼無里にある「虫倉神社」の「'''虫'''」は「角が生えた虫」という意味と思われる造語が額に使われている。これは[[虹蛇]]のように「角が生えた蛇」という意味で、古くはそのような女神であった、と考えられていたのかもしれないと思う。虫倉神社の祭神は磐長姫とされているが、実際には「大姥様」という土地(山岳地)の女神であり、同時に西王母も祀られている。ただし、伝承を見るに、男子をかわいがったりする傾向があり、大姥様の原型は泰山玉女ではないか、と考える。この女神が、「角の生えた毒蛇」と考えられていたのかもしれない。この女神が、土神であり、かつ「日に向かう神」と考えられていた場合には、地母神兼虹神でもあるかもしれないと思う。長野県麻績村日という地区には「向日神社」という神社があり大土命という土神が祀られている。麻績村に明確な「大姥様」信仰はないが、大土命は、虫倉山の「大姥様」と同じ意味の神ではないか、と考える。 | |
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| + | * 蝶:上代中国語:diép、韓国語:나비(ナビ)、日本語:tiep(てふ) | ||
| + | * 蝉:上古音:*dan、*djan、上代中国語;蟬(chán / ㄔㄢˊ)、蜩(tiáo)、知了(zhīliǎo)、韓国語:매미(メミ)、日本語:セミ | ||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
* 漢語多功能字庫:[https://humanum.arts.cuhk.edu.hk/Lexis/lexi-mf/search.php?word=%E5%9C%B0 地](最終閲覧日:26-03-04) | * 漢語多功能字庫:[https://humanum.arts.cuhk.edu.hk/Lexis/lexi-mf/search.php?word=%E5%9C%B0 地](最終閲覧日:26-03-04) | ||
* 漢語多功能字庫:[https://humanum.arts.cuhk.edu.hk/Lexis/lexi-mf/search.php?word=%E4%B9%9F 也](最終閲覧日:26-03-04) | * 漢語多功能字庫:[https://humanum.arts.cuhk.edu.hk/Lexis/lexi-mf/search.php?word=%E4%B9%9F 也](最終閲覧日:26-03-04) | ||
| + | * 漢語多功能字庫:[https://humanum.arts.cuhk.edu.hk/Lexis/lexi-mf/search.php?word=%E8%99%AB 虫](最終閲覧日:26-03-04) | ||
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2026年3月5日 (木) 02:03時点における最新版
地(日本語:ち、韓国語:지 (ji/チ、漢字語) 、上代中国語:*l'els)。
「「地」という漢字は「土」と「也」という音韻から成り、本来の意味は「大地」で、「天」の反対語である。『説文街子』には「太古の気は初めて分離し、軽く清らかな陽は天となり、重く濁った陰は地となり、万物がそこに配置された。これは土と「也」という音韻から成り立っている」と記されている。
也・私的解説[編集]
許慎《說文》:「也、女陰也。象形。𠃟、秦刻石也字。」とある。「也」という字は女性の陰部の象形だとのことである。ただし、小篆、簡帛文字を見るに、これは「角のある女性で、手足がないもの」の象形に見える。
これはいわゆる「虹蛇」の象形であるし、「地母神」というものを表しているのではないだろうか。蛇のトーテムで表されているのかもしれないし、いわゆる盤古のような神人の体がバラバラになって世界となった、とするならば、神の「肉体」から「大地」ができたことを表しているのかもしれない、と考える。
「也」という文字のみなら、「地母神」に限らず広く「女神的」な存在だが、「地」という文字になれば「地母神」と存在場所が限定される、ということなのではないだろうか。これは「万物を生み出す燃やされた女神」の象形と考える。
また手足がないことから、女神は昆虫のような存在と考えられていた可能性もあるように思う。脱皮する蛇や昆虫は「生まれ変わり」の象徴でもある。死した女神が大地や虹に「生まれ変わった」ことの象徴でもあるのではないだろうか。
また、毒蛇という意味の「虫」という字と比較した場合、角のあるものが「也」という字で、ないものが「虫」であると考えられる。ちなみに長野県長野市中条および鬼無里にある「虫倉神社」の「虫」は「角が生えた虫」という意味と思われる造語が額に使われている。これは虹蛇のように「角が生えた蛇」という意味で、古くはそのような女神であった、と考えられていたのかもしれないと思う。虫倉神社の祭神は磐長姫とされているが、実際には「大姥様」という土地(山岳地)の女神であり、同時に西王母も祀られている。ただし、伝承を見るに、男子をかわいがったりする傾向があり、大姥様の原型は泰山玉女ではないか、と考える。この女神が、「角の生えた毒蛇」と考えられていたのかもしれない。この女神が、土神であり、かつ「日に向かう神」と考えられていた場合には、地母神兼虹神でもあるかもしれないと思う。長野県麻績村日という地区には「向日神社」という神社があり大土命という土神が祀られている。麻績村に明確な「大姥様」信仰はないが、大土命は、虫倉山の「大姥様」と同じ意味の神ではないか、と考える。
類する言葉[編集]
- 蝶:上代中国語:diép、韓国語:나비(ナビ)、日本語:tiep(てふ)
- 蝉:上古音:*dan、*djan、上代中国語;蟬(chán / ㄔㄢˊ)、蜩(tiáo)、知了(zhīliǎo)、韓国語:매미(メミ)、日本語:セミ
