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法文章を中心に編纂された ダブリン大学トリニティカレッジ図書館写本 1336 に所収された説話『クー・フーリンの盾』 ("''Sciath Con Culainn''") には、彼が Duban という名の盾を手に入れた顛末が記されている。クー・フーリンに盾の制作を依頼された職人は、とある事情がありこれを拒否せざるをえなかった。クー・フーリンは「盾を制作しなければお前の命は無い物と思え」と職人を脅迫したが、職人は自身がコンホヴァル王の庇護下にあると主張し、態度を変えなかった。しかしクー・フーリンは聞く耳を持たず「コンホヴァル王に保護を求めようがそれでも職人を殺す」との言葉を残し、去っていった。職人は頭を抱えてしまった。盾には所有者固有の彫刻を施す法律がアルスターには定められており、彼はこれ以上の図像のアイデアが浮かばなかったのである。ところがそこに、職人に同情的なDubdetbaという超自然的人物が現れ、図像の案を提供した。彼の助力を得てクーフーリンの盾Dubanはめでたく完成した。<ref group="注釈">写本や伝承を編集し翻訳したグレゴリー夫人の『ムルテウネのクーフーリン』にはこの説話に相当する箇所がある。</ref>
"''Scéla Conchobair''"はクーフーリンの盾の名を Fuban であるとするが、ストークスによればこれ Dubanの筆写ミスの可能性もある。
==== その他の持ち物 ====
フェルディアとの1日目の戦いは、フェルディアが「スカサハ、ウアサ、アイフェ相手に試せなかった武器はどうだ?」と提案したことから「8つの小さなダーツ、セイウチの歯の装飾が施された8本の直刀、8本の小さい象牙の槍」といったさまざまな種類の武器で戦った。正午から夕方までの武器はクー・フーリンの提案で「投げ槍と強固な亜麻の紐がついた槍」、2日目は「よく鍛えられた槍」、最終日は「一撃が強烈な重たい剣」で戦った。フェルディアとの1日目の戦いは、フェルディアが「スカサハ、ウアサ、アイフェ相手に試せなかった武器はどうだ?」と提案したことから「8つの小さなダーツ、セイウチの歯の装飾が施された8本の直刀、8本の小さい象牙の槍」といったさまざまな種類の武器で戦った。正午から夕方までの武器はクー・フーリンの提案で「投げ槍と強固な亜麻の紐がついた槍」、2日目は「よく鍛えられた槍」、最終日は「一撃が強烈な重たい剣」で戦った。
===== 「空幻魔杖」 =====
フェルグス・マク・ロイヒが語った、少年時代のクー・フーリンの武勇伝に登場する槍。相手は「逃げ上手」という意味の名を持ち、御者によればその名のとおりだというトゥアヘルだったが、クー・フーリンはこの槍を投げつけ、相手を立ったまま引き裂き死亡させた{{Sfn|<ref>キアラン・カーソン|p=69}}, p69</ref>。ちなみに訳者の注によれば、『デル・フリス。「妙技を見せる投げ矢」、または「早業の杖」を意味する{{Sfn|<ref>キアラン・カーソン|p=331}}, p331</ref>。』とのことだが、「空幻魔杖」という単語は前述の2つの言葉の意味からは飛躍しており、訳者である栩木伸明の独自の翻訳だと思われる。
===== 「隠れ蓑」 =====
ティール・タリンギレ(約束の土地)産の生地でこしらえたマント。養父からの贈り物<ref>キアラン・カーソン, p149</ref>。
ティール・タリンギレ(約束の土地)産の生地でこしらえたマント。養父からの贈り物{{Sfn|キアラン・カーソン|p=149}}。 この他にもクー・フーリンは「喋る剣」を所持していたとの説もあり、彼が多彩な武器を操って戦う戦士であったことが分かる{{sfn| <ref>八住 |page=48}}, page48</ref>
===== 「投石器」 =====
 
ケルトでは遠距離武器として投げ槍と並びよく使われる。
 
== 政治的利用 ==
{{節スタブ}}
[[ファイル:Cúchulainn statue.jpg|thumb|アイルランド民族主義からの利用例、「死に瀕したクー・フーリン」像。]]
[[ファイル:K00003X2.jpg|thumb|パトリック・ピアースとクー・フーリンがデザインされた10シリングコイン。1966年発行。]]
イギリスからの独立を主張する[[アイルランド民族主義]]とイギリスとの連合を主張する{{仮リンク|連合主義|en|Unionism in Ireland}}、対立する両主義は共に政治的シンボルとしてクー・フーリンを掲げている{{sfn|佐藤|page=56}}。
 
