妻が間男と謀って先夫を殺した話他

2026/02/06比較伝承

台湾

姦通した妻に殺された夫

昔、貧しい夫婦がいて、食べるものもなかった。そのため夫は他社へ行き、久しく家へ帰ってこなかった。夫が留守にしている間、ある男が妻に言い寄って「夫が帰ってこないのなら、我々は夫婦になろう。」と言った。妻は了解し、二人は酒を酌み交わして飲み、一緒に寝た。
前の夫が家に戻ってきたが、途中で賊に会った。賊は「私に荷物持ちをさせて欲しい。そして賃金をくれ。」と言った。そうやって男の家の中に入り込み、家人が寝静まったら物を盗むつもりだったのだ。
男が承諾したので、賊は荷物を運び、家の中の暗いところに隠れた。
夫が帰ってくると、その様子に気がついた間男は隠れた。妻は夫に酒を勧め、無理矢理飲ませたので夫は酔い潰れて倒れた。
夫が酔い潰れると、間男が出てきて妻と相談し、夫を殺すことにした。そして夫を蛇で殺した。
この様子を見ていた賊は恐ろしくなって逃げ出した。
社の頭目が死人が出たことを聞きつけやってきて妻に問いただした。妻は「誰が夫を殺したのか分からない」と言った。
ある日、頭目は偶然、例の賊に会った。賊は自分が見たことを頭目に話してしまったので、誰が夫を殺したのか頭目は知ってしまった。頭目は妻と間男の二人を殺した。(パイワン族パイワン群カチライ社、神々の物語、台湾原住民文学選5、神村徹編、草風館、2006年8月1日出版、p437-439)