肌の色は青・赤・黄・緑・黒の5色で、「'''青鬼'''(あおおに)」「'''赤鬼'''(あかおに)」「'''緑鬼'''(みどりおに)」「'''黄鬼'''(きおに)」「'''黒鬼'''(くろおに)」などと呼ばれる。この5色は五行説と五蓋説が組み合わさったものと言われ、木+瞋恚蓋=「青(鬼)」、火+貪欲蓋=「赤(鬼)」、土+掉挙蓋=「黄(鬼)」、金+睡眠蓋=「緑(鬼)」、水+疑蓋=「黒(鬼)」になったとされる(本来五行説の金に対応する色は白であるが、五蓋説と結びついた際に緑に変じたという)<ref>門賀未央子「<small>青・赤・黄・白(緑)・黒</small> 鬼が五色のわけ」八木透 監修『日本の鬼図鑑』青幻舎、2021年 ISBN 978-4-86152-866-8 P160.</ref>。
鬼は、地獄において閻魔王の元で亡者を責める獄卒としての鬼のイメージが現在もよく知られている。鬼は「○○童子]]」と名付けられる場合があった。これには「鬼は、地獄において閻魔王の元で亡者を責める獄卒としての鬼のイメージが現在もよく知られている。鬼は「○○童子」と名付けられる場合があった。これには「[[酒吞童子]](しゅてんどうじ)」の名で呼ばれる大江山の鬼が最もよく知られている。
今でも、日本の山や[[山地]]には、「かつて鬼が棲んでいた」という伝説で彩られたものが少なくない。今でも、日本の山や山地には、「かつて鬼が棲んでいた」という伝説で彩られたものが少なくない。
現在、「悪い物」「恐ろしい物」の代名詞として使われることの多い「鬼」という語であるが、例えば、[[鳥取県]][[伯耆町]](旧・[[日野郡]][[溝口町]])では、村を守った「強い物」として鬼を崇めていたり、[[青森県]]の[[岩木山]]では鬼の善行に感謝して、[[神社]]の「[[神 (神道)|神]]」として鬼を祀っているなど、これらのほかにも日本の各地には鬼を善的に捉え、また、畏敬の念で見ている例が少なくない。[[節分]]の[[豆まき]]に見られるように、鬼が厄災をもたらすとする信仰も根強いが、まったく逆に、鬼が[[悪霊]]を追い払い、人に幸福をもたらしてくれる存在と考えている例も少なからず見られる現在、「悪い物」「恐ろしい物」の代名詞として使われることの多い「鬼」という語であるが、例えば、鳥取県伯耆町(旧・日野郡溝口町)では、村を守った「強い物」として鬼を崇めていたり、青森県の岩木山では鬼の善行に感謝して、神社の「神」として鬼を祀っているなど、これらのほかにも日本の各地には鬼を善的に捉え、また、畏敬の念で見ている例が少なくない。節分の豆まきに見られるように、鬼が厄災をもたらすとする信仰も根強いが、まったく逆に、鬼が悪霊を追い払い、人に幸福をもたらしてくれる存在と考えている例も少なからず見られる<ref name="日本大百科全書">小学館『日本大百科全書』鬼の項目(渡辺昭五 記名の版)。</ref>。
一方、[[中世]]の[[能楽]]の世界では、鬼を人の[[怨霊]]と化したものか、[[地獄]]のものとする例が多い。昔話の中の鬼は、一種の[[英雄]][[物語|譚]]のなかで定型的に懲らしめられる悪者の役を負わされていることが多い。鬼が悪者であったとする現代の鬼の一般的イメージは、ここから広まった部分が大きいともいわれる<ref name="日本大百科全書"/>。