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ページの作成:「'''皇大神社'''（こうたいじんじゃ）は、京都府福知山市大江町内宮にある神社。旧社格は府社。元伊勢伝承地（吉佐宮）の1つ…」
'''皇大神社'''（こうたいじんじゃ）は、京都府福知山市大江町内宮にある神社。旧社格は府社。元伊勢伝承地（吉佐宮）の1つ。
== 概要 ==
現在伊勢神宮の祭神である[[天照大御神]]は、古くは宮中に祀られていた。この状態を畏怖した天皇の命で、崇神天皇6年から鎮座地を求めて各地を転々とした。垂仁天皇25年最終的に伊勢に落ち着くが、それまでの間に訪れた一時遷座地は、各地で'''元伊勢'''として語り継がれた。
当社はそうした元伊勢伝承地の1つで、「但波（丹波）国乃吉佐宮」<ref>『倭姫命世記』。</ref> の旧跡にあたる。そのため「元伊勢」を冠して称され、また特に皇大神宮（伊勢神宮内宮）の元宮であるとの伝承から、'''元伊勢内宮 皇大神社'''とも称される。
市内大江地域には当社を加えて以下の元伊勢伝承の神社があり、総称して「元伊勢三社」と呼ばれている。
{|class="wikitable"
|-
!colspan="3" | 福知山市大江町の元伊勢三社
|-
|'''皇大神社'''
|福知山市大江町内宮
|[[皇大神宮|皇大神宮（伊勢神宮内宮）]]の元宮伝承地
|-
|'''[[豊受大神社]]'''
|福知山市大江町天田内
|[[豊受大神宮|豊受大神宮（伊勢神宮外宮）]]の元宮伝承地
|-
|'''[[天岩戸神社 (福知山市)|天岩戸神社]]'''
|福知山市大江町佛性寺
|皇大神社奥宮
|}
なお、吉佐宮の伝承を有する神社には、当社の他にも[[籠神社#境外社|真名井神社]]（[[籠神社]]摂社）、[[笶原神社]]、[[竹野神社]]がある。
== 祭神 ==
* '''[[天照大神]]''' - [[皇祖神]]、伊勢の[[皇大神宮|皇大神宮（内宮）]][[祭神]]
== 歴史 ==
『倭姫命世記』に、[[崇神天皇]]39年、天照太神を奉じた[[豊鍬入姫命|豊鋤入姫命]]が鎮座地を求めて但波（丹波）国へ遷幸し、吉佐宮を築いて4年間奉斎したと記すが<ref>同書は続けて「此歳豊宇介神天降坐奉御饗」と、その時に豊宇介神（[[豊受大神]]）が天降って天照太神に[[神饌]]を奉った事を記し、伊勢の豊受大神宮（外宮）が[[雄略天皇|雄略天皇朝]]に丹波国から遷座したとの伝承の伏線をなしている。ちなみに大江町天田内に鎮座する豊受大神社は外宮の元宮であるとされている。</ref>、社伝によれば、当神社はその旧跡であり、天照大神が吉佐宮から遷座した後もその神徳を慕った人々が引き続き伊勢神宮内宮の元の宮として崇敬してきたといい、[[元明天皇|元明天皇朝]]（707 - 15年）に社殿を建立したという<ref>『神社名鑑』昭和38年。</ref>。また、それとは別に、[[用明天皇]]の皇子[[麻呂子親王]]が当地の兇賊を成敗するに際して[[勧請]]したものであるとの異伝もある（[[宝暦]]11年（[[1761年]]）の『丹後州宮津府志』<ref>木下幸吉編『丹後郷土史料集』第2輯〔上〕（[[名著出版]]、昭和47年）に所収。</ref> 所引『天橋記』）。
