<blockquote>インドネシア東部セラム島のヴェマーレ族(Vemare)の伝承である。ラビエ(La Vie / Rabie:あるいはラビエ・ハイヌウェレ?)という少女が天に住む太陽の男トゥワレから求婚された。これを拒否すると、ラビエはトゥワレの仕業によって地面に引き込まれて死んだ。ラビエの葬儀を行うと、3日目の晩に、西の空に満月が現れた<ref>[http://suwa3.web.fc2.com/enkan/minwa/sonota/08.html 殺され女神]、円環伝承(最終閲覧日:26-01-01)、[https://note.com/morfo/n/n18b04f8863c1 ハイヌヴェレ神話と月信仰](最終閲覧日:26-01-01)</ref>。</br>
太陽神トゥワレと月の女神ラビエの間に娘ボウワがいた。父トゥワレが人類を滅ぼすために大洪水を起こそうとした際、娘ボウワは母ラビエの助言(または銀の褌を身につける行為)によってそれを非難し、大地は元通りになったが、その出来事により女性に生理が始まった<ref>出典不明。ラビエの物語は引用元のサイトをリンクしておくが、やはり原典を見つけることはできなかった。ただ、解説にイェンゼンの名が見えること、出典が真面目な内容のサイトであること、その他に他地域の神話・伝承が記載されており、この話だけサイト作成者の創作とは考えにくいことから、資料として採用する。</ref>。</blockquote>
これは伊弉諾、伊弉冉、天照大御神の関係に非常に近い物語といえる。大洪水を生き抜いた太陽女神と思われるボウワの母ラビエは、「死せる女神」といえる。ラビエは別の神話の葉犬うぇれと同一視されており、少なくとも女神が亡くなって「月の女神」となり結婚する話と、「芋」に化生してしまうという二通りの話があり、これらが非常に起源の近い物語だったことを示している。女神は亡くなって、月にも芋にもなるのだから、芋は月女神そのものでもある。羿神話の嫦娥は月に不老不死の薬を持っていくし、その薬は月で生産され続ける。日本で月が生産し続けるものは餅である。ということは、日本においては月は餅そのものであり、それは'''伊弉冉'''である、ということになる。
その娘ボウワは母の財産を受け取って後継者となる。ボウワは死んでいないのだから「月女神」ではない。でも、月経の起源譚とされるということは、母の要素が彼女にも一部引き継がれており、「'''母が射られて出血したことで、娘達も出血を起こすようになった'''」という意味を暗に示すのではないだろうか。台湾の日が月に変じる「社日神話」と併せて考えれば、ボウワは母の後継者となる新しい太陽女神なのであり、ラビエは死して月と餅に化生した太陽女神なのである。ラビエは、夫に射殺されたといえる。夫のトゥワレは太陽を射殺して自らが太陽神となった、というのは本来の神話と考える。
日本神話では、伊弉諾・伊弉冉は天体としての性質は失っているが、伊弉冉には「死した太陽女神」として古オーストロネシア語族で語られる「月女神」の性質が備わっている。月とは「死した神」であり、冥界でもあるのだ。ヴェマーレ族の「両親と娘」の神話に近い話が、日本でも語られていたと思われる。それが「両親と天照御大神」の神話へと移されている感がある。
=== ツングース系・遼河文明起源 ===