差分

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赤ん坊の時に「捨てられた」という点は朝鮮の[[朱蒙]](Jumong)、イラン神話のザール(Zal)を思わせる。両者、特に朱蒙の名は「'''姜央'''」(Jangx Vangb、[[チャンヤン]])に近いのではないだろうか。オイディプスや布洛陀がチャンヤンに近い性質の神々あるいは「人間の英雄」であったことが示唆される。
 
炎黄といえるエテオクレースとポリュネイケースと対立する点は、中国神話の[[蚩尤]]と同じである。オイディプス王は蚩尤のように殺されはしないが、国を追放されてしまう。兄妹婚の末に追放されてしまうところは、日本の須佐之男を思わせる(日本の場合は姉弟婚)。
 
いずれにせよ、オイディプス王の性質より、中国神話の[[逢蒙]]、[[チャンヤン]]、[[蚩尤]]は類似性の高い神々の群であることが推察される。
=== エテオクレースとポリュネイケース ===
==== ポリュネイケースの窃盗 ====
ポリュネイケースは5代前の祖母・ハルモニアーの遺産を盗み出しており、「祝融型神・窃盗型」の性質を有している。彼はこれをアルゴスの王女に送り、アルゴスを味方にするのに利用する。彼が「祖母の遺産を盗み出す」というのは、神話的には洪水の後、誰が「'''母女神の遺産を手にする(その後を継ぐ)'''か」という重要なモチーフの崩れと考える。盗み出されたものは「'''テーバイの王権そのもの'''」を暗示しているともいえる。広く'''「男性の神」が、上位の女神の「権威」や「権力」に関わるものを盗み出す'''、という神話があったと考える。この点ではポリュネイケースは中国神話の'''[[天狗(中国)|天狗]]'''に相当する。ハルモニアーの名は、ヒッタイトのハンナハンナ、ヴェマーレのハイヌウェレ、ミャオ族のバロンに通じる名と考える。この女神群は太母かあるいは「下位の殺される女神」に2分されてしまう傾向があるように感じる。ただし、イナンナのように太母でありながら冥界に下る(殺される例)もある。ハルモニアーは、「権利を盗み出される」という点では「燃やされた女神」にも「吊された女神」にもなり得ると考える。盗み出したのがポリュネイケースであること、ハルモニアーが太母的な地位にあることから、本物語では「燃やされた女神」とすることが妥当かもしれない。でも、「遺産を残す」という形式は「吊された女神」の要素のようにも感じるので、性質は混合しているといえる。に相当する。ハルモニアーの名は、ヒッタイトのハンナハンナ、ヴェマーレのハイヌウェレ、ミャオ族のバロンに通じる名と考える。この女神群は太母かあるいは「下位の殺される女神」に2分されてしまう傾向があるように感じる。ただし、イナンナのように太母でありながら冥界に下る(殺される)例もある。ハルモニアーは、「権利を盗み出される」という点では「燃やされた女神」にも「吊された女神」にもなり得ると考える。盗み出したのがポリュネイケースであること、ハルモニアーが太母的な地位にあることから、本物語では「燃やされた女神」とすることが妥当かもしれない。でも、「遺産を残す」という形式は「吊された女神」の要素のようにも感じるので、性質は混合しているといえる。
=== アンティゴネー ===
余談だが、追放された父王を支えて、娘達がさまよう姿は、リア王のコーデリアを連想させる。
 
=== エリピューレー ===
「エリ(神)」+「B」で表される女神の名は、中国語で「白」のことと思われ、彼女が元は「太陽女神」だったことが示唆される。男性達が争った際に最終的な判断の決定権を持つ点は、その機嫌が古く「'''母系の最高神であった太陽女神'''」の姿を彷彿とさせる。その言動が神々の動向を決定づける、という点はウガリットの太陽女神[[シャプシュ]]とも類似するように思う。他人のものとされているが、彼女が「太陽女神の象徴」であったとも思われる「ハルモニアーの首飾り」を手に入れるのは、物語の筋書きというよりは、彼女の性質から見て妥当といえる。「'''[[養母としての女神]]'''」といえるのだが、後に彼女は息子に殺されてしまう。その点は「'''[[燃やされた女神]]'''」といえる。
 
=== テューデウス ===
[[画像:Hangzhou.jpeg|thumb|300px|猪紋黒陶鉢<br />新石器時代(河姆渡文化)、1977年浙江省余姚河姆渡文化遺跡出、陶器、高さ11.7cm、口径21.7cm、底径17.5cm、浙江省博物館所蔵。体内に葉を持つ猪である。饕餮の原型と考える。<ref>[http://abc0120.net/words/abc2007070901.html 猪紋黒陶鉢。]、考古用語辞典、07-07-09</ref>]]
[[画像:nikuduki.png|thumb|300px|甲骨文字の成り立ち]]
名前の通り「[[饕餮]]」に由来する名と考える。本物語ではポリュネイケースとは、血縁ではないけれども、妻を通して近い人物とされている。彼の特徴は「'''人肉食を行うこと'''」と「アテーナー女神に見放されて'''不死性を手に入れ損なったこと'''。」といえる。
 
[[饕餮]]とは中国神話で「何でも食べてしまう怪物」とされているので、人肉を食べてもおかしくはない。また猿の脳みそを食べる習慣は[[河姆渡文化]]あたりから発生しているとみられる。[[河姆渡文化]]では嬰児を食べていた痕跡もあり、「'''人肉を食べる饕餮」'''とはこのあたりから発達した神なのではないだろうか。
 
饕餮は蚩尤でもある、と言われており、蚩尤は死して楓の樹に変化したと言われている。ということは、植物、特に樹木は蚩尤のような神が死して変化したものと考えられる。また、後に饕餮紋と呼ばれる紋様は奇怪な獣面で表されることが多い。ということは、河姆渡文化では、この神はイノシシと植物を組み合わせた姿と考えられていたのではないだろうか。そして、天体としては「月」と考えられていたかもしれない、と思う。中国では「肉」といえば「豚」のことであり、「月」と「肉」という文字は、同じ甲骨文字から発生している。「月」は「肉」であり「豚」なのだ。豚はミャオ族にとって犠牲獣としても重要だったと思われる。
 
しかし、ミャオ族は、次第に豚よりも大きな水牛を犠牲獣として採用していったように思う。現在、蚩尤が牛の姿をしていると考えられるのは、犠牲獣の水牛を示しているのであって、'''豚が犠牲獣の主流だった時代には、蚩尤(饕餮)は豚の姿をしていたのではないだろうか'''。
 
ともかく、この「人肉を食べる月神」は、その性質ゆえにアテーナーに見捨てられてしまう。この物語で、「もう一人の蚩尤(饕餮)」ともいえるオイディプスは国を追放されているので、月神はいずれも「不幸な最後」を遂げた、といえる。
== 登場人物 ==

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