近世以前の沿革は不明であるが、[[江戸時代]]には4[[石 (単位)|石]]3[[斗]]4[[合]]の[[社領]]を有し（[[天和 (日本)|天和]]元年（[[1681年]]）の『宮津領村高帳』）<ref>[[延宝]]5年（[[1677年]]）に[[徳川家]]から寄進されたという（『神道大辞典』昭和14年）。</ref>、[[明暦]]2年（[[1656年]]）に[[宮津藩|宮津藩主]][[京極高国]]が社殿を造営し（社蔵棟札）、[[元禄]]14年（[[1701年]]）に同[[奥平昌成]]も修造してから歴代宮津藩主もこれに倣ったといい<ref>『神道大辞典』昭和14年。</ref>、また60年に1度の[[式年遷宮]]も行われていた<ref>白水社、昭和60年。</ref>。
[[昭和]]5年（[[1930年]]）府社に列し、戦後は[[神社本庁]]に参加している。
== 境内 ==
<gallery widths="200px" heights="150px">
ファイル:皇大神社 (福知山市) 本殿.JPG|'''本殿'''<br/>桁行3[[間]]梁間2間の[[神明造]][[茅葺]]。内削ぎの[[千木]]を持ち、棟に[[鰹木]]を置く。
ファイル:皇大神社 (福知山市) 拝殿.JPG|'''拝殿'''
ファイル:皇大神社 (福知山市) 入口.JPG|'''鳥居''' 豊受大神社の鳥居と同様の[[黒木]]造りの鳥居。類似した黒木鳥居が[[野宮神社]]に存在する。
ファイル:皇大神社 (福知山市) 和泉式部歌塚.JPG|'''和泉式部歌塚'''
</gallery>
中心に本殿があり、本殿を囲む形でコの字形に末社83社が鎮座している。
* 龍燈の杉
* [[当麻皇子|麻呂子親王]]手植の杉
== 摂末社 ==
=== 摂社（脇宮） ===
本殿の両脇に鎮座。
* 栲機千々姫社 - 本殿左。祭神：[[栲幡千千姫命|栲幡千々姫命]]
* 天手力雄命社 - 本殿右。祭神：[[天手力雄命]]
=== 末社 ===
* 計83社[[ファイル:皇大神社.png|サムネイル|皇大神社の社殿配置図]]
== 主な祭事 ==
* [[9月1日]] 八朔祭
:: かつて宮津藩主が祈願のため行列をなして参拝したといい、それに因んで大名行列を模して練り歩く神事（練込）が行われる。古くは「笹囃子」もあったという。
== 現地情報 ==
; 所在地
* [[京都府]][[福知山市]]大江町内宮字宮山217
; 交通アクセス
{{underline|鉄道}}
* 最寄駅：[[京都丹後鉄道]] [[京都丹後鉄道宮福線|宮福線]] [[大江山口内宮駅]] （徒歩15分）
{{underline|車}}
* [[京都府道9号綾部大江宮津線]]
; 周辺
* [[天岩戸神社 (福知山市)|天岩戸神社]] - 当社の奥宮
* 五十鈴川 - 当社近くを流れる。伊勢神宮（内宮）前の[[五十鈴川]]と同名
== 参考文献 ==
* 神社本庁調査部編『神社名鑑』（神社本庁、昭和38年）
* [[谷川健一]]編『日本の神々－神社と聖地』第7巻山陰《新装復刊》（[[白水社]]、平成12年 ISBN 978-4-560-02507-9（初版は昭和60年 ISBN 4-560-02217-8））
* [[宮地直一]]・[[佐伯有義]]監修『神道大辞典 縮刷版』（[[臨川書店]]、昭和44年 ISBN 4-653-01347-0（初版[[平凡社]]、昭和14年））
== 外部リンク ==
{{commons cat|Kōtaijinja (Fukuchiyama)}}
* [http://motoise-naiku.com/ 元伊勢内宮 皇大神社｜公式サイト]
* [https://www.uminokyoto.jp/genryu/fukuchiyama/page4.html 元伊勢三社 - 福知山市 - 海の京都]（京都府北部地域連携都市圏振興社）
