狭姫は考えた。オカミは雨を降らす良い神だが、大山祇巨人と足長土<ref>足長土は「あしなづち」、また手長土は「てなづち」とも読み、八岐大蛇神話に登場する足名椎命と手名椎命に掛けている。手長足長が元。</ref>はどこかに追いやらなければらない。
赤雁に乗って国中駆け回った狭姫は三瓶山]赤雁に乗って国中駆け回った狭姫は'''三瓶山'''麓を切り開いて巨人たちを遊ばせることを思いつく。
帰路についた狭姫は巨人の手長土に出会った。「夫はいるか?」と問うと、「かような長い手ですもの」と手長土は自らを恥た。「私も人並み外れたちびだけど、種を広める務めがある。御身にも務めがあるはず」といって、狭姫は足の長い足長土を娶せた。手の長い手長土と足の長い足長土は夫婦で力を合わせて幸せに暮らしたという。オカミは後に八幡の神と入れ替わって岡見にはいないが、今でも時化の前には大岩を鳴らして知らせてくれるという。