[[イースター蜂起]]の指導者の一人、[[パトリック・ピアース]]はクー・フーリンを敬愛していたことでも知られている。彼は18歳のころ、クー・フーリンについて以下のように語っている。
 
{{Bquote|もしクーフーリンの物語がヨーロッパのものになっていたならば、ヨーロッパ文学はどんなに豊かなものになっていたことだろう。クーフーリンの物語は世界最高の叙事詩だと思う。完成度においては最高とはいえないが、それでも繰り返していおう、最高の叙事詩だ。ギリシャの物語よりも優れている。ギリシャ悲劇よりも哀れを誘い、しかも同時に精神を昂揚させる。それはクーフーリンの物語が罪なき神による人間の贖罪を象徴しているからだ。原罪の呪いがひとつの民族にかけられる。一人の罪が民族の玄関に運命をもたらす。母の血はその民族につながるが、父は神なる若者はみずからは呪いにかけられていない。若者は勇気によって民族を贖うが、そのために彼は死なねばならぬ。キリスト磔刑の再話のようだ。それとも予言か?<ref>[https://celt.ucc.ie/published/E900007-014/ 「Some Aspects of Irish Literature」Pádraic H. Pearse(原文)]</ref>''|x|x|{{harv|小辻|1998|loc=''『ケルト的ケルト考』''|p=85-86}} }}
 
また、彼が29歳の時に設立した聖エンダ校の校内には、''「もしわたしの名声と行動が後世に生き残るならば、わたしは一昼夜しか生きなくてもかまわない」''という幼きクー・フーリンの言葉を刻んだフレスコ画が飾られていたという。ピアースはこのほかにも、クー・フーリンなどをテーマにした2つの歴史野外劇も執筆しており、彼の人生においてクー・フーリンが与えた影響は計り知れない<ref>{{Cite journal|和書|author=鈴木良平 |date=1998-02 |url=https://doi.org/10.15002/00004626 |title=パトリック・ピアス評伝 : 編集者教育者革命家 |journal=法政大学教養部紀要. 社会科学編 |ISSN=0288-2388 |publisher=法政大学教養部 |volume=105 |pages=23-51 |doi=10.15002/00004626 |CRID=1390853649756740224}}</ref>。
 
クー・フーリンやフィン・マックールの物語は、アイルランドの小学校で教えられるカリキュラムに含まれており、共和国と北アイルランドの双方で教えられている<ref>{{Cite web|title=BBC - Northern Ireland Cu Chulainn - Homepage|url=http://www.bbc.co.uk/northernireland/schools/4_11/cuchulainn/|website=www.bbc.co.uk|accessdate=2020-07-22|language=en-GB}}</ref>。
== 参考文献 ==
* {{Cite |和書 |author = 佐藤亨|title=, 北アイルランドとミューラル | publisher=, 水声社 | date =, 2011 |, ISBN =:978-4891768270|ref={{SfnRef|佐藤}} }}* {{Cite|和書|last=篠田|first=知和基|title=篠田知和基, 世界動物神話|publisher=[[, 八坂書房]]|date=, 2008|, isbn=:978-4896949186|ref=harv}}* {{Cite|和書|last=鈴木|first=弘|title=鈴木弘, 図説イェイツ詩辞典|date=, 1994|publisher=, 本の友社|, ISBN=:4938429810}}* {{Cite book|和書|last=マイヤー|first=ベルンハルト |authorlink = マイヤー・ベルンハルト, :de:Bernhard Maier (Religionswissenschaftler)|translator=[[, 鶴岡真弓]] 平島直一郎|title=, ケルト事典 | publisher=[[, 創元社]] | date =, 2001 |, ISBN = :4-422-23004-2|ref = harv}}
* {{Cite book|和書|last=マルカル|first=ジョン |authorlink = :en:Jean_Markale |translator=[[金光仁三郎]]、[[渡邉浩司]]|title=ケルト文化事典 | publisher=[[大修館書店]] | date =2001 |ISBN = 4469012726|ref = harv}}
* {{cite book ja |year=2001 |title=世界神話大事典 |publisher=大修館書店 |last=リース|first=ブランリー|authorlink=:de:Paul-Marie_Duval|editor=[[イヴ・ボヌフォワ|イヴ・ボンヌフォワ]] |isbn=4469012653 }}
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