== 脚注 ==
{{DEFAULTSORT:こうたいしんしやふくちやまし}}
[[Category:日本神話]]
[[Category:神社]]
[[Category:元伊勢]]
== 概要 ==
現在伊勢神宮の祭神である[[天照大御神]]は、古くは宮中に祀られていた。この状態を畏怖した天皇の命で、崇神天皇6年から鎮座地を求めて各地を転々とした。垂仁天皇25年最終的に伊勢に落ち着くが、それまでの間に訪れた一時遷座地は、各地で'''元伊勢'''として語り継がれた。
当社はそうした元伊勢伝承地の1つで、「但波（丹波）国乃吉佐宮」<ref>『倭姫命世記』。</ref> の旧跡にあたる。そのため「元伊勢」を冠して称され、また特に皇大神宮（伊勢神宮内宮）の元宮であるとの伝承から、'''元伊勢内宮 皇大神社'''とも称される。
市内大江地域には当社を加えて以下の元伊勢伝承の神社があり、総称して「元伊勢三社」と呼ばれている。
{|class="wikitable"
|-
!colspan="3" | 福知山市大江町の元伊勢三社
|-
|'''皇大神社'''
|福知山市大江町内宮
|[[皇大神宮|皇大神宮（伊勢神宮内宮）]]の元宮伝承地
|-
|'''[[豊受大神社]]'''
|福知山市大江町天田内
|[[豊受大神宮|豊受大神宮（伊勢神宮外宮）]]の元宮伝承地
|-
|'''[[天岩戸神社 (福知山市)|天岩戸神社]]'''
|福知山市大江町佛性寺
|皇大神社奥宮
|}
なお、吉佐宮の伝承を有する神社には、当社の他にも[[籠神社#境外社|真名井神社]]（[[籠神社]]摂社）、[[笶原神社]]、[[竹野神社]]がある。
== 祭神 ==
* '''[[天照大神]]''' - [[皇祖神]]、伊勢の[[皇大神宮|皇大神宮（内宮）]][[祭神]]
== 歴史 ==
『倭姫命世記』に、[[崇神天皇]]39年、天照太神を奉じた[[豊鍬入姫命|豊鋤入姫命]]が鎮座地を求めて但波（丹波）国へ遷幸し、吉佐宮を築いて4年間奉斎したと記すが<ref>同書は続けて「此歳豊宇介神天降坐奉御饗」と、その時に豊宇介神（[[豊受大神]]）が天降って天照太神に[[神饌]]を奉った事を記し、伊勢の豊受大神宮（外宮）が[[雄略天皇|雄略天皇朝]]に丹波国から遷座したとの伝承の伏線をなしている。ちなみに大江町天田内に鎮座する豊受大神社は外宮の元宮であるとされている。</ref>、社伝によれば、当神社はその旧跡であり、天照大神が吉佐宮から遷座した後もその神徳を慕った人々が引き続き伊勢神宮内宮の元の宮として崇敬してきたといい、[[元明天皇|元明天皇朝]]（707 - 15年）に社殿を建立したという<ref>『神社名鑑』昭和38年。</ref>。また、それとは別に、[[用明天皇]]の皇子[[麻呂子親王]]が当地の兇賊を成敗するに際して[[勧請]]したものであるとの異伝もある（[[宝暦]]11年（[[1761年]]）の『丹後州宮津府志』<ref>木下幸吉編『丹後郷土史料集』第2輯〔上〕（[[名著出版]]、昭和47年）に所収。</ref> 所引『天橋記』）。
近世以前の沿革は不明であるが、[[江戸時代]]には4[[石 (単位)|石]]3[[斗]]4[[合]]の[[社領]]を有し（[[天和 (日本)|天和]]元年（[[1681年]]）の『宮津領村高帳』）<ref>[[延宝]]5年（[[1677年]]）に[[徳川家]]から寄進されたという（『神道大辞典』昭和14年）。</ref>、[[明暦]]2年（[[1656年]]）に[[宮津藩|宮津藩主]][[京極高国]]が社殿を造営し（社蔵棟札）、[[元禄]]14年（[[1701年]]）に同[[奥平昌成]]も修造してから歴代宮津藩主もこれに倣ったといい<ref>『神道大辞典』昭和14年。</ref>、また60年に1度の[[式年遷宮]]も行われていた<ref>白水社、昭和60年。</ref>。
[[昭和]]5年（[[1930年]]）府社に列し、戦後は[[神社本庁]]に参加している。
== 境内 ==
<gallery widths="200px" heights="150px">
ファイル:皇大神社 (福知山市) 本殿.JPG|'''本殿'''<br/>桁行3[[間]]梁間2間の[[神明造]][[茅葺]]。内削ぎの[[千木]]を持ち、棟に[[鰹木]]を置く。
ファイル:皇大神社 (福知山市) 拝殿.JPG|'''拝殿'''
ファイル:皇大神社 (福知山市) 入口.JPG|'''鳥居''' 豊受大神社の鳥居と同様の[[黒木]]造りの鳥居。類似した黒木鳥居が[[野宮神社]]に存在する。
ファイル:皇大神社 (福知山市) 和泉式部歌塚.JPG|'''和泉式部歌塚'''
</gallery>
中心に本殿があり、本殿を囲む形でコの字形に末社83社が鎮座している。
* 龍燈の杉
* [[当麻皇子|麻呂子親王]]手植の杉
== 摂末社 ==
=== 摂社（脇宮） ===
本殿の両脇に鎮座。
* 栲機千々姫社 - 本殿左。祭神：[[栲幡千千姫命|栲幡千々姫命]]
* 天手力雄命社 - 本殿右。祭神：[[天手力雄命]]
=== 末社 ===
* 計83社[[ファイル:皇大神社.png|サムネイル|皇大神社の社殿配置図]]
== 主な祭事 ==
* [[9月1日]] 八朔祭
:: かつて宮津藩主が祈願のため行列をなして参拝したといい、それに因んで大名行列を模して練り歩く神事（練込）が行われる。古くは「笹囃子」もあったという。
== 現地情報 ==
; 所在地
* [[京都府]][[福知山市]]大江町内宮字宮山217
; 交通アクセス
{{underline|鉄道}}
* 最寄駅：[[京都丹後鉄道]] [[京都丹後鉄道宮福線|宮福線]] [[大江山口内宮駅]] （徒歩15分）
{{underline|車}}
* [[京都府道9号綾部大江宮津線]]
; 周辺
* [[天岩戸神社 (福知山市)|天岩戸神社]] - 当社の奥宮
* 五十鈴川 - 当社近くを流れる。伊勢神宮（内宮）前の[[五十鈴川]]と同名
== 参考文献 ==
* 神社本庁調査部編『神社名鑑』（神社本庁、昭和38年）
* [[谷川健一]]編『日本の神々－神社と聖地』第7巻山陰《新装復刊》（[[白水社]]、平成12年 ISBN 978-4-560-02507-9（初版は昭和60年 ISBN 4-560-02217-8））
* [[宮地直一]]・[[佐伯有義]]監修『神道大辞典 縮刷版』（[[臨川書店]]、昭和44年 ISBN 4-653-01347-0（初版[[平凡社]]、昭和14年））
== 外部リンク ==
{{commons cat|Kōtaijinja (Fukuchiyama)}}
* [http://motoise-naiku.com/ 元伊勢内宮 皇大神社｜公式サイト]
* [https://www.uminokyoto.jp/genryu/fukuchiyama/page4.html 元伊勢三社 - 福知山市 - 海の京都]（京都府北部地域連携都市圏振興社）
== 脚注 ==
{{DEFAULTSORT:こうたいしんしやふくちやまし}}
[[Category:日本神話]]
[[Category:神社]]
[[Category:元伊勢]]
